|
|||||||||||
知事は変わった、市民も変わろう! −堂本新知事の所信表明演説 4月20日(金)の臨時県議会で、152人の傍聴者が見守る中、堂本暁子新知事の所信表明演説が始まりました。 ◆地方主権を唱える知事として ◆県庁も議会も変化の予感 千葉が燃えた、千葉が動いた!ー千葉県知事選をふりかえる ◆堂本さん擁立の経過 ◆ 選挙活動スタート 県民の会で事務所を借りて、2月17日にオープン、2、3日は電話が使えず、困りました。21日までは、県議会の合間を縫って選対会議や、政策づくりをしました。県議会が終わってからは選挙の駅頭、街頭演説、ミニ集会などが一気に始まり、告示後とほとんど変わらない動きになりました。 告示後は県民の会で擁立に動いた7人の女性選対ではなく選挙対策のため新たに組みなおした選対会議を毎晩開く予定でしたが、実際には時間が取れず1回やっただけでした。結局、毎晩深夜まで、事務所に残っている人だけが、スケジュールを作ったり、勝手連に仕事をお願いしたり、ちらしの増刷など、その場その場で必要な判断をしていったというのが本当のところです。中心となって事務局を引き受けた県ネットの天野さんは8キロ痩せてしまいました(因みに私はほとんど体重変わらず)。 ◆ 強い手ごたえ 選挙の手ごたえは、日に日に強くなっていきました。選挙期間中最後の日曜日となった18日には、千葉駅で街頭演説する堂本さんに声をかけたり、握手を求める人も数えられないくらい多くて、驚きました。南房総3日間連続の候補者カーによる街宣、都市部では毎日の電車移動など68歳の堂本さんにはあまりにもハードなスケジュールだと思いましたが、一緒に動いている私たちより堂本さんの方がずっと元気でした。山歩きで鍛えた体力が物を言ったのでしょう。 ◆ ボランティアとカンパの選挙 ◆ これからが本番です 今後は別の形での勝手連がたくさんできてくることが必要です。私たちもあらたに、堂本知事を支えて県民に開かれた千葉県を創ろうと、『堂本あき子と対話する議員の会』を立ち上げました。いろんな論議がありましたが、入ってくる人を限定せず、開かれた会にすること、堂本さんが知事として判断する材料を地域から提供することを決めました。近々学習会、シンポジウムなどを開く予定です。
堂本あき子と対話する議員の会 発足
産業廃棄物処分場は私たちの問題 ★☆町をあげての反対請願通らず 海上町、銚子市、東庄町にまたがる産業廃棄物最終処分場は、98年、海上町住民投票で、80%の町民が反対、地元3市町が首長、議会共に明確な反対を掲げる中、いったん千葉県知事が不許可に。業者は厚生省に不服申し立てを行い白紙になっていました。しかし事業者が、県不許可の理由であった汚水の蒸発散装置の能力を高めて再度申請したことで、県の態度が許可の方向へと変化。 最終日に採決が行われました。各会派の意見は次のとおり。( )は会派の人数 県は産業廃棄物最終処分場の許可は国からの法定受託事務であり、申請内容が法に合致していれば否定できない、と答弁しています。今の大量生産・大量廃棄システムでは都市住民の私たちがいくら身の回りでのごみ減量に励んでも、産廃処分場の必要性は無くなりません。ごみ問題の解決策の一つとして生産者の責任を明確にする法制度が必要です。そのためには政権の交代、国政における大きな政策変更が望まれます。また、地方でも住民投票などの住民自治を尊重する首長や地方議員が今こそ必要です。
沼田知事が引退を表明しました。その後、共産党は候補者を発表しましたが、民主党は市民団体との連携を模索しているようです。
やっぱり気になる 安全管理 ・・・県血清研究所 視察報告・・・ ◆ 全国で唯一の公的ワクチンメーカー 12月4日、市川の血清研究所を視察した。元、軍の血清などを作っていた施設で、昭和21年からという長い歴史を誇る研究所で、公的な機関としてはただ一箇所、インフルエンザ、日本脳炎などのワクチンを製造しているメーカーでもある。 ◆ 不祥事続き 前の議会報告でもお伝えしたが、今年、日本脳炎のワクチンが、国の定めたマニュアル通りに作っていなかったということで、廃棄処分にされた。メーカーとして、取引先に迷惑をかけないよう、代わりのワクチンを手当てするための費用が1億4千万円ということだったが、今回の委員会でその後の経過について質問したところ、最終的には3億5千万円ほどの損害になるとのことだった。前に聞いたものに加え、それ以外のワクチンも廃棄するためとのこと。昨年、インフルエンザのワクチンが国家検定を通らなかった時の損害額も1億5千万円ほどというが、一般企業だったら、もう少し、責任の所在を明確にする動きが出てくるのではないだろうか。 ◆ バイオハザード(生物災害) 訪れた研究所は、市川市の文教地区にあり、すぐとなりは高校だった。コンパクトな敷地の中に、古い赤レンガの建物、皇族お手植えのいちょうなどもあり、歴史を感じさせるたたずまいだ。建て増しして、4つの建 ◆ 血清研究所不要論? ただ、建物全体の建替えなどは、独立採算の中で、費用を準備することはできず、むずかしいようだった。最盛時には300人を超える人員だったそうだが、現在は職員80人と100人のパート職員で営業している。かつて、議会の中で、血清研究所不要論があったという。わたしが今回の不祥事をきっかけに持った感想と同じだ。何故、公的機関がワクチンメーカーなのか、昨年6人しかかからず、一人の死亡者も出なかった日本脳炎の予防接種そのものが本当に必要なのだろうか。
議会も早く情報公開を!
