When the Fortune rings out
天輪の音が響くとき

〜本格的にニューロエイジに踏み出す方のためのプレイングTips&コラム集〜

天輪の音が響くとき
はじめに
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 プレイングTips、まずはプレイヤー編について述べていくことにいたしましょう。

キャストに魂を吹き込もう

 さて『トーキョーN◎VA』を遊ぶにはキャストが必要です。ルールブックを読んで作成すれば、ニューロイジには貴方の分身となって活動するキャストが完成します。場合によっては以前の版のルールからコンバートしたり、さらに経験点を消費したり、特定アクトのために経験点を底上げしたキャストを作ることもあるでしょう。
 さてキャストが完成しました。最大達成値は21を幾らか超えて真ん中へんまで伸びつつも、30までは届かないように作れましたか? 能力値が一番高いスートに合わせて必殺のコンボは出せるようになっていますか? 戦闘中の手札回しは? コストパフォーマンス、最適化、その他諸々の言葉で言い表されるデータ的なチューンナップは適用完了でしょうか? それは結構。

でも、数字以上のものを‥‥

 しかしながら、数字からしか構成されていないキャストには、時として魂がこもっていないことがあります。
 Detonationの時代ではリサーチフェイズに社会技能判定のみで情報収集を行い、クライマックスフェイズへ向けて物語が収束していく‥‥というスタイルは既に一般化しました。この話題は後に述べますが、そんな風に何もイベントのひとつも起こらず判定だけで情報を得ていくシーンでは、個性の定まっていないキャストは本当に無味乾燥な判定をするだけに陥りがちです。
 う〜んなんだかカードゲームでもしているみたいですね。貴方がN◎VAでやりたかったのは、こんなことなのでしょうか。いや、そうではなくてきっと‥‥すっごく格好いいキャストで、すっごく格好いい、胸のすくような大活躍がしたいんじゃないですか、バディ?
 ある程度考えられた設定や一定した演出は、貴方のキャストに命と魂を吹き込み、舞台の上で確かな存在感を与えることができます。いくつかの要素について、順に見ていくことにしましょう。


出身地

 N◎VA生まれのキャストにすれば<社会:N◎VA>のLvが増えるから‥‥という寂しい考え方もありますが、人種や出身地もキャラ立ての重要な要素になります。

日、出ずる国が中心の世界

 幸いにしてというべきか、ニューロエイジは我々日本人にとって非常に都合のいい世界です。赤道直下に移動した日本列島が世界で唯一の繁栄を勝ち得、我々に馴染み深い漢字やひらがなの名前を持った黄色人種のキャラクターが、漢字の名前の企業を闊歩し、日本刀を手に活躍することができます。サイバーパンクRPGを遊ぶ上での大きな障害だったアメリカン臭さはこれで解決したといえるでしょう。
(まぁ日本が中心の世界と言っても、アメリカ製のTRPGでは世界はアメリカを中心に回っているので、結局はどちらも同じなのですが。/笑)
 いかにもアメリカーンな人物は北米連合人で表現できますし、20世紀の冷戦時代は敵として描写されることも多かったロシア周辺の人々はひっくるめてロシア連邦人です。日本人の考える一般的なヨーロピアンな白人は大抵ヴィル・ヌーヴ人で説明がつきます。しかも更に都合がいいことにメインはドイツ・フランス・スペインなどの西欧で、馴染みの薄い東欧はあまり出てきません。隣人として馴染み深い中国人は夏王朝の人間で表現できますし、ホンコンHEAVENを除けば馴染みの薄い東南アジアはあまり出てきません。世界の三大宗教のひとつではあるものの、東の果てに住む我々にはどうにも馴染みの薄いイスラム文化圏の人々もほとんど出てきません。
 ニューロエイジで一番広く信仰されているということになっている真教もかつては、『重力が衰えるとき』など一連のサイバーパンク作品に敬意を表してキリスト教+イスラム教のように設定されていましたが、これもいつの間にやら黒歴史。
 Dの時代では「漫画や小説などのエンターテイメント作品によく登場する、日本人の考えた表面上がキリスト教っぽい組織のキャラクター」を演じるのに適したものにすっかり変わっています。これで安心してシスターさんも作れますネ! と冗談はともかく、日本人の色眼鏡から見た世界に適した世界設定になっているわけです。

 まあゲームのための架空世界ですから仕方ない部分もあります。たとえば日本語以外の外国風の人の名前を考えるとしましょう。キャストの名前に何が出てきますか? 英語は完全に大丈夫として、中国語、ドイツ語やフランス、イタリア、ロシア風がちょっと‥‥果たして、タイ王国やウクライナ、チベットやイスラエル風の名がぱっと思い浮かんでくるでしょうか?
 貴方以外のN◎VAユーザーも、だいたい同じです。そして、オフィシャルゲストもキャストも、自然と多い人種は決まってくるのです。

どんな社会があるだろう

 実際に出身地としてどんな都市社会/国家社会/業界社会があるか、上げてみます。
社会:N◎VA
 恐らく、キャスト/ゲストとも一番多いであろう出身地。黒髪黒目で黄色人種、漢字の名を持つ日系人もいれば、髪を染めていたりサイバーで外見が変わっていたり、日系人だが名前はカタカナの人物もおり、様々です。N◎VA生まれの外国人も多くいます。N◎VA生まれの人物が持っている特徴は多種多様で、一番何も考えずに出身地に設定できる都市になります。
社会:M○●N
 ここも比較的見る出身地。出身者から受けるイメージはそのまま妖月都市オーサカM○●Nが持っているイメージ。大阪弁、走り屋、ウォーカー乗り、逃げてきたヒルコ、BIOS絡みやバイオテクノロジー関係のタタラ、M○●N三合会の中華系や秋川系の日系ヤクザ、千早のM○●N支社やハウンドのM○●N基地などなど。全体的に、N◎VAより荒々しいイメージがあります。
社会:ST☆R
 星の都カムイST☆R出身者から受けるのは、やはりアストラルのイメージでしょう。白き狼や歌の民のバサラやマヤカシ、KRKやナイトブレイドの対魔能力を持った社員、奈落や魔会関係のアヤカシなどなど。ST☆RとM○●Nは、出身地にはしていなくてもシナリオの舞台として行ったことのあるキャストは多いはずです。
社会:夏王朝
 中国系のキャストにすると多いのがここ。日系と同じアジア風の外見、中国風の名前。(ただし中国語が発音できないため、漢字を日本語読みにすることが多くなります。) チャイナドレスや中国拳法、三合会、王家に関わる陰謀などなど。スタイルではチャクラやレッガーが多くなる傾向があります。
社会:HEAVEN
 夏と同じですが、より現実世界の香港の持つイメージが強まります。活気のある猥雑とした街並み、拳銃での戦いや犯罪結社の陰謀などなど。中国系の名前が多いが、現実世界のように英語+中国語という名にするパターンもあります。
 また、チャイナタウンは世界中の都市にあるため、夏やHEAVEN以外の都市のチャイナタウン出身の中国系キャスト、というパターンもあります。
社会:北米連合、ニューフォート、ラス・ヴェガス
 都市名まで特定することは少ないですが、北米も比較的出身地になりやすい国です。名前は英語名、金髪碧眼系の白人が多くなります。現実世界の我々がアメリカに持つイメージ――背の高い白人、身振り手振りのある喋り方、アメリカ風の食べ物、洋画などに登場するアメリカ人、がそのまま北米連合人にも通じます。
 また、カーライル・シンジケート、ケント・ブルース大統領や諜報機関MIDなど悪役ゲストの出身地になりやすいため、北米は敵というイメージがあります。カーライル円卓騎士団の一員という設定のキャストの出身地になることも。
社会:ヴィル・ヌーヴ
 受けるイメージは上の北米と同じ、現実の日本人が概して考える西欧の外国人のイメージです。しかし北米に比べ、より優雅さが加わります。キャストとしてはそれほどは見ませんが、エレガントな名家のお嬢様などに向いている出身地でしょう。また、何となく欧米系というゲストの出身地であることも多いです。やはりフランス、ドイツなど現実の日本人に馴染みのある国が勢力が強い設定になっています。
社会:AXYZ、オーストラリア
 オーストラリアでは英語が通じ、北米やヌーヴとも通じる部分があるため、割と何も考えずに出身地にしても大丈夫な国です。設定を絡めるとしたら軌道エレベーターや宇宙関係でしょうか。また、国際警察ケルビムの本拠地であるため、イヌのキャストに豪州出身者が多くなります。
社会:SUBARU、AGARUTA
 いまいち忘れられている感のあるSUBARUとAGARTA。元が琉球なので南国風の色黒の日系人や、バサラマヤカシなどなんらかの超常能力の持ち主に似合います。AGARTAには地下の裏オークションもありましたね。
社会:ゴーストEYEランド
 EYEランド出身者もそれほどは見かけません。海賊や密輸業者、船乗りなど、犯罪世界に近しいタイプのカゼなどでしょうか。特定アクト用のキャストに見かけますね。
社会:E△EN、ミトラス
 比較的メジャーな大きいメガ・プレックスの中では、ミトラスはファンサイドのキャストの出身地にもほとんど見ない国です。(ふじ市から来たキャストを御覧になったことはありますか? 笑) かつてのミトラス戦争を戦ったベテランのウォーカー乗りという設定のアラシは多いですが、やはりミトラス自体にあまりインパクトがないのが原因でしょうか。現実世界のミトラスは南極で人が住んでおらず、イメージがないこともありますね。
社会:ロシア連邦
 ロシアのゴエルロが舞台のシナリオはそれほどはないですから、ロシア出身で今はN◎VAなどにいるというパターンでしょうか。バーブチカが台頭したことで、D時代には前よりロシア人は増えそうです。受けるイメージは寒さ、厳しさ、雪の中に抑圧されたシェルター、色白の人々‥‥。問題はロシア風の人名に日本人は馴染みが薄いことでしょうか。名前は実在の人名から借りれば済みますが、ロシア語でハンドルを考えるのは一仕事です。
 一方ゲストでは、ロシアンマフィアの大物、母なる祖国の復活の悲願のため、浄化派やバーブチカに力を貸した人物‥‥などがパターンになります。
社会:ブリテン連合王国
 『ストレイライト』のアレクシス・ランバートが唯一のブリテン人、青の魔道師が粉雪のロンドンに現れることだけが分かっている謎のブリテン。オフィシャルでも昔からほとんど触れられていませんが、ファンサイドのキャストやシナリオには時折登場します。受けるイメージは現実のイギリスそのまま‥‥斜陽の大英帝国、騎士、紳士の国、などなどでしょうか。
社会:アフリカ
『ストレイライト』のローランド・ガイエはアフリカで冒険していますが、ニューロエイジのアフリカも謎な地域です。日本人に馴染みが薄いせいか、キャストの出身地にもほとんど見当たりません。ハイランダーSSSでは珍しくアフリカ系のゲストと神話が出てきましたね。
社会:聖母領
 聖母殿のエージェントは多いですが、極点にあるという聖母殿本部近くが生まれというのはあまり見ないですね。類型に、あまり触れられていない教皇領出身というパターンもあります。どちらも母体となる宗教である真教がイメージとして強く結びついています。似たパターンでは、槍のカイルがヴラド公国出身となっていましたね。
社会:ウェブ
 Dのルールでは業界社会の<社会:その他>に入れられてしまった<社会:ウェブ>。AI、超AIを初めとする情報生命体やその他の非人間のキャストなら、電脳空間が故郷というのも考えられるでしょう。下の軌道生まれという手もありますね。
社会:軌道
 ハイランダー御用達の出身地。日系人のエリートの場合も、過去を知らない地上人の場合もあります。受けるイメージはそのままハイランダーのイメージ‥‥絶大な権力、選ばれたエリート、あるいは不思議な力、無垢、純粋さ、宇宙、星々の世界、などです。
社会:レティクル座
社会:火星
社会:アヴァロン
社会:創世記
社会:(好きな言葉を入れる)
 まあ、これらの出身地については何も言わないことにしておきましょう。

N◎VAの外へ!?

