過去の雑記 99年 3月

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3月21日
近所の古本屋で「ザビタン(アクマイザー3)」購入。これで「東映ヒーロー列伝2」はコンプリートだ。イビル&ガブラだけをディスプレイしていたときは異様にまぬけだったのだが、中央にザビタンを置くと一気に絵が引き締まった。やはり、グループヒーローは揃ってなんぼだな。

夕方から、DASACONスタッフ反省会。といいつつ飲んで歌った記憶しかないのは気のせいか。
主な話題が小説大賞関連だったりするのは小説大賞スタッフがいる以上仕方があるまい。同時期に2企画が重なった上に、本業も忙しかったりするとはジョニイさんも不幸なことである。
ここで森さん、のださんに年上だと思われたことに気づき軽いショックを受ける。同じ91年度入学だってば。こんなに若々しいのになぜそんなことになるのか理解不能だ。

まあ、そんなこんなで10時を回ったあたりでカラオケに。アニソンはともかく(ともかくなのか?)YAPOOSと筋肉少女帯と山本正之を過半数が合唱するカラオケってのはさすがに異様だ。みんなで「だーめ、だめだめ♪」とか「働け、働け、働け、働け♪」と叫ぶというのは人として間違っている気がしてならない。
大体芸風は聞いていた通りだったのだが、ジェニイ高橋さんだけは意外な一面を見せてくれた。そうか、「うらみ・ます」とかそうやって唄う人でしたか。そうでしたか。いやあ、いいもんみた。

3月22日
インターネットで選ぶ小説大賞が発表された。ジャンルSF部門についてはそれなりに納得できる結果だったのでまずはめでたい。投票総数も100弱まではいったようで、かなり定着してきているようだ。もう少し票数が増えれば、帯に「イン(中略)大賞○○位」という文句が踊る日もいつか来るかも。
ただ、そのためにはもう少し細部を詰める必要性があるかも。毎回システムが変わるという不安定さが最大の問題だとは思うのだが、今年も点数の定義が上手く行ってないように感じた。4点、5点を大安売りする人と、そうでない人とで点差が大きすぎるんだよね。結果的に評価の辛い人の点は見えなくなってしまっているような。
確かに、本の評価は相対評価ではなく絶対評価であるべきだというのは分かるんだけど、「それに5点つける奴の5点と俺のただ一つの5点をいっしょにするな」と思ったこともまた事実。昨年のように何点はどのクラスという基準を明記してもらうか、いっそのこと一人の持ち点を規定してもらえると納得しやすかったんだけど。

3月23日
なんとなく気が向いたのでSF大会の記録を書いてみたりする。さすがに7ヶ月前の話なんで細部は全く覚えていない。不毛な行為なんでこういう事は、もう止めよう。

3月24日
書店で『ヴァレリアファイル』の文字を見てびっくり。ジャンルYAの黎明期に当る87年から90年にかけて角川青帯→スニーカーから出された谷甲州の秀作ではありませんか。それが、士郎正宗のイラスト付きで新書上下巻として蘇るとは世の中何が起こるかわからない。ひょっとして、時代はSFなのか?
この本、コンピュータを大きく扱った近未来アクションなどという日持ちのしないネタをうまく料理してあって、いまでも多分大丈夫になっている。<航空宇宙軍史>の作品に比べるとさすがにつらいところもあるけど、軽めのよくできたアクション小説に仕上がっているんで未読の方にはお薦めだ。
が、新書上下巻という器にはいまいち向いてないような。中公文庫では出せないだろうからしょうがないとはいえ、やっぱり文庫の話だよなあ、これ。

3月25日
ウォルト・ベッカー『リンク』(徳間書店)読了。小説としての出来は今一つ。酒井昭伸・訳ということでかすかに期待していたのだが残念ながらそう上手くはいかなかった。序盤で謎を提示し、中盤でゆっくりとエスカレートさせながら登場人物に深みを与え、終盤で一気に物語のスピードを上げ話を極限まででかくするという構成は完璧だと思うが、文章に味わいというものが全く無いため、小説としてはうまく機能していない。どうしても出来の悪いノベライズという印象が拭えないのだ。多分、ハリウッド映画にしたら非常に面白いものになるのだと思うが。
ただ、ネタの方はかなり楽しめた。ドゴン族から始まって、ミッシングリンクに巨石文明、オーパーツに比較神話学、常温核融合に進化論批判と、いわゆる擬似科学ネタ大爆発。ブラインドウォッチメーカーやエノク書まで出てくるという。ヒト科の進化ネタがメインなんで生物屋さんや、人類学の人には激怒する人も多いんじゃないだろうか。ダーウィン批判の章なんてニセ物理屋あがりの僕ですら苛ついたほどだし。
ただ、多分確信犯なんであんまりおこっても仕方が無い。半村良なんかと同じ、伝奇物の現代版、というかX-Fileだし。
もうちょっと文章に深みがあると、楽しく読めたんだがなあってわけでちょっともったいない本でした。