◆この質問者に関心あり 県議会議員になって、7回の議会を経験しましたが、人柄のにじみ出た、質の高い質問をする人が大体わかってきました。(ただ、自民党、自民党ちば21の長老はあまり質問をしないので、素晴らしい人もいると思うのですが、聴くチャンスがなく判断できません)。今回の議会では、自民党の幹事長飯島さん、民主未来の田中さん、共産党の加藤さん、自民党(印旛郡選出)の伊藤勲さん、自民党ちば21の阿井伸也さん、自民の谷田川さんなどが、私の関心や好みかもしれませんが、興味のもてる質問だったと思います。自民党ちば21の岡村さんは全て環境関連の質問で、印象的でした。 勇退する沼田知事への賛辞、評価も質問日が後になるほど難しく、皆さん苦労されていました。なかには、昨日沼田知事の夢を見た、カラオケをすすめたら、知事は断ってダンスを踊ったなどと、ちょっと失礼なことを言う人もいましたが、知事はニコニコと聞いて、かならず、言葉に対する謝意を答弁の最初に述べていました。
◆でも会派の中で… ただ、いくら人柄が良くて質問が素晴らしくても、議案や請願への賛否は会派の中で決まるので、会派の中の力関係で決まってしまいます。また、日本の場合は質問は執行部に対して、一方的に行うものとなっていますが、本来は議員同士が互いにディベートする性格のものでしょう。そうなった場合に今の質問巧者が果たして、理路整然と討論ができるかどうかは別です。
議会あらかると 市民ネットワーク提出の意見書 3つのうち2つ採択 ! @ NPO(特定非営利活動法人)支援税制を求める意見書 採択 非営利の活動を行っているNPO法人への法人並の課税は、事業の継続を困難にしている。そこで、NPO法人に対する寄付金の所得控除および損金算入制度の創設に加え、法人税の減免などの税制支援措置が受けられるよう求めるもの。 A 遺伝子組み換え作物の検査体制の確立を求める意見書 採択 日本では認められていない遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」が、輸入された飼料用トウモロコシに混入するという事故が発生した。今後もまた起こりうることから、検査体制を確立し安全性を確保するよう求めるもの。 B 国勢調査の見直しを求める意見書 不採択
|
<2000年9月号> |
市民の選択が21世紀の千葉を創る
◆市民を見くびる非拘束名簿方式導入
参議院議員選挙の非拘束名簿方式導入は、自民、公明がいかに市民を見くびっているかを示しています。
都市部ではもう、自民、公明などの党名では選挙に勝てないということから、候補者名も選択できるということに
したのですが、その人がどの政党に所属しているか、市民にはわからないとでもいうのでしょうか。
◆既存勢力VS無党派市民という図式
10月15日の長野県知事選挙では、作家で、市民オンブズマン活動や、阪神大震災の災害支援NPO活動で知られる
田中康夫氏が圧勝しました。首長選挙では、既存勢力VS無党派市民という図式がはっきりしてきました。
◆千葉県知事の意思表明なし
さて、来年3月には千葉県知事選挙が予定されています。
沼田知事はこの9月議会中では進退を明らかにしませんでした。沼田氏は5期20年という長期にわたり
県政を担ってきました。環境派の知事として、評価すべき点もありますが、長年行政の中に居つづけたため、
新しい流れ、たとえば市民参加、情報公開、市民活動団体との連携、役割分担などに対応できていません。
また、行政改革の遅れは、長期政権の弊害でしょう。
◆千葉県議会では
県議会では、先の衆議院選挙の結果、圧倒的多数を誇っていた自民党が割れ、
自民党ちば21(23人)という新会派ができました。その会派は、代表質問で沼田知事続投に対して
不支持を表明しましたし、第3会派の民主党も、独自候補擁立を公言しています。
県民が選択できる選挙が実現できるよう市民ネットでも働きかけていきたいと思います。
選挙も入札と同じで、いろんな候補がいてこそ、正当な競争、選択が可能になると思います。
◆今問われる市民の選択
3月知事選挙の後、6月には千葉市長選、7月には、冒頭に触れた参議院選挙があります。
21世紀の千葉県千葉市をどう創るかは市民の選択にかかっています。
公立病院は赤字とは限らない 健康福祉常任委員会 沖縄 視察報告
◆沖縄県立中部病院の場合
沖縄には、本島に5つ、石垣島、宮古島にそれぞれ1つの計7つの県立病院があります。その1つこの中部病院は、過去6年間黒字の経営実績を誇る病院です。
この病院の特色は、どんな救急患者でも24時間受け入れること、夜間でもスタッフがいて、手術、検査などができることです。一般的に救急医療は1次、2次、3次医療というふうに、役割が分担されています。一般開業医の医院が1次、手術や検査のできる病院が2次、特別な医療が可能な3次というように。
ところが、ここでは、1次から3次まで全て受け入れているのです。その患者の病気が1次なのか3次なのかは、専門家が診てみないとわからないというのです。
◆自由自在な発想に目からうろこ
ここは、琉球大学の医学部の研修を引き受けていて、医療界の常識(?)であり、患者の側から言えば弊害といえる『学閥』がないということでした。事務長と、副院長、救急の担当医から話を聴きましたが、医者が頂点にたつ病院ではなくそれぞれが対等に力を合わせるスタッフだという意識が感じられました。この平等意識が事務局のやる気を引き出し、健全経営努力にみんなが協力する体制ができていると思いました。
病院の拡張のため、駐車場が足りなくなって、患者の減少が見られたため、急きょ近隣の土地を借りて500台分を確保、そこから病院がチャーターした2台のタクシーで患者を運ぶようにしたなど、自由自在な発想に目からうろこが落ちた思いでした。救急の受け入れ風景はNHKでやっているアメリカのテレビ番組『ER』のような感じでした。それもそのはず、この病院の前身は米軍が設置した戦争孤児や傷病者を治療する病院だったそうで、戦後もハワイ大学などの医学教育顧問団の教授から研修を受けるなど、基本的にはアメリカの医療に大きな影響を受けているように感じました。
◆活用される遠隔治療
多くの島がある沖縄では、200人から2000人の島には医師が1人ずつの診療所があり、その医師同士のパソコンを使った情報交換、デジカメを使って、患部の写真を送信するなど遠隔治療が盛んに行われていました。これは、患者だけでなく、孤独と業務過多に陥りやすい医師にとってもメリットが大きいということでした。
◆さて、千葉県では
ところで、7つの県立病院全てが赤字の千葉県。公立病院は赤字でも仕方がないのではと諦めが先に立っていたのですが、帰りのバスの中では他の議員ともこの視察の成果をなんとか生かして行こうと、話しあいました。12月議会では、公立病院の経営について、質問に取り上げたいと話す議員もいました。
今回の健康福祉常任委員会の視察では一番インパクトの強い沖縄県立中部病院視察でした。
■この税金の使い方には反対です!