 貴方が外国が好きだったり、外国を舞台にした漫画や小説、映画が好きだったり、外国語に通じているなら、そうしたN◎VA外の場所を出身とするキャストも良いでしょう。キャストの名前やハンドルなどのネーミング、台詞回しや、相当品を使った所有アウトフィッツの名前にもそれらしい要素を入れると面白いかもしれません。
 先ほどの例では主に現実世界の国を上げましたが、ニューロエイジなら様々な出身地が考えられます。貴方のキャストはいずこかの軌道コロニーで、冷たい死の空から傾いた地球を眺めながら生まれたのかもしれません。あるいは電脳空間の二進数の光の奔流こそを故郷とするAIなのかも知れません。
 あるいは更に妄想を激しくすると‥‥某大宇宙の人のように太陽系の外だったり、未来や過去、災厄が起きる前の14世紀のトランシルバニアとか、天国や地獄や魔界やその他絶対に思いつきそうにないスゴイ場所が故郷なのかも知れません。N◎VA出身のキャストがありきたりだと思ったら、時には考えてみましょう。
 実際、インパクトで負けないようにするため、D時代ではオフィシャルゲスト/ファンサイドのキャストの双方で、こういう変わった設定のキャラクターは増えています。‥‥もっとも、受け狙いのネタキャストであることが多いのですが。


性別
ふたつの性

 ニューロエイジでも人間には二つの性があり、BIOSの“チェンジセルフ”のように性別を手軽に変える方法はあるものの、概ね現実世界と同じようです。人間の形をしていないアヤカシやヒルコなどならオスやメスもいるし、中性や性別不明もいるでしょうし、中性的な魅力をもったマネキンもいるでしょう。Dのパーソナリティーズでは綴りをニューロタングから戻し忘れて Jender のままになっていますが、正しい英語では Gender です。
 余談ですがツクダ版の1st時代からずっと、このゲームには女性のオフィシャルゲストが割合と多く存在します。音羽南海子や狼王エリスなどが鈴吹太郎氏の考える「強い女性」をテーマにデザインされていることもあるのでしょうか、その歴史はDetonationの時代となった今でも続いています――そして貴方も気付いているでしょう。ずいぶん女性キャラクターが増えましたね。
 いずれにせよ、女性のキャストも同等に活躍できるようにという配慮があるのはよいことでしょう。(えっ、女性ゲスト人気を狙ってるからだって?)
 萌え美少女なんて存在すらできなさような、懐かしの『サイバーパンク2.0.2.0.』、SNEの日本語版でなく英語版のシアトルならなかなかにシビアな『シャドウラン』などに比べると、そういった面でもかなり華やいだ感があります。

ヒロインを助けるのは男性キャストの役目?

 ふつうの人間のキャストで男女別に実際の年齢の分布を考えてみましょう。
 一般にTRPGのプレイヤーキャラクターは立場に縛られない動きやすいキャラクターが求められますから、年齢層は若くなります。ファンタジーに比べるとサイバーパンク物は平均年齢が若干高めですが‥‥N◎VA-Dの現在の状況を見るとそうでもなさそうですね。
 男性キャストなら家庭などに縛られず、未婚で自由に動ける方が演じやすいですから、10代〜20代、30代前半が自然と多くなります。もっとも独身貴族だったり過去に分かれたオンナがいたり、妻子がいても冒険して頑張ることもできます。やァ、いつの時代も男は楽ですね。
 では女性キャストは。ニューロエイジも現実世界と似たようだと考えれば、まっとうな(?)人生を歩むなら出産や家庭の問題も立ちはだかりますから、10代20代は歓迎される(?)として、30代になるとだんだんだんだん厳しくなってきます。頑張れ、ウーマンパワー。
 それに30を越えたらもうダメだなんて言葉は、現実とまったく同様ニューロエイジの女性にも非常な失礼と考えるべきでしょう。千早冴子警部や早川美沙課長あたりに知れたら、怒りの鉄拳やもっと恐ろしいモノが飛んでくるかもしれません。

 また、様々なシナリオを見てみると、シナリオコネに書いてあるゲストが無力なヒロイン的な女の子で、キャストといい感じになる、あるいは恋仲になるのが想定されているというのはよくある話です。貴方が今まで参加したアクトを思い出してみましょう。フェイト枠に多いですね。カブトの護衛相手も女性の方が多いものです。
 そういうシナリオの想定枠に沿うという意味では、若い男性キャストを用意しておいた方がよいとも言えます。
 では女性は駄目なのか? というとそんなこともありません。女性が女性を助けるのは、それはそれで絵になることも多いからです。

 いずれにせよ多くのキャストには性別があります。男性か女性かによって、ものの捉え方や考え方も大きく違うでしょう。特に異性を演じる際は、ちょっと考えてみましょう。


年齢
How old are U ?

 さて、貴方のキャストは何歳でしょうか? パーソナリティーズでは Aj のままになっていますが、これも正しい英語では Age ですね。ヒルコやアヤカシやAIやロボットやその他諸々の普通でない方々を別にすれば、ニューロエイジ世界でも人間は現実世界とだいたい同じように成長し、年老いて死んでいきます。クローニングや人格カードでの復活、脳だけの完全義体や様々な延命の手段があるので、老いや死の克服は進んでいそうです。老化への対抗手段も多そうなので、女性にはお得かもしれません。
 車やバイクの免許、酒、煙草が許される年齢は謎ですが、高校や大学に行くのは概ね我々の世界と同じような年齢で良いようです。
 また軌道人などの特殊な人々の存在、実力主義のサイバーパンク世界なら若くても地位につけるだろうというある意味安直な考え方から、異様に若い重役など、年齢が少ないほうにシフトしがちです。
 現実世界のTRPGプレイヤーには10〜20代が多く、ニューロエイジ世界の分身もだいたいそれに似た年齢となります。そうしたキャストに似合うゲスト陣を出そうとすると、自然とゲストの年齢層も近くなりますから、若い人物が多くなるのも無理はないでしょう。萌え向上委員会の魔の手が迫る(嘘)D時代には、その傾向はさらに強まっています。

年齢が与える影響

 外見年齢は外世界からの判断基準になります。バーブチカで戦闘訓練を受けたロシア人の14歳の女の子の殺し屋は、暗殺対象には警戒されずに接近することはできるでしょう。しかし“ヤロール”のようなバーや大人の店には入れなかったり、フリーで殺しの仕事を貰おうにもフィクサーに信用されなかったりして、別のところで困るかも知れません。
 地上人を見下すハイランダーの悪役として10代の少年エグゼクが登場することはよくありますし――有名ゲストでは天津征司クンが代表格ですが――、必然性のある設定もなく何の変哲もない10代の少年が偉そうなことを言いながら後方処理課で働いていたら、どんなに優秀だという設定があってもやっぱりおかしいかもしれません。(まあ、1st当時23歳のメルトダウンはジツは6年前の17歳で千早入社という設定になってはいるのですが‥‥笑)
 ゲームの中の架空世界とはいえ、やはり職業ごとに似合う年齢というのはあるのです。
 それに現実世界で既に社会に出て働いている方なら分かる通り、経験を積んで年を取っていることはそれ自体が力になります。企業社会で長く生きてきたベテランのエグゼクなり、叩き上げの年季の入ったハウンドの刑事なりがそれなりに年を取っているのは至極もっともですし、年を経てまだ生きていること自体が力の証しになるような世界もあります。(犯罪結社や黒社会の大物なら、年を取っていても然るべきでしょう。)
 観察していると、社会に出ていたり、人生経験のある大人のPLの方が演じるキャラクターというのは年齢に見合った人物である場合が多いですね。
 人間は自分の人生に照らし合わせて物事を考えるものです。TRPGにおいて正しく演じられるのは自分と同い年か、それより下のキャラクターだけなのかもしれません。とはいえ10代の方にしてみれば、年上の大人を正しく演じろと言われても無理な話です。ゲームですから真面目になり過ぎない範囲で、少し考えてみましょう。

 貴方のキャストは何歳で、それは貴方のキャストの立場や仕事にそぐう年齢でしょうか。もしそぐわない年齢だとしたら、外世界の人々はどんな反応を示すのでしょうか?
 そして、年齢が違えばものの考え方も違います。10代のキャストなら立派なことを言っても、どこかで年齢に相応しい若さや至らなさが出てしまうかも知れません。共演相手に年をとったキャストがいるなら対比を出すため、むしろそうするべきな場面もあるかもしれません。
 どんな物語でも、「それでも、僕はあの子を助けたいんだ!」とクライマックスに向けて決意するのはえてして若い少年で、そこで「まあ待て」と肩を叩くのは大人の役目なのです。

ニューロエイジの年数遷移

 オフィシャルゲストの年齢などから推測したニューロエイジ世界の年数経過は、以下のようになっています。

ニューロエイジの年数経過
1st→2nd: まったく変化なし
2nd→Revolution: 一律5年
Revolution→Revolution Revised: 3〜4年
RR→Detonation: 1〜2年

 実際に調べた多くの方が思ったでしょうが、オフィシャルゲストには年齢計算が明らかに合っていないと思われる人物がけっこういます。
 筆者も前の時代から生きているキャストをコンバートする際に混乱したり間違えた経験があるのでよく分かりますが、こういうのは何かのきっかけで間違えてそのままになったりしてしまうものです。ニューロエイジに謎はつきものと思ってあまり気にしないことにしましょう。


名前

貴方のキャストはどんな名前を持っているのでしょう。漢字、ひらがな、カタカナ、それとも外国語のカタカナ表記でしょうか。外国語だったら何語系の名前でしょうか? AIだったら記号にしたり、オメガ・プロジェクトの超AIたちに習ってギリシャ文字にするのもニューロですね。数字のハンドルをつければテラウェアの“ナンバーズ”の一員かと、頑張って漢字の「牙」を入れれば牙一族かと、みんな疑ってくれることでしょう。

避けた方がよい名前

 アクトを思い返してこんなことはありませんか? アクトシートに書かれた名前や、見せてもらったプロファイルシートから、自分用のレコードシートの裏やその他の媒体に人のキャストの名をメモしたりする時。シナリオコネに書いてある人名をコネ欄に書こうとする時‥‥名前が読めなかったり、漢字が難しくて書けなかったことは。
 あるいは自分のキャストの名前を決めたはよいが言い難くて、他の参加者がみんな下の名前やハンドルや、その他のあだ名でしか呼んでくれなかったことは。
 あるいは、九条「政次」が「まさつぐ」か「せいじ」かで間違えやすいように、アクトのたびに必ず間違って名を呼ばれてしまったことは。

