過去の雑記 03年 5月上

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5月 1日
月も変ったことだし、せめて映画にでもと思ったが、結局1日SRWα2。今週、徒歩10分圏の外に出てないな。というか、一言も会話というものをしていないような。かなりまずい状態のような気もするけど、それなりに楽しいからいいか。< 良くはない

SRWα2はブレンパワードと逆シャアの決着。電波の利いた会話のオンパレードで鬱陶しいことこの上ない。なにがオーガニックエネルギーだ、なにが人の革新だ。いい歳して、そんな夢みたいな言葉を弄びながら戦争してんじゃねえよ。「人間」としてすべてに決着をつけたトビアを見習え。こうして連続してセリフに触れてみると、クロスボーンと、ブレンや逆シャアは同じ富野作品とは思えないなあ。

コーヒーを飲もうと思ったら、突如カップの底から水漏れが。どうやらどこかにヒビが入ってしまったらしい。就職してからずっと使ってきた、思い入れのあるマグカップなので、すぐに捨てるにはしのびないのだが、磁器のひび割れというのはどうしたら直るのだろう。米の研ぎ汁につけるってのは土鍋だっけ?

さらにSRWα2。最終1個前、ゾンダー&メガノイドシナリオ(注:ルートによって違う)。ついに万丈先生の戦いに決着がつくのだから是非とも気合を入れて戦おう、と思っていたのだがかなり流してプレイしてしまった。正直、クロスボーン以降のシナリオはおまけみたいな感が。インパクトの強い面というのも良し悪しだ。

S-Fマガジン考課表更新してます。5月号はノンフィクション中心だったためか、派手目の点のほとんどない地味な点数状況になりました。「おまかせ!レスキュー」がベストというのは寂しいものが。

5月 2日
SRWα2、クスハ篇、最終面。聞きしに勝る配置にげんなり。熱血サンアタックでも壊れない雑魚が10いくつに、サンアタック10数回分の中ボス3つに、50回近い大ボスって。なあ。しかも、大ボスは位置固定、体力回復なし、時間制限なしというんだから緊張感の欠片もなく。どうにか中ボスまでは片付けたものの、大ボスに手をつける気力がどうしてもわかなかったので、しばらく間を置くことに。シナリオ展開上、一体で強さを見せつける必要があったのはわかるが、それならそれで、これ以外の回答はなかったのか。大ボスだけを残した状態で、射程範囲外にユニットを並べて精神力の回復を待つという邪道な戦略を許しちゃいかんよ。

中島あつき『鮮紅街』(ビームコミックス)。亜人と我人。疎みあい、憎みあう二つの諸族の間のひとつの事件。草なぎ琢仁を思わせる色使いに惹かれて手にとってみたら、当りでした。絵よりも、ドラマが魅力的なタイプ。姿形は違えども、風俗習慣が違えとも、長い憎しみの連鎖があったとしても、互いに人であることさえ認めればきっと分かり合うことができる。前向きの主張が爽快な作品。

中村融・編『不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選』(河出文庫)。河出の海外SF/ファンタジー路線の新展開はヒロイック・ファンタジーアンソロジー。今回はヒロイックファンタジーの基礎を抑え、ジャンルを俯瞰するための教科書系。コナン、ジレル、ファファード&グレイ・マウザー、エルリックと基本中の基本のヒーロー、ヒロインが並ぶ中、「サクノスを除いては破るあたわざる堅砦」のレオスリックがいてくれるのはたいへん嬉しい。何度読んでも、サクノスは名品だなあ。

サクノスはサクノスなので名作に決まっているとして、最大の収獲は<切れ者キューゲル>が活躍するヴァンス「天界の眼」。小悪党キューゲルがわずかなページの中で存在感を遺憾なく発揮。それだけに、一段落で話が終わってしまうのが残念でしかたがない。この続きが紹介されないというのは、ほとんど拷問に近いんですが。是非とも、キューゲル物二作の刊行希望。

5月 3日
SFセミナーに参加する。人と会話をするのは五日ぶりなので話し方を忘れてるんじゃないかと思ったが、どうやらなんとかなったようだ。

昼飯に食ったパスタがいつまでも胃の中で暴れていたので、昼企画で観たのは半分。一日一食でゲームをするという隠棲生活のうちに昼飯の消化の仕方すら忘れてしまっていたらしい。長期休暇の場合生活習慣を維持することは大切ですね。

観た企画の詳細は世の其処彼処(こういう字なのか)に溢れていると思うので省略。すべて60分という尺は短いかと思ったら、なんとかなっていた模様。SFラジオドラマ企画は、まったく知らない世界の話なんで興味深かった。ラジオとはいえ、野球の雨傘でSFネタの番組がやれる時代もあったのか。

いつもの店で夕食を食い、いつものように消化不良をおこしつつ合宿へ。前半はトキオ社長の成長ぶりに感心しつつ古本ブースの売れ行きを観察。「それが売れ残ることは許せない」という本を人に売りつけるべく努力する。努力したところで微塵も利益にならないが、満足感は得られるので良し。とある企画の詳細を決めた後は、狂喜乱舞の海外SF企画の話を聞いたり、昨今の大学SF研事情を聞いたり、懐かしきゲームの数々の話をしたり。「超人ロック」はいいよね。うん。