◆なぜ? 婦人相談員の予算削減
増えているものだけでなく減る場合も補正予算として提出されます。婦人相談員の人件費が減っていました。女性への暴力について、やっと国も動き出し、千葉県でも
昨年の私の質問に応え、暴力の調査を行うことになったのに、 その動きに逆行する削減です。それで、対応できるのかという問いに対し、これまでより後退しないよう対応するというのですが、相談時間が減らされることは必定です。
◆恩寵園裁判費用の支出に反対
恩寵園の児童虐待事件における千葉県知事の責任を問うた 住民訴訟(園長への報酬を払うべきでなかったというもの)の 裁判が終って、県が長年放置してきた責任について、
実質的には違法という他はないという裁判官の判決文があり、住民側の勝訴と いっても良いものだったのですが、恩寵園への補助金の支出については、
知事が勝訴したため、裁判費用が公金から支出されるという議案が出てきました。94万円ほどの弁護士費用です。
これについて、規則では、公務員がその職務において訴えられた場合 勝訴すれば公金から裁判費用がはらわれることになってはいますが、 裁判官の言葉にもあるように責任を回避することに終始した千葉県の
姿勢を認めるわけにはいかないと考え、反対しました。
#
■来年度予算編成に関する予算要望書を提出します
市民ネットは、安心して暮らせるまちづくりのために私たちの税金をこう使ってほしいと、今年も予算への要望事項を提出します。ネットメンバーが各部署との話し合いに参加し、思いを伝えます。予算要望書をご覧になりたい方は、事務所までお問い合わせください。
県知事 沼田 武殿
国政では、地方分権一括法、介護保険法、NPO法が施行され、情報公開法、国旗国歌法が制定されるなど、 大きな変化がみられます。国会に憲法調査会が設置され、活発な議論が展開されていることも、ダイナミックな時代の変化を感じさせる動きでしょう。
物の時代から心の時代といわれて久しいのですが、不況の中で、自殺者が増え、子どもの虐待、 女性への暴力の問題などが表面化してきました。市民生活に身近な地方自治体の役割はますます
高まっているといえましょう。
地方自治体においても、これまでの国に従う運営では、県民のニーズに応えていくことはできません。 県民の県政参加を実質的なものにするため、更なる情報公開、情報提供が必要です。
千葉県の財政は経常収支比率が100に近づくなど、硬直化しています。地方分権が本格化する時に、財政の厳しさから、独自性を発揮することが不可能では、困ります。
外郭団体を含む組織見直しなどの行政改革を断行し、事業評価、政策評価による優先順位をつけた 予算編成が必要です。市民活動団体や、企業と行政の役割分担を見直す行政システム改革も積極的に
進めていただきたいと思います。
少子高齢化の中で、子育て支援や、虐待、DVなどの人権の問題にすばやく対応する体制作りが必要です。 また、房総半島の美しい自然を生かし、農業県としての千葉をアピールするためにも、NON-GMO農業県宣言をしていただきたい。また、心の癒し機能を持つ森林の持続的有効活用を進め、産業廃棄物による
環境破壊を食い止め、県民が安心して暮らせる千葉県の実現に向けた予算編成をお願いします。
(2001年度千葉県予算編成に対する要望書より)
議会あらかると
■県議会に情報公開検討委員会を設置
昨年の9月の代表者会議で市民ネットから提案されていた 情報公開検討委員会が、やっと、この9月議会で設置されました。 この委員会を設置するにあたり、最初自民党から出された案では、
委員の定数が8人、自民、自民党ちば21、民主、公明、共産までしか委員を出さない方式でした。しかし、自民党ちば21の方から、「少なくとも政党をしょってる会派からは出てもらうほうが良い」という意見が出て、県民連合、保守党からも一人ずつ委員が出ました。というわけで、
残念ながら、政党に所属せず1人会派のわたしは委員になれませんでした。 でもオブザーバーとして毎回出席し、意見も言っていきたいと思っています。
情報公開を市議のときから、主要なテーマの一つとして発言を続けてきましたので、 今回、私の提案がきっかけとなって第一歩が踏み出せたことを嬉しく思っています。
これから、なるべく早く使いやすい条例案を上程できるように頑張っていきたいと思います。
このはなしには、もうひとつ付け加えなければならないことがあります。
それは、委員会が非公開になったことです。情報公開の仕組みを作る委員会が非公開とは!
反対して意見も述べましたが、賛成が圧倒多数なので、そのまま決定されました。
冗談のようですが、これが、千葉県議会の現実です。でも少しづつ前へ進んでいます。
■ネット提案で委員会傍聴者にも資料を配付
今議会から市民ネットの提案により全ての委員会で、これまで 新聞記者にだけ配られていた資料が傍聴者全員にも配られるようになりました。 今回も、県ネットメンバーが8つの常任委員会全てを傍聴しました。資料が配られるようになって「やっと話されていることが見えてきたね」とメンバーの感想です。
<2000年6月号> |
六月議会報告#
# 6月22日から7月11日まで行われた県議会ですが、今議会の質問で、多かったのは、産業廃棄物と残土の問題(私も含め7人)と情報化(私含め7人)でした。産廃では、銚子、海上、東庄にまたがる伸葉産業が計画している産業廃棄物処分場は、地元から反対の請願が出され、業者から申請を受けた千葉県が排水の処理に問題ありとして不許可に。しかし業者の不服申し立てを受けた厚生省が千葉県の不許可を取り消したもの。千葉県には東京都や神奈川県から、多くの産廃や残土が持ち込まれており、南房総の自然や、半島特有の生態系が破壊されています。私は持込総量を減らすために、三重県や埼玉県同様、法廷外目的税の対象として、検討するよう求めました。
情報化では県のホームページをもっと使いやすく、また、インターネットにアクセスできない県民への情報提供についても質問しました。
その他の質問項目は
1、公共事業の環境配慮について
2、環境産業の育成
3、入札に総合的評価制度の導入を
4、情報公開条例の見直し 審議会の公開について
5、精神障害者の地域福祉
6、介護保険施行後3カ月目の課題について。
1年に1回、30分という質問時間のため、やっぱり早口になってしまいました。全文はこちらで読むことができます。
事務所に電話を下さればFAXなどで、概要をお送りします。
TEL.046-201-1051 FAX.043-223-6651 e-mail:ken-net@pk9.so-net.ne.j
#
#
# ■自民党が数の暴挙で押し通したむちゃくちゃな意見書〜歴史教科書問題〜
▼1票の格差
買収で、逮捕された白井町県議の補欠選挙で、再び自民党が80票の僅差で、当選。千葉県議会の力関係は変わらず。自民党66人、民主・未来9人、公明6人、共産6人、社民・県民連合4人、保守3人、市民ネット1人、水と緑の会1人、自民クラブ1人。
こういう圧倒的な自民党優勢の県議会が何故できる? 千葉市緑区と、安房郡・夷隅郡などとの1票の格差は4倍に近い。 昨年2月議会つまり去年の県議会議員選挙の直前に県議会の定数が自民党からの提案通りに可決された。お手盛りの特別区である。
▼こじつけにもならない押しつけ
このような県議会では、いろいろな弊害がある 。
今回の議会でも、自民党から出されたむちゃくちゃな意見書が通った。その意見書とは 『日本国への愛情と誇りを持つことのできる歴史教科書作成に向けて適切な対応を求める意見書』というものである。その中身がすごい。文章をそのままのせると(カッコは岩橋のつぶやき)次のとおり。
「国家の基本は人であり、教育こそが国家百年の計である。教育は、新しい世紀の到来を前にして取り組むべき最重要課題である。(国家が2回も出てくる、教育は国家の役に立つ人づくりか?教育の重要性は同感だが、)
現在の教育現場は、学級崩壊・不登校・校内暴力と問題が山積みしている。これらのことと、時刻の歴史に誇りを持てないような記述に満ちている歴史教科書の存在が無関係だとは思えない。(大胆な説である。ほんとうにそのような関係がみとめられるか?)
