Guess Who? お笑いパソコン日誌 2006年12月

Text by Terry Minamino
Music by IKO-IKO


2006/12/2 AM 11:59

 @ 今日の浅い思索と駄反応・マックのCMとウィンドウズの時計

 しばらく前から始まったマックのテレビコマーシャルは、マック系サイトではおおむね好意的に受け止められているような印象だ。単なるラーメンズ人気かもしれないけど。一方、その他の系では批判的な意見が目につく。いつまでキクチモモコメソッド使ってんのかよ、と。

 さて、『横山哲也の100年Windows : MacのCMを見て思う』という記事が先月(う、もう12月かい)の29日に日経の『ITpro Watcher』で書かれた。そこで突っ込まれていたのがこの件である。

 ところでCMでは,パソコン(Windows)に付属のソフトウエアとして「計算機… 時計…」とつぶやく台詞がある。計算機はともかく,Windows XPには時計は付属しない。Appleの人も,まさか時計がないとは思わなかったのだろうか。タスクトレイ(通知エリア)には時刻を示す機能があるが,あれは時計とは言えない。

 その前に、私としてはウィンドウズよりマックの方がクラッシュしてリセットを余儀なくされる率は高い、いや、うちに限っていえば、ここ何年もウィンドウズでそんなことをしたことはないので、あのコマーシャルには納得いかないのだが、それはともかく、

 タスクトレイのあれを時計と認められないというなら、そこから呼び出す「日付と時刻のプロパティ」も時計とは認められないだろうけど、まあ時計のようなものはついているといっていいんじゃないかと思うが、この部分はアップルのコマーシャルの弱点があらわになったところだろう。

 その弱点とは何かを書こうと思っていたら、昨日『nobilog2』で『アップルは、千載一遇のチャンスをどう生かす?』という記事が書かれた。書き手の林信行氏はバリバリのマック派のライターである。そのマック派の人の友人の、やはりバリバリのマック派の人ですらこう述べたことを紹介している。

日本人がダイレクトな比較広告などを嫌う、といった文化的背景を紹介しつつも、現在の広告はつまらなく、Macの良さがうまく伝わりきっていない

 この日本人が「比較広告」を嫌うという説は、わりと広く信じられているようだが、実はそうでもない、というか、少なくとも古い認識だろう。日本人が嫌いなのは、比較広告ではなくてネガティブキャンペーンなのだ。比較広告はネガティブキャンペーンになりがちだが、相手を貶めず、自らの優位性を訴えるコマーシャルは受け入れられている。それらははっきり比較対照の相手を指定していないから、比較広告の定義に合致しないという意見もあるだろうけど。

 ところで、いうまでもないが、ほとんどの人はウィンドウズに大きな不満を持っていない。やりたいことはそれで全部できているため、特に乗り換える必要性も感じてはいない。場合によっては愛着すら持ってる。自分で選び、日夜使っている道具に愛着を感じるのは天然の成り行きだからだ。ところがマックのコマーシャルは、どう見てもそれらの人を馬鹿にし、笑いとばす性質のものになっている。あからさまにウィンドウズユーザーをコケにしているわけだ。そのコマーシャルでいくらか顧客を獲得できたからといって、残りの大多数を敵に回し、いったいどんな得があるというのだろうと思うのだがどうか。以下余談。


 林信行氏は、その記事の中でフォントの優位性を訴求する案も紹介していらっしゃる。同感だが、他にはないのかという気もしちゃう。しばらく考えてみたけど、明らかに優位な所って思いつかなかったのだった。キクチモモコが unix 風の使い方を楽々こなしてるって案を考えたけど、そんなもん一般人に訴求力はないからなあ。うはは。

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2006/12/2 PM 1:07

 @ 今日の要望とダメ出し・livedoor Reader のここがダメだ

 記事を検索できねー。いぢょ。

 なんだけど、もう少しぐだぐだと続けてみる。先日、実相寺昭雄が亡くなった。いちいちブクマしなかったが、言及してるサイトの多さに驚いたですよ。アルトマンの数倍はあったと思う。あんたらそんなに好きだったのか。余談だが、『哥』のリンク先が間違ってるぞ>allcinema ONLINE

