BCJフォーラム(4) ['98/10/31〜]


ご意見・ご感想のコーナー
BCJファンの皆様からお寄せいただいたご意見やご感想などを集めてみました。内容をできる限りBCJのみなさんにもお伝えして、お返事などを頂けましたらあわせてこのコーナーでご紹介していきたいと思っています。是非こちら[makoto-y@mxi.mesh.ne.jp](または[ニフティID:DZE01555])までご意見等をお寄せ下さい。特に投稿フォームは設けませんが、お送りいただいたメールの内容をこのコーナーで紹介させていただこうと考えておりますので、掲載をご希望されない場合は、その旨お書き添えいただけますようお願いいたします。(ご意見・ご感想No.76〜)

*ご意見・ご感想の中の太字表記は、当ホーム・ページの制作者によるものです。

90 《BCJ「メサイア」》

 22日オペラシティと27日仙台での「メサイア」、聴いて参りました。
 
 実は、私がBCJの演奏に触れたのは「メサイア」のCDが最初で、CDでは寺神戸さんがコンサート・マスターをつとめていらっしゃいましたが、夏美さんの演奏は「ビシッとスーツで決めて、さっそうと風を切って歩くキャリアウーマン」(?)のような、キリッとしたところが持ち味ですね(曲の箇所によっては、そのシャープさがちょっときつく感じられることもあるのですが)。

 オペラシティ公演と仙台公演とでは、合唱団そして1部のソリストが違うということで、聴きくらべというのも楽しみの1つでした。宗教性を強く前面に押し出すという点では双方変わりはないのですが、仙台の方がよりドラマティックな演奏(会場の音の響きが悪いのが難でしたけれど。でも、雅明さんの指導に支えられて、地元の合唱団が大健闘。嬉しかったです)。
 個人的には、ヘンデルにはもう少し「華やかさ」がほしいかな、と・・・・・。

 レーヌさんと波多野さん「存在感」ということでは、お2人ともすごいものをもっていらっしゃる方々だと思います。
 「レーヌ節」とでもいうような彼自身の表現については、いろいろ意見がわかれるところだと思いますが、私は彼のアリアを聴くうちにその奔放さが「我、ここに在り」という訴えかけのように感じられてきて、「ああ、これがこの人の生きざまなんだ」と妙に納得(?)させられる部分がありました
 波多野さんは、出てきた瞬間、ただ座っているだけでもものすごい存在感自然に目がひきつけられる方ですね。アルトは彼女の本来の音域からすれば低すぎるかもしれませんが、その表情豊かな、そして美しい言語に、私は完全に魅了されてしまいました
 レーヌさんがぶわぁ〜っと自らの存在を大放出するとしたら、波多野さんはすぅ〜っと自然に溢れ出る感じ、と申しましょうか。いずれたがわぬ、「その人自身」でありました。

 年末を2つの感動的な「メサイア」でしめくくることができたのはとても喜ばしいことですが、ファン同士の交流という点においても、目覚しいものがありました。22日は北九州からいらした木村さんをまじえて8名ほどが朝まで語り(&飲み)明かし27日は東京と仙台のファンが顔を合わせました

 来年は、もっともっとBCJファンの輪が全国に広がればいいですね。

(あきこ様) (98/12/29)
 '98年の“トリ”には、今やBCJファン仙台支部長(!?)にまでなられたあきこさんからのお便りです。思えば今年の「フォーラム」のはじまりあきこさんからのお便りでしたね。まさにBCJファンの広がりを感じさせてくれる出来事。うれしい限りです。来年もまた、そんな“ファンの輪のつながり”を結ぶことにこのHPがお役に立てれば、これにまさる喜びはありません!
 レーヌと波多野さん、それぞれの持ち味を満喫された様子はうらやましい限りです。波多野さんとBCJの共演は以前、シュッツとシャインの曲であったと思うのですが、ヘンデルもまた味のあるものだったでしょうね。波多野さんのソロも何度か聴かせていただいておりますので、あきこさんのおっしゃる“存在感”はよくわかります。「タブラトゥーラ」との共演などでは、また違った一面も見せてくれますよ。東京での波多野&BCJの共演('99年7月:第39回東京定期、神戸)も楽しみです。
 22日の「VIVA! BCJ」忘年会(?)も楽しかったですね。来年はいよいよ私も全国の色々なところ(まず松蔭!)にBCJ追っかけツアーをしてみようかな、と思っています。その先々でHPでお知り合いになったみなさんとお会いするのも楽しみですね。あきこさん、来年もよろしくお願いいたします。 VIVA BCJ! (矢口) (98/12/31)

89 《BCJの「メサイヤ」in仙台》

 27日、仙台メサイヤ公演が行われました。暮れのお忙しい中、東京からAHさんも駆けつけてくださいました。お会いできうれしかったです。仙台支部(?)のあきこさんと私で聴かせていただきました。
 開演1時間前には長蛇の列。当日券を求めていらっしゃった方もいたようでしたが、券も完売(!)でがっかりしてお帰りになる方の姿も見られました。会場は立ち見がでるほどあのホールでそういう風景をみるのは仙台育ちの私でも、はじめてでした。
 今回、合唱を受け持ったのは在仙のバロック合唱団の有志でしたが、アマチュアとは思えない出来でした。長いことBCJとメサイヤをうたいたい!という夢を描いていたとあって、その嬉しさが、うたから伝わってきました
 開演前、「ハレルヤコーラスはお立ちにならず、静かにお聴き下さい」という異例のアナウンスがありましたが,やはりハレルヤのあと拍手喝采ブラボーの声もかかり興奮の渦、これには出演者もうれしいやら、どうしたらよいものやら・・・という様子。それで、鈴木先生とソリスト陣はここで一旦退場、そしてまたすぐ入場し改めて第3部へと演奏した次第でした。

 今回のソリストはどのかたもすばらしかったのですが、私個人は生ではじめてきかせていただいたアルト・波多野さんが印象深かったです。特に23曲めのアリアの時には〔自分が歌を聴いている〕という事を忘れてしまうくらい、波多野さんの世界に引き込まれました言葉やその背景を十分消化して自分のもとして表現する(語りかけるようにうたう)波多野ワールドに魅せられてしまいました。また、歌ってないときでさえ存在感があり、その面持ちには、まるで弥勒菩薩のようで、同性であっても惹かれるものがありました
 鈴木先生のメリハリがありエネルギッシュな指揮ドラマチックなメサイヤでした。

 終演後思いがけず、AHさんに楽屋に御一緒させていただいて鈴木先生や奥様にもご挨拶させていただきました。恐れ多くて、話らしいはなしはできませんでしたが、またの仙台公演をお約束頂いて大変嬉しく思いました。先生も「今度はもっと響きあるホールで」ということでしたが、私もそうねがいます! この機会にBCJの仙台公演も恒例となるとよいのですが・・・

すばらしい感動 ありがとうございました。

(堀川 まり様) (98/12/29)
 仙台公演の熱気がそのまま伝わってくるレポートを、堀川さんからお寄せいただきました。ありがとうございます!
 この「フォーラム」にもたびたびお便りをお寄せくださっている高橋さんご夫妻もご出演された、この記念すべき公演大盛況の大成功で終わったことをとてもうれしく思います。(高橋ご夫妻のご感想も是非おうかがいしたいものです。) 満員で入場できなかったお客様がいらしたとは残念ですね。その方たちのためにもBCJ仙台公演を再び開いていただきたいものです!
 「ハレルヤコーラスは・・・」のアナウンスの効果はいかがでしたか。演奏中に起立された方はさすがにいらっしゃらなかったのでしょうか。ちなみに、相模大野公演では2階席で11名ほど、オペラシティでは全体で約60名ほどの方が、「ハレルヤ」演奏時に起立なさっていました。(>ジョージ2世閣下?) 第2部終了時は相模大野、オペラシティともにやはり大喝采でしたが、オペラシティでは、「ハレルヤ」の最後の響きが会場に吸い込まれてから拍手がおきたのがうれしかったです。(オペラシティでも、アンコールの「ハレルヤ」のあとはさすがに間髪を入れぬ拍手でしたが。) 相模大野でもオペラシティでも第3部前に指揮者、ソリストは一旦退場されていました。(休憩はありませんでした)
 波多野さんの歌声は相模大野、東京ではうかがえなかったのですが、大変存在感のある“うた”だったようですね。私はこの日予定があって仙台にお伺いできなかったのですが、東京から聴きに行ったみなさんがうらやましいです。あとは1月10日に岐阜に行くか、そのあとのイスラエルに行くしかありませんね。(ちなみに、米英のイラク攻撃でやや不安定な状況になっているイスラエルですが、現時点では何とか公演が実現できるように準備を進めながら情勢を見守っているところだそうです。)
 残念ながら私は両方(岐阜&イスラエル)ともお伺いできそうもありませんが、岐阜には東京から聴きに行かれる方もいらっしゃるそうです。うらやましいなぁ
 堀川さん、またのお便り、お待ちしております。 (矢口) (98/12/31)
 東京からこの歴史的なBCJ仙台公演を聴きに行ったAHさんレポートをまとめてくださいました。こちら(BCJ「メサイア」仙台公演を終えて)をご覧ください! (99/01/02)