よって本議会は、政府に対し、児童・生徒が時刻の歴史・伝統・文化に誇りを持ち、日本国への愛情をより一層強めるような歴史教科書を作るための適切な対応を求める」
この意見書をめぐって議会の中では野次が飛び交ったり、傍聴者からの「真面目にやれっ」と言う発言もあったが、意見書は自民党以外の党がすべて反対する中、圧倒的多数の自民党の賛成により可決、国に送られた。
新聞記者もたくさん傍聴していたが、翌日の千葉版には、自民党会派の分裂が大きく取り上げられていた。記者の関心はそちらの方に向けられていたのである。
#
■知らせなきゃ 審議会の公開
千葉県のさまざまな審議会、その多くが公開され、傍聴できるってご存知でしたか。知らなかった? 当然です。県は審議会についてのお知らせをまったくしていないのですから。いつ、どこで、どんな審議会が開かれるのか知らなけれぱ傍聴のしようがありません。
審議会は約200。平成10年度は、860回開催され、傍聴可能な会議は91回、そして、実際に傍聴者があったのは、なんと1回でした。平成11年度は852回開催され、そのうち103が傍聴可で、実際の傍聴者があったのは12回でした。この内訳は、漁港管理会議8回、介護保険事業計画策定委員会4回です。
三重県や埼玉県のホームページには、審議会というコーナーがあって、傍聴できる審議会の予定を知ることができます。数年前に訪れた宮城県でも、県庁のロビーに「本日の審議会」のお知らせが貼ってありました。
PRをまったくしなかったことを認めた千葉県ですが、今後はどうするのかと2回目の質間で聞いたら、現在行政改革で審議会の見直しを行っているので、その後考えるとのこと。何故その後にするのか意昧がわかりません。改革は改革、PRはPRで、やる気さえあればできることです。
#
■オウム転入拒否は法律違反です
▼この意見書には賛成できません#
自民党から『オウム真理教(アレフに改称)の活動を制限し、住民の平穏な暮らしを守るための厳正なる措置を求める意見書』が提出されました。私を除くすべての議員が賛成でした。
なぜこの意見書に賛成できないのか述べてみたいと思います。
▼行政こそ冷静な判断を示すべき
オウムの無差別大量殺人は許されてならないことです。オウムに家族を殺された被害者の気持ちを思うと、オウムに対する感情は当然だと思います。裁判による厳粛な処罰を求めたいと思います。しかし、今全国100ケ所以上で、オウム信者の転入に反対する住民運動が行われており、千葉、流山、柏など多くの市で、住民票の受け入れを拒否する行政の姿勢が明らかにされましたが、こういう動きに対しては別の危険性を感じています。オウムに的を絞った団体規制法(11年12月施行〉はオウムに対して、全部の信者の名簿を提出、持っている士地、建物、資産を届けることを義務付けています。
#▼厳しいオウム規制法 信者にも信教の自由と人権はある
これに従わない場合は、すべての活動を禁止されるという厳しい法が適用されています。裁判の中でも明らかにされていることですがいったん脱会した信者が、再ぴオウムに戻っています。就職した会杜で、元信者であることが知られ居づらくなって、あるいは家族に責められて自分の居場所がないと感じて、彼らはオウムに戻っているのです。日本のどこに行っても住民票が受け入れられなけれぱ、彼らはどこに行けぱよいのでしょう。多分オウムに戻るしかなく、彼らの信仰は強固になるでしょう。
この意見書では、さらに新しい法的措置をとるべきとしています。団体規制法より強力な法といえぱ、破防法の適用のことなのでしょうか。こうした動きが、オウムをさらに孤立させ、元信者の社会復帰を阻む傾向を強めることが心配です。
#
■市民ネット提出の意見書…採択
【介議保険事業におけるNPOへの課税の中止を求める意見書】
この4月から始まった介護保険によるサービス事業に民間事業者や、非営利を旨とするNP0が参入しました。特に、市民参加型の助け合いから発展したグループが多いNPOは、大手の事業者が手を出さないような、採算性や効率の悪いサービスを引き受けており質の高いサービスが評価されています。しかし、NP0は歴史も浅く、基盤も脆弱であるため、社会的な支援としてまず社会福祉法人と同様な税制面の優遇を求めるものです。
##■一緒に考えたいホームレスの自立
千葉でも増えているホームレス、自分たちには何ができるのだろうかとずっと考え
ている。ホームレスのひとを何人も自分の店で働き手として雇っていた蜂須賀さんに
会いに行った。すごい肝っ玉母さんという感じのひとだった。結論はそう簡単ではな
いが、一つのヒントを得た。それは、《一方的な援助は彼らには受け入れられない、
廃品回収業という仕事柄、彼らが持ってくる廃品を買うという対等な立場の蜂須賀さ
んだから彼らは心を開いたのだろう》ということだ。犯罪の被害者になりがちなホー
ムレスの人々の問題をいっしょに考えてくれる人を探している。
#議会あらかると
■議長に申し人れ
市民ネットワークでは、せっかく公開されている県議会の常任委員会を、なるべく多くの人が傍聴しようと、この1年、8つの委員会を傍聴し続けてきました。しかし、新聞記者に配られる資料が傍聴者には配られず、審議の内容がよくわかりません。
そこで議長に、傍聴者にも資料を配ってほしいと申し入れました。議長はこれを受けとめ、代表者会議、議会運営委員会に諮ってくれることになりました。
■県議会の新体制きまる
ぜんぶ自民党
◆議長:桜井 敏行氏
◆副議長:本清 秀雄氏
◆議会運営委貝長:推名 一保氏
○岩橋百合は健康福祉常任委員会、(高齢者、障害者、児童の福祉に関すること)
健康福祉部・血清研究所(ワクチン関係)を担当します。
■補正予算は雹の被害対策費
災害融資資金利子補給等
5月24日、富里町、白井町、我孫子市、鎌ヶ谷市などを襲った雹はわずか15分間で農産物や園芸施設に71億円の被害をもたらしました。とくに富里では出荷直前だったスイカが、大きな被害を受けました。ガラス温室が割れるなど施設被害も9億円。農家では、すでに近代化資金などを借りているため、融資制度を利用することへのためらいもあり営農意欲をなくしている農家もあるということです。正確な気象予測や雹に対応した施設作りに、県として助成することが必要です。
<2000年4月号> |
三月議会報告
2000年度予算、99年度補正予算などが審査されました。その他、地方分権一括法を受けた条例改正、介護保険の財政基盤安定化基金など。
一般会計予算1兆6,448億円(マイナス1.2%)この予算案の基礎となる税収は6090億円。平成元年に比べ県民税全体では96.8%と微減。しかし、法人関係2税は47.2%と半減。不況の影響が強く出た予算です。
東京都の石原知事が一部の銀行を対象とした外形標準課税を打ち出し、既に導入されました。千葉県議会でもすべての会派が本会議で取り上げました。沼田知事は、全国一斉の制度として導入されるべきで、石原税には反対。しかし、県として可能な自主課税税源の研究をすると答弁しました。
