- 5月 1日
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久々に中野先生の家に行き、 「Lord of the Rings -War of the Ring- 」をプレイした。指輪戦争全体を扱ったFANTASY FLIGHT GAMESのボードゲーム。
専用ダイスによる行動回数決定とイベントカードで行動決定し、エリアマップ上のミニチュアを動かしてVPエリアを奪い合いつつ、ダイス&タイルによる指輪をめぐる攻防も行う。往年のSPIのゲームなどに比べれば充分シンプルなルールで指輪物語を再現している。1時間のチュートリアルの後、6時間プレイとかなり時間はかかったが慣れればもう少し短縮できるだろう。ゲーム展開はかなりヒストリカル(笑)で、指輪ファンなら楽しめること請け合い。サルーマンのファンは特に(イセンガルドが実に強力なのだ)。
今回のプレイではサウロン側を担当。指輪が滅びの山に迫る中、なんとかゴンドールとローハンは落としたものの、後詰を置き忘れたミナス・ティリスをガンダルフ率いるローハン残党に落とされ万事休す。なすすべなく指輪を捨てられてしまった。序盤の動きの鈍さと、堕落タイルの引きの悪さが敗因。イセンガルドの強化と自由の民の諸邦への侵略のどちらを優先するかが鍵か。
サウロン配下の城砦は全国に散らばっており拠点防御が難しい。序盤は何も考えずにサルーマンを活性化、戦力を早めに北方シフトし、一気にロスローリエン、リーヴェンデルを落とすという戦略もありなのかも。問題は北方人をどうするか、かな。
- 5月 2日
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アニメとか特撮とかを録画で。
ガイキング:チキチキ雑魚メカ猛レース。せっかくのコメディ回なのに感動的なほど盛り上がらない。それはもう、わざと笑いを殺すように演出しているとしか思えないほど。ただでさえ画力がかわいそうなのに、演出力までこれでは哀しすぎです。
リュウケンドー:悪夢を見せる魔法にかかったリュウジンオーは、天知司令に両親を殺されたことを明かす。という本筋っぽい話はどうでも良くて、今回はイチコ&リツコ先輩のコスプレがメイン。チャイナ、パジャマ、チア、魔法使い、婦警とエンディングまで使っての大プッシュ。なぜこんなことになっているのか、さっぱりわかりません。いったい何がしたいんだろう。面白いからいいけどさ。そういえば、細川ふみえの幽霊を最近見ないけど、どうしたんですかね。
ボウケンジャー:プレシャスは天才発明家のアイデア・ノートの写本だった。てっきり10体目のメカが出てきて2号ロボ合体だと思ってたので、これはびっくりでした。そうか9体合体を先にやるのか。サージェスのうさんくささが今回限りだったのは、戦隊としては納得の展開なんだけど少々残念。もっと引っ張るほうが、話に緊張感が出ていいと思うんだけどなあ。明石の独走の真の理由が「冒険したいから」というのは良かった。さくら姐さんのボディフックも。
あさりよしとお『少女探偵 金田はじめの事件簿』(白泉社JETS COMICS)を読んだ。表紙の女性は本編となんの関係もありません。
「かの有名な探偵の孫」であり部活で探偵をやっている女子高生・金田はじめと、この道一筋30年のベテラン少年探偵・小林正太郎、全裸のすけべ椅子探偵・エロキュール・ポルノら個性的な名探偵陣が数々の難事件を解き明かす。
連載からかなり間が空いたんで闇に葬られたとばかり思っていたのになぜか復活。投げっぱなしになっていた最終話にも書き下ろしで落ちがついてます。あさりよしとおのワンアイデア書き逃げ系としては、ふつうの出来。
作中、「金田なんて名探偵いたっけ?」というギャグがでてくるけど、金田正太郎くんがいますね。歳も終戦の頃に少年探偵だから、孫が2000年に高校生でちょうどいいくらい。
表紙はどうみても唐沢なをき(が擬古調で書いているとき)なんで、あさりよしとおファンの方は見落とされないように。
BSアニメ夜話「ヤッターマン」を観た。山本正之が出演するからというのも理由のひとつだったのだけど、先生はなぜかローテンション。全体にいまひとつ盛り上がらなかった。アイちゃん変身シーンの話題でのコメンテイター陣の壊れ方も予定調和くさいしなあ。岡田斗司夫の「いま偉そうに押井守を語っている奴もヤッターマンを観てたんですよ」発言はちょっと良かったけど。そらそうだ、だって押井守もコンテ切ってんだし。
終盤になってやっと興味深い発言がいくつか。「ヤッターワンは車輪で動くから、メカに使う枚数をドラマに使える」「タツノコは総合スタジオだから現場の反応を取り入れやすい」「ヤッターマンはドラマではなくバラエティだ」「このシリーズがメタなことをすべてやって、アニメの枠を壊してしまった。アニメはその後二〇年かけて枠を作り直している」など。
- 5月 3日
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例によって例のごとく、憲法記念日なのでSFセミナーに参加。今年は荒川に代わる名大の現役生が参加。彼によると現在の現役会員は2年が6人、1年が3人くらいで、会報を作るという話もあるんだとか。会として持ち直してきてるのか?
本会で印象深いのはやはり浅倉久志パネル。伊藤典夫とのはじめての出会いや、デビューのきっかけ、思い出深い作品、ふだんの翻訳の仕方など、興味深い話が目白押し。知っているエピソードでも、あの飄々とした語り口で聞くとまた違った味わいが。いやほんと楽しいひと時でした。4コマ目のバイリンガル企画は運営が難しいのかちょっともたついていた。ゲストのジーン・ヴァン・トロイヤーの力でなんとかはなっていたけど、テーマにも無理があったように思う。2コマ目、3コマ目は……、パネラーの方には申し訳ないがロビーでゴロってました。いやほら、昼休みから帰ってきたらもうはじまっていたとかいろいろあって。
合宿ではわりとまじめに企画参加。1コマ目は「浅倉久志を囲む部屋」に行こうとするも超満員で果たせず、大広間で名古屋赤味噌ビールを飲んでましたが。飲んでる間はさほどでもないけど、後味がおもいっきり味噌で思わず笑いがこみあげてきましたよ。2コマ目は出演側で海外短篇企画に参加。SFMは参加者全員読んでいるという前提で話せるのはありがたい。参加者の方の助けもあって、思ったより盛り上がってたと思います。3コマ目は「SFではないという部屋」に半分ほど。どんな心無い言葉が飛び出すかとわくわくしていたら、意外とどれも(なんらかの形で)SFだった模様。
あとは大広間でいろいろと。尾之上さんや福井さんとアニメ・特撮の話をしたり。僕に3倍する作品数を消化しているおふたりの話を聞きながら、自分の選択がさほど間違ってないという確信を得た。現在の特撮がどれもこれもすばらしいという認識も一致。時代は特撮なのか。またSF大会用新クイズ調整の実験台になったり(曹が書けなかったのは恥ずかしい限り)、プロだまりの横で話を聞いたり、若者のオールタイムベスト選出を眺めたり(若者の記憶力に呆然)も。なんか、ナチュラルに朝まで起きてましたよ。もう若くないから無理しないようにしようと天に誓ったはずなのに。
プロだまりの横で聞いた話はどれもえらく面白かった。聞き始めたときの話題は、完璧な翻訳理論などはないという話だったのかな。『新しいSF』で訳し得ない英文を見事訳しとおして見せたほどの英語の天才、野口幸夫がなぜ《チェンジウィンド・サーガ》のようになってしまったのかとか、矢野徹の訳文も雑誌で翻訳講座をしたことをきっかけに狂っていったとか。そこから黒丸訳の評価の話題を受けて、黒丸ゼラズニイと浅倉ゼラズニイのどちらが好きかという話に。非人間的な黒丸ゼラズニイと人情味のある浅倉ゼラズニイ、ゼラズニイの本質に近いのは浅倉ゼラズニイなのかもしれないが、好きなのは黒丸ゼラズニイ、のような話の流れ。
そして、水鏡子師匠がゼラズニイには文体しかないと言い始めたあたりから、ニューウェーヴとはなんだったのかという話に。ここでせっかくの機会だから「同じものには見えないイギリスNWとアメリカNWが同じ「ニューウェーヴ」なのはなぜか」と聞いてみたら、柳下さんから「ニューウェーヴの本質は文体を選ぶことだから」という答えをもらった。マーケットが小さく一般文芸への越境を目指さねばならなかったイギリスNWはより実験的な、コンデンス・ノヴェルに代表される文芸実験の方向を目指し、マーケットが大きい分エンターテインメントでありつづけることを要請されるアメリカNWはスタイルの洗練、かっこよい文体の獲得を目指した。しかしどちらも「『いかに語るか』もまた『語るべきこと』でありうる」という方法論の具体例であるという点で共通するという。