88 《彼は野の花 〜レーヌ inジャパン〜》 

・12/11(金) 「ジャン・シャルル・アブリゼル/オルガン・リサイタル」
 於:東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

 今回のレーヌの来日はBCJメサイアのゲスト出演のためかと思いきや、先に来日が決まっていたアブリゼル氏のオルガン伴奏で歌う「歌手」役とのこと。なるほど東京オペラシティはこの公演を「オルガン・シリーズ」にしてる訳です。とにかくレーヌはおらが(隣)村にやってきました! 
 やんごとなき事情により、四年前のカザルスを見のがした私は、かぶりつきの席で「見ました」。心より待ち望んだ「生」のレーヌとにもかくにも「見たかった」のです、彼の歌う姿を…。客電が消え、舞台に登場し第一曲モンテヴェルディ「我は野の花」を歌う彼の姿に、私は一生忘れることができないほどの感激を覚えました
 彼の歌声はよく「官能的」と評されることが多いのですが、エロティックというのではなく、総体的に寧ろ繊細な甘美さを感じます。言葉に現すと、色に例えると…、と言うようなことを思いめぐらしていたら、ふと漂ったのです、花の香りが。庭園ではなく、野に咲く花のように、何ものにも惑わされない花。彼は野の花! あぁ、そうだったのね、雅歌を取り上げたのは自己表現だったのだわ!
 「主演」のアブリゼル氏の演奏は、私の席からは単に頭上を素通りして行く音でしたので、詳細はよく分かりませんがすごかったです。NHKが音声をまともに編集してくれる放映に期待を寄せるとします。
 20分間もの休憩を挟んで22時過ぎに終演したのちにいただいたフレンチレストランのワイン、まるでビロードのようで、このコンサートの余韻を一層深めてくれました。 

・12/12(土) 「フランスバロックの精華」
 於:神戸松蔭女子学院大学チャペル

 この機会を逃したら、噂の松蔭でレーヌを聴くことは二度と叶わない、武田マネージャー(& his wife)のお力なくしては実現し得なかったであろう贅沢な企画でした。クープラン「ルソン・ド・テネーブル」の第一、第ニのルソン二曲を聴けるのもこの日のみ。この日は全てにおいて濃かったです。
 丁度一週間前にBCJ定期公演(マニフィカト)が行われたこの会場を訪れるのは初めてでした。
 冷たく輝く星の美しい夜でした。かつて六甲ケーブルというのに乗ったことがありますが、初秋なのに紫陽花のつぼみがあったりして、その六甲山を少しのぼり始めた辺りにあるこの場所は、おそらく市街よりもさらに気温が低いのではないかと思います。数日間続いた晴天による、極度の乾燥状態に耐えられなかったチャペルの大オルガンを労るため、空調を止めたまま公演を行うことになり、我々聴衆は完全防寒スタイルで挑んだのです。なんでも大オルガンはその日の朝まで夜通しひとりでに現代音楽を奏でていたそうです。
 雅明先生のご苦労により「最高のコンディション」に極められたその響きは、それはそれは感動的でした。初めての松蔭体験がこんなにもリッチだなんて、私って幸せです。BCJ公演ではかの大オルガンの音を聴けることはないのでは?
 コンサート本編は、素晴らしく味わい深いもので、レーヌは前日よりも更に端正な「花」の香りを高めていました。彼が歌うのを「眺めて」いると、まるで声を発するたびに花びらがこぼれ出るよう。まったく、なんてかぐわしい歌声なのでしょう! 
 ただ、私には響きが過ぎるように感じられました。クーポラのような部分からいかにも音が降ってくるのですが、あまりにもライブ過ぎました。教会婦人でもなく普段そのような環境に慣れていない私などは、感動よりも驚愕の方が大きかったのが正直なところ。また、寒さに凍えきっていて、音楽を楽しむのにベストな状態でなかったことも事実。また、かくも贅沢なイヴェントだったにもかかわらず、集客が約七割ほどという、実に勿体ないありさまでした。
 さてここからがもっと驚愕。終演後武田氏より奥さまとそのご友人をご紹介いただき、ひとしきり話に花が咲き乱れ、気がつくとそこに残っているのは演奏者及び関係者、そして私を含む数名。総勢11名で新神戸オリエンタルホテルへ移動。ホテル地下の焼き鳥屋「音羽亭」の座敷に通されて宴会が始まりました。なんとも妙な体験でした。
 自称「追っかけ」の私は、「純粋なファン」ですので、まさか御大ジェラール・レーヌと対座で(然も私の隣には雅明先生)焼き鳥をつつこうとは、夢にも思いませんでしたね〜超MADなひとときでした。日本食は何でもお好きなんだそうで、なかなか器用にお箸を操り、コースで出てくる品々を瞬く間にペロリと平らげるレーヌはこの時ばかりは「花」でも何でもありませんでしたが、とてもキュートでした! 
 ところで私は中学・高校の6年間学んだきりの英語(大学でも履修はしていた筈ですが)で、レーヌよりも更に喋れないので、その二人の会話の埓のあかなさと言ったら、想像を絶するものでした…。フランス語にも全く縁がないので「ジェラール」と言う発音を本人に特訓して貰いましたが、どうしても「r」を巻いてしまう私は紛いなきイタリア音楽かぶれです。語学堪能な雅明先生に将来彼に愛の告白をする時のために是非ともそのフランス語をご伝授ください」と言ったら、大ウケされてしまいました。シンケンなんだけどなぁ。ともあれ、レーヌと私の純粋・単純・素朴な会話をご通訳くださった雅明先生および武田氏にはこの場を借りてお礼を申し上げたいところですが…。
 雅明先生はもちろん音楽家同士の会話をお楽しみのご様子でしたし、武田氏レーヌから貰った「新MAD’LESNE」の二種のCDを手にホクホクなさっていました。そのCDというのがMacで作った(?)テクノの自主製作盤で、レーヌはプロモーション用に持ってきていたのです。スポンサー募集中とのこと、武田氏の手腕に期待したいところですが、フレンチテクノとは……! MADな人です、ホントに。
 そうそう、音羽亭の仲居さんの要望により演奏者と雅明先生は各々色紙を書いていらっしゃいます。新神戸へご用向きの節はどうぞご覧ください。たとえば、コセさんのサインなんて超レアなのではないでしょうか。

・12/14(月) 「イル・セミナーリオ・ムジカーレ演奏会」
 於:水戸芸術館エントランスホール

 このホールへは柿落としの松居直美オルガンリサイタルに訪れて以来でした。もう8年にもなるそうです。オープン当時と比べると周りはずいぶん開けたように思いました。
 先の二回の公演は、通奏低音にポジティフを使用していましたが、ここでは大オルガンを使いました。アブリゼル氏の下手にコセさん、上手にレーヌ、といった最高のシチュエーションでした。舞台以外はかなり照明を落としてあり、非常に贅沢な雰囲気の中で、香り立つ「花」を愛でることができましたし、響きもライブ過ぎず、デッド過ぎず、ほどよく調和がとれていたのですが、残念でならないのは、当初予定されていたクープラン「ルソン・ド・テネーブル/第一のルソン」がプログラムから消えてしまったこと。今回の三公演のうちチラシやプログラムのデザインセンスが一番でしたし、コンサート自体も大いに気に入りました! アンコールの最後の最後まで浸っていられる素晴らしいひとときでした。

・12/19(土) 「BCJ、ヘンデル“メサイア”全曲演奏会」
 於:グリーンホール相模大野:大ホール

 この公演は……。Oh,no!と目を被い、耳を塞ぎたくなる瞬間も多発。ところが私はレーヌの声さえ聴いていれば、ひねもす夜もすがら幸せでいられるので、別耳で聴き分けることができるのです。持つべきは純粋なファンとしての「愛情」と「別耳」(!?)