##総選挙間近? 納得のいく候補者を選ぶために
突然の首相交代により、各政党は6月の総選挙を想定して一斉にはしりはじめました。
グローバル経済下の不況、働く状況の激変、環境問題、少子高齢化など、政治に期待が集まるのは当然です。これまでの自民党主導型の政治が行き詰まっていることは明らかです。2000年は政治を変える年にしなければならないと思います。
情報公開、行政改革で、税金が効率的に使われる社会にすること。そして、アメリカ型の貧富が2極化する社会ではなく、職を失ったとき、障害をもったとき、自殺したり家族を殺したりしなくてすむ社会を作っていかなければなりません。
子供たちの成長をゆっくりと見守ってやれるゆとりのある社会、幼児虐待やドメスティックバイオレンスのない社会そして、老後は年金がきちんと確保できる社会です。そのためには日本の政治に圧倒的に欠けている女性、市民を政策決定の場に出していくことが有効です。
最近フランスでは候補者を男女同数とする男女同数法が可決、また韓国では国会や地方議会の比例代表名簿で30%を女性にするクウォータ制が導入されました。
つい最近、全国フェミニスト議員連盟が主要政党に興味深いアンケートを行いました。各政党が女性議員を増やすために具体的にどのような努力をしているか聴いています。
また最近大手の新聞が全国会議員の通知表を発表しました。質問回数、法案提出など議員活動のアウトラインがわかるものになっていました。
こうした色々なデータを自分の物差しにプラスしてぜひ納得のいく候補を選んでください。そして納得のいく政治を日本にも実現しましょう。地域の政治団体であるネットは地方議会に市民の代理人を送る活動を続けてきました。地方分権が進めば福祉、医療、都市計画、学校教育など、市民生活の大きな部分を地方自治体の議会で決めていけると考えたのです。その理念はいまも変わりませんが、実際には密室、中央集権的な日本のシステムを変えるためには国政が変わることが重要であることも痛感してきました。
とくに今回の国政選挙は自民党主導の旧態依然とした政治を終わりにし、現在の警察不祥事に象徴される官僚システムを作り変えることにつながるものでなくてはなりません。将来世代に巨大な負債を先送りするのでなく、福祉医療年金の仕組みを再構築して将来の不安を取り除くことが必要です。男女が共に参画する社会、仕事、子育て、介護を社会で支える充分な体制整備もしなくてはなりません。そのためには国会議員の政党バランスを市民、女性の側に傾けなくてはならないのです。
#こんなふうに使いました。99年度の県政調査費
県政調査費とは政策提案などの調査研究のために県議に支給される費用です。現在月額40万円
#
#議会あらかると
本会議、委員会で話題になったこと
外形標準課税、恩寵園、介護保険、行徳漁協への貸し付け利子予算化、他
議会運営について
予算委員会がない!!
議長から日の丸の議会掲揚打診、今議会では結論出ず
意見書など
☆クローン牛の表示を求める意見書
☆循環社会基本法制定に向けての意見書
☆抜本的なディーゼル車対策を求める意見書
・・・いずれも民主未来、社民・県民連合、共産党、水と緑の会が賛成してくれましたが、自民、自由、公明の反対により不採択となりました。
請願
☆知的障害者のための高等学園を設立することを求める請願
・・・千葉市の自民党議員にも紹介議員になってもらいました。その結果採択。
そのほか
9月議会で質問した女性への暴力実態調査費500万, 犯罪被害者対策費1,000万円が予算化できました。
教育現場で日の丸、君が代を強制しないように求める要望書を教育長に手渡し
青いピースリボン毎日着用、県民連合と水と緑の会の森田さんに買ってもらった。
<99年11月号> |
ますます政治に幻滅
2000年から禁止とすることを決めたはずの 政治家個人への企業献金を存続させようとしたり(注)、介護保険についてもあんなに論議して決定したものをこの期におよんで亀井政調会長などからむちゃくちゃな選挙目当ての発言が。しかもそれが実現しそうな状況であることに怒りを感じています。
ますます政治に幻滅。でもだまってなんかいられません。国政だけでなく、県政、市政からも自民党には退場いただきましょう。与党3党は政策協議でも根本的な違いが次々。「寄り集まれば安定するはず」が大揺れです。
#
1999年10月28日
小渕総理大臣殿
千葉県議会議員 岩橋百合
介護保険を予定通り実施して下さい
介護保険法は全国の自治体や市民団体などが注目するなかで成立しました。
「介護の社会化を進める1万人市民委員会」をはじめ、全国の福祉関係の市民活動団体の参加で成立した法でもありました。今、与党3党の協議を受けた亀井政調会長などから家族介護料の給付など基本的事項に関して議論が蒸し返されたことは大変不愉快です。保険料支払いを凍結し、その財源を赤字国債によって手当てするとは問題外と言わざるを得ません。
そもそも家族介護に頼ることが社会の変化の中で難しくなったことから、介護保険は作られました。介護を社会全体で支えなければ老老介護や、虐待などの実態が改善されないことは明らかです。この制度は未だ充分な制度ではありませんが、それを多数決で決定したのは自民党自身にほかなりません。
保険の実施主体である自治体では施設の整備、コンピューターソフト整備、ケアマネージャー養成などを多大な税金をかけて準備し、すでに要介護認定が始まっています。介護保険を政争の道具にしないで下さい。予定通り実施し、法にも決められている3年後の見直しにより、より良い制度に作り替えていく方向で進んで下さい。
#視察に行ってきました
10月19日から21日まで商工労働社会委員会の視察に行ってきました。
県議会では、市議会と違って相手市(県)を訪問することなく直接視察先に行きます。だから視察する施策、施設が施策体系全体の中でどのような位置を占めているのか分かりにくいところが問題です。行き先については自治省に推薦してもらうそうです。
今回の行き先と視察先は
●小樽市のマイカル小樽(巨大な商業施設で吉本興業などのアミューズメント施設やホテルもある。各階から海、港を一望できるように道路を切り下げてあり景観が圧巻)
●恵庭市のリサーチビジネスパーク
●札幌市のケアハウス、特養『ふるさと』と福祉工場『セルプ札幌』
商工労働社会委員会というのは、社会部局(福祉)と商工労働部局(経済)に関する議案や予算について審議する委員会なのでこのような視察内容になります。
恵庭市のリサーチビジネスパーク
全国的にも早く昭和63年に設立された、中小やベンチャーの企業を支援する施設で、格安で研究機材を貸したり、研究室や事務所を安く提供したりします。
恵庭市の場合は市が出資する第三セクターで、経営が厳しく、本来の目的ではない(それ自体は悪いことではないのですが)訪問看護ステーションや、一般の企業やレストランにも部屋貸しをしていました。