シルヴァーバーグの再評価とか、ディレイニーは作り物に過ぎるとか、他にも興味深い話はあったが、今回のSFセミナー参加で一番の収獲がこれ。
- 5月 4日
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スワンウィック『グリュフォンの卵』は、傑出したところはないものの粒の揃った短篇集だった。他人の声を借りるばかりで、自身の声が聞こえないのはどうかと思うが、たぶんそれがスワンウィックの声なのだろう。
で、それはそれとして。解説を読んでいて気になったのだが、頻出する「ポスト・ニューウェーヴ」ってなんなのだろう。昨日のSFセミナー(の合宿大広間)では「ニューウェーヴの本質とは文体の選択だ」という話があったが、『グリュフォンの卵』解説での「ポストNW」という言葉は、なんらかの世界観をあらわすものとして使われているようだ。文体にポストが付くと世界観になるというのも変なので、ここでいうNWはなにか世界観を伴うものなんだろう。そして、そのポストも別の世界観を持つと。それはどんなしろものなんだろう。どうもこう「ポスト」だの「2.0」だのという言葉を見ると、ありもしない集合をでっちあげているんじゃないかと疑いたくなっていけない。
と、mixiで書いたら反応があった。
「ポスト・ニューウェーヴは世代・デビュー時期的にニューウェーブのひとつあとの世代」「世界観や思想が60年代を通過した(というより60年代が終わったあとの)ものになってる」(具体的な作家なども教えていただいた)
なるほど。「ニューウェーヴの理念」→「それを共有する集団」→「その《ポスト》世代」→「その集団に共通する気分、世界観」で、「ポスト・ニューウェーブ」の世界観が定義されるというのは納得がいく。で、その世界観がニューウェーブとどう連続するかを理解するには、ぼくの知識がいろいろ足りなかったんで結論は保留。
このやりとりの中でふと思い浮かんだサイバーパンクとの対比は面白かったんでメモしておこう。
| 中の人の主張 | 外から見た特徴 |
ニューウェーヴ | 語り方 | テーマ(内的宇宙) |
サイバーパンク | テーマ | 語り方(ハードボイルド文体) |
重要な要素をいくつも無視した乱暴なまとめだけど。
最近買ったCDをメモ。
川井憲次「立喰師列伝サントラ」:
いつもの川井節なので、P1のサントラがあれば充分という気もするが「妄想ブギ」に惹かれて買ってしまった。ブギはいいなあ。笠置シズ子をちゃんと聴くべきか迷い中。
meg rock「clover」(ソルティレイOP):
なにをかいまさらとお思いでしょうが。カラオケで聞いてみたら、OPとして聞いていたときより印象が良くなったので買ってみた。歌がとぎれずつづく感じがちょっと楽しい。
妖精帝國「鮮血の誓い」(錬金3級まじかるぽか〜んOP):
悪くはないが、OP画がないと印象がボケる。
「轟轟戦隊ボウケンジャー」:
透明感があって悪くはない。悪くは無いんだけど面白みにはかけるんだよなあ。と思っていたが、繰り返し聞いていたらなんだか味が出てきた気も。
Do As Infinity「Do The Best "Great Supporters Selection"」:
「夜鷹の夢」(ゾイドジェネシスOP)の入ったCD(CDモドキじゃない、CDマーク付きCD)が欲しかったんで。
- 5月 5日
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チェコアニメ映画祭2006 Cプログラムを観る。@新宿 K's cinema。半月前に吉祥寺バウスシアターで観ているのだけど、その時はかなり寝てしまったので改めて。
- パヴェル・コウツキー:皮肉やブラックジョーク含みのコミカルなアニメ。Aプログラムにも多くの作品があり、今回の映画祭の柱のひとりといえる。悪くはないが全体に軽く、プログラムを支えるほどの力はない。
- 『履歴書』:あるアニメ作家(コウツキー自身)が学校時代に学んだことをアニメーションで。まったくもってそれだけ。
- 『ジレンマ』:右の扉からでるか、左の扉からでるか。男はひたすら悩み続ける。わずか2分の小品。これだけ取り出してどうこうという作品ではない。
- 『カタストロフィー』:ソファに座っている男。学者の話す災厄の予言に当初は恐怖を覚えるが次第に慣れてしまい、右から左に聞き流すように。しかし、そこに本当に恐ろしいものが。しだいに荒唐無稽になる災厄は楽しい。それくらいかな。
- 『ひとめぼれ』:ガードの固い女を懸命にくどく男。最後の言葉もはねつけられ、ついに自殺を試みるが。新たな女を見つけてすべてを巻き戻す所はちょっと面白かった。
- ミロスラフ・シュチェパーネク:Dプログラム全作品および各プログラム1本の美術を担当しているこの映画祭の柱。とぼけた感じのシンプルな作品が多い。『復讐』『おじいさんは 40人』『動物が好きな男』『りんごのお姫様』と各プログラムの主力級作品に名を連ねている。代表作はポヤルと組んだ《ぼくらと遊ぼう!》。
- 『タフなビリーとジャイアント・モスキート』(監督:ヴァーツラフ・ベドジフ):伝説のカウボーイ、ビリーが人間ほどもある巨大な蚊の群れを退治する。アメリカ風トール・テールをアニメ化。蚊がコミカルながら気色悪くて良い。複眼がすべて人の眼になっているシーンはちょっとグロすぎですてき。
- ヨゼフ・チャペック
- 『郵便屋さんの話』(監督:エドゥアルド・ホフマン):郵便局の精が見つけた宛先のない封筒をとどけるため、1年かけてチェコ中をまわる郵便屋さん。やさしい画風のおとぎ話。
- ズデネック・スメタナ
- 『めがね』:数々のドッグショーで優勝した飼い犬を溺愛する男。散歩の途中眼鏡を無くしてしまった男は何もできずに困り果てるが犬はなにもしてくれない。自分が寒いからと服までとりあげられた男は、飼い犬を追い出し、眼鏡を取ってきてくれた野良犬と暮らすことにする。それだけ。素朴な画で描かれた犬はちょっといいかな。
- ヨゼフ・パレチェク
- 『魔法の果樹園』(監督:リプシェ・パレチュコヴァー):アラブの伝承のアニメ化。財宝をみつけた善良な男。その金で果樹園を作ろうと苗を買いに行く途中、たくさんの籠の鳥をみかけた。男が苗を買う金で鳥たちを解放すると、鳥が加えてきた種から魔法の果樹園が生まれて。挿絵風の画はきれい。
- 『けしのみ太郎』(監督:ボフスラフ・シュラーメク):おじいさんとおばあさんがけしのみ太郎に字を教える。おそらく幼児向け教育番組の一部。
全体の印象は4プログラムで一番弱い。Bプログラムはパヴラートヴァーだけでもそれなりなので、『おじいさんは40人』と『タフなビリー』を入れ替えると少し幸せになった気が。
- 5月 6日
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下北沢トリウッドで「カナダ・アニメーション・フェスティバル 2006春」を観る。NFBのアカデミーノミネート/受賞作を集めたプログラムA(56分)と、新作を集めたプログラムB(51分)の二本立て。
プログラムA
○コリン・ロウ『カナダ横断冒険物語』(11分20秒/手書きセル/1952年)
タイトル通り、カナダの交通史を軽いギャグを交えたアニメーションで紹介。テイストとしては、テックス・アヴェリーの嘘歴史ものに近い。こちらはほんとな訳だが。
○ジェラルド・ポッタートン、グラント・マンロウ『ファイナンシャル・キャリア』(6分30秒/切り紙/1962年)
銀行口座を開設しようとして苦闘する男のユーモア・スケッチ。小粋な小品。
○ピーター・フォルデス『餓鬼』(11分22秒/2D CG/1974年)
デリカテッセンで、レストランで、自宅で、ひたすら貪り食う男が最後に。人間が自動車に、食器に、ぐにぐにと変形していくのが面白い。たぶん、ラピュタ阿佐ヶ谷のアニメフェスでかかったこともあるはず。
○ジョン・ウェルドン、ユーニス・マコーレイ『特別な配達』(7分7秒/ドローイング/1978年)
家の前の雪かきをさぼったことから次々と起こるトラブル。展開の読めないスラップスティック・コメディ。ショートショートとして秀逸。あっさりした絵柄もストーリーにマッチしている。
○アリソン・スノーデン、デイビッド・ファイン『ジョージとローズマリー』(8分48秒/手書きセル/1987年)
向かいに住む熟女に恋しながらどうしても言い出せない中年男。ついに勇気を振り絞って女性の家に向うと、彼女もまた。ほのぼのとたわいないロマンス。