・12/22(火) 「BCJ、ヘンデルのメサイア」
 於:東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

 レーヌの「歌唱」は聴く耳を間違えると"He was despised..."など、つい「うっとり」と甘美の世界に誘われそうになってしまうのですが…。聖書の言葉に造詣はありませんが、このアリアの場合、悲惨な「彼」はともすると紙一重の「恍惚」状態であったのではないかとも解釈できるので、レーヌの表現はまんざらでもない、とやはり褒めておこうっと。
 カーテンコールの際、客席から現れた男装の麗人がレーヌに手向けた、野百合のようなむきだしのカサブランカは、まさしく彼にぴったりでした!

 ・・・といったわけで、「追っかけ」は(無事)成し遂げることができました。
 私にとってはこの12日間でまた、レーヌを初め(!)数多くの方々との出合いもありました
 レーヌがいつもサインの下に書いてくれた
   "La musique est notre amitie´" 
 という言葉をひしひしと感じています。涙が出そうです。
 
 世界中に愛と平和が満ちあふれますよう。Joy to the world!

 長らくのお目汚しを失礼いたしました。

(日下部和美様) (98/12/24)
 レーヌのコンサート会場でお会いした(11,19,22日)日下部さんにお願いした“レーヌ追っかけレポート”が届きました。日下部さん、お忙しい中楽しいレポートをまとめてくださり、ありがとうございました!
特に、神戸でのコンサート&アフターコンサートは、本当にとても贅沢な体験でしたね。
「メサイア」では色々あるレーヌの評価ですが、歌の“味わい”の深さでは、学ぶべき点がたくさんあったと思います。またBCJとの共演もしていただきたいもの、と思っています。まずは、1月26日にNHK-BS2で予定されている「アブリゼル&レーヌ」の放映を楽しみにしましょう! (矢口) (98/12/26)

87 《再三にわたり有り難うございます。》

 矢口さん、AHさん、こんにちは。
 先日来の小生の的はずれの疑問に対してこんなにまで懇切丁寧なご返事を賜りまして本当に有り難うございます。矢口さんとAHさんとの連携も素晴らしいですね。
コルノ・ダ・カッチャとホルンあるいはコルネット、ツィンクの違いについては素晴らしい勉強をさせていただきました。繰り返しになりますが、本当にコルノ・ダ・カッチャの音を聴くのを待つ楽しみが出来ました。

 バッハの曲のうち200/1081程度しか知らない小生にとって、あらゆる引用を伴って解説して下さるので、わかりやすく非常に勉強になります。また、小生の老後の楽しみを増やして下さったことに対しても心からお礼申し上げます。
 小生とて現役をリタイヤするまでにはまだ20年そこらはあるとは思いますが、今のペースでレコードをため込んでいったら、やはり時間のとれるリタイヤ後に楽しみを持っていかなければ捌ききれないと思います。今は、とにかく気に入ったものを次々に耳に入れ、脳味噌の中に感性のデータベースを作って将来それに基づいて楽しもうと思っています

 AHさんの「霧吹太郎の聴きどころ・・・」ですが、決してマニアックだとは思いませんでした。
殆どが共感できることばかりですし、聴き逃してしまいがちなことも適切に解説して下さっているので、聴き読みしていると大変に楽しい気分にさせていただけます。惜しいのは、最初の頃の版が手元に残っていないこと。結構後から加筆されているようですので。

 レチタティーヴォ(昔からこう呼んでいるのでレシタティーヴォにはなじめません。ごめんなさい。ドミンゴもプラチドと呼んでしまいます)はつまらないなんてことはありませんレチタティーヴォのないオペラなんて考えられないでしょう。レチタティーヴォの代わりに台詞が入る「魔笛」は例外ですが、物語の筋を次々に解説?するあるいは気分転換を適切にやってのけるレチタティーヴォがなければ全くオペラが機能しません。ましてエヴァンゲリストをはじめとする物語の語り手がなければこの音楽そのものが成立しないのです。コラールとアリアだけなら単なる音の羅列だけでしょう。じっくり聴いてみると実に聴かせてくれるものが多いです。

 第1部第8曲、無礼をおそれずに言わせていただければ、この全曲中たった1曲”ぬかった”のがこれではないかと思います。島田氏のトランペットが他の曲と大幅に感性がずれているように聞こえてならないのですが。島田氏の技量をしてこうなのですから、楽器そのものが低音域について苦手な作りなのかもしれませんね。

 第2部第12曲については小生もそんな気分がしないでもないのですが、シンコペーションなのでなおさらですね。メサイヤの”Glory to God・・・”は、おっしゃるとおり壮大で、爽快。歌っていてもハレルヤの次くらいに気分が高鳴る部分です。
24曲と35曲bテイク云々については、あくまで低次元のジョークと聞き流して下さい。

 メサイヤでハレルヤコーラスが終わると帰ってしまう客がいるというのは初めて聞きましたが、判るような気がします。実は小生、以前にメサイヤを歌ったことがあって、今でも歌った部分のテナーパートは殆ど暗譜で歌えるのですが、第3部は歌いませんでした。はじめから2部までのプログラムで歌ったものですから第3部は知らないのです。
でも、この曲は後半がまた素晴らしい。こだわりの”コルノ・ダ・カッチャ”も出てきます(第4部)し。

 第4部第3曲、なぜか、AHさんに指摘される前から気に入っていた部分です。コーイ氏の切ないまでに”抜いた”発声、訴えるものが大きいですね。 ach! So nimm mich zu・・・・この抜き方は本当に感嘆ものです。(AH=arh ?)
次のオーボエのエコーがポンセール氏の一人エコーだとは思いませんでした。札幌公演ではオーボエとソプラノが舞台袖に入って陰で演奏していました。

 第5部第5曲、オルガン、いわゆるパイプオルガンではなく、大昔の卓上オルガンを彷彿させるポジティヴオルガン独特の何とも感性豊かな音色、感激しますね

 第6部第1曲、このような編成ですとどうしてもトランペットのように一番耳につく部分に気を取られがちですが、これはもちろん比類なく素晴らしいと思いますが、その陰でわずかに流れ聞こえてくるオーボエ(どうしてAHさんは小生がいいと言う所と同じところをいいとおっしゃるのでしょう)が泣かせてくれます
それと、ティンパニーのサポートと音質のすばらしさ。言うことなしです。第1部第1曲の歌い出しで華々しくデビューした後、しばらく忘れ去られたかに思われていて、最後をまたビシっと決めてくれる。さすがですね。
 終曲、ここまでくればもう感極まって何もいりません後はどうにでもしてくれといったところで、約2時間少しです。あっという間の2時間ですね。マタイの3時間(僕のマタイはリヒターです)は長いけれどこの2時間は短い。やはりBCJのマタイを聴かなければだめですね。

 〜などと判ったふりでまたお騒がせしてしまいましたが、今年の最後に心からの感動を与えて下さったことに改めてお礼を申し上げます。そして、年の瀬、餅も買えずにいるのにBCJの教会カンタータCD7枚分を出費する機会を与えて下さったことに対しても心からお礼申し上げます。週明けに買ってきますので、越年資金、空になりますが、正月休みはバッハ三昧です。(おっと、ウィーンフィルハーモニーのニューイヤーコンサートも忘れないでおこう)

 今年の投稿はこれで終わりにします。最後に来年も矢口さん、AHさん、鈴木さんはじめBCJメンバー皆様のご多幸を心からお祈りいたします

追伸:先回カラヤンはいただけないと書きましたが、その後HPを見ましたら矢口さんはカラヤンファンのようですね。大変失礼しました。あれはあれで、モーツァルトの演奏としてはの話です。クリスチャン・フェラスと組んだシベリウスのヴァイオリン協奏曲は相当泣けますよ。