 誰でも自分の大事なキャストの名前は必ず覚えているでしょうが、人間というのは概して他人の名前は覚えなかったり、だんだん忘れていくものです。あまりに発音しにくい名前はやめたり、ブランクのプロファイルシートに書き直す時に困るほど漢字が難しいなら易しめに変えた方がよいでしょう。
 外国風の人名を使うときも、日本人に発音しやすい名の方がよいでしょう。貴方の名前がムハンマド・ブン・アブドゥル・ワッハーブだったら、他のキャストは一息でちゃんと呼べるでしょうか? (このへん、ニューロエイジの人名に偏りがあるのは仕方ないところですね。)
 オンラインアクトであれば多少難しい漢字でも大丈夫になります。しかし、IMEやATOKでいくら変換してもなかなか出てこないような難しい漢字の名前は、やっぱり避けた方がよいでしょう。
 N◎VAシリーズにも歴史があり、名前が存在するオフィシャルゲストも全部上げるとけっこうな数に昇ります。たとえ偶然でも苗字が同じだったりすると、「子供かなんかですか?」と詮索されがちです。最初からアーサー・カーライルの子供を妄想しているのでなければ、カーライルが姓なのも避けた方がよいでしょう。日系人なら、設定として特に繋がりがないなら、「千早」「岩崎」「篠原」「御門」などの姓も避けた方がよくなります。
 名前が似ているのも避けた方がよい場合があります。我々日本人の多くは中国語の人名に詳しくないので、例えばチャイナドレスの似合う若い娘のキャストを考えようとすると‥‥つい漢字で「華」とか「鈴」とか「花」を使いがちです。後でよくよく考えたらM○●N三合会の張麗華(チャン・リーファ)と被ってた、なんてこともありえます。

 また、その時々の流行りの漫画なりアニメなりライトノベルなりコンシューマーゲームなり、有名な作品に出てくる人名を連想しがちな名前も避けた方がよくなります。というのはN◎VA者は得てして元ネタ探しが好きなもので、「これってXXのパクリですか?」などという話についなりがちだからです。貴方のオリジナルの創作人物が、知りもしない作品をかぶせられて間違ったイメージを持たれるのは、創造主として気分が悪いでしょう。

 そして‥‥このページを御覧の貴方もネット上で活動しているなら、ハンドルと本名とふたつ以上名前があるかもしれません。一緒に遊ぶ仲間の名前やハンドルと似た名前、あるいは知人やネット上の知り合いの名と似た名前も、避けるた方がよいでしょう。何かのきっかけでアクト中に吹き出したりすることになります。
 偶然なのでありえることですが、シナリオでもNPCの名前がキャストの中の人と同じだった‥‥なんてことはありえます。敵ゲストがキャストの中の人と同じ名前だったら嬉しいでしょうか。その敵が浄化派の生き残りの大物能天使だったらまだしも‥‥オープニングで重傷を負ってキャストに何かを渡す、既に死にフラグが立ちまくっているエキストラだったら嬉しいでしょうか?

 貴方のキャストの名を周りのキャストが、あるいは敵ゲストが呼び掛ける時を想像して、一度考えてみましょう。

故事に曰く『名は体を表す』

 そんな言葉があるとおり、日本語の名前には与えるイメージがあります。
 分かりやすい例を挙げれば‥‥「冴子」と聞いたら何となく知的聡明で、仕事がバリバリできそうな大人の女性を想像するでしょう。同じく「聖美」と聞いたら、眼鏡っ娘かどうかはともかく、何となく純粋で清らかな感じがするでしょう。「レイ」に漢字を当てはめるとしても、「麗」「礼」「零」「玲」「怜」でずいぶん印象は変わってきます。
 日系人のキャストなら漢字の持つイメージを意識するのもよいでしょう。桜華道場に通っていたり巫女の血統だったり日系企業の偉い一族出身だったりするなら、やはり雅やかな和風の名前の方が似合います。姓に「千早」が付けば会長一族と血縁がありそうですし、なんとかして名前に「牙」の字を入れれば多くの人は牙一族の一人かと思います。「美門」「御門」「帝」「三門」などがつけば軌道関係かと疑うでしょう。昔の軍人あたりから古風な名前を貰ってくれば、N◎VA軍の士官らしくもなります。(公式シナリオなどで現在までに登場した、N◎VA軍ゲストの名前を思い返してみましょう。古めかしい名前が多いはずです。)
 名前が他人に与えるイメージは存在します。桜華道場で桜華一剣流を学んだ剣士の名がジョン・スミスだったり、ヌーヴで騎士叙勲を受けた大剣使いが山田十兵衛だったらやっぱり違和感があるのです。(これには抜け道があって、違う人種同士のハーフにすると違和感が減るという手段があります。)
 同様に外国語の名前も、やはりそれぞれが持つイメージや語源があります。それは我々日本人にはなかなか分からない事ですが、人名辞典やWeb上のリソースを漁ってみると、意外な意味が分かったりすることもあります。

 また、外国語の場合は名前やハンドルをそれらしくする方法もあります。オフィシャルゲストで例を挙げれば‥‥マーダー・インク筆頭のクーゲルは元はドイツ系の移民でロサンゼルスのファミリーの処刑人だったという設定ですが、クーゲル (Kugel) はドイツ語の“弾丸”という意味です。夜の剣のクロイツェルと旅している槍のカイルのハンドルに振られたルビのハスタ (Hasta) は、何のことはない、イタリア語で“槍”という意味です。

ハンドルあれこれ

 ルールブックにもほとんど記述はないけれど、有名人はみんな格好いい二つ名を持っていることから理解して、キャストもだいたい持っているハンドル。実は 1st Edition の頃から、ハンドルについてはあまり記述がありませんでした。
 ハンドルの決め方にもいろいろあります。そのキャストが得ている称号であったり、業界での通り名や仲間うちでの愛称であったり、本人のいない所で囁かれる仇名であったりもします。別にゲーム内世界で他人から呼ばれている訳ではないけど、せっかくなので決めたという場合もあるでしょう。長いハンドルや複雑なルビが振ってあるハンドルは、ゲーム内で呼ばれることを想定していないハンドルであることが多くなります。

 ハンドル絡みで有名な話というと、「色のついたハンドルは浄化派の印」というのがあります。これも面白い話ですね。聞いた瞬間プレイヤーの全員が気付くのに、ゲーム内世界の人々はなかなか気がついてくれません。ニューロエイジには優秀な人物がたくさんいるはずですが、一体何をやってるのでしょうね?(笑)
 実は、R時代の旧『グランド・クロス』発売前、ウィリアム・多聞社長が台頭したころから、色つきハンドルと十字の印が浄化派の印であったのは一部のユーザーには明かされていました。旧GXに掲載された人名の中でオフィシャルも投稿採用も含め、色のついたハンドルの人物が多いのは、誰が能天使なのか惑わせるためです。これもハンドルからすぐイメージが結びつく例ですね。

 アクト中にハンドルを活かそうと思っているなら、考えて決めた方がよいですね。他人から見て覚えやすい、心に残りやすい言葉。言い易い言葉。そのキャストを象徴している言葉。そのキャストの能力や設定とリンクした言葉。そんなハンドルは印象に残ります。
 他のキャストやゲストが、そのハンドルで呼びかけるシーンをちょっと想像してみましょう。
「なるほど。ブラックハウンドの目は誤魔化せないということか、“XXの猟犬”」
「私も聞いたことがあります――聖母殿に一人だけ、XXの力を操る戦闘司祭がいると。どうやらようやくお目にかかれたようだ、“XXのXX”」

 そんな場面はたいてい格好よく、時にゾクゾクするぐらい格好いいシーンになります。

リプレイに名前は重要

 余談ですが、リプレイやプレイレポートを書こうなどと計画している場合、キャストの名前はより重要になります。互いに似通った名前はないほうがよく、漢字、カタカナ、ひらがななど別々で互いに区別しやすい名前の方が好ましいのです。キャスト以外のNPCの登場人物とも被らない方が望ましいですね。
 オフィシャルのリプレイ『ナイト・アフター・ナイト』を例に上げると、「クーゲル」「レイ」「重蔵」「ウィスパー」の4人はだいたい区別しやすいですね。
 これが千早重工内に潜入中のイワサキのアンダーカヴァーチームが主人公で「山田」「下田」「加藤」「佐藤」の4人だったらどうでしょうか。あるいはキャストが全員AI縛りという勇気あるリプレイで「δ」「ξ」「σ」「ψ」の4体が主人公だったらどうでしょう? アルファ=オメガに読み物としてプレゼントしたら喜びそうですが、人間が読むなら区別しずらく、読みにくくなってしまいますね。そういうことです。


誕生日

 誕生日をキャストの設定に役立てている方はいるでしょうか。現実世界でキャストを作った日というパターンは多いですね。現実世界の祝日など特別な日を誕生日にしてキャストの設定に活かしたり‥‥あるいは、女性PLの作るキャストですと誕生日の花言葉や月の誕生石をキャストの個性に活かしていることもあります。

 このように誕生日もキャラ立ての要素になるよ‥‥というのではなく、ここはただのネタ話です。
 ゲームシステム上まったく意味のないこの誕生日という項目、実はツクダ版1stからずっと存在し続けています。多くの無駄な部分がデトネイトされたN◎VA-Dでもまだ生き残っています。何か大いなる謎が隠されているのでしょうか?(笑)


外見や格好

 プロファイルシートでは身長や体重、髪の色、目の色、肌の色となっている項目です。
 様々な人種の人物が創造でき、サイバーウェアで外見も変えられ、服装も多岐、アヤカシなどの人外の存在もありえる『トーキョーN◎VA』シリーズは、ビジュアルイメージ的には非常に恵まれたゲームです。
 お持ちなら他のFEAR系ゲームと顔つきパーソナリティを比べてみましょう。N◎VA-Dや多種族が入り混じる『アルシャード』、ファンタジーの『ブレイド・オブ・アルカナ』などと比べると‥‥基本的な現代日本と同じ世界が舞台の『ダブルクロス』は、黒髪スーツの日本人など、やはりぱっと見では似たような外見の人物が多くなってしまいますね。

背の高さは?

 ニューロエイジ世界の人間も身長は我々とさして変わらないようです。未来世界なので日本人は欧米人より体格を小さめに‥‥というのも気にしなくて良いようですね。
 絵的な映え方のせいか、ニューロエイジの有名人男性は長身が多くなっています。180を超えている和泉大佐や多聞社長、千早怜呀、カーロスやクーゲル‥‥千早雅之社長に至っては195cmもあります。実は背が低いのは藤咲竜二ですね。(これは、当時のFEARスタッフだった担当PLと一緒にしているからです。)
 女性はあまり飛びぬけた人物はいませんが、篁綾社長やナイトブレイドのジャンヌ隊長、櫛田千里少佐や千早冴子警部など、やはり切れ者系の女性は背が高めになっています。背が低いというとアルドラ大公が130cmしかありませんが、これは日本人の8〜9歳の平均身長。102cmのアルファ=オメガに至っては小学生以下です。この2名に関しては、実際のアクトでは参加メンバーの好みに合わせて変えた方がよいですね。
 身長もキャラクターの個性付けの材料にできます。いわゆる格好いい男性キャラクター、戦闘で強かったりする男性はたいてい背が高い方が映えるでしょうし、背が低ければまだ幼い、未熟、可愛いイメージが増します。
 女性キャラクターでも、いわゆるクールビューティ系の格好いいお姉さんなら背の高い方がすらりと見えるでしょうし、背が低ければ可愛いらしさが増します。

 主にPLする際ではなくRLする際に当てはまることですが、身長のデータは役に立つことがあります。キャストとゲスト、あるいはキャスト同士が立って向かい合って話をしている時の情景が、想像しやすいのです。
 人間は相手を見上げているとき、見おろしているときでは姿勢が違います。態度や話し方も違ってくるでしょう。想像してみましょう。話す相手がアルファ=オメガやアルドラ女大公のような小さな女の子だったら? “剣”にオプションスロットも4つ埋めた、身長2mを超える完全戦闘用義体の兵士だったら? あるいは巨人の一族の末裔で身長が3m以上もあったら?
 3mは高すぎですが、バーの背の高い椅子に座ったりした時、キャストごとにどんな差がでてくるでしょうか。想像してみましょう。

体重は‥‥?