○ウェンディ・ティルビイ『弦楽四重奏』(10分19秒/ガラス板にドローイング/1991年)
自室で友人たちとの演奏会を楽しむ老人。雨漏りを直すため上の階の部屋を訪れると。アパートの上下に住む男女の対比。ドローイングが実に美しい。
プログラムB
○コ・ホードマン『マリアンヌの人形劇』(15分47秒/マリオネット+影絵人形/2004年)
マリオネットの魔術師が操る影絵人形の演じるアクロバット。技術的な高さはわかるが、ストーリーが皆無なので長く観るには辛い。
○ニコラ・ブロー『北極の小島』(7分1秒/2D CG/2003年)
氷の上で釣りをするイヌイットたちの姿をユーモラスに描く。こちらも後半飽きがきた。
○ジャック・ドルーアン『心の刻印』(6分3秒/ピンスクリーン/2004年)
ドルーアン得意のピンスクリーン。得意は良いんだけど、なにか話を用意してくれないと5分オーバーは耐えられない。
○ミッシェル・クルノワイエ『アコーディオン』(5分59秒/紙にペン画/2004年)
アコーディオンが女性の姿にあるいはキーボードに。次々と姿を変えつつサイバーセックスのイメージを紡ぐ。らしい。イメージを読み取る前に疲れて寝ちゃったよ。
○ジョディ・サミュエルソン『マーベル武勇伝』(14分25秒/2D CG/2004年)
「家族とのふれ合いで更年期障害を乗り越え、成熟する主人公をコメディタッチに描く」だそうな。前からの流れで半分意識を失ってからなあ。起きてたとしても長すぎると思うけどな。
プログラムAは、物語的な面白さと技術的な面白さの両立する作品ばかり。さすがはアカデミーノミネート作。ベストは『餓鬼』(技術優位)と『特別な配達』(物語優位)。
プログラムBは、全般にストーリーがないか、長すぎる。プログラムAに比べて視聴者への要求が大きすぎ。
夕方から元ユタ。今日の参加者は、海老沢玉希、大森望、小浜徹也、堺三保、佐藤徹、添野知生、高橋良平、林、牧みいめ、三村美衣、宮崎恵彦(あいうえお順、敬称略)。
僕が聞いた主な話題は、SFセミナー反省会、日本沈没、沈没しないがキーワード、CSを観るのは忙しい、ブレイブストーリーとゲド戦記、新人賞、ヤクルト・ミルミルのCF、短篇アニメ、いくつもの武部画集、東企画、最近の若者たち、いまもつづいているファンジン、ヨーロッパ人よりも自転車競技を観ている、小松左京マガジンの付録、amazonとbk1のアフリエイト、書籍1万くらいはすぐ溜まる、ドイツのバカSF映画など。
小松左京マガジンの付録は、定期購読者向け最新号に日本沈没の(試写会?)チケットがついてきたという話。上記メンバーで付録を入手したのはひとりだけというのはいかがなものか。
ドイツのバカSF映画は大森望さんによると、
(T)Raumschiff Surprise - Periode 1 (2004)。「マニトの靴」の監督の第2作。オカマのカークとスポックがダースベイダーと戦ってバック・トゥ・ザ・フューチャーする話。ドイツ版「スペースボール」というか、もっとくだらない。
邦題は「ドリームシップ エピソード1/2」だそうです。配給はもちろんトルネード・フィルム。
とのこと。
- 5月 7日
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べつやくれい『ココロミくん』(アスペクト)を読む。デイリーポータルZでべつやくれいが描いた記事(例: 江戸前サンドイッチ ←これは新しすぎて収録されてない)をまとめたもの。おおむねWeb上でリアルタイムに読んでいるわけだが、改めて読むと気の抜け方が大変心地良い。このひとのイラストは味わい深いのでどんどん活躍して欲しいなあ。ハヤカワ文庫NFあたりでどうですか。
本書の中だと「新しいコスプレ」がマイベスト。「逆さまになって食べる」と「かっこいい鼻めがね」も捨てがたい。
ところで。「べつやくれいは別役実の娘」という豆知識をいろんなところで披露してみたのだが、感動的なほど誰にも反応してもらえなかった。ほぼ確実に、べつやくれいを知らないか、別役実を知らない。僕が知ったときは思いっきり驚いたのに。驚きを共有してくれる人、募集中。
ノルマ達成のための本も地道に読んではいるが、そちらはいまひとつ進まない。どうも気分がべたなSFモードであるようだ。いかんなあ。どんな気分のときでも任意のジャンルの本を読めるか、任意のジャンルの本を読むときはその本モードに切り替わるようにしないといけないのになあ。
それはそうとアニメとか特撮とかはそこそこ消化し、積み残しはカブトとマイメロ。ボウケンジャーのさくら姐さん武装化話は楽しくてよかったが、アサルトライフルで倒される雑魚というのはどうなんだろう。それと、雑魚を別組織から借りねばならないダークシャドウは人材育成に努めるべきだと思った。
×首戦魔女雑怪巨
×領闘術性魚人大
白××○×○×△ ※ガジャは魔術(技術)幹部扱い
赤×○××○×○(メカ) ※リューオーンは戦闘幹部扱い
青○○×○×○○(巨大化)
表にしてみると、ダークシャドウがいちばん戦隊敵組織のパターンに忠実なのだな。
書店にて、『わたしを愛した狼』なる本をみつける。扶桑社ミステリの4月新刊。0.5秒ほど凍りかけたが、人狼もののラブロマンスはファンタジーかホラーであり、また間違ってもベスト20入りはしないので年末に苦労する筈もない、というわけで全力でスルー。これなら、ローレル・K・ハミルトンのほうがよほど。いや、そっちも読む予定はありませんが。
- 5月 8日
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mixiで流行っていたので腐女子漫画経験値を試してみた。◎14 ○37 △10 ×39。「絵は確実に知ってるのに作品名を思い出せない漫画家」はとりあえず×に。ちょっと○が少なすぎ。他の人の回答をみたら、プロのまんが読みのひとたちは現役腐女子に匹敵することがよくわかった。一般人は◎○あわせて50前後くらい(特殊な一般人だけどな)。
しかし腐女子漫画だと、ゆうきまさみもあさりよしとおも島本和彦も入らないのだなあ。これは、ヲタ男子版を考えると面白いかも。
- 5月 9日
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腐女子漫画経験値の亜種として、ヲタ漫画家経験値というのを考えてみた。元ネタの精神に鑑み、ヲタな漫画家、ではなくヲタの会話に登場しがちな漫画家をリストアップしようとしたのだけど、どうも基準がゆらぎがちでいまひとつ決まらない。当初案はこんな。
赤塚不二夫 / 赤松健 / あさりよしとお / あずまきよひこ / 吾妻ひでお
荒川弘 / 荒木飛呂彦 / 五十嵐大介 / 石川賢 / 石ノ森章太郎
伊藤明弘 / 伊藤潤二 / 今市子 / 岩明均 / 楳図かずお
浦沢直樹 / 江口寿史 / 大島弓子 / 大友克洋 / 岡野玲子
小畑健 / 片山まさゆき / 桂正和 / 唐沢なをき / 川崎のぼる
清原なつの / 久米田康治 / CLAMP / 車田正美 / 黒田硫黄
高河ゆん / 小林源文 / 坂田靖子 / 島本和彦 / ジョージ秋山
しりあがり寿 / 士郎正宗 / 師走の翁 / 杉浦茂 / 須藤真澄
高野文子 / 高橋葉介 / 高橋留美子 / 竹宮恵子 / 竹本泉
つげ義春 / 鶴田謙二 / 手塚治虫 / 冨樫義博 / トニーたけざき
とり・みき / 鳥山明 / 永井豪 / 永野護 / 那州雪絵
萩尾望都 / 長谷川裕一 / 原哲夫 / PEACH-PIT / 氷川へきる
聖悠紀 / 平野耕太 / 日渡早紀 / ふくやまけいこ / 藤子不二雄(F,A)
藤島康介 / 藤田和日郎 / 星野之宣 / 細野不二彦 / 松本零士
水木しげる / 水樹和佳子 / 宮崎駿 / 宮下あきら / 諸星大二郎
安彦良和 / 山岸涼子 / 山口貴由 / 山田章博 / 山本直樹(森山塔)
ゆうきまさみ / 幸村誠 / ゆでたまご / 横山光輝 / 吉崎観音
吉田秋生 / 吉田戦車 / 吉野朔実 / わかつきめぐみ / 和月伸宏
ぜんぶで90人。少女漫画とエロマンガが足りない気がしたので、この状態でmixiに投げたらさまざまな意見を戴いた。
よしながふみはどうかとか、古屋兎丸、西川魯介、冬目景、山田芳裕、小原愼司、榎本俊二はあってもいいんじゃとか。いっそ古い世代は全部外すべきではとか。いちいちもっともだったんだけど結局ぜんぶいれちゃえで200人の大盤振る舞いになったのがこの一歩さんのチェックリストCGI。いやあ、ほんとはそんなぬるいことでは駄目で、心を鬼にして100にすべきだったんだけど。まあ、面白いからいいや。100人版はそのうちまた作ろう(と言っておいて、結局作ってない7月15日現在)。