5月 4日
身内に見捨てられたり、朝飯を食ったり、人を唆したりした後、部屋に戻り仮眠。夕方から、志村さん、細井君と上野で飲む。呼べば来るという評判を僕が立てようと画策している某氏は、来なかった。昼間から通してならともかく間が開いちゃうとしかたがないよな、と思いつつ、この事実は心の帳面につけておくことにする。

飲みながら、セミナーの感想とか、政治力学とか、心の狭さ勝負とか。辛辣度の高い人が入社数週間で協調性の無さを見抜かれたという話はあまりにらしすぎる。

2件目に入った飲み屋で大変に旨い酒に出会った。日本酒なのに25度もあるという徳島の酒。品のいいウィスキーのような味わい。これだけ旨いとストレートで飲みたいところを、体調を鑑みロックで飲んだが、それでもなんの問題なく。近いうちにまた行こうと決心したことである。

5月 5日
SRWα2クリア。大ボスを壊す作業の退屈ささえがまんすれば、ラストシナリオはなかなか。全体としても概ね好印象。詰め込みすぎの敵たち(ミケーネ帝国、恐竜帝国、邪魔大王国、バーム星人、ボアザン星人、暗黒ホラー軍団、ゾンダー、メガノイド、ドクーガ、リクレイマー、ネオジオン、木星帝国)も、なんとか消化してはいるし、プレイヤーへのサービスと考えれば納得の範囲。ゲームとしてはかなりぬるいけど、キャラゲーなんでこんなもんでしょう。金銭投資に見合う作品だったのではないかと。

5月 6日
SFセミナーでたこいきおしさんに薦めていただいたので読んでみました。草川為『ガートルードのレシピ』1-3巻(花とゆめCOMICS)。力ある悪魔から奪ったパーツを繋ぎ合わせて作られた人造悪魔ガートルード。パーツを取り戻そうとする悪魔の襲撃をかわしながら、彼は自分の創り方を記したレシピを捜し求める。と、逆百鬼丸路線まっしぐらと思いきや、出てくるなりガートルードに塩(魔を払う効果がある)をぶっかけた戦うヒロイン佐原さんのおかげで、しっかり恋愛ものになるのだった。

登場人物がみな、しっかりと前を向いているのがチャームポイント。特にヒロインの佐原の凛とした毅さはすばらしい。ガートルードを誘き出す餌として捕えられたときも、無理と承知で逃げようとあがく。戦いの場では、囮となってガートルードをサポートする。常に自分のできることを探し、努力する姿には惹かれずにはおれません。

岡崎二郎『ファミリーペットSUNちゃん!』1巻(ビッグコミックス)。タバコをふかしウィスキーのグラスを傾ける小粋なサンショウウオのサンちゃんを主人公とする、人情物連作。そういえば『アフター0』でも人情話に良作が多かったような。落ちの切れ味を求める話よりも、こちらのほうが上手いような。涙もろくて人情に厚いサンちゃんのキャラが光る。

5月 7日
TV Bros.のとり・みき「遠くへ行きたい」が終了してしまった。最終回という感触のまるで感じられない唐突な終わり方は作品に似合ったものだと思うので、それ自体に不満はないが、ブロスで最も面白い連載の終了は残念でならない。だれが(何が)後を継ぐのかは知らないが、「遠くへ行きたい」の後任にふさわしい作品であることを切に願う次第。

5月 8日
改めて、丸川トモヒロ『成恵の世界』1〜5巻(角川コミックスA)。おたく少年と宇宙人少女の清く正しいラブコメ物。古本ローラーゲット作戦などSF好きのツボをつくネタの数々には心を許しそうになるが、全体に漂うおたくに対する優しさがどうにも馴染めず、いま一歩入り込めなかった。だめだ。だめなんだよ。こんなに理解されちゃ駄目なんだ。もっと、こう偏見に満ちた目で見られてないと。身内は身内で、毒に溢れた自虐の目で見返してないと。暖かな理解なんて嘘に決まってるんだ。そんな目で俺を見るな!< 自虐が過ぎて素直な心を失った例

5月 9日
改めて、古賀亮一『ゲノム』1〜3巻(カラフルコミックスkids)と『ニニンがシノブ伝』1,2巻(電撃コミックス)。暴走する言葉に身を任せるうちにどれがどの作品だったかわからなくなるのが欠点。どちらかと言えば、駄目キャラの層が厚い『シノブ伝』の方が好みかな。いや、好みだからどうって話でもないけど。

ついでに、とってもいまさら安倍吉俊『ニア アンダーセブン』(角川コミックスA エクストラ)。このまったりとした中に、漂う物寂しさは大変に好みではあるけれど、もう少しまとまっている方がいいな。

5月10日
五十嵐大介の名前に抵抗できず「IKKI」2003年6月号を買ってくる。漫画家の陣容も、結果としての作品群も大変にレベルが高く、高パフォーマンスの雑誌だと思うのに、どうにも好きになれないのは、全篇に溢れる強烈な自意識ゆえ。編集担当が明記されるところとか、応援してくれる書店コーナーとか。それぞれに意義があるというのは頭では理解できても、作り手、売り手は黒子に徹してくれよという思いも否定できず。言いがかりのような反応だと自覚はしているのだが……。

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