(越野義貴様) (98/12/22)
越野さん、AHさんの「霧吹太郎の聴きどころ・・・」に触発されての楽しいお便り、ありがとうございました。
時あたかもクリスマス(BCJファンのクリスマスは12/25では終わりませんよね!)。私ももう一度BCJの「クリスマス・オラトリオ」を聴き直してみようと思います。これは新年になっても楽しめますね。
ちなみにAHさんのハンドルネームの由来はさすがに「クリスマス・オラトリオ」の歌詞ではないようです。また、札幌での第4部のオーボエのエコーですが、たぶんこの時は三宮さんが“一人エコー”をなさっていたのではないかと思いますが、いかがですか?
BCJのカンタータCD三昧のお正月だそうですが、カンタータCDの感想も是非お寄せください!
(私のカラヤン好きは大オーケストラの曲が中心ですので、お気になされなくて結構ですよ。)
それでは、よい年をお迎えください! (矢口) (98/12/26)
 越野さん、身に余るお褒めのお言葉を頂戴し、大変恐縮しております。私と同じような感じ方をされる方が他にもいらっしゃると思うと、大変うれしく、長文を書いた甲斐があったというものです
 「レシタティーヴォ」、実は私も違和感を感じながら書いています。略号で「Reci」と書いてあれば絶対に「レチ」と読んでしまいます。礒山先生の「バッハ事典」も「レチタティーヴォ」になっていますね。
 レチタティーヴォといえば、4〜5年前に玉村町というところでメサイアをやったときに、うちのあずみ師匠「最近レチタティーヴォがすごくいい」っていったら、「生意気だ」と怒られてしまったのが記憶に残ります。BCJも最初のころはレチタティーヴォにずいぶん苦労していました。雅明さんと秀美さんですらなかなかあわないくらいでした。でも4年前くらいから進境いちじるしい。特に弦楽器入りのものはいまやBCJの売り物のひとつといっても過言ではありません。今回のメサイア前回との違いはいろいろありますが、やはりレチタティーヴォ(英語だから「レシタティーヴォ」かもしれませんが)の解釈の違いは非常に大きいなと感じました。これは、歌手の違いも大きいでしょうが。レチタティーヴォをどう扱うかによって、全体の流れが全然変わってきてしまいます
 さて、私のつたない文章ですが、僭越ながら私もバッハ同様常に推敲を重ねております。特に過ちをご指摘いただいた点については、即座に修正するよう心がけております。しかし、バッハと違って初稿に価値を見い出すことはできません。とりあえず、書きたいときに書きたいことを書いているだけだからです。どうか、ご容赦くださるようお願い申し上げます。
 私の「BCJ98年」も27日の仙台でのメサイアをもって幕を閉じることとなります。1年間どうもありがとうございました。 (AH) (98/12/27)

86 《感動しました。メサイアin東京》
 
 (前略)昨日の「メサイア」を聴きに行きました。ちょっと金欠でしたので、学生席で、3階の左側のベランダ席、丁度鈴木さんのすぐ後ろぐらいの列にいました。さすがのオペラシティー、3階席の舞台の横の席でも演奏を堪能することができました
 ちょうど2年前にも同様のプログラムがありましたが、私は横浜の木のホールで聴きました。その頃の演奏がCDに収録されています。
 今回は、あの頃の美しさに加えて、意気込みと力強さを感じることができました。おそらく3階の舞台脇から覗くということで、鈴木さんの息づかいとメンバーとの間合いも見ることができたからではないかとも思うのですが、とにかく圧巻でした。
 ちょうど私の正面がバスパートの方々が並んでいらっしゃいましたが、あの歌唱力は見事と言うしかありませんでした。
最近のBCJは、迫力が出てきたように思えます。マタイが楽しみです。
バッハやヘンデルのテキストから、あれほどの「賛美」ができることはすばらしいことだと思います。

(金原秀行様) (98/12/23)
 金原さん、さっそく「メサイア」のご感想をお寄せいただきありがとうございます。いやぁ、本当に“入魂”の演奏でしたね。私は、第3部の「トランペット・アリア」での浦野さんの気迫と、最後の「アーメン・コーラス」の迫力満点ながら気品を失わない歌声に特に強く惹かれるものがありました。アンコールの、ソリストもともに歌った「ハレルヤ」も聴きものでしたね。 またのお便りをお待ちしております。 (矢口) (98/12/24)

85 《20000番!》
 
初めまして,山里といいます.幸運にも20000番目の訪問者となりました.
いつも,『VIVA! BCJ』を楽しく拝見させてもらっています.

 私は,カンタータ全集第1巻を聴いて以来,BCJのファンになりました.
それまでは,リヒターによる演奏をよく聴いていたのですが,今ではBCJにとってかわっていますBCJの良さはたくさんあると思うのですが,私にとっては,響きの美しさ,清さ,統一感が魅力です.
 残念ながらまだ生で聴いたことがないので,是非いつか松蔭チャペルでの演奏を聴きにいこうと思っています.

 Webの更新は大変手間のかかる作業だと思いますが,これからもBCJに関する情報を届けるため,お体に気をつけてがんばってください.

(山里将朗[Yamazato Masaaki]様) (98/12/19)
20000番GET!のお便りをご紹介いたします。山里さん、おめでとうございます!
現在、20000番のプレゼントについて山里さんならびにBCJ事務局と交渉中です。決まりましたらご報告いたします。
CDを通してのBCJファンである山里さん、熊本にお住まいとのことですが、19日の相模大野や22日のオペラシティの「メサイア」にも多くの地方のファンの方がお見えになっていらっしゃいました。私がお会いした方だけでも、仙台、群馬、福岡、宮崎からおいでになっていました。これを機会に、是非生BCJにも触れてみていただきたいと思います。私も神戸松蔭でのBCJはまだ未体験ですので、今後是非お伺いしようと思っています。山里さんとどちらが先になるでしょうか?!
今後ともBCJならびに『VIVA! BCJ』をごひいきにお願いいたします。CDのご感想なども是非お寄せください!
(矢口) (98/12/24)
 山里さんと相談の上、BCJ事務局のご協力をいただき、20000番のプレゼントとしてBCJ定期公演の過去のプログラムのうち残りのある回のものをまとめて差し上げることになりました。最新のものには鈴木雅明さんのサインもいただける予定です。BCJ事務局の仕事始めが過ぎてからお送りできると思います。
 なお、BCJ事務局では、BCJ定期公演の過去のプログラムを、残部があるものは一部500円、コピーでしか提供できないものについては一部250円で、ご希望の方にお分けくださっているそうです。(郵送料等は別。詳しくはBCJ事務局 03-3226-5333までお問い合せください) *プログラムの主な内容と残部の有無などは、こちらをご覧ください。
(矢口) (98/12/28)
《2万番プレゼントへのお礼》

矢口様, 山里@2万番です. 今日,プログラムが届きました.
分量の多さからBCJの歴史を感じることができ,ゆっくり読んでいこうと思っています.本当にありがとうございました.鈴木雅明様及びBCJ事務局のみなさまにもくれぐれもよろしくお伝えくださいますよう,よろしくお願いします.

 また,レッスンの友2月号にでている雅明さんの記事を読みましたが,大変勉強になります.楽譜に関しては何となく,ヘンレ版信仰みたいなのがあったのですが,やはり新バッハ全集を手に入れたいと思いました.

 以上,お礼かたがたメール差し上げました.これからもBCJ及びVIVA!BCJのいっそうのご活躍をお祈りいたします.

(山里将朗様) (99/02/14)
 20000番のプレゼントがついに届けられたとのお便りをいただきました! イスラエル・ツアーに定期公演、そして次の「マタイ」の準備と、まさに書き入れ時のBCJ事務局に、プレゼント提供のみならず、発送までしていただき、私、矢口からも重ねてお礼を申し上げたいと思います。また岐阜公演終演後のお疲れのところ、快く「祝20000番」のメッセージとサインをくださった鈴木雅明さんにもあつい感謝を捧げます。どうもありがとうございました。山里さんもいつか、是非生のBCJを聴きに来てくださいね。(矢口) (99/02/17)

84 《またまた感激をありがとうございます》

 けさ”VIVA BCJ”にアクセスしてびっくりしました。拙文にリンクが張られているではありませんか。
 リンク先のAHさん(霧吹太郎さん)の「クリオラ」聴きどころは、12月11日分まではダウンロードしていたのですが、その後、3日ほどアクセスしていなかったものですから、第4部についての解説を興味深く拝見致しました。
 やはり、ホルンだったのですね。小生が持っている音楽之友社版のスコアには”Corno da caccia I,II inF”の指定がありますので、やはり調子の高いホルンだったのだと思います。
 ライナーノーツにある、”クロード・モーリー”氏の名前にもっと注目していれば第4部の楽器が「コルノ・ダ・カッチャ」ではなく、「ホルン=ナチュラルホルン」だということが判りそうなものですが、待ちに待ったCDを手に入れた嬉しさのあまり見過ごしていました。「コルノ・ダ・カッチャ」ならば、島田さんが演奏している筈ですものね。でも小生には調子の高いホルンにしか聞こえなかったということに関しては、逆に耳に自信がつきました。そしてまた、「コルノ・ダ・カッチャ」の音を聞くのを待つ楽しみが出来ました。札幌では次回いつ生演奏を聴くことの出来る機会を持てるか心配ではありますが、待つ楽しみというのもあっていいのではないかと思います