 でまあ、どのくらいあったか確認したいんだけど、検索できないのでもう調べようがない。BIGLOBE のウェブリリーダーはその点エライぞ。登録したサイトばかりか、ブクマからだって拾ってきてくれる。そして、見たところこれは完全に動作している。すんばらしい。でも、登録できるアイテム数の上限が500と少ないため、メインのリーダとして使えないのが残念だ。最近 livedoor Reader は登録したサイトを公開できる機能が付いたけど、そんなもんウェブリリーダーには最初から付いてる。ただ使ってないとゆーか、使いたくない機能なだけだ。そんな機能つけてるくらいなら、検索機能をまずつけてけろと主張したい。お願いつけて。

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2006/12/2 PM 1:33

 @ 今日の要望とダメ出し2・livedoor clip のここがダメだ

 あれこれ折に触れて書いているわけだが、まとまって書いてる方がいらっしゃるので、それを紹介することにした。連載記事になってるから、ここにまとめておいたなり。

 そこに書かれてないこととしては、URLの書き換えがしたいというのがある。間違ってる時とか、記事が移動した場合に書き換えたいわけです(いったん消して再登録しろ説もあるが)。それから、非常に重いのもなんとかしてほしい。前にも書いたけど、これはあたしがタグを増やしすぎたせいだろうけど。タグといえば、『はてなブックマークのタグが正常に機能してくれないというか仕様なのか知らないがとにかく超使えないという現実をどうすればいいのか』という問題がはてブで出ているようだ。livedoor clip は今のところ2,500を越えても問題ないが、いずれ上限がくるんだろうなあ。いったいいくつまで登録できるんだろう。心配だ。

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2006/12/11 PM 11:15

 @ 今日の駄反応・天下り問題

 えーと、もう自民党に投票しないということは、今まで投票してきたということなんだろうかという疑問を抱えつつ、今回の運動にはそうは思えない人も含まれているような気もしないではないし、これまでは是々非々で投票してきたと逃れられそうでもあるんだが、結果的に単なる民主党の応援運動ってことになるんだったらアホらしいとかおもた。

 と、ここまで書いてボツにした、んだが、今日、切込隊長が『ブログは世論を作り出すことが出来るのか』という記事を書かれたので思わず駄反応してしまった。虎の威を借る狐メソッドである。反応がこんな時間になったのは「虎の威を借る狐」をなんとかダジャレ化しようと考え続けていたから。結局思いつかなかったのが悔しい。

 それにしても、だ。自分で書かなくても、待ってれば自分で書く以上のものが出てくるネットって素晴らしい(それはをれがタコなだけ)。私としては切込隊長の記事を読んでいただければ、もういうことは何もないのだけど、多少付け加えると、官僚を厚遇したらいいんちゃうか説は以前からなかったわけではない。役人がハシタガネで汚職しないように、高給を払ったらいい説もある。ただ、そう考える人が多いかどうかはわからないのと、まとまった議論がどこかであったわけではなさそうなため、そんなもんないも同然といわれたら、ぐぅとか唸っちゃうので、あらかじめ唸っとく。ぐぅ。

 他に、人間の欲には限りがない。だからどんだけ払ったら効果があるのかわからないだろう、見よ大阪市、という反論が予想されることも先回りして書いておく。ごもっとも。ごもっともだが、それでも汚職しちゃうような役人は、今までより厳しく罰すればいいのではないだろうかとも思うんだがどうでしょうリターンズ。

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2006/12/11 PM 11:25

 @ 今日の暗闘・掲示板とスパマーと

 だいぶ前に、hogehoge.osk.mesh.ad.jp からのスパムが大量にあったので、やや無謀だが osk.mesh.ad.jp ごと蹴った。それから大分時間がったったから、蹴るのをやめたとたん、またスパムですよ。ロボットかなんかで毎日総当たりしてるですか? よくわかりませんが、しようがないんでまた蹴ることにした。大阪方面で BIGLOBE ユーザーの方にはごめんなさいだけど、あれかな、BIGLOBE に報告してみたらいいのかな。想像するだにメンドイからやんないと思うけど。