3月26日
体調が悪かったので有給をとって静養。静養だったんだってば。

静養したらちょっと気分が良くなったので、無印良品で本棚を買ってくる。無理矢理、設置場所を作り早川の未読を展開しはじめたらいきなり完璧に埋まってしまった。とりあえず、一夜にして真っ青になった本棚を見るのはなかなか感慨深い。そうか、こんなに読んでない本があるのか。

3月27日
法事があるので名古屋に帰る。名古屋に来た以上は当然部室による。自然の法則って奴だな。
花見も兼ねていただけあっていつになく多くの人に会うことができた。顔を見たのは野呂(17)、小野(15)、松野(9)、浅井R(10)、竹橋(16)、中尾(14)、山田博(8)、平田(11)、小松(8)、堀川(12)、岡崎(11)(登場順・敬称略、カッコ内はSF研暦での入学年度)…、あれ?あと一人いたような。ちなみに大学に6年いて来年度入社3年目を迎える僕が(10)であることを抑えた上で、上の入学年度を振り返っていただくと色々感慨深いものがあるだろう。いや、うち三人はOBなんですけどね。

その場にいない奴の悪口や、妖しげなスナック菓子の試食会などもしたけど、個人的なメインの話題はモン・コレ。
最初は僕の持っていったデックを使って浅井Rと対戦。普通のデックとはどういう物かを掴んでもらうことと、ルールの復習に主眼があったので、勝敗はあまり関係が無いってのは言い訳にすぎないな。持っていったデックの強弱があまりにアンバランスだったので、まともに対戦できなかったというのが正直なところ。僕が使った「とりあえずスペルデック」は、もう1年以上調整しながら使っている「水変身コンボデック」の敵ではなかった。初心者相手に面白さを伝えることが目的なんだから、もっと似たような戦闘力のデックを用意しておけばよかった。
次に驚いたことにモン・コレ・プレイヤーになっていた中尾と対戦。こちらの「変身デック」に対して彼のデックは「水対抗津波デック」。予算が少ない中ではよく練られているし、戦術眼もすぐれていたが、最後には投下資金の差でなんとか勝つことができた。殺しても殺しても「ナーガ」が出てくるデックと戦うのは辛かっただろう。
続いて、僕の「儀式デック」を見せびらかすため、彼の「儀式デック」と対戦。彼のデックはスペルも交えた常識的なデックだったので局地戦にはつよかったが、なんといっても予算が違う。ただ1枚を排除するため「オーバー・ザ・レインボー」を費やすという豪気な攻撃の前には、どんな作戦も戦術も機能しなかった。
てなわけで、他人のデック相手には2戦2勝。とはいえ勝因は明らかに経済力にあるんで素直に喜べないところではある。もっとちゃんと戦わないと若いもんには勝てないかも。

モン・コレが一段落した頃にはかなり人も増えてきていたので、鏡池まで夜桜を見に行く。行ったは良いがあまりの寒さに辟易し15分ほどで退却。これはちょっと残念。もう少し暖かいかと思っていたんだが。まあ、そんなもんだろう。

3月28日
法事と苦痛の会食が終ったところで上前津から鶴舞にかけての古本屋街へ。書棚がみごとに枯れていることにショックを受ける。8年前にこの状態だったとしたら、今ほどSFに拘ることは無かっただろう。90年代初頭に学生生活を送れた幸運を…、喜んで良いんだか悲しんで良いんだか。

とりあえず喜ぶことにしつつ、「銀河漂流バイファムLD BOX」の上巻を持って東に下る。毎週1話づつ見ていくとすると6ヶ月持つ計算になる。夏休みに帰省したときにでも下巻を持ってくることにしよう。

帰り道、部室から借りてきたSFマガジン87年1月増刊THE SF COMICSを読む。ちゃんとSFマンガ誌になっていたんでちょっと驚き。

3月29日
昼休みに『ノストラダムス秘録』(扶桑社ミステリー)、火浦功『奥様はマジ』(角川スニーカー)購入。火浦が予定通りに出るとは…。天変地異の前触れじゃないのか?