 このゲームには特定の能力値や装備から体重を決めるルールがなく、好きに決めることができます。まあ誰でも肥満は嫌なのか、世の様々な作品の登場人物と同じで太った人は見当たりませんね。
 千早雅之社長のようにサイバーウェアの分を想定して加えているゲストと加えていないゲストがいるので、体重は適当でよいようです。女性キャストなら隠したい人もいるでしょうね。
 漫画/映画/TVの『攻殻機動隊』が好きな人なら、義体が人間より重い様を沈む絨毯の窪みや、飛び降りたビル屋上の凹む床の様子で表現してサイバーっぽさに浸ることもできますが、義体のイメージも人により様々であるので一概には言えません。上の身長と比べると、体重がアクト内で意味を持つ機会は少なさそうです。

髪の色

 ニューロエイジでは人種間の混合も進み、人と変わらない外見をした完全義体もあります。コスメティック関係のサイバーウェアや薬品の力もあり、髪の毛の色は簡単に変えられそうです。
 古い話で恐縮ですが、2nd時代まではマヤカシは霊的知覚のために変わった身体的特徴を得るというルールがありました。Dの時代でも特にマヤカシやバサラ、アヤカシなどは変わった髪の色があり得そうですね。
 現実世界の日本でもアニメやコンシューマーゲーム、ライトノベルの挿絵などだと、いわゆるアニメ絵的な色鮮やかな髪を持ったキャラクターはよく登場します。FEAR系RPGもビジュアルがそれらに近い部分があり、N◎VAでも共通する部分があるでしょうか。
 オフィシャルゲストでもよく探すとけっこう様々な外見があります。槍のカイルは実は緑の瞳に赤い髪ですし、刈谷ミロク総長はど派手なオレンジの髪、ブルーベリーはその名の通り青く染めています。みんなのあいどる(棒読み)アルファ=オメガたんは『ストレイライト』の表紙で改めて描かれていますが、なんと赤い瞳にピンクの髪という、アニメのヒロインキャラクターみたいな外見をしています。種のラクス・クラインもびっくりですね。

 髪型や髪の色も、人に与えるイメージがあります。艶やかな黒髪には日本や中国、アジアのイメージがあります。日本剣術を学んでいたり巫女一族の末裔だったり和風の要素の強いキャストなら、黒髪の方が似合うでしょう。日系人でも茶色だと今風な印象が強まります。
 金髪には、日本人の西洋人への憧れが入っているせいもありますが――なんとなく気位の高い高貴なイメージがあります。学園ものでも高飛車でツンデレなお嬢様は、たいてい金髪と相場が決まっています。

 例えばブラックハウンド機動捜査課で言うと、メモリ巡査は“黄金の記憶”のハンドルの通りイラストでも金髪ですが、いつもお高く止まっている彼女に合った外見ですね。鹿島アスカ巡査は実は黒髪を金髪に染めているという設定になっています。
『カウンターグロウ』だとそれっぽく描かれていますが、D以前にゲーマーズ・フィールド誌で出されたRR版のリプレイだと、ぽぽるちゃイラストの都合で黒髪に見えます。名前が和名の日系人、ヒロインにしては不幸な役回りが多い‥‥という立ち位置からすると、彼女のキャラ的には金髪より黒髪や茶色の方が似合うようにも思えます。
 こんな風に、髪の色が与えるイメージもあるのです。

瞳の色

 目の色は現実世界でも色つきコンタクトがありますし、ニューロエイジではサイバーアイやストレイライトの“紫陽花”で簡単に変えられるので、ここも様々でしょう。サイバーアイが一般的な世界なら視力の低下には悩まされないはず‥‥なのですが、昔は現役時代から粕川うらら女史、今は聖美・キーファー巡査やメモリ巡査や御堂茜隊長や睦島千歳が眼鏡ですから、好みで掛けている人もいるようです。(誰ですか、眼鏡っ娘は重要だと主張する人は?)
 日系人なら黒や茶色が普通でしょうし、アジア系以外なら他の色もあるでしょう。バサラやマヤカシ系などの超常能力者なら、平均から外れた色をしていたり、左右で色違いの瞳を持つこともあるかもしれません。
 瞳の色が与えるビジュアルイメージもあります。青や緑の瞳はやはり外国人を思い起こさせますし、黒髪の日系人が瞳だけ異常な色をしていたら、何か特別な人間だと見る側にも思わせるでしょう。
 夜の一族などのアヤカシはニューロエイジでも本性を出すと赤い瞳のことが多いようです。アルドラ大公は赤と緑という色違いの瞳をしていますね。超AIシリーズもアルファ=オメガは赤い瞳、セラフはオレンジ色と、変わった色が多いようです。

肌の色

 1st Editionの時代からプロファイルには肌の色があり、パーソナリティーズではYELLOWなどと書いてあります。これは真っ黄色ということではなく黄色人種ということですね。
 黄以外には白で白人、キャストにもオフィシャルゲストにも少ないですが黒で黒人‥‥ぐらいでしょうか。やはり現実の日本人に馴染みの薄い人種は登場しにくいですね。ナイトブレイドのジャンヌ隊長は色黒の肌に銀髪という目立つ容貌をしていますし、カーロスのような南米系の人物は――もう「南」ではないですが――やはり肌も色黒かもしれません。(えっ、奴は火星系だって?)
 他にも全身義体ならメタリックな銀色だったり、クリスタル処理などの特異な色もありえます。

 こうした目や瞳、肌などの細かいビジュアル設定はそれほど重要ではなく、もちろんなくてもN◎VAは遊べます。それでも、イメージを深めたい場合は決めておくとよいでしょう。
 絵心のあるお友達にイラストを描いてもらうことになった時も重要ですね。たとえイラスト自体はモノクロだったとしても‥‥やはり想像の中に浮かぶ人物像がモノクロかカラーかでは、ずいぶん差があるのです。

外見いろいろ

 兄弟分に当たる他のサイバーパンク物RPGよりクロームとサイバーの匂いが薄まっているN◎VAでは、サイバーウェアを入れていても人間性やエッセンスの消失も外見上の変化もあまり気にせず、通常の人間と同じようにキャラクターを創造できます。
 あるいは、牙王のようにサイバーウェアが外見に影響を及ぼしている人物を作ることもできます。R時代の“仁王”やDの“ボーン・レーシング”を入れていればシルエットが人間と異なっているかもしれないし、義体オプションの“ヒューマンコート”を装備していない義体では、ルール的な隠匿レートはともかく、よく見ればどこかに人間と違うところがあるかもしれません。
<※八重垣>や<■二天一流><■禅銃>が持っている武器の数だけ効果を持っていた時代(八重垣は今もそうですが)には、サイバーアームで腕の数を3本以上に増やしたカブトやカタナも時折存在しました。(オフィシャルではひっそりと復活したキョウ・オオサキがそうですね。そういうカブトを見かけたら、D以前の時代から活動していた可能性が高いです。)
 そもそも人間の形をしていない義体や、アヤカシの魔器の一族などもいるでしょう。

 あるいは格好や好む服装はどうでしょう。幸いなことにニューロエイジ世界には、防御性能がありつつオシャレも気にできるアウトフィッツが多数あります。さらに嬉しいことに相当品のルールもあって、かなり幅が広がります。
 古い話ですが、銃撃戦をやろうとするとみんなアーマージャケットや防弾コートを着て似たような格好になってしまう『シャドウラン』や『サイバーパンク2.0.2.0』に比べ、N◎VAが格段に進化しているところです。キャラクターの自由度と再現性は非常に高いでしょう。同人誌などでもビジュアル系のキャラクターはよく見かけますし、女性にも人気が出たゆえんですね。オフィシャルゲストにもビジュアル系は多いです。
 例えば悠羽とコンビで根強い人気を誇るイシュタルも、Dの時代ではどこかにいるのでしょうか。黒のゴスっぽい格好で決めたちょっとケバ目(?)の金髪のお姉さんが街を歩いていたら絵にはなりますが、あれも冷静に考えれば不思議な話です。ゴスロリじゃ動きにくそうだし、狙撃ライフルのような長物の銃器を取り扱う時に明らかに邪魔になります。それに狙撃した後で逃げる時に街中で目立ってしまわないでしょうか?(笑) N◎VAだからこそ存在できる、N◎VAらしいキャラクターの一人ですね。

 自分自身のほかにも、常にその側に存在する小物で個性を表現することもできます。ぬいぐるみやペット、変わった外見をしたエニグマ、常に引き連れているエキストラやトループ、“至高の一品”や“ワン・オブ・サウザンド”などのオプションのついた愛用の装備。いつも特定の要素をもって登場する人物というのは、キャラが立つものです。

イメージしてみよう

 さて、貴方のキャストも一通り詳細が固まったら、ちょっとイメージしてみましょう。貴方のキャストはどんな外見なのでしょうか。大体の上背や外見の特徴、好む格好は? そのキャストを象徴するキーワードやイメージカラー、イメージソングや想定声優を定めておくのもよいですね。絵心があるならイラストを描いたり、友達に描いてもらったりするのもよいでしょう。イメージソースがあるならその作品や写真を持ってきたり、元の作品を周りの参加者に事前に勧めておくのもよいでしょう。
 キャストは貴方の分身として運命の舞台に立つのです。その姿がイメージできるかどうかはアクト中に大いに関わってきます。

 そしてイメージが固まったら、彼/彼女が舞台に立っているところをちょっと想像してみましょう。妄想と言っても構いません。
 『トーキョーN◎VA』の舞台は多岐に渡ります。威容を誇る千早アーコロジーの何処かに隠された後方処理課のオフィス? ブラックハウンド機動捜査課のオペレータールーム? 空きチャンネルにあわせたホロTVの色をした空の下に広がるストリート? ウォーカー部隊が一時の休息を楽しむテンペランスや、瘴気煙る中に佇む聖天使城? 果ては空に聳えるAXYZの軌道エレベータの麓や氷に閉ざされたロシア、粉雪の舞うロンドン。
 貴方のキャストが似合うのはどんな舞台、どんな物語でしょうか? もしもあるシナリオで、アクトトレーラーやRLからのプレアクト情報で提示された舞台がそのキャストのイメージにぴったりだったら、その時こそ彼/彼女が舞台に上がるべき時なのかもしれません。さあ、出撃の時間です。
 2003年12月のゲーマーズ・フィールド誌にはこの場所設定の記事が載っています。(2004年2月に発売されるリプレイ集『カウンターグロウ』にはこの場所の実例が掲載される‥‥ことになっていましたが結局載りませんでしたね。) こうしたものを利用してイメージを深めるのもよいでしょう。


装備

 特殊技能と並んで重要な装備の選択。ダメージの大きい武器は揃えましたか。アーマーは? アクションランク増加の手段はありますか? 売買判定で届かなさそうな高価な装備は常備化しておきましたか? どうしても勝てない強い相手の時に使う奥の手は?
 ルール的なことは皆さん考えるでしょうから本稿では置いておいて、個性化の面から。