- 5月10日
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最近読んだもの。
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房)
今年度のクラーク賞候補作。女性の一人称で次第に社会の構造を明らかにしていく。それなりにSFを読んでいれば「謎」の答えにはすぐ気づくだろうが、情報提示の過程が抜群にうまく、また「謎」を踏まえた人間関係のつくりが絶妙なので、小説として退屈することはない。ただ個人的には、この濃密な人間関係は苦手。
D・v・コヴラルト『聖骸布の仔』(中央公論社)
トリノの聖骸布から作られたキリストのクローンの苦悩と彼の成長を描く。SFと伝奇/サスペンスと神学小説の間をふらふらするので、読み筋をつかむのに手間取った。どこに着地するのかを楽しむつもりで読むほうが楽しめたか。
ヴォルフガング・ホールバイン《ノーチラス号の冒険》(創元社;大阪の方)
タイトルから想像がつくとおり、ヴェルヌの《ノーチラス号》のスピンオフなジュヴナイル。『海底二万里』から五〇年近く後、第一次世界大戦の間近に迫る中、印英のハーフの少年の前にノーチラス号があらわれる。なぜ今《ノーチラス号》なのかというのもさることながら、なぜドイツ人の書く小説の敵役がドイツ人なのかふしぎ。中身は非常にオーソドックスなジュヴナイル。
J・G・バラード『楽園への疾走』(東京創元社)
最近のバラードらしい、現代社会を舞台とした破滅物。アホウドリを守るため仏領の小島に環境保護活動家たちが作ったコミュニティが、リーダーの暴走によりしだいに悪夢の地へと化していく。基本形式は『殺す』や『スーパー・カンヌ』と同じだが、舞台が南国の島だからか、語り手が少年だからか、ちょっとテイストが違った。コミュニティに混沌をもたらす中年の女医が涼宮ハルヒにみえてしかたがなかったのだけど、きっとなにかの間違いだろう。
- 5月11日
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WebZap。
●手軽に遊べる数字パズル SCEJ、PSP「カズオ」。
旧聞に属すが、こないだ近所のゲーム屋でみかけて気になったので。どこからどうみてもナンバープレイス(数独)なんですが、記事に数独ともナンバープレイスとも書いてないのはなぜ?(→「数独」はニコリの商標なので使えないらしい)
おまけ: http://ameblo.jp/sinobi/entry-10012324519.htmlが面白かったので引用。
「カズオ」は確かに面白いが、
「カズオ」をやらせたくてPSPを作ったわけではあるまい。
●1割は未だ Win98/Me、3割が「Intel Mac、聞いたことない」
Windowsユーザの12%がいまだにWin9X系を使っているという記事。Meユーザの僕が言うのもなんだけど、かなりの驚きだ。もうすぐセキュリティアップデートもなくなるのに大丈夫なのか。なお、一番の驚きは Me(6.7%)> 2K(4.7%)という事実。どっちか選ぶならふつう2K姉さんのほうだろう。 < だからお前が言うなと
●子どもの『ゲーム脳』共同研究提案へ
研究の成果次第で、(テレビゲームなどの販売を)規制せざるを得ない事態もありうる
ってのは不穏な話。
一歩さんに集計ページを作ってもらったヲタ漫画家経験値(200人版)が色々と楽しい。今日の12:45時点だと師走の翁読者が全体の半分を占める母集団でなにかを信じられるかというとあれだけどな。しかし、そんな母集団でもゆうきまさみ、車田正美クラスに×がついたりするんだなあ。関崎俊三、安田弘之、森恒二に×をつけたひと(どれも投稿者の過半数)の3割くらいは、実は作品を読んだことがあると思うのだがどうか。
- 5月12日
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速水螺旋人さんの■真理省■経由。
イラストレイター、中野豪が亡くなったとのこと。50歳。
コンプティークを愛読していた頃、黒田幸弘のエッセイなどに付された皮肉がきき、なおかつユーモラスなイラストは大好きだった。最近は、彼のイラストが付く雑誌を読まなくなっていたが、それでもなんというか、寂しい。まだ若いのになあ。
ヲタ経験値は順調に参加者増加中。30人くらいの時点では上から三割くらいの成績で、まあ普通のまんが読みだからそんなものだろうと思っていたらいつのまにか一割五分くらいに。あのリストで百人分買っているというのはそんなにふつうでも無いらしい。
リアクションとしては結果に触発されて『魔法使いの娘』を買った人が二人(予定)いたのが最大の収獲。那須雪絵完全復活な秀作なんで是非にみなさま。気にいったなら『フラワー・デストロイヤー』も。やはり那須雪絵といったら反抗の物語だよね。
#しかし。『ここはグリーン・ウッド』は読み継がれなかったのだなあ。
残念なのは八房龍之助の不人気。あんなに面白いのにい。や、まあ、ちょっと味が濃すぎるところはあるんだけどさ。《ジャック&ジュネ》の2巻『塊根の花』は超絶に馬鹿馬鹿しく楽しいのでぜひ読んで戴きたい。
職場で突然「長門有希の100冊」が話題になり、「ああ、あのチェッカーCGI設置したの僕です」と言い出すべきか悩んだりする今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ハルヒのとあるエピソードの落ちが「SをZに」だったので大笑い。さすがに「ZをSに」が元ネタということはないだろうけどな。
#いやでも谷川流だし、あるかも。
- 5月13日
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今週のセイザーX。開始早々、アドがテニスルックでグラビア撮影してたのには愕然としましたさ。まさか直前のCMでやってたテニプリ実写のパロから入るとは。そして地上戦から月面決戦。アルティメットはもうちょい引っ張るかと思ったのに。思い出したように出てくるタイムパラドックスをどう処理するのか。
と期待が高まったあたりで、ピロリ菌除去治療の検査結果を聞くため医者に行く。残念ながら抗生物質によるピロリ菌除去は失敗した模様。成功率は5/6くらいと聞いていたので多少の覚悟はあったが、やはりいやな話ではある。しかし、ではこれからどうするか。
ピロリ菌の直接の害は年に一度の十二指腸潰瘍だけなので、春先に症状を感じたら早めに胃薬を飲むという対応でほぼ問題ない。発癌リスクの向上は気になるが、逆にリスクが下がることもあるようなので絶対の決め手とは言えず。保険が利かない治療(種類を変えた抗生剤投与)を遠くの大病院まで受けに行くというのはいまいち気力が。医師側の提案もあり、とりあえず次の潰瘍まで様子を見ることにしたのだが、どうしたもんかねえ。
午後から『輝く断片』読書会に参加。前の週なにやら忙しく、ほとんど読み返しをしてないという状態。おおまかなところは覚えているが細部はいろいろ霧のかなたというありさまでは面白い視点など見つけられるはずも無く、主に意見の交通整理をしてました。「「ニュースの時間です」の主人公言うところの「人類を傷つけ返す」とは何か」というのが面白かったかな。
読書会後は、時間つぶしに目黒図書館(デューン:ブレトリアン・ジハドの原書が置いてあるとは!)に寄った後、飲み会。世代認識が色々怪しいとわかった齋藤くんに世界をつくってもらったり、ヲタ漫画経験値の話をしたり。Xuerenさんの蒐集手帳(出版社、叢書別に収集対象書籍無慮数千が微細な文字で列記してある手帳)はすごすぎる。
なお、齋藤君につくってもらった世界はこんな。作家、漫画家と一般ファンが混ざっているのは仕様なんで気にしないこと。
53 唐沢なをき
55 とり・みき 高橋良平
60 志村弘之 ゆうきまさみ
62 大森望 柳下毅一郎 殊能将之
63 塩澤快浩 牧眞司
64 日下三蔵 堺三保 牧☆みいめ 風野春樹 山岸真 三村美衣
65 小浜徹也 火浦功
66 東茅子
67
68 井手聡司 東浩紀
69 福井健太
70 代島正樹 柏崎玲央奈
71 林哲矢 鈴木力 野田令子
72 ざぼん u-ki タニグチリウイチ
73 才野茂 おおた North
74
75
76 yama-gat
77 タカアキラ ウ 細井威男
78 向井淳
まあ、概ねあってる。
#と、mixiに書いたら非難&悲鳴の嵐でむちゃくちゃ面白かった。
- 5月14日
