過去の雑記 98年6月上中下
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- 6月11日
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『時間旅行者は緑の海に漂う』を読了。なんか、面白かったって言っても、つまらなかったって言っても嘘になりそうな不思議な本だった。長い話だし、一人称だし、うざったい心理描写は長いし、僕の嫌いな要素はたっぷりあるけど、SFじゃないんだからしかたがない。閉塞した現実の中で生きている主人公が、クライアントの狂気に取り込まれることにより、非現実の中での救済を得る話なんて、とてもSFとしては読めないよね。SFとして読みさえしなければそれなりにそれなりな出来。しだいに狂っていく主人公は良く書けていると思う。
あれで、幻想にもう少し魅力があればSFとしても読めるんだがなあ。
帰りがけに伊藤明弘『ジオブリーダーズ』4巻を買う。相変わらず情報量の多いマンガで、さらっと読むとなんだかわからない。
#脇キャラの女性が区別つかないし(笑)。
ゆっくり読み返すと、こんなに細かいネタがあったのね。3巻で、綾金港に金鯱号が浮かんでたなんて、今気づいたぞ。
かつき@大市大さんから、SFMインデックスにミスがある旨のメールを頂く。85年11月号掲載の飛浩隆「“呪界”のほとり」がチェック漏れとのこと。早速修正。しかし、言い訳をさせてもらうと、目次にも載ってなかったんですよ、この短編。月刊誌で、表紙ではなく目次に間違いが出来るようなぎりぎりの編集をしなくても…。とはいえ、同じ号の多田正司の短編は目次に載ってなくてもフォローしてるんだから、言い訳になってないか。
- 6月12日
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ワークステーションのハードディスクがお亡くなりになったおかげで、無意味な残業をする。こういう時間の使い方が一番もったいない。
しかたがないので、野球の得点経過だけを追う。野村の好投で中日に快勝。首位と1.5ゲーム差につめた。3たてで一気に畳み掛けたいところだが、上位4チームの中で圧倒的な戦闘力を持っているのは巨人だけなので、ここが飛び出ないようにするためには、広島・中日にもがんばってもらう必要がある。2勝1敗で勝ち越しとすると、日曜の斎藤隆に勝ってもらいたいから明日の戸叶は見殺しだな。 < おい
- 6月13日
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Sky Softから届いた"It's Down the Slippery Cellar Stairs"をとりにいく。邦訳が世の中に存在すると思うと、ちょっと気力が落ちるが、手に入らないんだから英語で読むしかないよな。しかし、注文してから届くまでの間に、値段が7ドルあがって、円が20円も下がったのは少しショック。100ページそこそこのソフトカバーが3000円か…。
つい油断してしまって「アキハバラ電脳組」を見る。あいかわらず、さいってぇー。安易なキャラだよりアニメばっかり作り続けるから、文化が痩せていくんだってば。全く力の伝わらない格闘シーン、スピード感の無いたるい動き、狂いまくるデッサン、どうしようもなく安易な演出、すべてをキャラに喋らせて説明する頭の悪い脚本…、なによりバンクのカッコ悪さは何とかならんのか!
破裏拳ポリマーに代表されるタツノコアクションの素晴らしさ、サンライズ・アニメ特にライジンオーで完成されたロボット・アニメのバンクのかっこよさ、過去のアニメの遺産はすでに失われてるのね…。
NHKのサイエンスアイを見ていて、セミナーレポートの「宇宙開発」の所に書いたJEMの対デブリ性能の数字が間違っていたことに気づく。そーいえば、そーだったかもしれん。自分の仕事の話で間違えちゃいかんな。反省。
何を思ったか<レムリアン・サーガ>を読みはじめる。むちゃくちゃ面白い。オリジナリティはないし、圧倒的な魅力にも欠けるけど、見事に小さくまとまっている。こーゆー小学館的な完成度は読んでいて安心できるからいいよな。
なんといっても、主人公がそれなりに知的に行動するのが嬉しい。ギャグならともかく、冒険物の主人公が馬鹿だと読んでられない。
- 6月14日
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雨の日曜日。おかげで中日戦は流れてしまったのであった。1勝1敗かぁ。まあ、巨人が負けたんだから良しとするか。なんてことを考えている人間は全国に1500人くらいしかいないんじゃないかというくらい、日本全国ワールドカップなのであった。
そりゃ、興味が無いわけではないが、サッカーを多少なりとも見たのはベンゲル指揮下のグランパスだけなので、ちょっと話題にする権利はないのではないかと思って一歩引いているのであった。
とりあえず、心の端で平野の活躍を期待していよう(機会はあるのか?)。
なんとなく新企画を1個立ち上げ。小浜さんに頂いた資料を使った企画というのもあるんだけど、そちらは、もう少し保留。
「レビューは?」という声が一部であがってるけど、最近新刊読んでないんでまたいずれ、ね。
#『きみの血を』のどこが新刊なんだ?