『ノストラダムス秘録』の本編は未読だが、本書の日本版にまつわる呪いについて語る東雅夫の解説は大傑作。これだけのためにでも入手する価値があるのでは。

『奥様はマジ』読了。どうせ未収録短篇をまとめたものだろうと思っていたら、意外や意外、未収録連載まで収録されていた。もうプライドとかなんとかいうものは無いに違いない。中身も、後期火浦功らしく実に無内容に仕上がっている。古い小説読みの方はその内容の無さに感動を覚えるに違いない。では、読む価値が無いかとなるとそこは腐っても火浦功。語り口だけで読者を笑わせる絶妙の「間」は健在だ。ああ、世界が滅びようがどうしようがいいから、レイクの続きが読みたい。

山本正之MLのメールをチェックしていると、「タイム・ボカン」の再放送をチェックし忘れたことに気づく。しばし呆然。とりあえず、明日の「ヤッターマン」と明後日の「ガッチャマン」は録画予約したが、よりにもよって「タイム・ボカン」の第1話を見落とすとは…。痛恨…。

こちらは別にどうでもよかったが、「宇宙海賊ミトの大冒険」の最終話を縁があったので見てしまう。とても悪いわけではないが、少なくとも良くはない。設定自体は魅力的なので、4クールくらいでキャラの魅力を書き込んでちゃんと作っていれば…、といまさらながら惜しまれる。

3月30日
朝っぱらから録画しておいた「ヤッターマン」を見る。懐かしさのあまり涙が出そうになってしまった。しかも驚いたことに面白いという。確かに、展開の無理や、画面の荒さはあるのだが、すべてを勢いに転化しているのはさすがタツノコ。

SF Onlineの最新号を見る。ジュヴナイル特集は予想外に面白かった。確かにメインコンテンツの主要叢書解説はまったく読んでいないので「ふーん」という以上の感慨はないのだが、眉村インタビューは非常に楽しく読むことができた。第一世代ってのは本当にSFを書くということに対して自覚的だったんすね。
そういえば、SF-online賞の結果も出ていたな。長篇部門はまだなんとか機能しているが短篇部門は壊滅状態。一人一票で投票者50人じゃ駄目だよ。短篇の投票が難しいってのは分かるけど、もう少し何とかならないもんですかね。

3月31日
朝っぱらから録画しておいた「科学忍者隊ガッチャマン」を見る。以下同文。
作中、南部博士がG1号・大鷲のケンだけをガッチャマンと呼ぶのを見て、驚く。なるほど、だからガッチャメンじゃ無く、ガッチャマンなのか。…って人が感心している側から「われら科学忍者隊ガッチャマン」とか言い出すんじゃない。

夕方から噂の「ガンドレス」を見に行くため新宿に向かう。途中、高田馬場芳林堂で、ティプトリー『星ぼしの荒野から』、サキ『サキ傑作選』、朝松健・編『秘神〜闇の祝祭者たち〜』、小松由加子『図書館戦隊ビブリオン』、ホラーウェイヴ1、2を購入。『ビブリオン』はいらないんじゃないか、『ビブリオン』は。
まあ買ってしまったものは仕方が無いので「ガンドレス」だ。映画館に着いたとたん、「これは未完成ですよ。本当に見るんですか?」と聞かれる作品もなんだよな。思ったよりは多い、次回上映待ちの観客すべてが「どれほどひどいのか」を期待している映画というのは、やはり上映してはいけないのでは。

で、実際に見てみたのだが…。これ、未完成とかどうとかいう以前に駄目じゃん。
士郎正宗のメカデザで、装甲服を着た女の子戦隊が戦うという設定はありがちだが、受け線狙いとしては悪くない。それが、どうしてこんなにつまらなくなるか。
画が動かないとか、塗りが荒すぎとか、口パクがあってないとか、そもそもちゃんと編集していないとか、ときどき枚数が急激に減るとか、一部色が塗ってないとか、鉛筆書きの画があるとか、そんなのは小さな事だ。それは時間をかければ修正できる。それ以前の問題が山積みなのだ。
脚本はエピソードとキャラを詰め込みすぎ。武器商人のキャラをあそこまで立てる必要はないだろう。不要なエピソードを削って、メンバーの友情によるアリサの自立というメインテーマに絞るべきだったと思う。無駄にエピソードを詰め込んだおかげで印象がじつに散漫になっている。
また、それでも演出さえなんとかなっていれば救われるのだが、これも無茶苦茶。サウンドトラックだけで判断しても間の取り方が悪すぎる。もちろん、カメラワークもろくなもんじゃない。これじゃ完成版が出たってろくなもんにゃなりそうも無い。ひどい映画はいくらでも作れるという見本のような作品だった。

帰りがけに田中哲弥『やみなべの陰謀』(電撃文庫)読了。ジャンルが異なる短篇が全体で長篇をなすという構成に惹かれて買った物だが、なるほどそうくるか。構成はまあ頑張ったね、という程度だが、語り口はなかなかのものだ。たたみかけるギャグの連鎖は決まったときにはかなりの破壊力を見せる。伊達にマンガカルテットを名乗っているわけじゃないね。

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