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起きたらすでに10時過ぎ。マイメロまでにはさすがに起きているだろうと録画予約をしなかったのが失敗で、久々に見逃すはめになった。いや、1期はけっこう観てないんで、そこまでの執着は無いんだけど。たぶん。そして1日が過ぎ、日が変わった後。あれ、ビデオが動いてないと思って確認してみたら時間設定が謎のことに。時計が少し遅れているからと、1分だけ日をまたぐ録画予約をしたのがいけなかったらしい。設定変えてFateは録ったけど、ハルヒは録画失敗。いやまあ水曜まで待てばMXでやるんだけどな。どちらも痛恨の失敗というわけではないが、ちょっと哀しいことでした。
なお、カブトの録画予約は思い切ってはずした。先週分も未見。観れば楽しめるのだけど、ギャグが肌に合わないのでもういいやと。
- 5月15日
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オヤジ漫画経験値というのを見つけた。ヲタ漫画経験値の裏リスト。試してないけど面白そう。
ヲタ漫画家経験値の反応で不思議なのは、リストへの文句が少ないこと。「これのどこがヲタなのか」という反応はもっとあっても良さそうだけど。項目が200もあると個々の漫画家名への不満が消えるのかな。MM/memoであった「王子がいて重野なおきがいない」は予想通りの反応。ふつうセットだよなあ。みずしな孝之も含めてもいいかもしんない。でもまあ4コマ枠をそんなに大きく取れないんで、涙を飲んで削ったわけなのだった。今市子と波津彬子も悩みましたさ。両方でもよかったかなあ。
さらに経験値。エロ漫画誌経験値というのはどうだろう。エロ系を並べるように見せかけて、飼葉駿、古賀亮一、新条るる、太田虎一郎、後藤寿庵あたりの漫画家だけを並べると言う。
#100人もいません。
mixiのコメントでは、結城心一、G=ヒコロウ、すがわらくにゆき、篠房六郎、ますだ直紀、うおなてれぴん、樹るう、Drモロー、吉田蛇作、平野耕太、ZERRY藤尾、中山かつみ、G.B.小野寺(小野寺浩二)、RYU-TMR、ならやたかし、町野変丸、林家志弦,かるま龍狼、SABE、道満清明、馬場康誌の名が挙がった。まだまだ100人は遠いなあ。
押井守『立喰師、かく語りき。』(徳間書店)読了。技術の部分も、笠井潔との対談もそれぞれに面白かったが、一番印象に残ったのは冲方丁との対談。冲方の「情報が多すぎて認識できないんです。ある瞬間に起こったことが多すぎるんで、それを縦の系列にして体系化する労力まで辿り付かないんですよ。たいてい疲れきっちゃうんですよ」というのはよくわかる。たぶんこれが、河森正治の言う「受け手の見方が全体的に減点法になってるんですよ」につながるのだろう。アニメの話題が、「なにを観るべきか」じゃなくて「なにを切るか」になっているって主張はどこで見たんだったかな。情報過多の不幸。
主体的に情報を摂取すれば不幸ではありえないというのは正論だが、1日は24時間という制約は厳然としてあるわけで。難しいよな。
おまけ。笠井との対談を読むと、結局彼らは中高生が夢見るような破滅が欲しかっただけなのかという気になってくる。そして、破滅の夢は必要なものなのではないかとも。われわれ(僕の±5年くらいの世代)が日々を淡々と過ごすことが出来たのは、五島勉のおかげだったのかもしれない。
- 5月16日
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人口統計を、各国地図の大きさで表現したWORLD MAPPERというサイトを見つけた。どれもそれぞれに面白いんだけど、特に1500年頃の人口が傑作。世界人口のほとんどが中国、インド、欧州にほぼ等分されているのは当然として、日本の人口が多すぎだ。南北アメリカ大陸全体に匹敵するんじゃ。1500年というと室町後期だよな。よくまあ、そんな過密に。
いや、他の地域(南北アメリカやオセアニア)に比べて統計資料が多く残っていただけだと思うけど。
SFM考課表5月分を更新。この5月分でもう50回ですよ。欠かさず(あるいは適度に休みつつ)付き合ってくださってるみなさんありがとうございます。一歩さんに作ってもらって放置してあるCGIの導入とかいろいろ課題はあるんだけどなあ、などといいつつもう3年くらい。
Google Trendsでいろいろ遊ぶ。まずは軽く御三家+1の被検索数から。アシモフ、クラーク、ハインライン、ブラッドベリの言及数の推移。アシモフ、ブラッドベリが安定して多いのに比べて、他の二人の少ないこと。どこをどうしてこんな差が。
つづいて。某脚本家。昨年八月に謎のピークが。
ガンダム、エヴァ、セラムン、ドラゴンボールの検索数比較。ドラゴンボールが他を圧倒。エヴァは意外とたいしたことありません。下の国別ランキングもいろいろ興味深い。
最後に、五大都市の検索数比較。名古屋は決定的に無名なんだなあ。
#神戸は別の単語と紛れているだけっぽいけど。
- 5月17日
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Google Trends遊びのつづき。世界各国の検索数を比較してみようと思ったときのこと。アメリカ合衆国の典型的な表現に迷ったので調べてみた。Franceは比較用。
これでみると、US表記が妥当なように見える。おそらく事実もそうなのだろう。だがしかし。これでは、「わたしたち」の意の us と区別がつかないのだな。多く見積もりすぎているとみるのが妥当だろう。ふだんgoogle時なら、絞り込み用の単語を追加すればいいだけだが trends でもその方法はOKなのか。いい方法はありますかね。
ちなみに毎年夏にフランスが爆発するのはツール・ド・フランスのため。
涼宮ハルヒの憂鬱「ミステリックサイン」:
思いっきり「笹の葉ラプソディ」の話をしてるけどいいのか。話数的には地上波放送無い気がするんだけどなあ。DVD発売のみという大技もありそうだけど。そして今日はじめて、OPの「原作・構成協力 谷川流」というクレジットに気づいたり。この大胆な構成は、原作者の意図も入っているのだな。話としては、演出の工夫のおかげで原作よりマシかも、くらい。作品世界を図示するだけの話だから面白くなりようがないというか。
ボウケンジャー#13:
発進、等身大戦闘、合体などお約束が多い回。全体的に、演出がたるい。もう少しだけきりっとさせれば格段に良くなるだろうに。ゲストのおねえちゃんはかわいかっただけにもったいない。
- 5月19日
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WebZap。
●プラモ劇場
放映後数日のうちに登場してYoutube界の話題をさらった、「ガンダム式ハレ晴レユカイ」作者による動画作品集など。全体にすごすぎ。
●世界一少年に厳しいデータ(詳細)
「少年犯罪は増えてない」説の最新データ。
ようするに「警察と住民が意味なく、がんばりすぎ(ようするに、うざい人たちが増えている)」ということです。
の一文がすばらしい。他のエントリも少し読んでみたけど、かなりバランス感覚のよいかたのようです。
●一方ロシアは鉛筆を使った の真相
有名コピペ「一方、ロシアは鉛筆を使った」の真相。なるほど。
昼過ぎまではふつうだったのだが、夕方くらいからもうれつにだるくなって、以後数時間ローテンション。不義理をしてしまい申し訳ないことこの上ない。帰り道は腹は減るは頭は重いは背中はだるいは眠いはでちょいとくらくらしてたのに、また目の前で電車が出て行きやがるんだ、これが。雨の振り込むホームで30分ってのは辛いもんがあることです。飯喰って軽く寝たらだいぶよくなったけど、まだ微妙に頭が重いなあ。
それはそれとして「虎の門」話術王がむちゃくちゃ面白い。事前に練習を積んでるにしても、これはすごい。同じ話を3回、秒数を変えて話すというのが基本。予選は
- 10+1〜9秒のトーク:基本
- 3〜9*10+1〜9秒のトーク:同じエピソードの長篇版
- 同じルールでランダム秒のトーク:同じエピソードの視点変更
という形式。話術勝負の側面が良く出ていた。ただ、決勝は芝居主体になってしまいいまいち。正直、予選よりつまらない。次回はルールを練り直してくると期待。
デイヴィッド・ベニオフ『99999(ナインズ)』(新潮文庫)。『25時』(未読)の作者による作品集。人生のやるせない断片を切り取った短篇が計8篇。緊密な構成ではなく、サスペンスフルな描写と全体にただよう諦観で読ませる作品が多い。