目立つ装備は‥‥

 アクト前にRLさんがチェックのためにプロファイルシートをさっと眺めたり、他のプレイヤーが「へ〜」とプロファイルシートを覗き込むとき。彼らの印象に残るのは、ずらりと並んだサイバーウェアやずらりと並んだプログラムのひとつひとつではありません。「代表的な」装備です。それは武器オプションのついたメイン武器の銃だったり、ハンドルの由来である名前のついた剣であったり、カスタム化されたタップだったり、いつも着ている部位がコートのアーマーだったり、格好いいトレードマークだったり、経験点を使わないと入手できない強力な業物級サイバーウェアだったりします。
 リアリティの面から言えば優秀な兵士ならばどんな武器でも使って戦う‥‥というのはもっともですが、ガンアクションものの漫画などでも絵面の観点から、登場人物ひとりひとりに特定の銃を使わせていたりすることがあるでしょう。それと同じです。

 個性化の面からも考えて見ましょう。代表的な装備もキャラ立ての要素になります。“レジェンダリー”や“超巨大武器”のついた剣を持ち歩いていれば端から見てもカタナに見えますし、“クリスタル・シールド”や“マグネット・フォース”を持っていれば、<※消沈>や<※ポルターガイスト>を使わない正統派のカブトに見えて安心される訳です。
 戦闘系キャストなら愛用の武器に、カゼやアラシなら愛機に名前をつけたりするのもよいでしょう。様々な武器オプションや、何より相当品のルールはそれらの助けになります。
 運命に介入する力のあるキャストでありサイバーパンカーたらんとするなら、シーンの背景に灰色の一個人として埋没してしまわない、オンリー・ワンであることには重大な意味があるのです。何か他人と違うことをしてみましょう。


言葉

 人語を喋れないヒルコやアヤカシ、ネット上の通信プロトコルに準拠したデータ送信でしか意志を伝えられないAIなども存在しそうですが、ニューロエイジの住人のほとんどは我々と同じように会話で意志の疎通ができます。

ニューロタングはほんとうに世界共通語?

 ニューロタングは一番最初はこう定義されていました。――N◎VAを代表とする、日本人及び日系人が勢力を持った人種混交地域における標準語のこと。単語を並べるだけである程度意味が通じる。日本語のほかに英米語、仏、独、中国、ハングル、アイヌなどの言語が混合。表記は漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベットの混合で、発音重視の独特のスペリングを綴ると。
 これとオフィシャル刊行物での英語の綴りの変え方から、筆者はこう推測していました。現実世界の我々が日本語で会話してロールプレイしているものが、ニューロエイジのキャストたちはこのニューロタングというモノを話していることに変換される。その際“2秒”や“CD”など一連の単語を使ってそれっぽさを出し、英語に関してだけは英語の洋楽ナンバーで時折見られるような綴りの変更( youU とか、LOVELUV とかのような)を行う、と。

 Detonationの時代ではまた設定が変わり、ニューロタングは世界中どこでも使われ、通じる言葉ということになっています。つまりアクト中どこの都市へ行っても、言語が通じない問題はとりあえず解決しているということです。
 とはいってもクーゲルやキース・シュナイダーはリプレイで英語を喋っていますし、ハンドルや装備名でも外国語はよく使われています。現実世界の人類の数千年の歴史でも、言語や文化を巡った戦争は何度も行われてきました。災厄後の世界でも旧世界の約3割、約18億人ほどの人類は生き残っているはずです。世界が傾いた後に18億人が話す言葉が統一されてしまったとはどうにも考えにくいでしょう。
(第一、どうせ統一するなら曖昧で奥が深い日本語よりも、1バイトで表現できる二十数種類のアルファベットしか使わない英語にしたほうが遥かに合理的です。コンピュータ・ネットワークが進んだ世界なら絶対にそうなるでしょう。)
 きっとN◎VA外の都市ではニューロタングと母国語と両方使われていて、ゲーム上はあまり気にしなくてよいのでしょう。もしも貴方がN◎VA初心者で、「ニューロタングって結局なんなんだろう」と10分以上も悩んでしまうようなら、本稿では「あまり気にしないこと」をお勧めします。

言葉もまたその人を表す

 台詞や口調も、その人物を表す大事な要素です。事前にそのキャストの一人称や二人称、語尾の終わり方や他のキャストへの呼び掛け方を考えておくのはよいことです。
 口調や口癖を幾つか用意しておくのも役立ちます。独特の口調で喋る人物は印象に残るものです。例えば――商業リプレイですからかなり修正は入っているでしょうが――『ナイトブレイク』に登場する“夜の剣”クロイツェルは、いつ喋っても彼であることがすぐ分かりますね。ニューロエイジ広しといえど、カード交換しながら「運気が回ってくる」云々と喋る剣はそうはいません。
 我々TRPGプレイヤーはプロの俳優や声優ではありませんから演技には限界がありますが、全てが文字情報のオンラインアクトだと台詞回しも楽です。夜の剣のような古語調や、ふだんの貴方と著しく違う口調で喋るキャスト、ふだんはやりにくい異性のキャストはオンラインで演じると面白いかもしれません。

 口癖やいわゆる『テンプレート台詞』のような、よく口にする台詞を決めるのも有効です。何回かプレイしているうちに固まることもありますから、事前に完全に決める必要はないのですが――最終的にはその台詞を喋れば、その人物だと回りが分かってくれるような感じに持っていければしめたものです。

 オフィシャルゲストで例を上げると‥‥
「仕事ですから」
「火星じゃ常識だぜ」
「その理由は三つあります」
「‥‥君が知る必要はない」
「本当に愉快なことを思いつくなあ、君は」
「未熟なり、太陽系の科学力!」


などという言葉が出てくると、大抵のN◎VAプレイヤーは誰の台詞か見当がつきます。貴方のキャストにもこれを用意してみましょう。

 また、人に読ませるためのオンラインアクトのログやリプレイを書こうと計画しているなら、口調や一人称の差は重要になります。名前の被りを避けるべきなのと同様、口調や一人称も互いに区別し易い方が望ましいのです。
 日本語で自分を言い表す言葉はざっと上げても、「俺」「俺様」「おれ」「オレ」「僕」「ぼく」「ボク」「私」「わたくし」「わたし」「ワタシ」「あたし」「アタシ」「あたい」「ミー」「それがし」「やつがれ」「拙者」「拙僧」「小生」「小職」「われ」「わらわ」「余」「朕」などなどあり、それぞれ受けるイメージが違います。まあ下水王国の王様でもないふつうの一般人がいきなり「余」とか言い出しても困るわけですが、考えておくとよいでしょう。「俺」と「オレ」でも、読者が受ける感じはずいぶん違います。
 ところで英語だとみんな "I" になってしまいますね。英語圏のTRPGユーザーはオンラインセッションの時どうやって個性化を計っているのでしょうか?


ふだんは何を?

 何もしなくても金が入ってくるような一部の特権階級や人間の経済の外側にいるアヤカシ、その他なんだかよく分からないイキモノを除けば、大抵のキャストは勤める企業や組織があったり、仕事を探してストリートを歩いていたり、悪と戦っていたり善と戦っていたり、依頼が来なくて事務所で暇そうにしていたり、アクト中は通っていない学校に通っていたり、ヒロインと仲良くなるのに忙しかったり、ふだんの仕事や生活を持っています。
 ずいぶんとソフトになりましたが、残念ながら何もしなくても生きていけるほどニューロエイジ世界は(本当は)甘くはないはずです。ある程度は決めておきましょう。そして、そのキャストは何故ニューロエイジに生きているのでしょうか。スタイルが職業と関係しているなら、何故そんな仕事をしているのでしょうか? そのキャストの生き様は?
 行動原理のないキャラクターは、自然とキャラ立ちも薄くなってしまいます。

 また、ふだんの生活を決めておくと、アクトの中でアーコロジーがぶっ壊れたりまたまた軌道衛星が迫ってきたりして世界の危機を救う合間に、キャストの日常が描かれるようなちょっとしたシーンでの演出が考えやすくなります。
 そして、キャスト作成の際にはオフィシャルゲストやオリジナル含め数人はコネを取るはずですが‥‥そのうちの誰かを仕事の斡旋元や仕事上の繋がりということにしておくのも有用です。
 ちなみに、そういう関係をアクトの前に説明しておくと、大抵のRLさんはオープニングの導入を貴方のキャストのコネ設定に合わせて、うまくアレンジしてくれたりもします。


内面

 貴方のキャストは何を考え、何をよりどころにして生きているのでしょうか。信条はあるでしょうか? 生きる目的は?
 TRPGでも、映画や小説などストーリー全般に当てはまりますが、内面に何かを持っているキャラクターは立てやすく、共感も得やすくなります。特に内に何かを秘めたストイックなキャラクターはそうでしょう。
 それは金や欲望や、名誉や誇りや愛かもしれないし、他人には見えないものかもしれません。カタナだけど「不殺」とか凄腕のカブトワリだけど「女子供は殺さない」とかカブトで「目の前で傷ついた人は見過ごせない」などなど、いろいろあるでしょう。ちなみに、他のPLにはアクト前の説明で伝えるだけで、アクト中はあまり言わずに行動だけで示した方がかえって渋さが際立ったりすることもあります。
 勿論ニューロエイジは全てが歪み、変わり果ててしまった世界ですからキャストの内面は様々でしょう。「面白けりゃいい」「金が全て」「千早が全て」「イワサキマンセー」「司政官様万歳」「眼鏡が全て」「冴子様が全て」などなどなど。
 ただし、他の参加者から見て共感でき、魅力を感じるキャストというのは、内に何かを持っているキャストであることが多いのです。


強さと弱さを持とう
ウホッ! ボクって強い?

 さて、貴方のキャストは強いでしょうか。肉体戦闘では安定した達成値を叩き出してアクション/リアクションが可能でしょうか。精神戦をやられると一発で沈んだりしますか? アクションランク差で押し切られると弱かったり、社会戦対策ができていなかったりしますか? それとも中の人が治療不能の重度の超人病を煩っているせいで、いつでも気分は最強?
 あるいは‥‥何かのシナリオのPC1をやったせいで仕方なくゲストの女の子を家の居候にしていて、彼女を人質に取られると弱かったり‥‥なんだかんだ言って彼女とのコネに経験点5点払っていて、中の人もほんとはけっこう気に入っていたり‥‥(*/∇\*)キャッ

強ければいいのかな?

