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向上訓練の研究

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 『OJT(職場内教育)技法』

◆ 特徴
 OJTとは、On The Job Training の略称です。これは仕事に即した教育、仕事上においての教育訓練という意味を持っています。具体的には、仕事に関連した能力(知識・技術・態度)を、明確 な計画と目的をもって管理者や先輩が部下・後輩の指導をすることを云います。
 一般的に、管理者による仕事を通して行う部下の訓練:OJTは、職場内教育と云われますが、一方にお いて、スタッフの主催する集合教育(OffJT:職場外教育)を、 企業内教育の二本柱としてとらえております。

 企業内教育の場合、能力開発の基本は本人の自己啓発であるといえますが、これを側面から促進して いくのが上司や先輩によるOJTです。OJD(On The Job development =オンザ・ジョブ・デベロップメント)、またはOJL(On The Job learning =オンザ・ジョブ・ラーニング)ともいいます。 

 そこでOJTの特徴を列記すると次のようになります。

  1. OJTは実務に密着した教育。
    あくまで実務能力、職務遂行能力を育て発達させるための教育です。

  2. 個人の意欲や能力にマッチさせた個性尊重の教育。
    集合教育のように大量画一的でないため、きめの細かい教育訓練が可能になります。

  3. 職場の管理者・監督者が直接部下に働きかける教育訓練。
    企業内教育は、元々必要なところで必要な人に、必要な量だけを教育指導するのが効果的です。そ のため、必要な部下に直接働きかけるのできる「OJT」は、 管理・監督者がつねに継続的に推し進め、実際に行う教育になります。

  4. OJTは、知識や技能の伝承に役立つ教育技法。
    職場には長年かかって築き上げたいろいろなノウハウやハウツーがある。それを単に使い使い捨て にしません。受け継いで、改善、向上発展させていくところに、企業の体力が形作られていきま す。

  5. 職場のコミュニケーションの改善に役立つ。
    OJTを管理者が計画的に実施することによって、途絶えがちになる部下とのコミュニケーション が回復します。そして、さらに職場全体の活性化につながることが多くなります。

  6. 教育指導する管理者・監督者の教育になる
    教えると云うことは、その前に学ぶことです。また、教える過程において相手の反応からいろいろ と学ぶことが多いのです。ですから、教えることは学ぶことで同じになります。

◆ OJTの短所と問題点
 OJTには、上記のようないろいろな長所や特徴があります。しかし、次のような問題点もありますか ら、これらに気をつけて実行します。
  1. 指導する上司の意欲・能力によって成果に差が生まれる。
    それは、部下の成長の差であるとか業績の差となって現れてきます。

  2. 体系的なものと理論的な面が失われやすい。
    その結果、一般的に共用される基本が見失われ、視野の狭い偏ったものになりがちです。

  3. 日常業務が優先され、教育が後回しになりやすい。
    優先されなくていいものが優先され、先にやらなければならない教育のようなものまで後回しにさ れる可能性があります。それだけに計画性を求められます。

  4. 上司の能力以上に部下を成長させることが困難。
     ようするに、つねに上司自身も自己成長を図る必要性がありますから、上司の意欲問題がでてき ます。


◆ OJT推進上の留意点
 次の3点がとくに大切です。
  1. OJTを推進する制度や仕組みの整備
    全社的OJT推進委員会の設置、OJT推進リーダーの設置、小集団 活動との連動性、評価(表彰)制度の検討、全社的ムードのもり上げの方法などを整 備します。

  2. OJTツール の整備
    OJT推進マニアルの作成、OJT諸技法(ツール)の作成と配布、OJTのための時間と場所の 整備などが重要です。

  3. OJT研修の開催
    OJTを行う管理者や監督者自身に対して、OJTとは何か、ということからの研修を、出来れば 継続的に行うことが必要です。OJT成功のポイントは、それを行う人への教育が、充実してるか どうかに目を向けることです。



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