千葉県にも同様の施設として、東葛テクノプラザが昨年オープンしました。県立ですから経営の厳しさに直面することはないのですが、それだからこそ税金の効率的な使い道であるかどうかという面で、厳しいチェックが必要です。施設の必要性はわかるのですが、アメリカのシリコンバレーのように起業の拠点となるのは難しいようです。銀行の資金融資制度や株式市場の相違などもありますが、日本の行政体質(指導という名の護送船団方式)では本当に中小企業やベンチャー企業に有効な態勢が作れるのか疑問があります。
批判ばかりするつもりはありません。せっかく作った施設が有効に使われるよう見守っていきたいと思います。
セルプ札幌
福祉工場として、
☆病院などの白衣製造
☆ホテルや旅館の浴衣の帯のアイロンかけ
☆シルクスクリーンを使った印刷の仕事
を行っていました。働いている人は多くが軽度の知的障害、身体障害の人たちでしたが、全盲の人もアイロンかけの仕事場で作業中でした。知らなかったのは、白衣の多くがこうした福祉工場で作られている、ということです。千葉市でも花見川区で『オリーブハウス』が初の福祉工場作りを目指しています。
マイカル小樽
エネルギーステーションを別に独立させ、施設全体から出る膨大な廃棄物を一階のステーションで7割以上リサイクルしていました。JRの貨物ヤード跡地利用による大規模再開発、働く人3500人、駐車場5000台、観光バス駐車場15台、まさに一つの町でした。
***県議会の視察では夕食(懇親会)費用は個人負担になります。また、商工労働部、社会部からもそれぞれ部長や次長が一緒に視察に参加します。***
#
出前学習会
ネットでは議会のあと議会報告会だけでなく、出前学習会もやっています。これまで、介護保険、子育て支援策、女性の年金、パート労働と税金、遺伝子組み換え食品、ゴミ問題などをテーマに学習会を企画していただいたところに、代理人がお邪魔して講師を勤めています(参加者が2〜3人でも行きます)。
最近の介護保険学習会での質問から
Q 父親がY市に住んでいるのですが、介護が必要になったら千葉市の自分の家で、介護サービスを利用しながら、世話をしたいができるのでしょうか。M市に住んでいる兄弟と交代で世話をしたいがその場合、住民票の移動は必要でしょうか。
A できます。要介護度の認定は住んでいる市町村で行っても、ケアプランを作るケアマネージャーをどこの事業者に頼むか、どこの福祉サービスを受けるかは自由とされています。住民票は生活の拠点が移った場合は移動するのが原則です。しかし、いろんな事情がある場合、移動しなくてもサービスが受けられないことはありません。住民票をおいてあるY市が保険者として、費用の負担をします。介護保険料ももちろんY市に納めます。
介護保険料
65歳以上の1号被保険者は千葉市の場合平均3,090円、収入によって保険料はかわります。夫婦2人の場合、2倍払います。年金受給者は年金から徴収されます。一方、40歳から64歳までの第2号被保険者は、会社や国と折半して約半額を払います。社会保険や国民健康保険などに上乗せ徴収されます。意外と知られていないことは、サラリーマンの妻は独自の負担をする必要がないということです。ですから、2号被保険者の保険料は世帯単位ということになります。現在の医療保険と同じ仕組みではありますが、サラリーマンの妻たちの中には、自分の分の保険料負担が増えるものと受け止めているいる人も多いようです。
この仕組み、どこかできいたことがありませんか?そうです。年金の第3号被保険者と同じです。サラリーマン、サラリーウーマン全体で専業主婦の年金を負担しているあの制度です。フルタイムで働いている女性たちから批判の多いあの方式が、この介護保険にも導入されました。公的保険、年金、税金など世帯単位から個人単位にすべきという声が、専業主婦自身からも出されています。皆さんはどうお考えですか。
#
決算委員会傍聴記
11月中に7日間、平成10年度の予算がどう使われたかを審査する決算委員会が開かれています。市議会では議員が全員参加で審査をしましたが、県では各会派から数人ずつ、全部で17名の決算特別委員会が作られます。私は一人会派のため今回は委員にはなれませんでした。
そこで、委員会を傍聴することにしました。傍聴者は議員が3〜4人(女性の新人議員ばかり)、ネットメンバーが2人、新聞記者が1人といったところ。決算委員会への市民傍聴は初めてのことらしく、事務局、委員会は気を使っています。
古くからいる議員のなかにはなんで決算委員会なんかに市民が傍聴に来るんだよと言いたげな感じもあります。実際にネットメンバーが廊下で「あんたたち聞いててわかるの?」と言われたそうです。「資料がないから分かりませんねぇ。ところで不用額ってどうなるんですか?」と逆に尋ねると、その議員は答えられなかったそうです。
傍聴するネットメンバーはあまりの形式主義に驚いていました。
委員会が始まる前に来て待っていると、いったん閉められたドアの内側で「千葉市美浜区磯辺5-15、○○より傍聴したい旨の届けがあり、委員会規則○条○項により許可致しましたのでご了承願います。傍聴者が入場しますのでしばらくお待ち下さい」と委員長の声、職員がドアをあけ注視のなか室内に入るという調子です。
もっとたくさんの人がどんどん議会傍聴に行くようになれば、いちいちこんなことやってられないと議会も傍聴の簡略化を進めると思います。
<99年9月号> |
夏はいろいろな問題について、全国的な集会が開かれるシーズンです。市議会では委員会視察が行われる時期でもありますが、県議会の視察は秋以降の予定です。この夏、岩橋が参加した市民オンブズマン全国大会、フェミニスト議員連盟の総会について報告します。
このほか、県の東葛テクノプラザ、県立野田看護学校見学、新港工業地域の石油タンク火災訓練などの見学も行いました。
市民オンブズマン大会in 横浜
全国でオンブズマン活動をしている人達が600人も集まり熱気のある大会となりました。オンブズマン活動の初期のころは対象もいわゆる官官接待について、食糧費、市長交際費などを追求するものや公共工事の談合などでしたが、今年は土地開発公社、第3セクターなどの塩漬け土地の問題をメーンテーマに取り上げました。
分科会では議会のありかたや、下水道事業の問題などはばひろい10のテーマが熱心に討議されました。
残念だったのは一昨年情報公開条例でも手数料を徴収するということで、政令指定都市中最低の評価をされた千葉市が、都市公社の塩漬け土地についても情報をきちんと公開せずまたまた厳しい批判を浴びたことでした。千葉県も同様で、土地についても、下水道事業の内容についてもオンブズマンの求めに応じた資料の公開がなく、全体会の報告でも名指しで批判されたことは市民として、また議員としてもたいへん恥ずかしいことでした。
このことを受け、千葉県の市民オンブズマン連絡会に参加している千葉市民のなかで、やっぱりもっときちんとした千葉市のオンブズマン会議を立ち上げようという動きがうまれつつあります。関心のある方のご参加をお待ちしています。