- 6月15日
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大熊@bookmeter君に、東洋大の非公開ゴシップを教えてもらう。内容は「Web上ではばらさないで下さい」とのことなので、今度会ったときにでもお伝えします。 > All(って誰?)
名大関係者はMLに注目。
#その結果、MILKSOFTの「みそにこみ」に載るのはいいんだろうか?
ハヤカワ文庫SF年鑑は今週末にも完成らしいので、夏コミ&CAPRICONには確実に間に合うだろう。めでたいことだ。
僕の「千冊(ハヤカワ文庫SF書評&目録No.1〜1000)」追加データはもう2年以上予定より遅れてるんだけど、完成の目処が立たないんだよな。見習わなければ。
- 6月16日
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社用で渋谷を通ると大型書店開店のお知らせが!とりあえず行かねばなるまい。
行ってみると、確かに5階建て、地下含む6フロアの大型書店がHMVの隣に出来ていた。渋谷最大の書店という売り文句自体は嘘ではない。
ところが入ってみると、中身は残念ながらそれほど面白いものでもなかった。棚と棚との間が広く、歩きやすいが、その分本の数が少なめで、専門書・コミック・洋書は使えないレベル。文芸書はそれなりの量があるが、棚の配列がめちゃくちゃで検索が不可能に近い。文庫と新書がかなり多いことくらいが利点か?
渋谷で本を探すのなら、まっさきに行ってみるくらいの価値はあるが、手間が変わらないのなら、神保町か新宿、せめて池袋に行く方が効率が良いだろう。
だいたい、地上をあんなに歩かないとつかない本屋なんて間違っている。
あ、店名は「book 1st」です。SF系ハードカバー(とくに出版芸術社)の揃いはそれなりなので、一度は行ってみる価値があるかも。
ついでに神保町により、RBで奇想天外を山ほど買う。まだ、中身を吟味して買っているので大丈夫だが、もう20冊買うと、コンプリートを目指してしまうかも。
ついでに、中野ブロードウェイ価格に比べると安かったので、バロウズの<ムーン・シリーズ>を買う。スペ・オペもヒロイック・ファンタジイもさして好きでもないのに、こんなのばっかり買ったり読んだりしてる気がする。
そのほか、『書物の王国7 人形』だの、『重力の影』だの、『水妖』だの、「SF雑誌データベース」だの、「山本正之のライヴビデオ」だのいろいろ買う。最後の二つなんて、MOドライブもビデオ・デッキも持ってないのにどうするつもりだ? > おれ
帰宅後、電気ポットの中を見てびっくり。朝のコーヒーが異常にまずかったと思ったら塩の結晶がついてるんでやんの。おもわず、ポットの中を洗ってしまった。
前にも、ポットの内側に第一酸化鉄らしき赤茶色の粉が付着していて驚いたことがあるんだが。ああ、木曽川水系の水が懐かしい。
- 6月17日
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えらいぞ、隆!!
横浜のエース、1昨年の奪三振王・斎藤隆がついに今期先発初勝利を挙げた。
実力を持ちながら、なかなか勝ちきれなかった隆がやっと一本立ちしたのが一昨年。初の二桁勝利を挙げ、真の横浜のエースに成長したと思った矢先、肘の故障で一シーズンを棒に振った昨年。自分のいない横浜の活躍を眺めながらじっとリハビリに耐え、地獄から復活した隆が、ついに本職・先発での1勝をあげたのだ。
内容はお世辞にも良いとは言えない。せっかく勝ち越していたのに、八木のホームランで逆転され、その回裏に代打を出された。勝投手というにはやや物足りない展開だ。しかし、それでも1勝は、1勝。
隆はストレートの力で押す選手だ。140km台後半のストレートと切れの良いスライダー、技術はたいしたことが無い投手だけに、その力の投球が封じられれば、とてもプロでやってはいけない選手になっていただろう。
実際、隆と同時期に故障をした今中はすっかりおちぶれてしまった。人をくったようなスローカーブと、140km台中盤の快速球、爽快な今中の投球術は、そのストレートの速度と共に失われてしまっている。球界のエースとまで呼ばれた男の惨状を見ていただけに、今中よりもあきらかに力の落ちる隆が先発で戦えるかどうか非常に危ぶんでいたのだ。
しかし、どうやら杞憂だったようだ。打線の援護が無く連敗で始まった先発だが、ついに1勝を挙げることが出来た。往年のような完投は難しいかもしれないが、中継ぎ・抑えの能力の高い横浜でなら、かなりの活躍が出来るはずだ。残り4ヶ月、隆の力無くしては優勝はありえない。38年ぶりのペナントを勝ち取るためにも、がんばれ、隆!
