〒340-0217 埼玉県久喜市鷲宮2-2-13   0480-58-5679
 自問教育研究所
 ステップ3 大脳生理学と自問清掃
   道具を使うだけでなく、
つくることができる脳に、進化しました。

生物が進化して人間が生まれました。
その進化の過程で脳は、
古い脳の部分に新しい脳の部分を
付け加えるかたちで進化してきました。5億年前
太古の海で
ホヤ〔雌雄同体の原索動物〕が生まれ、
魚に進化しおよそ2億年前に魚から
両生類を経て爬虫類に進化しました。
私たちの古い脳の構造は、
この爬虫類の脳の構造を
そのまま受け継いでいます。
現在生きている爬虫類は
古い脳しかもっていません。
 古い脳の働きである
食欲、性欲、攻撃性は
人間のにも受け継がれています。
およそ1億4千万年前、
爬虫類から哺乳類に進化するときに
大きな変化がありました。
新しい脳が生まれたのです。(大脳新皮質)
 哺乳類の祖先はもともと夜行性でした。
視覚だけは発達していましたが
それだけではうまくうまく生きていけません。
やがて、臭覚、聴覚がとぎすまされ、
五感を統合するために
脳が発達したといわれています。
新しい脳が巨大化するきっかえになったのは
人間の二足歩行です。
直立した背骨は脳を支え、
脳が大きくなる可能性が開かれました。
自由になった両手からは
石器などいろいろな道具がつくられました。
新しい脳は哺乳類が進化するにつれて
知性を担うようになりました。
チンパンジーは道具が使えても
複雑なことはできません。
この秘密は新しい脳にあります。
チンパンジーの脳は人間の脳と
似た形をしていますが、
大きさは四分の一しかありません。
人間の新しい脳がきわだって大きいわけです。
サルから人間への進化の過程で
知性を生む新しい脳が巨大化し、
道具を使うだけでなく、作るようになったのです。

 

C
脳は古い脳に新しい脳を
付け加えるかたちで進化して来ました

それは感情だけでなく、
知性という心の働きができ、
2つの心を抱えているということなのです。
けんかをしてはいけないと重いながら、
ついカットなってしまう。
『わかっているけど止められない」のは、
この2つの心が働いているからです。
新しい脳と古い脳は、
ときには対立しときには協調して
緊密な連絡を取り合っています。
古い脳が興奮すると新しい脳で抑制して
バランスをとっています。
これが人間の感情と知性のバランスを
生み出しているのです。
知性だけを持った神様みたいな人もいないし、
感情をいつもむき出しにした人もいなということです。
古い脳から吹き上げる
本能の炎(食欲、性欲、攻撃的行動等)、
それを鎮めようとして新しい脳から
放出する伝達物質の雨、
知能の雨の葛藤の中で
危ないバランスを保っているのが人間の心なのです。
バランスが大切なのです、人間の心には。
本能のおもむくままでなく、
知性がそれを抑えたり支えたりして新旧の脳のバランスを保つのです。
粘り玉、発見玉、親切玉がつながり合い、
共に働きあい、
人間の本能的な行動に知性のモノサシをあて
行動をコントロールしているのです。

人間の歴史の中で
最も長い年数がかかって生まれた心
大脳皮質の中心溝より前の部分を
前頭葉といいます。
前頭葉は、人間に進化してから、
最もよく発達した脳で、前端部は注意、
思考、情操うつかさどっています
。前頭葉に障害があると、
注意を集中することができなくなり、
一つの動作のみを繰り返し、
別の動作に変えることが難しくなったりします。
知性と創造の脳です。前頭葉の発達は、
道具を発明し文明を築き
芸術や思想を生み出しました。
そして、ここから本能を超えた人間だけの
崇高な心「愛」が生まれたのです。
人と人が協力し助け合い、
仲良く生きていくために
なくてはならない個々です。
人間の愛は
自分と関係ある肉親や恋人だけでなく、
見ず知らずの人へと
広がっていきました。
思いやり
人間の歴史で最もな害年数をかけて
やっと人間の心に生まれたという
素晴らしい人間性です。
その人のみになって考える、
その人のみになって行動する、
自分の損得以上に相手のことを思う、
一緒に喜ぶ等の思いやりの心は、
人だけが持つダイヤ玉です。
育むことは
なかなか難しい心だと思いますが、
自問清掃によって磨くことができます。

ネアンデルタール人は、仲間の死に花を手向ける
チンパンジーにも心があります
6万年前、
人類の祖先であるネアンデルタールじんは、
仲間の死を悼み花を手向けた事実が
発見されています。
アメリカの考古学者、
ソレッキ氏はイラクのシャニタールの洞窟の中で
ネアンデルタール人の人骨を発見しました。
その1つの人骨は
右腕を失い左目は盲目でした。
明らかに狩には不向きで、
仲間に養われながら
火の番ををしていたと考えられます。
このことは、
ネアンデルタ-ル人は
体の不自由な仲間を
いたわりながら暮らしていたことを
つたえています。
もう一つの人骨は、
埋葬されており、
上半身から大量の花粉が発見されました。
その周囲から8種類の花粉を含んだ
土が発見されました。
死者に花を手向けたことを意味しています。
人間らしい心の誕生を物語っています。
人間精神の起源、
また原始宗教芽生えを
意味するものと考えられます。
新しい脳の進化が
死の認識をもたらしたのです。
死の認識によって人間としての
心が誕生しました。
本能のおもむくままに
行動するのではなく、
コントロールできるのは、
人間特有のものとして考えられてきました。
しかし、
チンパンジーにも
この能力があることがわかりました。
チンパンジーの子供が風邪をこじらせて、
死んでしまいました。
しかし、母親は、
死んでしまった子供を発情が始まっても関係なく
いつも背中にしょって歩き、
子供がミイラになるまで、子供を抱き続けたのです。


 ホーム   ステップ1   ステップ2   ステップ3    ステップ4   ステップ5
copyright2015 Self-questioning Education Research institutel All Rights Reserved.