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2006/12/25 AM 11:25

 @ 今日の感涙にむせぶ・ありがとう natwoc さん

 軽く気絶しているうちに今年も終わりである。年末になると、なぜか我が家ではコンピューター関係(DVDドライブ)や家電関係(洗濯機)やオーディオビデオ系(HDDレコーダー)の機器が壊れるというジンクスは今年も有効であった。なんて話は後で書くけれど、さっき O.V.ライトの CD を聴きながら、ふと思い立って YouTube で検索してみたら……。オーマイガッ。そんなビデオがあったのかー。

■ God Bless Our Love - When A Man Loves A Woman
■ Into Something (Can't Shake Loose)

 1979年の来日時、彼がテレビ東京の番組に出演したことは知っていた。しかしその映像を見たことはなかった。ファンとしては大変悔しい思いをしていたのだが、それが今になって見られるとは思ってもいなかった。痛々しいくらいに痩せ細った O.V. ではあるが、動く姿は非常に貴重である。もしかしたらアメリカにもほとんどないんじゃなかろうか。サザンソウルファンは必ずチェックすべし。

 さて、どこのどなたか存じ上げないが、ありがとう natwoc さん。よくぞ録画し、YouTubeに上げてくださった。あんまりうれしかったんで、気絶から立ち直ったくらい。深く感謝します。本当にありがとう。なお、テレ東はマスターを捜し出し、あれこれ詰め合わせてでもいいからパッケージ化するように。5,000円ぐらいまでなら出すぞ。

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2006/12/25 PM 4:25

 @ 今日の一冊・新聞コメントとかに寄せて

 オリコンの訴訟問題について書くことはあまりないのだけど、今回のテーマに関連した話だからちょっと触れておく。物書きはそういうリスクを常に抱えているわけで、自分の意に添わないコメントにオーケーしちゃったというのは、脇が甘かったといわれても仕方がないだろう。これはまったく個人的な印象で、バイアスがかかってるといわれるかもしれないが、烏賀陽氏のこれまでの言動と行為から、もうひとつ彼に信頼感が持てなかったのも、事件を表面化させたときの手法と合わせ疑問を感じさせるものだった。そのあたりの話はとっくに愛蔵太氏が書かれており、いまさらではあるけれど、一応指摘しておく。しかしまあ、しんどい話ではあるな。

 次に、これまた旧聞だが、一週間ほど前『高木浩光@自宅の日記』の19日分で『新聞の意味不明な識者コメントはデスクの解釈で捏造される』という記事が書かれた。これ自体はよくある話にすぎず、わたしは昔からそんなもんにコメントするのが迂闊である説を採っている。yomoyomo さんも『そもそもどうして「識者コメント」に応じるのだろう、もしくはワタシがモヒカンだったあの日』という記事で同じことを書かれた。もっともそういう依頼がガンガン来る人はまた違った意見をお持ちかもしれない。


 さて、ようやく本論に入れる。今回の話は、これを紹介をするために書いている。マエフリ長すぎ。

 NHK出版の生活人新書から刊行された『「ニッポン社会」入門』という本は、14年間日本に暮らし、イギリスの『デイリー・テレグラフ』という新聞社に寄稿しているコリン・ジョイスという記者の書いた日本論、日本人論本で、「英国人記者の抱腹レポート」という副題が付いている。たまたま先にこれに接していたため、高木浩光氏の文章を読んでフラッシュバックし、紹介してみようという気になった。

 外国特派員である彼は、日本で様々な事象を取材し、記事にして本国に送るのが仕事だ。だがどんなテーマで何を書いても、デスクがあらかじめ作っておいたストーリーに合わせ、都合のいいように書き換えさせられる。なんといいましょうか、ゲイシャメソッドとでもいうべきものですな。その結果、デイリー・テレグラフに掲載される日本関連記事は、色眼鏡で見たものになってしまうと嘆く。そんな話を読まされる日本人としては、やや憤りを感じるが、同時に、どこの国にもこういう話があるのだなあと思わされるのである。デイリー・テレグラフでこれなら、他は母子で汁飯だ。こうして、世界には誤解と曲解にみちた日本観が流布されていくのだった。ええい、新聞なんかペコポンだい。