「ノー」と言われつづけた女優志望の女が、やっと幸運の端緒をつかみ最後に溜息をつきたくなるような「イエス」をこぼす「ノーの庭」、チェチェンに派遣された三人のロシア兵が丘の一軒家で老婆と出会う「悪魔がオレヴォにやってくる」の二篇がマイベスト。ひょっとしたらSFかもと思って読み始めたらまったくそんなことは無かったが、面白かったからよし。最終戦争に怯えついに核シェルターに逃げ込んだ男の悲劇「分・解」は一応SFだけど、この作品集では下のほう。
達者な書き手なので他も読んで見たいんだけど、最近は映画の仕事ばかりなのだとか。映画版『エンダーのゲーム』のプロデュース&脚色をやっているらしい。というわけで、無理にSFに落として終わる。
- 5月20日
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所用で神保町に行った折、噂に聞く時代屋を見かけたので寄ってみた。正確には歴史時代書房・時代屋。時代・歴史小説・まんが、歴史資料、時代物DVD、時代物ゲーム、時代物グッズ、茶屋など、時代物総合ショップ。激しく客を選びそうな店だけにいつまで持つかという気はするけど、ともかくコンセプトが面白いです。お茶の水〜神保町に立ち寄る機会があったら一度はいってみるべきかと。武将Tシャツが面白かったんでとりあえず真田幸村を買ってみた。しばらくたってから、鎧のプラモという意味のわからないデザインの森蘭丸のほうがよかったかとちょっと後悔。
なお、「時代屋」という屋号の店はここ以外にも山ほどある模様。六本木の飯屋とか、横浜のカフェバーとかはともかく、エロゲメイカーまであるとは。
その後、先々週見逃したマイメロを見せてもらうためタカアキラ邸におじゃまする。噂には聞いていたが、ほんとうに広い。どうみても一部屋余ってんですが。駅からもそんなに遠いわけじゃなく、線路沿いでちょっとうるさいのを除けばかなり理想的な部屋。
そして、その部屋に華を添えるフィーちゃん。ああ、フィーちゃん、かわいいよ、フィーちゃん。猫にはほとんど思い入れが無いので、たいていの猫には「ああ、いるね」以上の感慨は持たないのだけど、このこは違う。ひとつひとつの仕草がすばらしくかわいい。もう、どうすれば自分がかわいく見えるか計算してやってるとしか思えない。
ひとがDVDを観ていると、ひとりで猫じゃらしと格闘をはじめ、そちらに向った途端、そしらぬ顔をするとか。段ボール箱に入り込んでしばらく籠もっていると思ったら、びっくり箱のように顔を出すとか。甘噛みのしかたも絶妙。猫見会開催の折にはみんなでメロメロになるといいさ。
さらにその後は元ユタ。今日の参加者は、SF人妻、大森望、小浜徹也、添野知生、タカアキラ ウ、高橋良平、林、三村美衣、宮崎恵彦、山本和人(敬称略)。主な話題は、メイド喫茶、執事喫茶、取り巻きを連れがちな人、復活の東北大SF研、SFセミナーに来ていた若者たち、時代屋、時代屋の武将Tシャツ、淡路町の古本屋、星新一の初出、誰に似てるか、似ているの指標、980円のDVDは観ないから買わないようにしたい。週刊モーニングの「HOTEL」(キラ・ナイトリ)。今日は山越えだから帰る、許斐剛をどう読むか、ファンダム用語、fanの複数形、WZERO3を使う(電話としても使えるけど篇)、7月の海外SF新刊は大変だ、ラノベ界話題の新人、広島国際アニメフェスのDVD、水霊、最近の映画、名作平積み大作戦(ソラリス篇)、知らない劇場が増えた、海外SF作品集/アンソロジーを選ぶ、ザ・黒幕日本支配、SFヒロインベスト75、日本で同じアンケートを取ったらなど。
- 5月21日
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アニメや特撮をいくつか。
ウィッチブレイド:
偽ブレイドの影響で暴走した秘書の姉ちゃんがえろかったです。まる。
韋駄天翔:
現実世界に帰った翔たちだが、Xゾーンに思いは残り、呆けた日々を送っていた。しかし突然、Xゾーンの使者を名乗る謎のMTB集団が襲ってくる。現実世界では超常MTB能力が使えないというシーンには思わず噴いた。MTBの力で世界を支配していたガブが、宿題忘れて怒られているというのも、なんとも。そして、現実世界なのに超常MTBパワーを使える謎の集団の登場。もうXゾーンの正体が気になって夜も眠れません。嘘だけど。いったい、どう着地するんだろう。
神様家族#1:
登場人物の一部が神様と天使であることを除けばふつうのラブコメ。ブルマをはいた母と姉と妹が大増殖した画は面白かったけど、それくらい。
水上悟志『惑星のさみだれ』1巻(少年画報社YKコミックス)を読む。喋るトカゲにとつぜん、邪悪な魔法使いの手から地球を守るという使命を告げられた青年。はじめは渋っていたが、自分の手で惑星を砕くため魔法使いの野望を挫くという少女の姿に魅せられ、少女の騎士となることを決意する。ふだんの低血圧な感じと盛り上がる場面でのハイテンションの対比がいい感じ。後半、ふつうに熱血気味なのはちと残念。
近所の書店の海外ミステリ・SFコーナーの平台に、売れそうも無い本が4列、うずたかく並んでいた。
『オルタード・カーボン』『暗号解読』『聖骸布の仔』『トラヴェラー』。
どれもレビューした本ばかり。別に責任などあるわけないのだけど、発売数日後に一冊買ってしまったことがこの事態を招いたのではないかと思うと心が痛む。いや、それぞれに良いところはあったりなかったりするんですよ?
- 5月22日
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MM/memo経由でこすぷれ!きょにゅー麻雀【注:18禁】。これはちょっと限界に挑戦しすぎでは。一応「コスプレだ」というエクスキューズはあるけど、それにしてもこの似せ方は……。
最近知ったアニメ・特撮に関するトリビアルな話題二題。
【1】 ボウケンジャー#8「アトランティスの秘宝」に登場したヴリルというプレシャス。てっきり、オリジナルな設定だと思ってたんだけど、ちゃんと元ネタがあるのだね。wikipediaのオリハルコンの項に曰く、
英国の神智学者ウィリアム・スコット=エリオット (William Scott-Elliot)の『アトランティス物語』 (The Story of Atlantis: A Geographical, Historical and Ethnological Sketch, 1896)によると、アトランティスには「二種の白色の金属と一種の赤色の金属からなる、アルミニウムよりも軽い合金」で作られた戦闘用飛行船が存在し、その動力は「ヴリル (Vril)」(リットン・オヴ・ネブワース男爵エドワード・ジョージ・アール・ブルワー=リットン(Edward George Earle Bulwer‐Lytton, 1st Baron Lytton of Knebworth; 1803-73)のSF小説『来たるべき人種』(The Coming Race, 1871)に登場する単語)と呼ばれるものだったという。
#12「ハーメルンの笛」でもマイナーな史実に基づく設定(1284年6月14日云々という奴)を使ってたし、無駄に凝ってるなあ。 > ボウケンジャー
今週の「アメノカナヤマノハガネ」はさすがにオリジナルだと思うけど。
【2】 つい先日、柊恵一が演奏しているという設定の「The Devil's Trill」というCDが出たらしいんだけど、この中の人の記事を見つけたのでメモ。ところで。ソースをなくしてしまったのでうろ覚えなんだけど、千秋真一の(演奏したという設定の)CDはクラシックコーナーに置かれているのに、この柊恵一の(演奏したという設定の)CDはアニソンコーナーに置かれてるんだとか。誰かひとりが体験したローカルな事象だとは思うんだけど、らしすぎてちょっと。
ついでに去年やった、戦隊役者の年齢一覧を今回も(参考:前回)。
- 赤 ……高橋光臣 23歳(82年3月10日生) 175cm
- 黒 ……齋藤ヤスカ 18歳(87年6月29日生) 173cm
- 青 ……三上真史 22歳(83年6月20日生) 177cm
- 黄 ……中村知世 19歳(86年9月11日生) 162cm
- 桃 ……末永 遥 19歳(86年7月22日生) 162cm
感想
- ベテランが多いという評判があるが、年齢的にはマジレンジャーとさほど変わらない。
- ただ映画経験者が多く(「スウィング・ガールズ」出身がふたり)、芸歴が長いとは言える。
- 赤が最年長、青がその次というのは番組内の印象どおり。
- 桃はそれに比べて若いが、さほど違和感はない。
- 黄は演技の幼さに比べて、年が行きすぎ?
