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岩橋百合の県議会レポート 2001年9月議会 (2001年11月5日発行)
バックナンバーはこちらでお読みください。

■ ベアテ・シロタ・ゴードンさん講演会

−男女平等草案を創った女性が語る「平和・人権」− 

ベアテさんとともに

 10月27日(土)、男女平等憲法を作ったベアテさんの講演会が行なわれました。草案を創った頃の背景やそのいきさつなどを、伝説のその人の口から聞くことができたことは本当に幸いでした。

 *テロの衝撃

 質疑応答の時にテロと武力報復について聞かれたベアテさんは、困った様子で、「アメリカはこれまで、(本土空爆などの)経験が無かったから、大変ショックだったんです。だから今は報復を求める市民の声が大きくなっています」。日本の憲法9条については「これをもっと世界に知らせてほしい、日本には9条があるのだから、アメリカの戦争に協力することはできないときちんと言えばいい」と語られました。
 現状はベアテさんが考えられるようには進んでおらず、そのことが私たちがベアテさんをお呼びした理由でもあるのですが、会場を埋めた400人の市民はもう一度、9条(平和)24条(男女平等)の大切さをかみしめ、一人ひとりに何ができるか考えた人が多かったことが、アンケートでわかりました。

 今回のテロ対策特別措置法や、自衛隊法の改正はどう考えても、憲法に抵触しています。それが、多数決で成り立ってしまうところに日本の政治の危うさ、市民のとまどいがあります。自由党の小沢さんとは思想が違う私ですが、憲法を改正しないで今回の立法を行なうことは間違っていると言う小沢さんは正論でしょう。
しかし国民の多くは世界の平和を望んでおり、アメリカでもイギリスでもアフガン攻撃の成果がなかなか見えない中、徐々に空爆停止を求める意見が力を得てきました。戦前とは違い一瞬にして世界を情報が駆け抜け、誤爆、住民の被害、難民の増大などの様子が、手にとるようにわかる社会は、それに対する新たな考え方、対処の仕方も、一瞬にして行き交う時代でもあります。平和を創る力を今こそ発揮する時です。政府も市民も。 


■ 目からうろこ!! ステファン・スズキさんの講演会 ■


 11月3日に千葉大学けやき会館でケンジ・ステファン・スズキさんの講演会が行なわれました。当日は千葉大の学園祭、模擬店の場所を通り抜けるのは大変。

ステファン・スズキさんと

 ステファンさんの講演会の参加者は100人ほど。ステファンさんは、デンマーク生活30年、風力発電にたずさわり、「風のがっこう」という自然エネルギーに関わる人材育成を行なっています。今年の6月県議会における私の自然エネルギーの質問がきっかけで、千葉大の佐藤先生、NPO法人『諷詠人』のメンバーと知り合いになり、環境自治体琵琶湖会議で出会ったステファン・スズキさんの講演会を彼らと共催で行なうことになりました(最終的には「千葉市くらしの会」も含めた三者の共催)。
 
 第1次石油ショックの時わずか2%だった、デンマークのエネルギー自給率が、現在では、エネルギー輸出国に。しかも原発に頼らず、自然エネルギーを多用するデンマークのエネルギー政策はどのように創られ、どのように市民に支持されているのか、そして、デンマークにできて、日本にできないのは何故か、彼の論旨は明快です。「教育だ」と言っています。

第2部シンポジウム「省エネと活エネ」

 それではデンマークの教育はどのようなものなのか、ひとことで言えば、民主社会の担い手である市民を創る教育とでも言えるのでしょうか。国政選挙の投票率8割5分を超えるデンマークでは、政治は市民のたしなみというところなのでしょう。日本の学校は自分で考え、行動する能力をつみとっているのではないかと語っていました。
 会場にはデンマークの「風のがっこう」の体験者も来ていて、ミニ同窓会の場面もありました。参加者からの質問が多く、答えきれないうちに時間切れとなってしまいました。当日のステファンさんの講演原稿を読みたい方は、どうぞ市民ネットワーク・千葉県にご連絡ください。

◆市民ネットワーク・千葉県
      TEL 043−201−1051
      FAX 043−223−6651
     ken-net@pk9.so-net.ne.jp


◆ 9月議会にかかった補正予算(新規+注目)

1、福祉、保険関係
  • 21世紀福祉戦略の構築事業  200万円
    NPO、施設関係者、福祉サービス利用者などの意見を聞き、福祉戦略検討会を設置し、具体的な福祉戦略を構築する


  • 知的・精神障害者ふれあいホーム(仮称)検討事業  100万円
    知的・精神障害者が地域で自立した生活が送れるよう支援する
    グループホームなどの整備確保、支援システムなどについて検討する

  • 病院内情報システム整備促進事業  2億3200万円(全額国費)
    病院が行なう電子カルテ等の病院内情報システムの導入に助成する


  • 女性のための健康支援事業  100万円
    更年期健康教室

  • 女性専用外来医療機器整備事業  6400万円
    東金病院の女性専用外来において、骨粗しょう症、乳がんの検査をおこなうため、エックス線骨密度測定装置、乳房エックス線撮影装置を整備する

2、その他で注目したい予算

  • 公社等外郭団体経営調査事業 2000万円
    県が25%以上出資する56団体のうち、今年は10団体の経営状態を公認会計士によって調査する

  • ちばエコ農業推進事業  700万円
    ちばエコ農業産地と千葉エコ農産物の認証

  • 幼稚園・保育所等緊急安全対策事業  1億800万円
    私立小中学校を含め警察への非常通報装置を設置する

  • 遺伝子組み換えDNA技術応用食品検査事業  4000万円
    法で義務化されたDNA検査を衛生研究所で行なう装置の導入

  • 成田新高速鉄道事業化推進  1億7100万円
    都心と成田空港を30分で結ぶ新高速の早期整備をはかるためのアセスメント調査と認可関係の調査費

◎ 狂牛病からみえてくること ◎

 ★狂牛病は発見されなかったけれど

 10月18日に全頭のスクリーニング検査が始められてから、11月2日まで、千葉県では369頭の牛がと畜されました。しかし、1頭も狂牛病の牛は発見されていません。イギリスやEUからの肉骨粉を輸入していた日本は決して狂牛病清浄国ではありません。しかし、この数字を見る限り幸い現在と畜されている牛に狂牛病が広がっているということではないようです。この間、酪農家を始めとしたいろんな業種の人たちが危機的な経営状況に陥り、牛肉離れが進んで、経済にも大きな影を落としました。
 
 ★自給出来ない国日本

 11月3日はデンマークから「風のがっこう」主催、ステファン・スズキさんをお招きし講演会を開きましたが、外から見た日本は、食べ物もエネルギーも自分の国で自給できず、660兆円の借金をかかえている深刻さなのに、国民は何にもいわずがまんしている国だといわれました。本当にそのとおりです。狂牛病は食糧の60%を輸入に頼っている日本政策のたどり着いた先に待っていたものです。
 
 ★ここ「千葉」だからこそ

 今こそ、私たち市民にとって、安心できる食糧政策としての地産地消(地域でできたものを地域で食べる)を本気で実現する必要があります。農業生産高第2位の千葉県です。
 安いからと輸入品を選ぶのではなく、安心の食糧生産を持続的に行なえる日本農業をしっかりと支援するために、国産・ 県産の農畜産物を選んでいきたいと思います。

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