- 6月18日
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ローズ!ローズ!ローズ!!逆転に次ぐ逆転の阪神戦、復活の4番が勝負を決めた。連夜の復活組の活躍にテンションはあがるばかりである。
まあ、ローズは復活といっても長い故障ではない。隆の復活に比べれば感動は薄いが、不調の4番の活躍は重要だ。中日が、巨人の無能に付込んでの勝利を収めたため、ついに2位奪還。久々の首位までも1ゲーム差に近づいた。打力に不安の残る中日、打線の決定力にかける横浜、中継ぎ不在の巨人、恐れていた怪我人が出始めた広島。上位4チームはいずれも決定力にかけるだけに、この時期の順位は何の当てにもできないというのは確かだが、4、5、6月と3ヶ月連続で5割以上ペースを維持してきているのは大変な好材料だ。例年なら、とっくに一度落ちきっているからな。
さあ、週末は落ち目広島との連戦、叩き潰して一気に首位だ。がんばれ野村、がんばれ戸叶…。
戸叶かあ、1勝1敗でいいや。
- 6月20日
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山本正之のライブビデオが到着してしまったので、ビデオデッキを買いに行く。これでやっと、「健康で文化的な生活」というものが送れそうである。ちなみに、僕が考える「健康で文化的な生活」とは、毎週「晴れ、ときどきぶた」を見たり、「ギンガマン」を見たりする事ができる生活をいう。次の目標は数年前に手にいれてから一度も開けた事の無い「銀河漂流バイファム」のLDを見る事だな。
夕方から、ユタの例会へ。小浜さんから東京創元社の棚から出てきたというSF宝石を数冊頂いてしまった。日本ファンジン大賞リストのコピーを送っていただいたりもしているし、創元には足を向けて寝られない。
あ、深上さんにも、ソノラマ海外シリーズの収録作品リストと講談社文庫のSF系アンソロジー作品リストをお借りしたんだった。前回は「全洋画」のCD−ROMをもらってしまったし、Stingrayにも足を向けて寝られない。
しかし、今日は異常な人数が集まった。そうか、みんなそんなにサッカーが嫌いなのか(笑)。
参加者は、大森望、尾之上俊彦、小浜徹也、さいとうよしこ、堺三保、須藤玲司、添野知生、深上鴻一、星野師範代、三村美衣、柳下毅一郎(あいうえお順、敬称略)
主な話題は、大森望さんが仕事で必要だという日本アニカラ史、大森さんが持ってきたアメリカのゴジラ絵本(「ごじらくんは、ほえるのがだいすきです」ってゆーノリ。かわいいかも。)など。あと、「アナスタシア」「ムーラン」の感想を発端にディズニーアニメに関する論争も行われていたけど、これは遠くで行われていたから良くわかんない。個人的には、日本アニカラ史が次第に明かされていく過程が一番面白かったな。さすが、ヲタク研究家・須藤玲司。
9時頃に終わって東西線で帰宅。帰り道で、やっと手に入った未読のラファティの邦訳「今年の新人」を読む。…まあ、そんなもんだろう…。個人的ラファティランキングの70位代くらいに認定。
帰宅後、クロアチア戦を横目に見ながら、スポーツニュースを探しまくって対広島戦の勝利を堪能しつつ、翌日の対戦に向けてモンスター・コレクションのデックを練る。
前回、戦績の良かった「儀式魔法詠唱デック」(50枚中25枚が儀式呪文という人を馬鹿にしたデック)、木曜日に組んだ「対抗変身・津波デック」(対ウィニー戦闘用に特化したカウンターデック)に加え、とにかく弓矢で戦うデックを作成。6本の弓と9本の矢がライブラリを大きく圧迫しているが、頭を使わずに組めたのはありがたい。
ちょこちょこ調整をしていると2時近くになってしまったので寝ようとするが、運悪く、「宇宙家族ロビンスン」をやっている事を発見してしまう。うまいなあ、熊倉一雄。つい最後まで見ちゃいましたよ。明日はちゃんと頭が回るんだろうか。
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