九州ひとりでラリー2004
JR最強のリレー走者 - 鹿児島本線 -
長崎 17:30-(3036M:かもめ36号)-19:20 博多 19:30-(6061M:リレーつばめ61号)-20:51 熊本
東シナ海をのぞみ走る〔つばめ〕の姿も今は思い出 (薩摩大川-西方 2003.12) [Nikon D100, AF Nikkor 35mm F2D, ISO200] |
九州新幹線が開業して、それまで博多〜西鹿児島間を結んでいた〔つばめ〕は〔リレーつばめ〕と名を変え、新八代(しんやつしろ)への新幹線接続特急になった。ブラックメタリックに装いを改めた787系電車、一時は〔かもめ〕や〔にちりんシーガイア〕などにも使われて、ビュフェの窓にも九州各地の海を映してきたはずだが、〔つばめ〕の南区間が消えたことで海を間近に見る機会はなくなってしまった。
「○○リレー」という名称は新幹線や特急への接続列車でよく使われるが、短距離区間の普通・快速列車というのが定番。だがここは新幹線が走行126km・所要35〜45分なのに対して「リレー」が博多発着ので150km・1時間35〜45分と、どっちが「リレー」なんだか、とツッコみたい気分。設備にしても「リレー」にはグリーン席にグリーン個室、車販も一部を除いてあり、対して新幹線は全車禁煙普通車、車販なし……。
軌間変換の試験装置を新八代に設置 |
駅や車内では〔リレーつばめ〕でも「鹿児島中央ゆき(新八代で新幹線つばめと接続)」と案内されて、一体であることが強調される。JTB時刻表では鹿児島中央までそれこそ一本の列車のように見せて(新八代のりかえ)と付記している(鹿児島本線ページ)が、これはやりすぎかと。単に「ホーム反対側でのりかえられます」というだけでなく、接続列車どうしは一枚の特急券を発行、座席も近い車両を割り当てるなど営業上の工夫でのりかえの負担を軽減していることは評価に値する。博多まで延びてくるのは2012年ごろになるようだが、それより前にいわゆる「フリーゲージ車」、GCT (Gauge Changeable Train: 可変軌間車両) を使った真の直通運転も検討されている。
行先は「鹿児島中央」 | あのビュフェも座席に改造 |
で実際のところはやはりというべきなのか、20分間隔で走る博多〜熊本間の特急が新幹線接続も兼ねているといった感じで、満席だった自由席の乗客も久留米、羽犬塚、瀬高、大牟田と停まるうちに減っていく。1時間20分で熊本に着き、残った客も大半が下車。私も翌朝の動きやすさを考えて熊本泊とする。
熊本市電も上熊本駅付近でたしか軌道が移設されていたはず、と乗っておく。80周年記念ということで運賃が全線大人100円、こども無料というサービスデーだった。辛島町(からしまちょう)で乗り換えて上熊本へ、JRの上熊本駅前に立つと夏目漱石の像が確かにあった。
熊本 6:17-(81M:リレーつばめ101号)-6:37 新八代 7:05-(6323M)-7:09 八代
翌朝は一番の熊本始発〔リレーつばめ101号〕で出発。駅前の宿だがチェックアウトが少し遅れて、大急ぎで跨線橋を通って乗り込むとすぐに発車。こんどは「リレー」の名にふさわしい、途中無停車の超短距離特急である。
熊本近辺でもすでに新幹線の高架橋脚が立ち上がって左右に並行し、まだ無いところでも建設予定地を示す紅白縞の杭が立っている。千丁(せんちょう)を過ぎたところで本線から別れ、新幹線駅に向けて右側から回り込む。右側にはGCT車用の軌間変換装置があった。高架駅にすべりこむと右には新幹線〔つばめ101号〕が待つ。基本的に3分程度しか留まらないホーム上には何もない。まだ早朝で少ない乗客は左から右、「黒」から「白」へと移動、定刻に滑り出した列車は駅構内を外れるとたちまち加速、山腹のトンネルへ消えた。
「黒」つばめと「白」つばめが頭をそろえて | のりかえはホーム反対側 |
接続列車を受けるとすぐに発車 〔つばめ〕は鹿児島中央へ | そして〔リレーつばめ〕は博多へ |
真っ白な自動改札が目に付く改札口へ降りる。きっぷを投入すると、ピンポン「期限切れ」……あれ? と思ったが、在来線から来てここで降りることは想定にないようだ。周遊きっぷ(ゾーン券) では九州新幹線・おれんじ鉄道ともに乗ることができない。
八代まで一駅、普通列車でゆく。在来線の駅も新しいが駅舎はまったく別に建てられていて、のりかえるにはいったん外に出なければならない。早朝深夜は無人という付け足しの扱いで、全線開業時はこの区間も経営分離するということなのだろうか。あとで見た川内駅は新在同居していたが。