 ナチュラルホルン(トランペットも同じですが)の響きっていいものですね
 もうずいぶん昔になりますが、ヘルマン・バウマン氏が来日した際に、モーツァルトのコンチェルトをナチュラルホルンとモダンホルンを吹き分けて演奏したのを聞いたことがありました。ついでに長い海藻を干してくり抜いたものを吹いていた記憶もあります。小生は既にアルノンクールとバウマンのモーツァルト全曲のレコードを持っていましたので、感心して聴いた記憶があります。氏は、そこで肉声をラッパに吹き込んで、1度に2つの音階を出すという芸当をやってのけました。レコードにはそれがはっきりと録音されています。
 その後、かの天才デニス・ブレインのレコードも入手しましたが、感動はいまいちでした。伴奏しているカラヤンもいただけませんが。
 その後、すっかりナチュラルホルンにはまっています
ですから、昨年(振り返るともう1年経ったのですね)のクリスマス・オラトリオでのホルンの印象が鮮烈であった訳ですが、それを聞き違えるとはとんでもない間違いをしたものだと苦笑に耐えません。

 今年になって、トン・コープマン氏が来札され、札幌コンサートホール「キタラ」で演奏会を行ったのですが、そのときの朝顔の中に赤と青の彫刻がされたホルンが印象深く、いまだに忘れることが出来ません。幸いなことに、これと同じプログラムを衛星で放送しましたので、録画して楽しんでいます。

 AHさんの聴きどころにある、「3拍子」については、初めて聴いたときの印象そのものです
 とにかくこの曲は3拍子が主体の曲であるとの印象を強く持ちました。そして、日本人に3拍子が合わないということも何となく感じていました。律儀な日本人はウィンナワルツだって3拍子で振ってしまいますが、あれってどちらかというと2拍子に近いですね。日本人に不向きな3拍子系統を実にうまく聴かせてくれる・・・・この辺は全くAHさんのおっしゃる通りかと思います。とにかく素晴らしい。

 ところで、ブクステフーデの「我らがイエスの四肢」、入手して聴いています。
 どう表現すればいいのでしょう、とにかく「いいですね」。
 ブクステフーデについては、オルガンの作曲家ということと、とにかくバッハが傾倒していた、いわば先生なのだということくらいしか知りませんでした。オルガン曲とてせいぜい2、3曲くらいしか聴いたことがなかったのですが、これはいい
初回のお便りでお伝えした通り、小生はかなり古い作曲家の声楽曲を好んで聴いていますが、ほかにはこのような趣味は見あたらないですね。バッハ以前ですと、M.A.シャルパンティエ、モンテヴェルディ、ガブリエリ、ラッソー、パレストリーナ、W.バード、ダウランドなど、あげればきりのないほどの作曲家のものを好んで聴いていますが、いずれもドイツ以外の人間ばかりです。そんなことからも非常に新鮮に聞こえますし、これからも大切に聴き込んでいきたいと思っています。
ここでも米良美一氏の歌いっぷりが素晴らしいですね。最近路線を変えたと思われますが残念ですね。

つまらないことを一つ・・・・
モツレク、フルヴェン、メンチャイコン、クリオラ・・・・なにか不自然ですね
フルネームにしてみませんか? 日本人は何でも略しすぎです。
因みに「メンチャイコン」とは必ずカップルにされる、メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のことだそうです。
 9日にスラヴァのカウンターテナーを聴いてきました。24日にはブライアン・アサワのカウンターテナーを聴きに行きます。今年はカウンターテナーで暮れそうです。

よいお年をお迎え下さい。VIVA BCJ!
 
(越野義貴様) (98/12/15)
 越野さん、こんにちは。ついに完結した「クリオラ」聴きどころおまけとして、クリオラにおける「Corno da caccia」をAHさんが執筆してくださいました。こちらも必見です!(ちなみに、私の持っている旧バッハ全集版のカンタータ52番の楽譜には、「Corno I,II」の記載でした。また、BWV140の'96/3のBCJによる演奏ですが、ソプラノパートを補強するホルンパートは省略されていたと思います。)
ナチュラル・ホルンの響きは、先日のヘレヴェッヘ/コレギウム・ヴォカーレの第九演奏会で堪能しました。クロード・モーリーも参加したシャンゼリゼ管のホルンパートは、バルブのないことを感じさせぬくらい見事な演奏を聴かせてくれました。
 ブクステフーデの「我らがイエスの四肢」については、まったく同感です。本当に素晴らしいですね。
 曲名や名前などの省略についても、ご指摘ごもっともです。私が大学のオーケストラ時代に一時お世話になった元読響のティンパニストの野口先生からも、まったく同じご注意をいただきました。曰く「曲名を略して言うなど、作曲家という偉大な存在に対する敬意が足りない。モツレクなんて飲み屋のメニューのようではないか。本当に音楽を愛するなら、モーツァルトのレクイエムとなぜ言わないのか」と。このHPでも、できるだけ略称を用いずに記載していこうと思います。
 私も、カウンター・テナーの魅力の多彩さに気づかされたこの一年でした。アサワは札幌公演前日の23日に私の地元相模大野でコンサートがあるので聴きに行ってみようと思っています。しかし、レーヌの歌声の魅力は特別ですね。あと一回聴ける明日の「メサイア」オペラシティ公演が本当に楽しみでなりません。
 越野さんにとっても、来年がまた実り多い一年でありますように。今後もぜひお便りをお寄せください。 (矢口) (98/12/21)

83 《BCJ神戸公演後援会懇親会レポート》
 
 コンサートの休憩時間、チャペルの玄関に懇親会の案内が掲示してあります。
あれっ確か五時から六時までの筈だったのに六時半までと書いてある。最後まで参加していると帰りが辛くなるなぁと思いつつ・・・まぁ今日中に帰れば問題ないっと。

 終演後、チャペル向かいの二階、学生食堂に行ってみます。何と後援会会員全員分の名札が五十音順に出来ています会費500円を支払い名札をもらい、空いているテーブルに荷物を置く。荷物を置くテーブルの上には「ケーキのカロリーは・・・」なんていう小さな掲示があったり窓辺にはクリスマスの飾り付けがあったり、流石は女子大(^^
 ピザやお菓子、烏龍茶が乗った懇親会のテーブルに参加者が遠慮がちに集まり始めた頃、後援会スタッフの方から「マニフィカトの録音は昨日終わったのだが、「マタイ」録音のためのセッティングを試すからBCJメンバーは少し遅れる。先に始めていてほしい」との雅明さんからの伝言が。そこで後援会会員向けに、今日(12/5)現在、会員が111名になったこと。年度末には会計報告が出せる事などの話があった。
 「それでは会員同士で始めましょう。」ということで乾杯のリハーサルを行ない食べ物が解禁になった頃、ティルク、パーション(雅明さんの発音)、鈴木兄弟辺りから三々五々食堂に入って来る。秀美さんはビール持参で登場普段はこの後、録音があるのでアルコールは厳禁らしい。うぅむ、これは良い日に当ったぞ。
 その内、BCJメンバーが結構集まったので、今度は乾杯の本番。まず雅明さんからソリストとニューフェイスの紹介ティルクは今回、出番が少なかったので有馬温泉でたっぷり、リフレッシュ浦野さんはその有馬温泉まで徒歩で行ったBISの録音スタッフは子連れの一家で神戸入り前に石垣島でリゾートして来た等の話が披露された。ニューフェイスは前田、菅のフルート美女コンビ。ライプツィヒ時代の曲に入り出番も増えるしマタイもこの二人だとか。新顔という訳でもないが、ティンパニの松倉さん島田親分以下、三人の水道屋さんも紹介された。その後は秀美さんが新しい楽器を披露。音は出さなかったけれど楽器や弓の話が聞け、とても有意義だった。
 初めての神戸だと後援会スタッフの方に挨拶したら、思いがけず雅明さんに紹介して頂けた。実はBCJと同じ頃、アマチュアとしてカンタータの全曲演奏を目指し活動を始めた身なので雅明さんにはいろいろ質問もしたかったし、お話も伺ってみたかったので、これは今回の神戸初体験の中で最大の収穫だった。「お互いがんばりましょう」と、お言葉も戴けたし。
 気が付くと既に六時過ぎ。BCJメンバーも後援会会員も少しずつ減っている。片づけもせず引き上げるのは心苦しかったのだが、まだ会は続いているようなので後ろ髪を引かれつつ、名札を返して食堂を後にした。

