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1.自分史とは

自伝、伝記、自叙伝などに「自分史」という言葉が仲間入りしたのは、1975年(昭和50年)頃 といわれ、その歴史は25年と比較的浅いものです。

いわゆる自分史というものへ、人々の関心がむき始めたのは、昭和52年にルーツ≠ニいう映画がテレビを通して大きな反響を呼んだ頃からのようです。その後、テレビでおしん≠ニいう番組が高い視聴率をあげ、一代もの、根性ものといったものが人気を呼び始め、自分史ブームへとつながっていきます。

「自分史とは何か」を考えていくと「過去、現在、未来を生きる私そのものの歴史」であるといえます。 日々のごく身近なありのままの記録、それが「自分史」なのです。

○自分史作りの魅力

自分史を書くということは、過去を検証し、これからの生き方を探ることでもあります。
平均寿命の伸びにともなって長くなる「退職後の人生」を生き生きと過ごすためにとても役立ちます。
また、自分史は、財産はなくとも、我々普通の人にも残せる遺産です。どんなに平凡な人生であっても、その間のドラマは必ず、子孫や後輩たちへの素晴らしい贈り物に なるでしょう。

1.「自分史の意義」について

いま、自分史ブームといわれています。どうしてでしょうか。

 寿命の伸びにに伴う生きがい探し
 文部省などの提唱による生涯学習のすすめ
 余裕時間(余暇)の増大
 高齢者や専業主婦の社会参加

など社会環境の変化とも関連があるようです。

・我々庶民は「財産」は残せなくとも、子孫に「自分の生き様」を伝えることは出来ます。

たとえ、どんなに「平凡な人生」であっても、その間のドラマは必ず子孫や後輩たちへの素晴らしい「贈り物」になることでしょう。

・また「ライフ・ステージ」が広がり、生き生きとした人生をおくることが出来ます。

私たちの八十年の生涯は、

 (1)出生から学業を終えるまで
 (2)就職から退職まで
 (3)退職してから死亡まで

の三ステージに大ざっぱにわけることが出来ると思います。

全生涯を100%とすると、(1)のステージは25%、(2)は50%、(3)は25%程度の割合となるでしょう。

退職してからの「第三の人生」は25%もあるのです。「生きがい」をもって楽しく過ごしましょう。

2.「自分史を書く」理由

 ・わが「心情」と「生きた存在証明」
 ・体験的な「知恵」を後世に伝えたい
 ・子孫・後輩への「伝言」
 ・事実を「明白」にしたい
 ・「活字・本」になる喜び
 ・過去を「検証」し、これからの「生き方」を探る

 「過去が分かれば、未来がわかる」と、いったのは、フランスの小説家であり詩人、批評家でもあったアナトール・フランス(1921年にノーベル文学賞に輝いた人)です。

まさにこの通りだと思います。

3.自分史を「書く」ということ

自分史は「過去、現在、未来を生きる私そのものの歴史を何らかの形で記録にとどめる」ものですから、文章で書くものと決まったわけではありません。

 その方法は大きく次の三つが考えられます。

 物でつづる 愛用品、愛読書、旅行スタンプ集、チラシ・ポスター集
 絵でつづる 写真集、絵やイラストなどの画集、ビデオ映像集
 文でつづる 詩集、俳句や短歌集、そして文でつづる

現代人は物を書かなくなりました。これは文化の形態が変わったからです。ものぐさになったのではなく、習慣が変わったと考えるべきです。
即ち、「読む、書く、考える」から「見る、聞く、感じる」への移行ということです。
だからこそ、「自分史として残す」ことが大事なのではないでしょうか。

4.自分史を書く「楽しみ」

なんといっても、書いているうちにいろいろな記憶がよみがえり、「新事実がわかる」ということです。
取材のための旅も大きな楽しみの一つ。いろいろな人と出会うことで、気分的にも若返ります。
また、自分史を書き上げた充実感、後世に自分の生き様を残せたという満足感で心が豊かになります。