問い合わせは千葉県市民オンブズマン連絡会議 224-7401(代表 菅野泰)大会資料をお読みになりたい方は県ネットへどうぞ。
#
1992年に立ち上げられたフェミニスト議員連盟は男女を問わず、政党を越えて、政治の場に女性を増やしていきたいと考える議員と市民の団体です。まずは国、県、市町村の議会に30%の女性議員を誕生させることを目標に掲げてきました。とくに今年の統一地方選では女性ゼロ議会を無くそうというキャンペーンを全国的に展開しました。千葉県では私が責任者になり3月6日をアピールの日としました。当日は千葉市中央公園から千葉駅まで多くの女性たちが歩きながら街を行く人達に訴えました。今回の統一地方選挙では女性の進出が大きな話題になり地方議会の女性議員の比率が大きく伸びる結果となりました。しかしながら4.6%が7.0%になったことについて、増えたと言って手放しで喜ぶ気持ちにはなれません。世界の国のなかでもまた、アジアの国々のなかでもあまりにも低い女性議員の比率だからです。
しかし、とりあえず、今年のフェミニスト議員連盟総会では女性の躍進を喜び合うために『風を起こした女性たち』と題して、シンポジウムが行われ、私もパネリストのひとりに選ばれました。他にはこれまで女性ゼロだった愛知県議会ではじめて無党派で当選した安部さん、神奈川県丹波山村の女性の議長、副議長である木下さんと青柳さんなどがそれぞれに元気の出る報告を行いました。当日の私の発言の要旨は次のとおりです。
「ひとつの風として」・・・・・・千葉県議会議員 岩橋百合
今回の統一地方選で、市民ネットワーク千葉県で初めての県議になりました。ネットとしては県全体で市議が16人、千葉市議会には6人を送り出すことができました。フェミ議連総会のパネリストとして、どういう話をしようかと思ったとき、知られているようで誤解もあるネットワーク運動について話したいと思いました。
東京、神奈川、千葉、北海道、福岡などのネットは代理人歳費管理、ローテーションなどを共通の基本姿勢としていますが、具体的活動、母体生協との関係、ローテーションなどにそれぞれ独自性があることはあまり知られていません。それぞれ生活クラブ生協の代理人運動からスタートしましたが、その後の活動の歴史の中で神奈川ははっきりとローカルパーティとしての立場を表明しましたが、東京、千葉などは代理人運動と言う面をまだまだ大切にしています。議員は市民の代理人という意味です。
代理人運動という言葉が示すようにネットは本質的には議員を送り出す側の運動です。議員中心の団体ではなく、むしろ議員もネット会員のひとりとして、議会担当の役割を果たします。議員は問題点、情報などを会員、市民に伝え、会員はテーマごとの学習会や調査をして、市民からの政策提案を議会の場で代理人を通じて行政に伝えます。
残念ながら今の政党にはこうした地域活動をきちんと行っているところは少なく、市民を政治に近づける努力を行っていません。むしろ、議員にお任せくださいというのが各政党に共通しているスタンスです。
市民の政治参加を促し、地盤・看板・カバンが幅をきかすこの国で女性議員の比率を高めて行くためにネットの方法が有効であることはネット議員が全国で130人を越えた現在、否定できない事実であると思っています。候補者の経済負担をなくし、政治経験を市民の中に蓄積し情報公開によって、政策提言能力を培うネット方式が個性豊かに全国で広がって行けばと思っています。
参考
◎世界の国会における女性議員の比率(1998)
北欧36.7%、南北アメリカ15.2%、
ヨーロッパ12.3%、アジア13.7%、
アフリカ11.5%日本8.9%
◎ノルウェーにおける女性の進出率
内閣47.4%、国会36.4%、
県議会41.2%、市議会32.6%
#
九月議会予定・・・・9月22日開会予定
.岩橋の質問10月1日頃
.内容は...
行政改革、女性行政、県警の犯罪被害者対策、子供の虐待や、女性の家庭内暴力被害の受け皿、三番瀬、水道水の安全性、痴呆性の高齢者や知的障害者のための人権擁護システムと生活支援制度、介護保険の対象になる施設についての情報公開など。
持ち時間が30分しかないので、質問数も限られてきますが初めての質問なので、市民の声を県議会に反映させることができるように組み立てたいと思います。たくさんのかたの傍聴をお待ちしています。
#
塩漬け土地って?
市町村が公共施設や道路などを建設する際、土地の確保が大変重要になります。自治体の予算は単年度毎なので、その年に事業を行う分しか支出できないことから、土地開発公社が市町村など自治体にかわって土地を先行取得しておきます。 自治体は公社が土地購入に必要な資金を銀行から借りる際の保証をします。土地開発公社が買った土地が実際に自治体の事業に利用されるとき、自治体は土地開発公社にその土地代を支払います。
それを自治体が買い戻すといいます。自治体が買い戻すとき土地の値段に加えて、土地開発公社が銀行から借りていた分の利息を払うことになります。自治体が事業を順調に進めているときはいいのですが税収が減ったり関連した土地の買収がうまくいかず思うように事業が進まないと、土地開発公社に土地が残って行きます。これが塩漬け土地です。その土地利用が遅れれば遅れるほど自治体が実際利用しようとするときに利息がかさんでいきます。これが塩漬け土地の大きな問題です。
#
男女共同参画社会基本法6月に成立
☆9人の女性県議で超党派(民主3、社民3、公明1、共産1、市民ネット1)の「女性県議の会」を結成。知事に2点の要望を直接手渡しで提出。、
その1、千葉県女性計画を 実効性のあるものにするために条例の制定を
その2、女性政策室を課に昇格し総務部門に位置付けを(今、県では10部を8部にする機構再編が行われていて女性政策室はなんと環境生活部に移されることが検討されている)
☆県ネット女性部会で、男女共同参画社会基本法を読む学習会とワークショップを行いました。30人を越える参加者で、新事務所の会議室も狭く感じました。
☆でも男女平等法とならずに共同参画社会基本法となったのが、日本の状況をよく示している。男女平等法では国会で成立させることがむずかしい(自民党をはじめとしたいまの男性国会議員は女性の人権や男女平等という言葉にたいして大きなアレルギーがある)ということから一種の便法として『共同参画』というような面倒臭くて意味不明瞭な言葉がつくられた。しかし、評価すべき点もあるこの法律、わたしたちがどう使いこなしていくかにかかっている。県条例や、県女性計画にも声を出そう。
☆千葉市の女性センター、12月オープンせまる。市民による持ち込み企画がたくさん企画されています。女性のための相談室や図書コーナーがあり、グループが活動する拠点にもなります。多いに利用したいですね。京成千葉寺駅下車10分
<99年6月号> |
臨時議会を終えて
初めての県議会、期待と不安に胸躍らせて臨んだ岩橋を待っていたものは?