 終演後お疲れのBCJメンバーの皆様、後援会スタッフの皆様、楽しい懇親会をありがとうございました。それにしても神戸では演奏もBCJメンバーも身近に感じる事ができる神戸まで交通費をかけて聴きに行く事は、近江楽堂以上に贅沢な事だなぁと実感したひとときであった。

(中田充紀様) (98/12/13)
今回の「マニフィカトづくし」の定期で、東京から初の“BCJ聖地巡礼”(イスラエルではありません・・・)をされた定期会員の中田さんから楽しいレポートをいただきました。ありがとうございます!
レポートの中にもあるように、中田さんは自らもヴァイオリンを弾かれるアマチュア音楽家で、バッハ・カンタータ・アンサンブルという団体でBCJと同じ目標(カンタータ全曲演奏!)をめざしていらっしゃいます
・・・・・それにしても、神戸は楽しそうですね。(ややひがみ気味・・・) 必ず私も行ってやるぞ!! 
そして、皆様もぜひBCJ神戸公演後援会にご参加を!
コンサートの感想など、またのお便りをお待ちしています。 (矢口) (98/12/17)

82 《メサイア仙台公演についての追加情報!》
 
 矢口様、いつもHP楽しく拝見させていただいております。
 いよいよあと2週間あまりに迫った「メサイア」仙台公演ですが、ここに来て、思わぬビッグ・ニュースが舞い込んで参りましたのでお知らせいたします。

 なんと、BCJ社長であり雅明先生の奥様でもあられる環さんが合唱団の一員として共演してくださることになったのです。合唱団全体のレベルアップを図るためか、はたまた夫婦愛の発露か、真相は定かではありませんが、私たちにとってこれほど光栄なことはありません!! (個人的には我がベースに浦野さんが入ってくれればもっといいのになぁ、とは思うのですが。)
 環さんは昨日(13日)の雅明先生の練習から合流し、前日26日のゲネプロそして27日の本番と仙台にいらっしゃいます。意外なことに、環さんは仙台は今回が始めてとのことで、昨晩は仙台名物「光のページェント」の一端もお楽しみいただきました。

 かくいう我々の方はどうかといいますと、本番を間近に控え、充実したメサイアをお聴かせ出来そうな手応えを感じつつあるのですが、いかんせん、仙台ではBCJいえそもそも古楽演奏に対する認識度が極めて低く、チケットも思うように売れておりません。東京や神戸の皆さんにはまったく信じられないことかもしれませんが、1000人しか入らない会場さえ、満員に出来るかどうかという状態です。
 合唱団のレベルはともかく、BCJが「メサイア」を演奏すると言うことは、仙台の音楽界にとって、歴史に残る意味深いイベントとなるはずです。私自身、BCJの演奏を聴いて初めてバッハのすばらしさを知ったといっても過言ではありませんから。
 とにかく残された期間出来るだけ地元の人にご来場いただいて、仙台での古楽演奏の裾野を広げていきたいと思っております。
 という事情で、今からチケットをお買いいただいても問題なく仙台公演はお聴きいただけます(ちなみに全席自由)ので、このHPをご覧になっている方で27日に時間がおありになる方がいらっしゃいましたら、是非、仙台においでください。また仙台に知り合いがいるという方は。その方に是非ご宣伝ください。

 今の時期仙台は二つの大通り(青葉通り、定禅寺通り)のケヤキの大木200本を60万個もの電球が彩る「光のページェント」も開催中で、会場の電力ホールは町の中にあるため、「メサイア」公演が終わった後、幻想的な光のペイヴメントを歩み、余韻に浸ることもできます
 ご来場、心からお待ちいたしております。

 なお問い合わせ等、メールでなさりたい方は私の方までメールいただければ即座にご返事いたしますので、お気軽にメールいただければと思います。メールアドレスは <cab05140@pop06.odn.ne.jp>です。

(中略)本当は、東京、神戸両公演を拝聴した「マニフィカート」公演についても書きたいところですが、今回は「メサイア」に絞らせていただきます。(後略)

(高橋治彦様) (98/12/14)
高橋さん、ビッグなニュースをさっそくありがとうございました。27日の「メサイア」仙台公演もますます楽しみですね。(私は残念ながら都合がつかずおうかがいできません・・・。) 仙台には当HPにゆかりの方たち(?)も多いというのに、チケットがなかなか動いてくれないとは、なんと残念なことでしょう。 「Viva! BCJ」仙台支部(?)のみなさん、相模大野やオペラシティにおいでいただくのもうれしいのですが、まず地元のイベントもぜひ応援してあげてください! そして全国のBCJファンのみなさん仙台にお知り合いがいらっしゃる方はぜひ、このコンサートをお知らせしてください!
BCJの「メサイア」の後に歩く「光のページェント」も幻想的で素敵ですね。
高橋さん、「メサイア」が一段落してからでかまいませんから、東京と神戸で聴いた「マニフィカート」のご感想も、ぜひお寄せください! (松蔭でのBCJ未体験がだんだんくやしくなってきた矢口でした。) (98/12/15)

81 《まったく松蔭はマニフィカト》

矢口さま、こんにちは。ご無沙汰しております。武田浩之(BCJ事務局長)の家内でございます。いつも主人がお世話になっております。
HPはいつもいつも楽しく拝見させていただいておりますが、お便りするのは今回がはじめてです。
Viva!BCJを見るたびに、皆様がBCJのコンサートを楽しんでおられる様子を常々頼もしく思っているのですが、最近は子育て中でコンサートホールに足を運ぶこともままならない私は、「きいいっ」と歯軋りしたくなるような悔しい気持ちになることもございました。
ところが!今、主人が出張続きの3週間、実家の京都に里帰りしているのをいいことに、行って来ました、「松蔭チャペル」!聴いてきました「マニフィカト」!ふっふっふっ。
松蔭でBCJを聴かなければ、本当のBCJを聴いたことにはならない、とはよく伺うセリフで、私も「え〜、ほんと〜?」と思っておりましたが、本当でした...(矢口さん、ごめんなさい)
一言でいうなら「近江楽堂の贅沢さ」と申しましょうか。本当に演奏者と空間を共有している「幸せ」を満喫という感じです。
待降節のこの時期に聴く「オール・マニフィカト・プログラム」は、編にわたって清清しく、晴れ晴れとして、「アア、マリア様!(野々下マリア様、夏美マリア様!)という感じで、本当に楽しかった。個人的にはバッハのアルト・アリアのトラヴェルソ2本のオブリガートがお気に入りリリ子さんたちったら、なんてかわいいんでしょ。まさにどっぷりBCJサウンドに全身どっぷりつかり、音楽に全身で共鳴しました
神戸のファンの方々は本当に幸せ。音楽を楽しむには、音楽や演奏はもとより、それを楽しむ「箱」も重要なんだと改めて痛感。東京オペラシティできく「華やかBCJ」の魅力も捨てがたいですが。

その松蔭チャペルで、今週末ジェラール・レーヌ様のコンサートがあります。(大ファンなので様付け大変楽しみです。主人が言うには「穏やかで優しい感じのいいひと」ということですが、いつ、どのように、あのMadなレーヌ様に変身されるのでしょう
彼の歌うクープランの「ルソン・ド・テネブレ」は、つとに美しいことで評価が高く、そりゃあもう、クープランの時代にもこれほど美しく哀しくエルサレムの荒廃が歌われたことはなかったのではないかしら。自称レーヌ・マニアの私も「レーヌのベスト盤は?」と聞かれれば、第1にあげたいものです。このCDは現在大変手に入りにくくなっているのが、残念!(廃盤になってしまったの?) そのルソン・ド・テネブレの第2のルソンが今回生で聴ける!しかも松蔭で!これほど美味しい話がありますでしょうか。聞くところによると、この稀代の天才カウンターテナーを松蔭で聴くために東京からわざわざいらっしゃる熱烈なファンも2〜3人ではないらしいです。