5.「何を」書こうとするのか

(1)どんな自分史を、誰のために書くか

1)どんな自分史を

  書きたい事柄、スタイルを明らかにする。
  一代記、体験記、随想記。記録重視の日記的なもの、メッセージをこめた手紙的なもの。

2)誰のために書くか

a.自分自身のために書く

これまで生きてきた自分の人生を書いて残す。

「自分という本当の人間を知って欲しい」、という気持ちと
「この世に自分が確かに存在していた、という証(あかし)」、をしたいという気持ち。

この二つの気持ちから自分史を書くのです。

書き終えることにより
  ・自己再発見
  ・書き終えたときの満足感
は大きなものがあると思います。

b.家族や子孫、或いはごく親しい友人にむけて書く。

両親、祖父母のことなどを書き記し、昔でいうところの「語り部」になる。

c.広く世間一般にむけて書く

特に次の世代をになう若者たちのために書く。

その時代におこったひとつの大きな出来事がどれだけ社会全体に影響をおよぼしていったのか。戦争、事件、等々……。

自分史は個人の歴史であると同時に社会そのものの歴史でもあるのです。

(2)いつまでに、どんな形にまとめるか

 ・時期的な目標を設定するほうが(いつまでに)、書き進める意欲をかきたてます。

 ・どんな形にまとめるか。

  完成した自分史をイメージし、自分流のスタイルを大切にしましょう。

 ・また、仲間と共に書くとより楽しく書けます。

 ・「自分史」のいろいろなまとめ方

  1.自伝としてまとめる
  2.事件や体験の記録としてまとめる
  3.エッセー集としてまとめる
  4.何人かの「文集」としてまとめる
  5.誰かに宛てた書簡の形でまとめる
  6.日記としてまとめる
  7.作品集(詩、短歌、俳句など)としてまとめる
  8.年譜を主としてまとめる
  9.写真集やイラスト集の形でまとめる
 10.口述筆記やビデオ、テープレコーダーでまとめる

(3)テーマについて

 a.抽象的テーマ

 倫理・価値観、思想信条・宗教観といった心の主題(テーマ)。

 b.具体的テーマ

 実際に体験したさまざまな事がらのなかから選びとる題材。

(4)文体について

 「回想的文体」、「回帰的文体」をおりまぜて書くと臨場感にあふれた、いい文章になります

 ・回想

 「今の私」が30年前の私を回想することです。

 (文例)
 「その当時私は中学二年生で、あの忌まわしい事件について多くを知りえなかった。
  しかし今にして振り返れば、事件の裏側に潜んでいたさまざまな事がらが見えてくるのである」。

このように、文体は説明的・解説的・省察的となり、文章は過去形となる。

 ・回帰

  今の私が「30年前の私」に回帰する。

 (文例)
 「学校帰り町を通りかかると、いつにない人だかりがしている。路地の奥から担架が現れた。
 ラクダ色の毛布に覆われて誰か運ばれていく。毛布から地下足袋の裏がのぞいている。男の人だ。
 『猟銃で頭を撃って、即死らしい』。囁く声が降りかる」

このように、文体は描写的・映像的追体験的となり、文章は現在形となります。
                         (吉村登著「楽しみながら書く自分史」より引用)

(5)どう書き進めるか

 書き進め、まとめる方法として

 ・自分史ノートの作成。

 ・カードをつくり、後で項目別にまとめる。

 ・思いついたときに、その場でメモをとる。

 ・手元にある紙に、思いつくままどんどん言葉を書いていく。

 ・「書きたいところから順にまとめて珠とし、後で糸を通して数珠をつくる」。

 などいろいろあります。


ワープロで自分史をつくろう

  ◇ はじめに

  1.自分史とは

  2.自分史の書き方

  3.自分史を本にしよう

  4.いろいろな自分史

  5.自分史の作り方

  6.自分史の製本をしよう

  7.自分史の製作費用は

  8.ホームページでつくる自分史

  ◇ おわりに

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