- 身長構成はマジレンとほぼ同じ。デカレンの構成は特殊だったのだなあ。
デカスワン、マジマザーなどの例外的戦士を除くと最年長の戦隊役者は、
ジャッカー電撃隊 白 番場壮吉 ……宮内 洋 31歳(45年6月14日生)
かな。って、宮内洋ももう還暦過ぎなのか!
- 5月24日
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なんだかわからない勢いで物を買ってきましたよ。
まずは漫画。『もやしもん』3巻(通常版)/『ヨコハマ買い出し紀行』14巻(最終巻)/『エマ』7巻(正篇最終巻)/『怪物王女』2巻
『エマ』はたしか4巻あたりから溜めている気がするので、ここまでたどり着くには時間がかかりそう。『怪物王女』は1巻よりも面白くなってます。お約束に高飛車な吸血鬼少女がいい感じだ。
つづいて小説他。『制覇するフィロソフィア』/『ロベルトは今夜』/『驚異の戦争 古代の生物化学兵器』/『隠し部屋を査察して』/『迷宮惑星トイ』/『共生惑星ソリス』/『ミッションスクール』/『秘密結社の世界史』/『オオトリ国記伝1 魔物の闇』
わはははは。買っちまったよ、哲学格闘。読むかどうかは不明。マコーマックは海外文学セレクション版が出たときに買って読んでいるというか、この部屋の中にハードカバー版があるんだけど、つい。ウィル・セルフは一旦保留してみた。たぶん、今週末に買う。『魔物の闇』はサムライ・ファンタジーだそうです。
次にDVD&CD。『キング・コング(2005)』(限定版)DVD/『ウィッチブレイド OP』CD
いや、2割引で売ってたから。 < キング・コング
最後にゲーム。『Wizardry XTH』(廉価版)
魔がさしたとしか言いようがない。やらか堂さんのXTH2リプレイが楽しそうでさあ。
合計いくら使ったのかは、敢えて計算しない方向で。
アニメ版ハルヒを観て、長門さんが読んでいるものを自分でも読んでみてる人の日記を読んだりするとつい嬉しくなって、うんうんやはり概要でことたれりとするのではなくちゃんと読んでこそだよなあと思っちゃうけど、すべてを読むなんてことはできるわけないので、概要だけ読むことを許容する心も必要じゃないかと思うのは、たとえばローダンのことを考えてみたとき、ドイツの新たな読者が3000話、日本版換算で1500冊分を読んでから新刊に取り掛かるというのは信じられず、おそらく現在までのあらすじを読んでから取り掛かるのだろうから、それをしかたがないと思えるのなら、 SFやミステリというジャンルに対しても、たとえば『あな魂』を概要でしかない読者も許容する心の広さだって持つべきではないか(もちろん、概要しか知らずに『あな魂』自体について語るのは論外として)と思うわけで、それはつまり歴史全体というものが、物心つく前についてはあらすじとしてしか知らず、現在だってその断片しか知らずにそれで良しとできるのだから、ジャンルの歴史だってあらすじしか知らなかったとしてもそれはそれでありなんじゃないのか、そうであることを自慢するのはだめだけど、そうであることを許容するのは必要だろう、しかし問題は良いあらすじを手に入れることで、そう考えると複数のジャンル史が(複数の概要本含め)存在するのが望ましいのだろうなあ。
というようなことを、もう少し丁寧に書きかけていたのだが、面倒になったので上のようにまとめた。まとまってないけど。なにが言いたいかというと、概要本の類もそれはそれで価値があるんじゃないかと思ったという話です(そうか?)。
- 5月25日
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アカギ 対 芹沢(18禁 Youtube動画)。つながりにほとんど違和感がありません。良い仕事だ。
SFM6月号を淡々と読み中。春季アニメ評で、メインが「シムーン」と「牙」なのはまあ良いとしてハルヒに一切言及がないというのは解せない、と思っていたら執筆者紹介で謎が解けた。「ウチではU局が見られない」なるほど。でも、そうすると「涼宮ハルヒの憂鬱」も「錬金3級まじかるぽか〜ん」も見ずに今季のアニメを語っているわけか。たしかに上記を全部見られる地域なんて限定されるんだから、見なかったことにする手もありだけど。でも。なあ。
そして7月号をぱらぱらと。(海外)ファンタジー欄に『わたしを離さないで』がなかったことにびっくり。てっきり、そちらでやるもんだと(勝手に)思い込んで扱いを小さくしたのに。これなら『聖骸布の仔』はやらなくても良かったか。特集記事は面白そうだけど、読むのはもうちょい先になりそう。
7月号の「10000光年」、「子供の頃に父親が連れてってくれた岩崎書店の阪神戦でハインラインのホームランを見てね」は、かなりツボ。ぼくは、星新一の単打からの連続盗塁だったなあ。
- 5月26日
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明日また会うとき♪笑いながらジャミング♪って、どこで見た替え歌だったかなあ。google様のお告げにある4件の中には無い気が。
SFM06年6月号読了。ヤング・アダルト・ノベル特集。ハリーポッター以降日本でも翻訳が増えているティーン層向けSF/ファンタジーシーンの紹介。小川隆の特集解説で書かれているとおりだとすると、海外のYA状況は国内のラノベの状況と予想よりはるかに似ている模様。このふたつが、どう似てるか/どう違うかを詳細に検討するのは面白そうだ。
ニール・ゲイマン「サンバード」:美食家クラブのメンバーはまだ食べたことのないサンバードの肉を賞味するためエジプトに向かう。感動的なレベルで再現されたラファティ・パスティーシュ。美食家クラブの面々の紹介なんて、ラファティが乗り移ったとしか思えない。ゲイマンのパスティーシュはもっとあるようなので読んでみたい。
ティム・プラット「魔女の自転車」:魔女のたくらみによるボーイ・ミーツ・ガール。よくできた現代おとぎばなし。
クリストファー・バルザック「少年が死体で見つかって」:死体と出会った/死体となった少年の話。ふあんていなしょうねんのしんりをよくかけてるんじゃないですか(棒読み)。
以降は一応特集外。
ケリー・リンク「ザ・ホルトラク」:世界の淵に立つコンビニと、犬を連れた女性と、ゾンビとしてのカナダ人。いかにもケリー・リンクらしい幽冥の空気漂うなんだかわからない話。少年の心理に寄り添えばそれなりにわかった気がする分、平均よりはわかりやすいか。カナダ人の扱いはちょっと好き。
キット・リード「ダ・ヴィンチさん」:ルネッサンス史研究家のパパがタイムマシンで連れてきてしまったダ・ヴィンチさん。家族みんな、その扱いに困って。ダ・ヴィンチさんがほとんど珍獣なのはいいのか。かなり残酷なことをしているのに、かわいらしい空気が漂う。
連載では、山田正紀「イリュミナシオン ILLUMINATIONS」があれなことに。この喜々として書かれている似非物理学はなんとかなりませんか。なりませんか、そうですか。もうちょっと本当っぽければ素直に楽しめるし、もっとうそ臭ければそれはそれで楽しめるのに、なんでこんな半端なことを。こういうものを読むと、イーガンの詐術がいかに天才的かよくわかる。
夜中から、ミステリサイト系アニソンオフに混ぜてもらってきた。このところ睡眠不足気味だったこともあってか( < 言い訳)前半はぼろぼろ。歌うたびに声が裏返るんだからお話になりません。加えて記憶まで曖昧だったりでダメすぎ。「デカレンジャーアクション」はもうちょいちゃんと憶えていると思ったのになあ。みなさん、ご迷惑をおかけしました。個人的には、「エンブレム」(よみがえる空ED)が歌えたんで満足。ボウケンジャーOPの前口上はちゃんと暗記しておこう。
- 5月27日
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昼過ぎからアンサンブル例会に参加。