少し夢中になって、立場を忘れて思わず投稿してしまいました!
今年も残りわずかとなりましたが、あとはレーヌの歌に心洗われ、BCJのメサイアで晴々とした気持ちで、クリスマスと新年を迎えたいと思います。

(武田聡子様) (98/12/11)
レーヌ&BCJ共演のかげの立て役者(?!)、武田BCJ事務局長の奥様からのご投稿です。ありがとうございました。これからもぜひ“立場を忘れて”、どんどんお便りをお寄せください。
ところで、そのレーヌですが、さっそくオペラシティ公演をうかがってまいりました。いやー、素晴らしかったです!
オペラシティではNHKのカメラが入っており、来年の1月26日にBS2チャンネルの「クラシックアワー」で放映予定だそうです。(その頃はBCJはイスラエルですね・・・!) 楽しみです!  (矢口) (98/12/12)

79 《マニフィカト!!》
 
 矢口さんこんにちは。信州の百瀬です。日曜日は、すばらしい演奏会でしたね。
一晩経った今日も、マニフィカトの実演に接することのできた喜びに、一日中浸っていました。前回の、信仰の厳しさを聴く者につきつけてくるような豊かでありながらとても厳しい音楽から一転して、今回は聞き手の官能にさえ訴えてくるような、感覚的にも磨かれた美しい音楽が、一貫して奏されていたように感じました。

 私にとってのハイライトは、ゼレンカの最初のマニフィカトです。野々下さんの歌声には、まさに完全に魅了されました「まりあ様!」とおすがりしたくなるような…(笑)。あらゆる面で、美しい!と思いました。
 もう一人のマリア様、ミア・パーションさんもまさにみずみずしい、フレッシュで若々しい美声を聴かせてくれましたが、若さに任せたというか、ややオペラティックな表現に傾いていたかなという感じが、特にクーナウやバッハで、二人のソプラノが掛け合う場面で聴かれたような印象を持ちました。
 それにしても、両翼に陣取ったトランペットとオーボエの名技性には、ハッとさせられることが多かったですね。ここまでやれるのかと舌を巻く瞬間の多かったこと

 そして、何よりも今回感じたことは、トータルな印象として、音楽する喜びというものが、こんなにも客席に届いてくる演奏というものを聴いたことがあっただろうかという点です。CDのリリースが重なる度に国際的な評価もあがってきた、その自信も加わってきたのでしょうか、BCJという団体で音楽する喜びというものが、舞台上のあちらこちらからまっすぐこちらに届き、私自身のこの場に居合わせた喜びが増幅されていったのです。
何がよかった、あれが良かったと書いていけば枚挙に暇がないのですが、しばらくは「まりあ様」の声が耳から離れない日が続きそうです、と最後に記して終わりにします。

(百瀬慎一様) (98/11/30)
 百瀬さん、さっそくのご感想ありがとうございました。アドベントの日曜日にまことにふさわしい、心弾む音楽会でしたね。
二人の“新”マリアの競演に、管楽器の妙技も絡み合い、高らかに讃美の歌が舞い上がっていました
他のソリスト、常連テュルク(テノール)に、急病のため来日がかなわなかったコーイの代役を気迫あふれる歌声で見事につとめ上げた浦野さん(バス)、そして久々BCJ登場の太刀川さん(カウンターテナー)も、艶のある歌声で魅せてくれました。
・・・本当に、よかったことをあげていくときりがありませんね。そこで今回の演奏を聴きながら私が考えていたことを一つお話しさせてください。。
 わずかこの10日の間に、私はコレギウム・ヴォカーレ(ヘルヴェッヘ指揮)のコンサートを3回とこのBCJを聴き、それぞれのグループの“持ち味”について色々考えてみました。その一端は「Q&A」のコーナーにも書いたのですが、今回の「マニフィカト」を聴いて思ったことは、「われを忘れる瞬間」についてです。
 コレギウム・ヴォカーレのコンサートシリーズでは、私の印象では、どんなに高揚した瞬間でも決してコントロールは失われず美しい響きが立ちのぼってきて圧倒させられました。かたやBCJではいくつかの祈りの頂点で、半分は危なっかしいアンサンブルになりながらも、何か沸き上がるような「われを忘れさせる高揚」の瞬間を体験することができました。(そんな瞬間は、穏やかな場面で突然やってくることもあります。) そして、「ああ、これを、この瞬間を味わいたいがために私はBCJに来ているのだな」とあらためて思った次第です。では、なぜそういうことが起こるのか
・・・これは私個人の思いこみなのかも知れませんが、BCJの(ということは音楽監督である雅明さんの)“ともに神を仰ぎ見る”視点にその由来があるのではないかと思います。コレギウム・ヴォカーレの面々がバッハのモテットを歌っているとき、私はなぜか説教を受けている気分になっていました。彼らはその音楽を、その歌詞を、その背景を知り尽くし、我々に伝えてくださっている・・・そんな風に感じてしまったのでした。しかしBCJでは「素晴らしいじゃありませんか、この音楽は!という呼びかけに感じ、「あなたも一緒に讃えましょう!」と誘われているような気がするのです!
 もちろん、コレギウム・ヴォカーレと比べた時の技術的な面の課題は感じました。しかし、BCJの“かけがえのなさ”にも、あらためて気づくことができたという意味で、今回のコンサートは私のとってまた一つ記憶に残るものになりました。
ずいぶん勝手な物言いを長々としてしまいました。是非またご感想をお寄せください。 (矢口) (98/12/01)

78 《遂に聴きました「クリスマス・オラトリオ」》
 
 矢口さん、先日は小生の拙文に丁寧なご返事を下さいまして有難うございました。
その後のHPの情報で、「クリスマス・オラトリオ」キング盤の発売11月27日だということを知りました。
しかしどうしても待つことが出来ず、日本語のライナーノーツを諦めてBIS盤を予約し、昨日(11日)遂に手に入れることが出来ました。夕食後ざっと耳を通し、寝ながらディスクマンで聴き、通勤の行き来で都合、通しで2回聴いてみました。そして今、3回目を聴きながらこれを書いて(打って)います。
 じっくり聴き込んでいないのでおおまかな印象しか述べられませんが、まず第一印象は録音が格段にいいということです。実は、ヨハネの、隣の部屋から録音している様な音には正直言ってがっかりしていたものですから、今回の録音は実に素晴らしく楽しませて頂いています。
 それと、感激極まったことが。・・・な、なんと第4部に謎の金管楽器(島田俊雄氏の受け売りです)「コルノ・ダ・カッチャ」が登場しているではありませんか。確か昨年の札幌公演ではホルンが使われていたと思うのですが、これはいつかはその音を聴いてみたいと思い続けていた小生にとっては大変な素晴らしいプレゼントです。但し、小生の稚拙な耳には調子の高いホルンにしか聞こえないのですが、ま、島田氏のHPから察する楽器の形を鑑みるに当然のことかも知れません。しかし、コルノ・ダ・カッチャの音を聴いたという興奮は暫く忘れることが出来ないでしょうね。これでロ短調ミサでコーイ氏と掛け合いをやってくれるのを待つのが楽しみになりました。
 感激は当然それだけではありません。鈴木秀美氏の要所要所をしっかり押え、全体の流れをきっちりとサポートし続けるチェロもそうですし、ソリストの素晴らしさ、特に米良美一氏の歌いっぷりには敬服させられました。実はここだけの話ですが、小生、米良氏の声にはあまり魅力を感じてはいなかったのです。実際に公演を聴いて更にその印象を強くしたのですが、今回これを聴いて、以前感じた妙に作ったような中性的ないやらしさがなく、とてもバッハには合っているのではないかという印象を強くしました。そして、うるさくなく、かといって控えめでもないオルガン、素晴らしい音のティンパニ等々。フレーミヒやエリクソン等のモダンな演奏もいいのですが(残念なことに両方ともオルガンとオーケストラのピッチがずれている・・・と思う)その時代の楽器を使い、しっかりした時代考証に裏付けされた演奏には言葉にしがたい魅力があります
 BCJ盤が手に入らないので、暫くガーディナー盤を、それこそアナログレコードなら擦り切れて音が出なくなる程聴き込みました。ですから、どうしても比較してしまうのですが、テクニックがどうのこうのという前に、完全にBCJにハマってしまいました。今後暫くは恐ろしくてガーディナー盤を聴くことは出来ないかも知れません。多分、ガーディナー盤のチェンバロがうるさく感じられるかも知れませんね。
 ただ、小生は単なる音楽好きの素人ですので、全くアカデミックな根拠はありませんが、24曲、35b曲(トラック番号36)、42曲はもう少し、というよりもっと遅い方が好きです。でも24曲と35b曲は同じ曲の繰り返しですが、演奏時間が殆ど同じです。流石ですね。(まさか同じテイクの使い回し・・・そんなことはありませんよね。Hi)
 とにかく、日本にこの様な団体があるということは、喜びを感ずる以上に、我々の誇りだと思わなければなりませんね