 N◎VA-Dのルールシステムを熟読して適用すれば、幾つかの特技コンボででかなりのことができますが、何でもできて何にでも対応できる万能キャストというのはなかなか作れませんし、また、必要ありません。たまにそういうキャストを作って吹聴している方を見たことがありますが、これは偉くも何ともありません。
 キャストに強さと弱さがあること自体が個性であり、それを補い合うチームプレイや、それがあるから生まれるドラマもまた、TRPGの醍醐味だからです。
 多くのファンタジーRPGでも、プレイヤーキャラクターたちはそれぞれに長所短所を持ち、パーティでそれを互いに補う合う仕組みになっているでしょう。
 N◎VAにはもちろんパーティ制度なんてありませんが、キャスト間コネを持ち、クライマックスに物語がひとつに収束する構造がシナリオのデフォルトとなった今、チームプレイは存在します。
 仲良くダンジョン探検なんてする必要はありませんし、キャストは敵同士の場合もありえます。それでも、アクト全体、物語全体を俯瞰するレベルでのチームプレイは存在するでしょう。そんな中で際立つのは、やはり強さと弱さの両方を持ったキャストです。

他人から絡みやすいキャスト

 能力値を伸ばすのは最小値を底上げするより最大値を伸ばした方が良いように、弱点を消すよりは長所を伸ばしましょう。ルールシステムではなく設定の面で、何か弱みがあることにするのもよいでしょう。
 小説、特にライトノベルなどでも、超絶的に強いのにどこかに致命的な欠陥のあるキャラクターというのはよく存在します。英雄から引き算することでうまくキャラ立てをしている場合もあります。これは、よく使われる手法です。
 そして――貴方がもしもリプレイなどでプレイの記録を残そうと思っているなら、完全無欠ではなくてどこかに弱みがあったり、共鳴できる要素を持った人物の方が、読者の共感を誘うことができます。

 また、アクト中には他のキャストからの接触が必ず発生しますから、向こうから見た場合の接触しやすさを考えておくのも実際のアクトでは役に立ちます。年齢が近いとか、ウェットだとか、怖くなさそうだとか、話しかけやすい性格の人物であるとか‥‥いろいろありますが、この強さ弱さと関係して、完全無欠でなくてどこかにツッコミ所を用意しておくというのも有用な手です。上でも触れましたが優秀に見えてどこかに穴があるというのは、小説などの登場人物にも多いですね。
 逆にツッコミ所のあるキャストとアクトの中で出会ったら‥‥機会を見てツッコんであげましょう。そういうキャストはたとえ相手のPLさんが自分から口に出して言わなくても、「ツッコんでくれ」という合図を出しています。きっとそのシーンは盛り上がりますし、「他のプレイヤーを助けた」には互いにチェックが入るでしょう。


イメージソース
これ、N◎VAでやりたい!

 様々な作品を見て「うぉ、こんなキャストやりたい!」と思い立つ方は多いでしょう。N◎VA者というのは大抵みんなそうです。それどころかオフィシャルのゲストにもかなりいます。ゲスト以外にもN◎VAにはネーミング等を他の作品から拝借してくる伝統が昔からあり‥‥かくいう筆者もコンテンツ等でもよくやりますし‥‥これについてはSeriさんの【Quick Silver】に、非常に有用なN◎VA元ネタ一覧集があります。
 またN◎VA-Dの時代になると、それ以前の時代にもさらに増して「おいおい、まんまかよ!」とユーザーにツッコませることをどうも故意に狙っている節があります。シナリオのネタや装備、ゲストなどで元ネタがあまりに分かりやすいものが増えているのは御存知の通りです。天津征司クンが連れている例の黒いサムシング軍団を初めて見たとき、驚愕した方も多いでしょう。

源泉のあるキャスト

 貴方がキャストを作る際、最初から受け狙いのネタキャストを作るのであれば、元ネタそのままで回りから笑われたり呆れられたり、まあ何にせよ受けたのなら、それで万事良しです。人に説明するときも、「まあ、ぶっちゃけXXのXXなんで」などと一言で片付くので分かりやすいでしょう。元ネタが分かりない人にも大丈夫にするのも大事ですね。

 問題は真面目にキャストを創るときです。世界でただ一人、オンリー・ワンであるべき貴方の分身が元ネタそのまんまなのはちょっとイクナイですね。たまたま1回のアクトでいくら格好良く決まったって、コピーは所詮本物には永遠に勝てないのです。
 それに自分と似たようなキャストが他にもいるのは、なんだか気分が悪いでしょう。日本全国のN◎VAファンの誰かが考えた聖母殿系のキャストには、『ヘルシング』のアンデルセン神父のようなキャラは絶対にもう存在します。ニューロエイジのどこかの警察機構には『攻殻機動隊』の草薙素子のようなキャラもきっと存在しているでしょう。(むしろオフィシャルの櫛田千里のモデルがそうでしょう。)
 よく使われるのは、複数の作品のイメージソースを混ぜ合わせて元が分からなくする手です。世の中の様々な作品でも、そうやって源泉が他の作品にあるキャラクターというのは登場します。他にも人が真似をしなさそうなマイナーな脇役やマイナーな作品をモデルにしたり、貴方のオリジナルの部分を入れたりして、工夫してみましょう。そうして生まれた人物は、きっと貴方独特の味を持っているはずです。

主人公度もコピーしていいのかな?

 例えば漫画などで好き勝手にはっちゃけて縦横無尽の大活躍をしている主人公がいて、そんなキャストをやりたいと貴方が思い立った時。気をつけた方がよいことがあります。
 その物語の主人公は何人でしょうか。きっとそのキャラ1人(あるいはもう1人ぐらい)で、脇を固める脇役が何人かいるからこそ、主人公は好きに暴れていられるのでしょう。
 ではN◎VAのアクトではどうでしょうか? キャストは他にもPL人数分いますから、全員が主人公格で好きに暴れたらきっとアクトが破綻するか、RLさんがとても困りますね。重要ゲストの分もあるはずです。例えばキャストが4人なら、乱暴な計算ですが貴方の脳内妄想での主人公度と比較して約1/4程度に抑える必要があります。
 これはN◎VA以外でもどのTRPGでもいえます。TRPGセッションから生成される物語は主役級がキャストの人数だけいて、普通の物語とは少し構造が違うのです。とめどなく妄想全開なキャストを作るときは、心に留めておきましょう。


住んでいる世界を考えてみよう

 知っての通り、ニューロエイジは様々な超人や異能力が跳梁跋扈するトンデモな世界です。拳銃弾でヘリが落とせたり日本刀で機動戦車を真っ二つにできたりよく空からレーザーが飛んできたり、ドラゴンが大統領だったり吸血鬼や人狼や妖精に、もはや神までうろついています。
 貴方のキャストはこれら雑多な現象の全てと数々の矛盾を内包した、寛大なるN◎VA宇宙の法則を全て受け入れているのでしょうか?
 事前にイメージをある程度考えているならそうではなく、「このキャストはきっとこんなことが起こせるんだ」「でも、こんなことはしないだろう」などと、一定のラインがあるはずです。
 ここで考えようと言っている住んでいる“世界”は世界そのものではなく、貴方のキャストが属している物理法則や‥‥懐かしのTRPG『トーグ』におけるアクシオム・レベルや‥‥なんとかコズムとか‥‥そういったものです。
 例えばニューロエイジの住人なら銃を撃つ機会も多いでしょう。キャストが銃使いのキャラクターで、映画になぞらえた場合を幾つか上げてみましょう。

(英語風に)ハァリウッッド! な世界

 貴方は過去多数ハリウッドで製作された、刑事もののガンアクション映画の世界に属しているのかもしれません。Freeze !
 この世界ではSSSやハウンドの刑事はみんなお決まりのそれっぽいポーズで銃を抜き、<※フリーズ>をしてきます。撃たれた人はたとえ小口径の弾丸でも大袈裟に手をばたつかせながら倒れたり、ガラスのショーウィンドウに突っ込んだり、悪役はAK47に見えるロシア連邦製っぽいアサルトライフルを空しく空に撃ちながら倒れていきます。ヴィークルの防御力は実際より低い効果しか持たず、拳銃弾で撃っただけでもしょっちゅう車が景気よく爆発してくれます。
 やられてくれたトループさんをよーく見ると‥‥おや、今やイエローサブマリンでも在庫が少ない年代物の『サイバーパンク2.0.2.0』戦闘ルールに載っている“ハリウッド演技過剰表”を参照してダイスを振っているのかもしれません。

Then, Mr. Anderson...

 貴方はN◎VA者なら大抵みんなデフォルトで見ている『マトリックス』三部作の世界に属しているのかもしれません。My name is Neo... !
 この世界では超人は銃弾を避けられます。弾道を描きながらスローモーションで飛んでくる銃弾を360度旋回するカメラの前で<※緊急回避>で避けたり、<※猿飛>や<※元力:重力>を使って重力を無視して壁や天井を走り回ったり、ビルから墜落しながら撃ち合ったりします。<※消沈>や《天罰》を使うと貴方は救世主として覚醒し、かざした手の前で全ての銃弾が落ちていったり、その他諸々のマーベラスな映像美が夢の中で展開されるのかもしれません。
 エージェント・スミスはみんな1回はキャストやゲストのネタに考えますな。N◎VA-Dルールブック付属シナリオの挿絵の衝撃は大きかったですね。JGC2003先行発売で買った人はみんな現地で (((( ;゚Д゚)))ガクガク したYO!

それとも、バカ映画の世界

 あるいは貴方はカーロスのような色黒の南米系キャラクターで、ラテンの血が騒ぐとバカ映画の極み『デスペラード』の世界に突入するのかもしれません。この世界では“ヤロール”のような酒場もメキシカーンな香りが漂っていて、騒ぎが起こったらもう最後です。
 RR時代の“デニーロ・ホルスター”のようなナニカから貴方の両手には拳銃が飛び出し、はっちゃけポーズで撃ちまくり。窓から落ちたら<運動><■自動反撃>の出番。セクスィに腰を振りながら、振り向きざまに撃ちまくり。“偽装セット”に<※隠し武器>を使えば二重底のギターケースからショットガンや手榴弾が現れ、果てはミサイルまで飛び出してなんていうかもう(゚∀゚)アヒャッ!! 続編の『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』はイマイチでした。やっぢまいなァ〜!!ヽ(`Д´)ノ おっとそれは別の映画でした。

Gun=Kata!! な世界

 あるいはGX-Dのドラッグ“クラリック”の元ネタでもあり、<※ガンフー>使い必見の『リベリオン』の世界に属しているのかもしれません。
 クールな黒の制服、灰色の世界の思想を統制する警察機構のエリート、グラマトン・クラリック。修得したは射撃と格闘の組み合わさった最強格闘技ガン=カタ!
 両手にクラリック・ガンを抜いたが最後、矢継ぎ早に全方向に繰り出される零距離射撃に周囲の敵は全滅、その性能は<※ファニング>並。日本の「能」を強く意識したガン=カタの流れるような無駄のない動きが悪漢どもを撃ち抜き、最後は、あの無意味にカコイイ決めポーズが出てしまうのかもしれません。
「短いがアクションシーンが格好いい」「マニアックな銃が頻出」など見所がありつつ映画全体としては「ちょっとナニでアレ」という、B級っぽさがN◎VAっぽいと誉められる映画の典型です!