5月18日、臨時議会では、議長、副議長の選挙、各常任委員会の所属の決定、委員長副委員長の選出が行われました。それ以前の世話人会で実質的に委員会、審議会のポスト決めは終っており、当日の議長副議長選挙はともに自民党で決まりました。 専決処分など10の議案を審議した後、逮捕された2議員の辞職を求める決議案が採択され、ガイドライン意見書3種類が審議されましたが、私が頭を悩ませた市民の立場からのガイドラインに関する意見書は提出者の岩橋と賛同者の森田さんだけの賛成で否決。他の意見書も否決で何も通りませんでした。
県議会では一人で会派を組んでいる、いわゆる「一人会派」の議員が私の他に二人(習志野の森田さん、鎌ヶ谷の皆川さん)います。
私はその「一人会派」の世話人として世話人会に出席していたので、県議98人中65人を占める自民党の強引さは千葉市議会の比ではないとわかっていましたが、本会議が終った後の議会運営委員会で、自民党から議会質問の年間スケジュール案が出されたのには驚きました。
自分たちの質問予定だけではなく、他会派、一人会派、無所属に至るまで含まれた自民党案でした。(事務局案でもあるのでしょう)
個人まで指名したものではないのですが、たとえば、そのスケジュール表では、6月議会で一人会派のうちひとりが質問することになっています。しかし、私たち3人は6月に質問する予定にしていなかったのです。
同時に一般質問は年間一人30分、代表質問は1時間という申しあわせが提案され、議員の権利である質問権に自らが制限を加えるそのような提案は冗談じゃないと「はい!(異議有り)」と手を挙げたのですが、就任したばかりの議会運営委員長に「委員外議員は委員長が指名したときだけ発言してください」と言われてしまいました。
県議会の議会運営委員会は5人以上の会派が正式メンバーで、自民党12名、民主・未来2名、共産党1名、公明党1名の計16名で構成されています。議員が4人の社民・県民連合、3名の自由党そして私たち一人会派も委員外議員(オブザーバー)ということになっているのです。
しかし、議会運営委員会の規則では意見を述べることができると書かれており、あの場で、議会事務局、他の委員も私の発言を正当なもとのして受け止めなかったことは二重の驚きでした。他の会派からも一人年1回30分について反対の意見はありませんでした。*
その後委員長に直接電話し、質問予定については文書で要望をだしましたが、議会運営委員会での委員外議員の発言の確保については議会事務局との話しでもはっきりしません。 県議会は言論の府のはずなのに形骸化もここまで至っているのかと感じさせられる出来事でした。地方分権が本格化する中で、地方議会の役割が重要になるのにこんなことでいいのか、という思いです。
*実はこの「一人一年一回30分」は20年以上も前からずーっと続いてきた申し合わせだったということがわかりました。さらに調べてわかったのは神奈川県議会も同様(もっとひどい)だったことです。
#
岩橋が斬る <介護保険 >
介護保険は今、自民党の内部的な事情によって、大きく揺れている。もともと自民党は家族の介護が何よりも望ましいと考えている政治家が多く、自ら介護する立場に立つことも少なく、そういうことを想像することさえむずかしい議員の集団である。それでも老老介護の実態や、介護のために仕事を辞めなければならない人たちがたくさん出てきていることなど市民ニーズに押される形でこの制度の導入に踏み切った面もある。
もちろん高騰する医療費によって、医療保険制度そのもののパンクが危ぶまれる事態をなんとかしたいということがあった。しかし、いよいよ実施というところに来て、保険料の徴収、介護料の1割自己負担が国民の不評を買い、景気をさらに冷え込ませ、自民党への評価が下がるのではと危惧し、実施の繰り延べや、保険料徴収の繰り延べを検討しているという。
準備に奔放してきた自治体や事業者の努力を何と思っているんだといいたい。また、政権政党としての責任を放棄したようなこの態度に対して、厳しい批判をしたいと思う。
しかし、もし、さらに検討するとい
うなら、療養型病床群(老人病院に多少の要件を加えて、介護保険の対象施設としたもので、日本医師会と自民党が強引に取り入れさせた)を介護保険の対象施設から外すことを検討すべきだ。介護保険の目的のひとつでもある社会的入院を減らすことが不可能になるばかりか療養型病床群を保険の対象とすることで、このタイプの病院が多い自治体では介護保険料が高くなってしまうからである。
介護保険の実施に合わせ、県では、人権擁護システムの準備を行なっている。人権擁護システムとは、痴呆性の高齢者や、知的障害者が人権侵害をうけることのないよう財産の管理や、生活支援をする仕組みで、東京都や大阪府、品川区などで先進的に行なわれてきた。
千葉県でも昨年千葉大の新井誠教授を座長とする検討委員会があり、その答申をうけて、すでに今年、予算が執行されている。その内容は県社会福祉協議会が主体となり、市町村の社協が実際の仕事を行なうことになっている。
この制度のキーを握るのは生活支援員というマンパワーである。県は社会福祉士などの有資格者が望ましいとしているが、この費用は利用者の自己負担となるため、すでに実施している横浜市では一回あたり千二百五○円ほどにしかならないとのことである。それで果たして質の高い人材が集まるのか、はなはだ疑問である。
結局、民生委員さんになるのかなあ、とは担当者の声だが、使えない制度をいくら作っても役に立たない。 本当に役に立つ人権擁護システムを作るにはどうしたらいいのか、市民ネットワーク・千葉県の福祉部会でも今年の大きなテーマとして検討していく。
#
県議会探検、<議員食堂の巻>
議会棟の地下には議会食堂があります。
これまで利用したときには全然気づかなかったのですが、議員には特別室があるのです。 お金は議員報酬から引き落としということで、その場では払わずに利用でき、しかも割り引きがあるということでした。
以前は県庁職員にも同じ割引があったそうなのですが最近なくなったそうです。
議員の割引だけが残っているって何か変ですね。
#県議会あれこれ
県議会と市議会で違うことの一つは、各会派の部屋に秘書がいることです。お客さんが来ると取り次いだり、お茶を入れてくれたり、議会事務局や県庁職員との連絡を取ってくれたりします。
とっても感じのいい人なので言いにくいのですが、必要性については疑問です。仕事が少なくて気の毒ですし、議会中はともかく、議会のないときは退屈じゃないかなと思います。
この人の他に議会開会中はお茶だけをいれる上っ張りを着た、やや年配の女性が来られます。うーん、もったいない。
県は財政が非常に厳しいということですが、議会も自ら行政改革を行っていくべきではないでしょうか。
地方分権の本格化とともに、議会事務局のなかでも議員提案の条例などを作るための法制課のようなところを作ったりそこに職員を増やしたりすることは必要ですが、議員の秘書的なところに有能な職員が配置されているのは税金の無駄遣いだと思います。
でも、こういうことを取り上げるとたいて女性がリストラの対象になってしまいうのが葛藤のあるところです。本当に嫌な気持ちにさせられます。やっぱり、女性だけに求められる仕事というのは差別以外の何者でもないと痛感します。
パートや労働条件の悪いところで働いている大半が女性である国日本、コース別人事が行われている国日本、やっぱり日本は女性差別が堂々とまかり通っている国です。今国会で男女共同参画社会基本法が成立の見込みですが、より実効性のあるものにしていくためにもたくさんの人に関心を持ってもらいたいと思います。
**議会の秘書は会派に配属されているので、議員個人のスケジュール管理や、個人的な用事などはしない事になっています。
| HOME | 議会 | コラム | プライベート | JAZZ WORLD | ひとこと日記 | おたより | |