ほそいさんとのファン交打ち合わせは5分で終わり、あとはいつものようにだらだらと。体重の話や健康診断の話、健康保険の話などがメインというあたり年齢を感じさせますって、参加者の大半が30代だし当然か。
本を買ったあと夕食に寄ったマレーシア料理屋では、なぜか非モテを嘆くひとびとへのダメ出し大会に。そこはかとなく攻撃範囲から外れていたので、裏切り者として追撃とかしてました(←たいへん、嫌な奴)。不在でも好青年ぶりを発揮するYama-gatさんは偉大だと思った。
2次会というか3次会で寄った飲み屋では、さらに攻撃が続く。主戦場は別にあったはずなのに、なぜか打撃をくらいつづけるほそいさんは不憫すぎる。なお、ここではちゃんと僕にも弾が飛んできた。メロママ容赦ない。
- 5月28日
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だらだらとマイメロを観た後、時代屋@小川町をのぞいてから「トム・ヤン・クン!」でも観ようかと思っていたら、昼飯を食った直後に急に腹の調子が悪化。かろうじて部屋にたどり着いた後、半日寝てました。ううううう。いろいろやろうと思ってたこともあったのになあ。
夜にはかろうじて復活し、散歩がてらに寄った未知のエリアで使えそうなレベルのレンタルビデオ屋を発見したことを心のよすがとしたい。しかし、読書がまったく進まなかったのは……。今週、来週はちょっと大変かもだ。
- 5月29日
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「涼宮ハルヒの憂鬱」#9 第十四話「サムデイ イン ザ レイン」を観た。物語の終わった後に訪れた/訪れる静かで穏やかな日常。丁寧に、丁寧に、贅沢に時間をつかって学校生活を描いたエピソード。ここまでの話数ではダントツのベスト。
齋藤さんによる長門解析はすでに行われているわけだけど、「エピソード冒頭〜みくるがバニーに着替えさせられるまで」で読んでいたオレンジ色の表紙の本はなんだったのだろう。あと、それの代わりに取り出して『グランド・フィナーレ』の前に読んでいた本。
さらに疑問。キョンパートと部室パートを同時進行とすると、『蹴りたい背中』を読み始めてから読み終えるまでに、「電車内にいたキョンが降りて、電気ストーブを受け取り、再び電車に乗り、電気ストーブを抱えて坂道を登って、部室に戻り、うたたねをはじめる」だけの時間がかかっていることになる。それに対して、『グランド・フィナーレ』の前に手にとってすぐに返した本は、最大でも下り坂を降りるまで、『グランド・フィナーレ』は駅のホームから電車内までしかかかってない。ページ数からみて『グランド・フィナーレ』よりも『蹴りたい背中』のほうが時間がかかるというのは不自然ではないか。ここは、すぐに返した本と『グランド・フィナーレ』は、軽く眺めただけで気分じゃないと取り替えた(長門に気分があるかどうかは、ここでは置く)と考えるのが自然だと思うがどうか。
『蹴りたい背中』を読むのにかかった時間が、キョンパートとの対比からするとざっと1時間程度(坂道登りに20分、電車に待ち時間込みで10分、商店街で20分、部室で10分)と見込まれるのに対して、齋藤さんの読書速度解析では15分になってしまう件については、ページをめくる速度にアニメ的演出があったということで。
「ガイキング」#24「戦場を駆けるピンクのカバ!! アイドルは誰だ?」
ある日、大空魔竜のクルーたちの前にピンクのカバが現われるようになった。戦場のストレスによる集団幻覚という診断を受け、艦長は艦をあげてのリクリエーションを企画。そこで副長は、アイドルをプロデュースして癒すことを提案、自らアイドルに立候補する。そう、副長はアイドルになることが夢だったのだ。
はじめはアイドル候補は副長一人だったが、なぜか次々と推薦や立候補が。自体は艦をあげてのアイドルコンテストへと発展する。シズカが、ピュリアが、ルルが、それぞれの持ち味を見せた結果、一次審査は全員同票という結果に。決着は、2次審査のお掃除コンテストに持ち越される。大空魔竜の艦内は各派閥に別れ、一触即発の事態となった。
一方その頃、軍を進めるヴェスターヌは一向に反撃してこない大空魔竜の様子をいぶかしんでいた。
って、こんなぐだぐだな話を次回につづけるんかい!
もはや、どこから突っ込んでいいのやらさっぱりわかりません。なんぼなんでもキャラがかわりすぎだと思うけど、きっと未知の鉱石の精神への影響がどうとかいってなかったことになるんだろうなあ。
- 5月30日
-
WebZap。
●となりのやおいちゃん スウツ地獄
「彼女が実は腐女子でした」というのろけ漫画blogから。コメント欄の「スーツに萌えない腐女子なんていません!」に、驚いたり納得したり。どれもこれもおもしろいので、みんな読むといいと思った。
●涼宮ハルヒがイチローを越えた件
またGoogle Trends。日本語の「涼宮ハルヒ」はかなりえらいことになってるんですが、「Suzumiya Haruhi」も恐ろしい勢い。いつまで引っ張れますかね、これ。
- 5月31日
-
さきほど、飯を喰おうと松屋にはいったときのこと。奥側のカウンター席につくと、となりの席に大きな声で会話する男がいた。どこから見ても大学生という風体。連れの、これも大学生と思しき女性が大荷物を抱えているところからすると、柏まで部活の道具を買出しに来た理科大の学生というあたりか。読もうと思っていた本も男の声が煩くて集中できず、しかたなく会話を聞くはめになったのだが、これが。
※()内は、僕の心の声だと思っていただきたく。
男「パトリオットって知ってる?あれは愛国者って意味なんだよ」
女(無反応)
男「愛国者、国を愛する者。知ってた?」
(ふつう知ってるだろうよ)
男「うまい飯っていいよね。まずいものばかり喰ってちゃ生きる意味がないから」
女(無反応)
(松屋で飯をくいながら何を言ってるのか)
男「前に、コーラにココアを入れて電子レンジにかけてミルクを入れたものを飲まされてさ」
女「本当?どんな味だった」
男「……。……。……。えーと、言葉でいうのは難しいな」
(作り話をするなら、考えてからにしろよ)
女「たとえば、どんな味?」
男「うーんと、4000年前の地層を舐めたような」
(どんなだよ)
男「俺も変なものを作ったことあるよ。子供の頃、母親がパンにチーズとケチャップとピーマンをのせたピザトーストを作ってくれたんだけど、あるときそれを真似して自分で作ろうと思ったんだけどチーズがなくてさ。どうしたと思う?」
女「?」
男「チーズ抜きで作ったんだよ、これが……」
(それじゃ落ちてないって)
女「ああ、わたしも時々やる」
(おお!難しい展開に!)
男「チーズ無しだよ?ケチャップがもう最悪で」
(流れを読めよ!!!!)
女「ケチャップ嫌いなの?」
男「いや、チーズが無いと……、その」
男「(女を指して)次男タイプだよね、次男?」
女「せめて次女って言ってよ」
男「……ああ」
(素でわからなかたのか)
男「ごめん、ぼく向こうで小さくなってますから」
(不快な卑屈さだなあ)
男がどんどんテンパって行く様子も、女が苛立ちをつのらせながらフォローする様子も手に取るようにわかって、たいへんいたたまれない気持ちに。全速で飯をくって出てきましたさ。胸焼けしたらどうしてくれるのか。非モテってのはこういうことを言うんだろうなあと、深く肯く初夏の夜。
「RAY THE ANIMATION」#5。なんの原因もなさそうなのに身体に切り傷が出来る少女。「あの人が傷つくとわたしも傷つく」という言葉の意味は。って、ええ?体の中の桜の種を介して、桜の木の痛みが伝わったって、それはいくらなんでもトンデモ展開に過ぎないか?このアニメ、どこまで本気かいまいちわからなくて、視聴態度に困ります。
たしかに「BJスピンオフなんだから、人間を鳥に改造するくらいのトンデモはオールおっけー」と言われると返す言葉がないけどさ。