ノワールな世界

 あるいはホンコンHEAVENや中華街出身なら、ジョン・ウー監督の懐かしの『男たちの挽歌』シリーズを始めとする一連の“香港ノワール”の世界に属しているのかもしれません。海を越え映画の都に渡っても、その世界は『M:i-2』や『フェイス・オフ』に残っています。
 この世界ではたとえ<■禅銃>や<※黒羽の矢>を持っていなくても二挺拳銃を構えることに、黒の喪服で戦いに赴くことに、神に祈りを捧げ教会で撃ち合うことに、重大な意味があります。ニューロエイジの世界はケースレス弾のはずですが全ての拳銃からは薬莢が落ちていきます。RLシーンでは無意味にシビれるスローモーションで悪役ゲストが登場します。
 失われつつある任侠のため、散っていった友のために銃撃戦に赴きましょう。1アクション毎に無意味に格好いいストップモーションが多用されたバレエのような戦いが展開され、そしてシーンの背景では、また無意味に鳩がよく飛んでいるのです。ユンファ兄ぃ!弾丸坊主は‥‥本当にダメだったッ!(;´Д`)ノ

ガンドッグ生命体な世界

 他には‥‥渋スナイパーなら必見の『山猫は眠らない』『山猫は眠らない2-狙撃手の掟-』や、特殊部隊ファンが涙した『ブラックホーク・ダウン』のような、数少ないリアル指向の映画の世界に住んでいるのかもしれません。All units, Ireen... I say again, Ireen... !
 この世界では、戦闘は2カット以内で終わるのに戦いに赴く前には初弾がチャンバーに入っていることやマガジンの残弾を確認したり、『シャドウラン』でもないのに護衛相手と歩く時は遮蔽を意識したりする、無意味にプロっぽい演出に重大な意味があります。貴方はきっと“スキャッター”SMGや“グリード”防弾ベストを装備に加えたり、意味がなくとも<※戦術>を演出に使ったりしているでしょう。
 ゲストが待ち構える室内に突入する際は貴方は正しいクリアリングの手順を知っているでしょう。<※片手射撃>があってもアサルトライフルは腰だめではなく、左右どちらかの肩で構えて相手をポイントするのが正しいことを知っているでしょう。
 室内で敵ゲストと対峙して煮えた台詞を言い合うような場面に似合うのは小型火器で、“超巨大武器”や“アルティメット・ブレイク”など、デカくて取り回しがしづらい長物の銃を持ち込むのは、本当はかなりダサいことも知っているでしょう。
 スナイパーライフルで<※ファニング>? ショットガンの散弾で<※花吹雪>? やあキッズ、ここは本物のプロの世界なんだ。はっちゃけワールドに帰ろう。

世界法則は、そのキャストの中に存在している

 などなど、いかがだったでしょうか。なんだか趣味に走った映画の紹介をしてるだけのような気が激しくしてきましたが、銃を扱う例だけでもこれだけ色々あります。N◎VA宇宙にはこんなバラバラの世界に住んでいる銃使いたちが一緒に登場することができ、そしてどの世界に働いている法則も正しく、どれは間違っているということではないのです。
 RR時代のタタラSSS『二進法のマリア』で語られた電脳聖母事件に登場するハレー彗星の出現時期を額面どおり受け取れば、ニューロエイジの現在は2061年頃か2137年頃+D時代までの@年となります。地軸が捻じ曲がった21〜22世紀の近未来世界という緩やかな領域の中に収まってはいますが、N◎VA宇宙は実際には様々な法則がごっちゃになって働いています。
 ネットワーク技術はそれほど進んでいないように見えますし、現実が未来に追いついてしまったN◎VA-Dからはその対策の為に、電脳空間が意識体ルールに統合されました。医療技術もそれほどは現実と差がないですし、それにクローニングも実現させた現実世界の技術は、新聞などで一般人が知れるラインより実際は先まで進んでいます。
 100年以上経っているなら人類は太陽系外まで進出し、アルファ・ケンタウリぐらいまで有人飛行していそうですが、登場するのは地球の周回軌道とせいぜい月、あとは某火星人の妄想火星と某大宇宙の人の妄想(?)大宇宙ぐらいまでです。
 例に挙げた銃器のテクノロジーも現実と大差ないですし‥‥実はR時代に標準だった9mm弾は、現実世界ではボディアーマーの発達からパワー不足になりつつあります。(それに100年経っているならレーザーなどの光学兵器が携行用でも実用化されそうですね。)

 N◎VA宇宙では一定の法則がどこでも働いてくれて「これはOK」「これはきっとダメ」と言えるのではなくて、それぞれのキャストごとに属している世界法則が別々に存在し、それぞれ「これはOK」「これはきっとダメ」が別々なのです。

世界を考えてみよう

 どこでその力を学んだのか強さの源を考えたり、そのキャストが仕事をしている様を想像したりすれば、「きっとこんなことをするんだろう」「でもきっとこんなことはしないんだろう」という領域がおぼろげでも見えてくるはずです。
 カブトワリ以外でも例えば貴方がバサラで、《天変地異》の演出にいつも自分の元力に関係するよう決めていたら、それはよい思いつきです。ハイランダーだったらいつも助けてくれる<※隠れバディ>の外見を決めて演出によく使うのもいいでしょう。
 ある程度統一した行動や一貫した演出は、確かな個性と存在感をもたらします。余裕があったら考えてみましょう。そして他の法則が働く世界に住んでいるキャストとひとつのアクトの中で出会ったら、驚いたり腕を認め合ったりするならともかく、無闇に否定はしないようにしましょう。‥‥時には、どうやっても共有できないようなキャストに遭遇することもあるかもしれないのですが。

 こうして確固たるイメージを固めてプレイしていたのなら、さるシナリオで空からナニカが落ちてくる《とどめの一撃》の使いどころのシーンで、イシュタルがいくら「見えてさえいれば届くわ」と言ってくれても、「いや‥‥でも俺は拳銃使いだし‥‥」などと戸惑ってしまうのは‥‥ごく自然なことのように‥‥思います。Dルールの《とどめの一撃》は射程距離が影響するようにはなりましたが。


何人か創って遊ぼう

 『トーキョーN◎VA』を遊ぶ方はたいてい、数人から十人、十数人くらいキャストを作成しておいて遊んでいます。その中で何人かのお気に入りのキャストをとっかえひっかえ使ったり、一時期に使うメインのキャストを1人に絞ったり、ネタを思いつくごとに新キャストを増やしていったり、シナリオのゲストやオリジナル設定のゲストがその後キャストになっていったり、キャストの家族が増えていってやっぱりキャストになったりしていくわけです。

Myファミリーを作ろう

 貴方が初めてN◎VAを遊び、これから本格的に遊んでいく予定なら、そんなに多くなくてもいいのでキャストは何人か作ってみましょう。一人のキャストでは全てのシナリオは遊べませんし、何人かいた方が幅が出ます。
友達のキャストとアクトの中で出会ったら、何かアクトでは語られない関係を考えたり、自分のキャスト同士の出会いを考えるのも面白いでしょう。そんな所から素敵な設定が広がっていって、長く続くこともあります。特定のプレイグループで継続して遊べる環境だと、互いにコネを取り合ったりしてどんどん世界が広がっていったりすることもあります。それもよいことです。
 もちろん、人によってプレイするのが得意なスタイルや不得手なスタイルはあるでしょうから、それは除外します。それでも、一人よりは数人はいた方が様々なアクトに参加できます。

でも、超☆大家族もよくない

 そして逆に‥‥たくさん作り過ぎるのも実際に運用する上では問題になることもあります。(一人で脳内妄想するだけなら何の問題もありません。/笑)
 これもDの時代では昔話になってしまう余談ではありますが、以前はWeb上のN◎VA界においてもなりきりChat全盛時代というのがありました。(1998年後半〜2000年頃) 有名どころで2軒、CGIで動くチャットが常時稼動し、毎晩のように多くのキャストが出会い、多くの物語が語られ、アクトのようになったり騒ぎがあったりラヴがあったり、人が集まり社会が形成される場の常としてPL同士の衝突が絶えなかったり困ったチャンがいたり‥‥
 その中で、キャストを湯水のようにどんどん新造して送り込んでくる人もいました。どんどん入ってきて<※ロケットスタート>並みの速さで他のキャストと2〜3日でラヴになったりして、また新しいのが入ってきて‥‥
 しかし観察しているとそうした量産されたキャストというのは大抵、いわゆる“キャラが薄い”ことが多かったのです。それよりも人数をきっちり絞って活動させている人、チャットに現れる頻度は低いもののしっかりしたロールプレイをしていくキャストの方が印象に残ったり、人気が高かったりしたことがありました。

 複数のキャストをとっかえひっかえ使っていく実際のアクト運用でも、同じようなことが言えます。
 貴方がもし、ある程度特定のメンバーからなるプレイグループで遊べているなら、仲間の持ちキャストを思い出してみましょう。全員フルネームで言えますか? もしも言えるなら、ハンドルや設定まで全員言えるでしょうか?
 人間誰しも、人のキャストまでは覚えきれないものです。数人や十人ちょっとぐらいまでならともかく、三十人も四十人も一度に使ったらRLさんや他のPLは名前を覚えるだけでも一苦労でしょう。貴方のイマジネーションがどんなに豊かだとしても(あるいは、豊かであるつもりであっても)、個性は段々と弱くなっていってしまうはずです。
 最初の頃に作ったキャストのシートを卓に出して「このキャストは使えるけどあんまりモチベーションがないんです」と言い訳をしても、RLさんから見れば「じゃあ俺の前に出すなよ。ていうかモチベーションのないキャストなんか引退させろよ!」という話になります。

 キャストを稼動させる人数には個人差があって、その時々のお気に入りのキャストを1人2人しか使わない人も言えば、20人以上を常時連れている人もいます。故に数字的な上限は定められないことですが、あまりに増えてくると回りが辛くなってきます。
 それに――『他の登場人物を知ろう』の項でも述べますが、他人というのは得てして、貴方が期待しているほどは、貴方と貴方のキャストを理解してくれないものなのです。

代表キャスト

 一部で使われる言い方に「代表キャスト」「顔キャスト」というものがあります。その人が普段から使っているキャストの中の代表格を表す言葉です。代表になる理由は様々あり‥‥使用回数が一番多い、経験点が一番つぎ込んである、一番強い、その人の好みやプレイスタイルを代表している、一番主人公っぽい、一番格好いい、一番可愛い、一番萌え、一番ダメ、あーいやいや、とにかく何かしらの形でキャスト陣を代表しているということです。特定のコミュニティやプレイグループで長く遊べる環境にある中で、自然と回りからの評判で生まれることが多いですね。
 代表キャストがいるのはよいことです。それだけ他人から、愛されているキャストがいるということですから。


ゲストコネとの関係
Connection 2 U

 ほとんどのキャストは誰も知り合いがいない寂しい人ということはなく、コネ技能を何人か取ります。N◎VA-Dルールブックやサプリメントに載っている顔つきのゲストから選ぶ時もあれば、敢えてマイナーなゲストから選んだり(ここで誰を選ぶかで、その人のN◎VA歴も推測できます)、あるいはオリジナル設定で増えていった人物や自分の他のキャスト、あるいは大切な人だったり、アクトの都合で仕方なく(?)大切な人になった人物のコネを書くこともあるでしょう。
 キャスト間コネとシナリオ用コネからなるアクトコネクションはアクト終了後に消えてしまうことがN◎VA-Dでは明記されているので、思い出を残すために別に書いておくといいかもしれませんね。

 N◎VAの魅力のひとつはキャラクター回りであり、オフィシャルゲストの誰それとどういう関係でどうのこうのというのはよく見られる光景です。そういう話で盛り上がるのが大好きなミーハーな人もいれば、特に興味を示さない人もおり、このへんは実に様々なのですが。どのような趣味の世界でも、概して男性より女性の方がこういう話は好きなようですね。

 時にはこうしたキャラ人気がニューロエイジ世界の枠の外側、TRPGの背景世界としてのメタレベルで影響力を持ち、設定に変更を与えることもあります。
 有名なのは元快楽殺人症の後方処理課員、メルトダウンがファンの人気が高かったために都合の悪い設定の幾つかが黒歴史に抹消され、千早雅之社長になったことでしょう。社会に出て働いている方なら分かる通り、人殺しを仕事にしていて組織運営経験も足りない人間に巨大企業経営が務まるなんてのは、フィクションの中でしかありえません。
 クラシックな『サイバーパンク2.0.2.0』に登場するアラサカ社がモデルのひとつであり、昔は巨大な悪という印象も強かった千早重工もすっかり善玉のイメージが定着しました。悪のイメージはRR時代はイワサキ、D時代ではテラウェアが担当してくれています。テラウェア社員の皆さんも大変ですね。
 他にも、ファンに人気のあるオフィシャルゲストは(ゼロなどを除けば)大抵は死んだり黒歴史に忘れられることもなく、優先して生き残っています。