 このHPのおかげで最近は実に愉しい気分を味わうことが出来る様になりました。リンクも大変豊富ですし。
 9月に礒山教授が来札され、マタイに関してのレクチャーをされたのですが、先輩の所属する団体が11月29日に札幌コンサートホール「キタラ」でマタイの公演を行うということもあって、好き者同志でお誘いを受けました。あいにく小生は所用で出席出来なかったのですが、リンクが張られている礒山教授のHPの殆どをダウンロードして差し上げたところ非常に喜ばれました。100枚以上あってとても封筒で送れるボリュームではないので、小包で送ったものですから先輩も仰天していましたが。
 また、今日昼休みに覗いていましたら、”Vespro”のナゾというHPに行き当たりました。何だろうと思って探ってみたところ、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」だということが判ったので、すぐにプリントアウトしてじっくり読んでみたところです。 実はこれも小生の愛聴曲でして、またまたガーディナー盤をそれこそ擦り切れる程聴いています。小生、バッハお宅を標榜していますが、実はモンテヴェルディお宅でもあったのです(本当言うとフォーレお宅でもあります)。ですから皆川達夫先生の書かれたものも少々読ませて頂きました。読むうちに先生のワイン通を知り、そして先生の書かれたワインの本を買い、しまいにワインにもハマってしまいました。どうやら小生はすぐに何にでもハマり込む実に単純な性格の人間の様です。
 この”Vespro”の第1曲は歌劇「オルフェオ」の第1曲と同じですね。「オルフェオ」は、是非一度聴いてみる価値のある歌劇だと思います世界最古の「現存する!」歌劇だという以上に現代でも立派に通用する音楽性は本当に素晴らしいものです。是非、独特の「モンテヴェルディ節」にもハマってみてください。トランペットの好きな方にはLDも出ていますが、アルノンクールのものをお薦めします。多分、サックバットという種類のラッパだと思うのですが、実にいい味のするひなびた音を聴かせてくれます。LDでは現物を見ることも出来ます。また、かのフランシスコ・アライサの若い頃も見る(聴く)ことが出来ます。

 待ちに待ったBCJのCDを聴いているうちに、興奮と感激のあまり、何を書いているのか分からなくなりつつありますのでこの辺で末文とします。じっくり聴き込んで、また感ずるところがあればお便り致します。(後略)

(越野義貴様) (98/11/13)
越野さんこんにちは。やはり(?)何にでもハマりやすい性格の矢口です。熱い思いのこもったお便りをありがとうございました。
BCJの「クリオラ」のCD、実は私も毎日のように聴いています! 私は幸運にもこのCDのレコーディングにお邪魔させていただいたので(AHさんのレポートもご覧ください)、いつもにもまして興味深く聴かせていただいています
まず、越野さんの言及されている「コルノ・ダ・カッチャ」ですが、今回の「クリオラ」の第4部では実演の時どおりに「ホルン」が使われているのではないかと思います。(感激に水を差すようで申し訳ありません・・・) もっとも私も聴いた感じだけですので間違えかも知れませんが、カンタータCD第5巻や先日の9月定期で聴いた「コルノ・ダ・カッチャ」の音とどうしても同じに聞こえないのです。できれば今度確認してみますね。 24曲(35b)、42曲のテンポについて(この部分、お便りの一部を文脈から考えて変えさせていただいております)は意見が分かれるところかも知れません。私は躍動感にあふれた24曲のテンポも気に入っています。42曲はきっとコラールのテンポをもとにして設定されたものと思います。・・・いずれにせよ、大変説得力にあふれた演奏をCDに残してくださったことに感謝したいですね。レコーディング会場でのBCJのみなさんの集中力と、あくまでも納得のいく演奏を残そうというその“執念”を垣間見た者としても、心からそう思います。
「リンク」もご活用いただいているようで、うれしい限りです。ここのところ、色々なHPの方に「VIVA! BCJ」へのリンクをお作りいただいており感謝にたえないのですが、こちらからのリンクの整備がなかなかできず申し訳ない思いです。いずれさらに充実した「リンク集」にグレードアップしたいと考えております。
”Vespro”をはじめとしたモンテヴェルディの名作には、来年度のBCJ定期、特別演奏会で触れることができます。今度で”Vespro”ももうBCJとして3回目になりますからレコーディングされるのではないか、と期待もしております。楽しみです!(ちなみにガーディーナーのLDは私も持っていますヨ) 是非またお便りください。 (矢口) (98/11/15)
快調にすすんでいる霧吹太郎さん(AHさん)の「「クリオラ」聴きどころ。いよいよ、越野さんの“こだわり”のひとつ、「コルノ・ダ・カッチャ」の出てくる「第4部」が登場です。ぜひお読みください!  (矢口) (98/12/15)

76 《つれづれなるままのお便り》
 
 昨年暮の札幌における「クリスマスオラトリオ」以来、完全にBCJにハマっています
バッハに親しみ、モテットなどを歌い始めたのが高1の頃ですから、もうバッハに親しみはじめてから36年経ちました。
今では、バッハのみならず、ルネサンス時期まで遡って声楽曲をあさるように聞いています
小樽の瀬戸さんへのご返事にありましたが、BCJの札幌での演奏会の予定は今のところないとのことです。このホームページに記載されているスケジュールを見るたびに溜息が漏れるほど羨ましい限りです。

 さて、BCJの「クリスマスオラトリオ」のレコード発売ですが、10月予定と伺っていたのですが今のところ動向がないようです。どうなっているのかご教示いただければ幸甚です。そろそろガーディナーやフレーミヒなどの演奏にも飽きがきていますので。

(越野義貴[Yoshitaka Koshino]様) (98/10/29)
 越野さん、「VIVA! BCJ」にようこそ! BCJにはまってかれこれ6年(!)の矢口です。
本日(10/30)、ダン・ラウリンのリコーダー・リサイタルに私の地元、相模大野まで来ていらっしゃったBCJ武田事務局長に、さっそくご質問の件についてうかがってみました。(ラウリン氏は、今日も“ウラ技”連発で、やってくれていました!
 まず、BCJの「クリスマスオラトリオ」のCDですが、もうすでにBISからは発売され、日本にも入ってきているとのことでした。一週間以内には販売店に並ぶものと思われます。楽しみに待ちましょう! 
 次に、BCJの札幌での演奏会の予定についてですが、やはり現在のところ具体的な予定はないそうです。しかし、BCJとしては、各地のファンの皆様に生のBCJ体験をしていただきたいとの思いも強く、コンサートの企画を札幌でも打診していきたい、とのことでした。・・・ということは、ご希望を実現させるためには、前に書いた繰り返しになりますが、“直接ホールに希望を伝える”という方法がもっとも有効ではないかと思います。札幌の場合は昨年の会場であった“kitaraホール”でしょうか。みなさんの熱いご要望が、全国のファンの方にメッセージを伝えたいと願っているBCJの思いの実現にむけた最大の後押しになるのです! 札幌のみならず、全国で“BCJをわが町に!”の運動(?)を広げましょう! そんなファンの願いの輪が大きくなっていくことこのHPが少しでもお役に立てるならこれに越した幸せはありません。是非、またお便りをお寄せください! (矢口) (98/10/30)
P.S. 【スクープ!】 ラウリン(リコーダー)&BCJ、バッハのカンタータでの共演実現か?!
 本日、BCJ事務局長氏からうかがった情報によると、上記のコンビでBWV106,161他という“夢のプログラム”が実現しそう、とのことでした!(カウンターテナーはロビンの予定とか!) ・・・・ただし、来年の秋、「ヨーロッパ」でのお話だそうです。もう行くっきゃない!?  (98/10/30) 
*1999年9月のブレーメン公演が、ライプチッヒ・カンタータのコンサートになったため実現しませんでした・・。(99/07/28)

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