 上記の話はオマケみたいなもので、本書の眼目は日本が好きな英国人による日本への愛情に満ちたエッセイであり、筆者がどのようにして日本化していったか(そしてイギリスも)を書き記したものだ。日本人も知らないような日本を紹介してくれたり、イギリスの食事は決して不味くない、日本人にいわれるほどイギリスと日本は似ていない、といったイギリス人らしい着眼点と主張もあったりして楽しい。ものすごく深いというわけでもないし、この種の、日本人を読者に想定した外国人による日本論はこれまでに山ほど書かれているため、特に目新しい物ともいえないけれど、14年も日本に住んだジャーナリストが書くだけあって、凡百の一夜漬け的日本論本と比べたらはるかに面白く、こんな記述からはさすが新聞記者だと唸らされる。

 日系外国人の出稼ぎ労働者も東京を気に入ることだろう。東京には働き口があるし、ドラッグや犯罪に染まっていない場所に住むことができる――いわゆる発展途上国のみならず先進国においても、貧しい人々にとってはおいそれとは望めない環境だ。
 わたし、なるほどと膝を打ちましたね。そうだ、まったくその通りだ。そういう環境に住み着く外国人の方が脅威になってると思われてるかもしれないのは皮肉もいいとこ、といったらいい過ぎか。

 こういった鋭い指摘も交えつつ、全体的にはユーモアに満ちた軽い読み物に仕上がっている。あえていうなら毒が少ないのが残念(自虐的)だが、誉められる日本が好きな人はぜひご一読を。

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2006/12/25 PM 6:49

 @ 今日のそのうち調べたい・パクられた? 楳図かずお

 例の松本零士のパクられたという主張は、その後 2ch 方面で『「ガンダムという名を最初に思いついたのは私だ!」松本零士センセ激怒!「スターウォーズもだ!」』などというかなりアレなスレを発生させた。元ネタはポリスジャパンの『日本が誇る巨匠松本零士を巡る噂話 1』という記事のようだが、信憑性についてはよくわからない。その後も、松本零士は著作権保護期間延長問題での発言が痛すぎて叩かれ、最後にはサイゾーで自らの盗作疑惑を指摘されるところまで発展したのである。『Copy & Copyright Diary』の『サイゾーの著作権の記事』によれば……、ありゃ、ううう、サイゾーが訂正記事を書いてるのか。なんだいそれ。本文中の松本零士の発言はどうなるんだ? 5,000万訴訟第二弾の予感か?


 というのはまた前ふり。いつか調べようと思ってるけどなかなかできないでいるものの一つが、楳図かずおの『sabra』2006年013号でのこの発言。そーです、漫画家つながりです。うはは。

 漫画にあるいいとこ取りをされるってことです。もう、すでにいっぱい使われちゃってるのご存じでしょ? ほら、あの『シックス・センス』にしたって、僕の『洗礼』そのままだし、『オーロラの彼方に』にしたってねーハッハッハ、ハリウッド映画を見てると、僕の作品のいい部分をばらばらに勝手に使用してる。

 ハリウッドがネタに困ってるのも、日本のマンガが注目されてるというのも事実だろうし、シャマランがあちこちから剽窃してるのも確かだし、楳図かずおのマンガがネタの宝庫であることも確かなのだけど、わたし、『洗礼』をまったく記憶してない(読んでないのかも)ため、どの程度パクられたのか判断できない。ググっても『シックス・センス』のパクリ説はないようだ。『洗礼』自体の評価は高いので、どこかで入手して、見比べてみたい。

 もう一つの『オーロラの彼方に』の方は、元ネタとして作品名が出ていないのだけど、たぶん『漂流教室』のことなんだろうなあ。ググったら、『オーロラの彼方に』に似た映画があったようだ。大林宣彦の『告別』という作品で、原作が『オーロラの彼方に』以前に書かれており、パクリではなかろうという話になってる。笑ったのは、さらに『告別』をパクった『不倫妻 ねっとり乱れる』というピンク映画が作られていたこと。こちらは完全にパクったことが明白なようだ。それだけ魅力的なモチーフなんだろう。タイムスリップものの遠い親戚みたいなもんだしなあ。去年の暮れにやっていた『終わりに見た街』というドラマでの電話の扱いとか、平山秀幸の『ターン』での電話の扱いなども、近い親戚といっていいかも。

 てなわけで、『洗礼』を読んで確認するつもりでいるのだが、本屋に行くとそのことをすっかり忘れてしまうのであった。アマゾンでは手に入らないようだし。うがががが。


(*)注 続きが『今日の問題解決・楳図かずお問題』に。

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