コネは取っておこう

 メイクアップでキャストを作成するとオフィシャルゲストとのコネは3人取ることになっています。フルスクラッチでもコネは合計3Lvが推奨されています。
 アクトの導入で困らないために、オフィシャルゲストとのコネは1〜3人取って置くというのは、多くの人がキャストを創る際に暗黙の了解としています。
 これは至極もっともでその通りです。オリジナル設定色の強いキャストや、コネを結ぶ相手が仲間内のキャストだったりオリジナルのゲストだったりする場合も、せめて1人2人はオフィシャルゲストを取っておきましょう。オフィシャルシナリオをそのキャストで遊ぶとしたらどのへんの枠を担当することになりそうか、イメージすると分かりやすいですよ。

避けるべき?関係

 ニューロエイジ世界が常に変動していることをユーザーに印象付けるという目的があり、オフィシャルの展開やシナリオではゲストの設定に様々な変化が起こることがあります。特にRR後期のSSSで毎度おなじみの「実は浄化派だった」を始め、時に必然性がないほどまでの変化が起こっているのはそのせいです。

 さて恐らくはDの時代に生きている貴方のキャストも、こうした設定の変更、特にコネのあるゲストの設定の変更に影響されることがあるかもしれません。
 貴方がもしオフィシャル設定変動に影響されずにそのキャストを長く使っていきたいと思っているなら、推奨されるのはそれほど当たり障りのない関係、「他にそういう設定のキャストがいても比較的困らないような」関係です。
 例えば、ハウンドに入ったばかりの新米かベテランかは問わずとも千早冴子から信頼されている警官の一人とか、後方処理課で何年やっているかは別としても早川美沙や雅之社長からいざという時よく呼ばれるベテランとか、最近復活したマイケルが偽者なのかはともかくよく仕事を回してもらうストリートのフリーランスの一人とか、相手からすれば、「自分と同じような知り合いが他にも何人かいるかもしれない」関係、そういったものです。
仕事の付き合いで時々会うとか、昔の知り合いで今でも時々茶を飲みに行くとか、関係はいろいろ考えられるでしょう。日本全国のN◎VAファンの作ったキャストの誰かが、きっと貴方の大好きなオフィシャルゲストと同じような関係を持っていても、特に支障がない関係です。

 では逆にあまり推奨されない関係は。その通り、上の逆です。日本全国のN◎VAファンの作ったキャストの誰かが、貴方の大好きなオフィシャルゲストと同じような関係を持っていたら非常に支障をきたすような関係、「他にそういう設定のキャストがいるととても困るような」関係です。
 例えば、誰がなんと言おうとアルファたんはもうウチの子だとか、誰が何と言おうとカーロスはアタシの無二の恋人だとか(ゲストによっては愛人の一人二人なら問題ない場合もあります/笑)、誰が何と言おうと悠羽たんはボクがもらうとか、誰が何と言おうと冴子さまは(以下略)などなどなどなど。やァ、これはもう幾らでも思いつきそうですね。
 そういうキャストと複数回出合った場合の他のキャストの反応は、「稲垣の娘ならこの前も見たが‥‥いや、あれはきっと別の話なんだ」とアクト間の矛盾点には目をつぶるのが一般的です。

 あまり知らない人と卓を囲む時は、「この子、怜呀さまの隠し子なんですぅ(はぁと)」と真顔で言われても反応は様々です。
「ええーっ、そうなの〜!(*/∇\*)」と一緒にミーハーに盛り上がれる時もありますが、完全に「( ゚д゚)ポ カ ー ン 」とされることもありえます。初対面の人と遊ぶときなどは、注意を払いましょう。

 それに、有名ゲストの親族という設定を振りかざしてこいつは強いんだ云々と吹聴するキャストや、中の人のハァハァぶりは、端から見ていると非常に見苦しいときもあります。
 実際、ヤバそうな設定のキャストを出してくるプレイヤーは、昔からコンベンションで危険人物を見分ける大きな鍵でした。外に撃って出る時は、ゆめゆめご注意を‥‥


導入を拾えるようなキャストにしよう

 ここで言う「拾う」とは、貴方のキャストのスタイルや設定がシナリオで幾つか用意されている「推奨スタイル」と概ね合致し、そのシナリオを用いたアクトに参加するのが可能であることを指します。
 「拾う」という言葉は元は関東方面の一部のTRPG日記系サイトなどでよく使われていた方言でした。そこから広まり、サプリメント『ストレイライト』のRL講座で「設定を拾う」「演出を拾う」などという用法で使われましたから、今後も広まっていくでしょう。

26×26×26種類の導入?

 もう時効成立ですからちょっとだけ言ってしまいますが、かつて筆者がゲーマーズ・フィールド・コンベンション公認ルーラーとしてGFコンやJGCでRLを務めさせていただいた頃。当時のGFコンにおけるN◎VAのシナリオは効果的な方法を模索中で、現在のようないわゆるSSS形式の統一した書式もまだありませんでした。
 多種多様なキャストが作成でき、RL泣かせである導入をどう解決するかについて、FEARの鈴吹太郎氏からこんな話を伺ったことがあります。
「普段のアクトは別として、GFコンの場合は、5人分の推奨スタイルを予め決めている。キャスト側はクグツなら千早所属にしてもらい、シナリオ上の敵はイワサキに設定している。レッガーなら河渡連合にしてもらい、敵は秋川になる。イヌはブラックハウンドかSSSの所属をやってもらう」と。
 時間を掛けて準備して臨めるアクトはともかく、時間の限られたコンベンションでアクトを成功に導くなら、こういう縛りも必要なことです。そして筆者がRLを務めた実際の卓でもプレイヤーさんには上の条件に合うキャストをその場で作ってもらったり、持ちキャストから選んでもらったり調整してもらったりしてから、アクトを行っていました。

 そして推奨スタイルを最初に述べたシナリオの記述方法が徐々に一般化し、様々なアクト運営ノウハウが蓄積されて時は流れます。CDドラマ『ナイフ・エッジ』を機にブラックハウンドには機動捜査課というキャスト向けの課が脚光を浴び‥‥秋川は勢力を弱め、千早の新たな敵はイワサキからテラウェアへと変わり、トーキーのデフォルト所属先がマリオネットからN◎VAスポへ変わり‥‥Detonationの現在があり、現在のような推奨スタイルとトレーラーを装備したシナリオの記述が定型として一般化したのです。

導入をゲットしよう!

 貴方が幾つかオフィシャルシナリオを見てきているなら、似通った推奨スタイルが多いことが分かるでしょう。その通り、フリーランスの私立探偵や、千早重工後方処理課の非合法工作員、ブラックハウンドの警官、河渡連合の姐さんの手下、マリオネットやN◎VAスポのトーキーなどを用意しておくと、オフィシャルシナリオを遊ぶ際にすごく楽です。
 これら以外のキャストでも、隣の課の手伝いをするとか‥‥コネの一人がそれらの勢力に属していて、貴方のキャストに話を持ちかけてくるとか‥‥何か、シナリオに絡みやすい手段を用意しておくのは非常に有用なことです。自分のキャストを見せられたRLさんの立場になって考えてみましょう。

 アクトトレーラーとハンドアウトによる導入枠の提示はDの時代では完全に定着しました。また1アクトに掛ける時間も短くなり、逆に遊ぶアクトの回数は増えています。
 このような現在の状況では、導入を拾いやすいキャストであることは、“使える”キャスト作成には必須の重要ポイントとなっています。
 スタイル別導入に関する考察については、当サイトではコンテンツ『アクトに参加する26の方法』として別途まとめました。公式シナリオをデータ元としてスタイルの導入頻出度を算出し、スタイル毎に読み物として考察をまとめています。よろしければ御覧ください。
 やはり鍵は導入頻出度の高いスタイル導入を拾えるようにすること、また長く使うキャストなら導入を複数拾えるようにすることです。


でも、縛られすぎず自由に
君は世界にただ一人

 導入を拾えるようにしようと述べておきながら、次はまったく逆のことを書きます。(笑)
 シナリオの導入に必要で仕方なく作ったせいで、時間もなくて本当にどこにでもいそうなありきたりのキャストを新造してしまったりしたことはありませんか? さしたる個性もなく任務を尽くすだけのクグツや、お決まりの台詞だけ言って犯人を逮捕するイヌなど‥‥
 サイバーパンカーに“標準的な”ヤツなど存在しません。ニューロエイジの運命の天輪を操る力を持ったキャストは、貴方が創ったからこそ生を受けたオンリー・ワンであることに、大きな意味があります。
 元より『トーキョーN◎VA』の大きな魅力のひとつは、タロットに象徴されたスタイルと特技と装備の組み合わせから、実に多種多様なキャラクターを創造できることです。筆者も今まで、実に様々なキャストを見てきました。あまり縛られ過ぎないで、想像の翼を広げて自由に面白いキャストを作ってみましょう。
 特殊なキャストでも、上のように何かシナリオに絡みやすい手段を考えておくのはとても有用なことです。あるいは、よくN◎VAを一緒に遊ぶお友達がいるなら、「ねえ、今度ボクの神キャストが入れるシナリオ作ってよ」などと頼んでみるのもいいでしょう。‥‥いや、<※血脈:神族>が活躍できるシナリオって見たことはないですが。(´w`)

 様々な同人誌やWebコンテンツでも、昔からキャストのサンプルは(ないとは言いませんが)あまり見かけないのも上の話と関連しています。そう、誰だってキャストは自分で作りたいものなのです。一方、トループのサンプルというのはよく見かけますし、GX-Dにも似た形で掲載されましたね。

キャストができた!

 さて、生を受けたキャストに魂を吹き込む様々な方法はこれぐらいにしましょう。
 2004年冬には日記系サイトで作り方を述べ合うのが流行ったりしたことがありました。列挙してみると以下などがあります。

キャストメイク日記

★ジニアさんの【Gray Room】のジニッキ2004/11/30 僕流キャストメイク
★むらさきさんの【abridgement】のdiary2004/11/28 オレ流キャスト
★B・T・Rさんの【おカタナ天国】のB・T・Rの雑文2004/12/04 キャストのつくりかた
★(はた)×弐さんの【SwordDancer】の一心不乱日記2004/11/29 キャスト妄想
★なまさんの【なま屋。】の2004/12/22 N◎VAキャスト徒然

 キャストの作り方については人によって差があり、様々です。このコンテンツに書いてあることを全てやってみる必要はありませんし、勿論ぱっと作ったキャストで遊ぶのも、それはそれで結構です。しかしそのキャストを長く使おうと思っている時や、これからキャンペーンを始める時、大作シナリオを遊ぼうとしている時は、事前にイメージを深めておくのもよいでしょう。
 手間は掛かりますが、ひそかに流行っている【トーキョーN◎VA 100の質問】さんのキャスト向け66の質問に答えてみたり、【ロケット屋ダンデライオン】さんのナイフ・エッジ・テストやほりのアクシオムを試してみるのも面白いですね。
 オンラインアクトで遊ぶ時も深めに作り込んでおいた方が個性がはっきりします。(情報が文字を通してしか伝わらず、キーを叩いてチャットで発言する中で全てを表現しきる必要があるからです。)

 ここから先は、実際のアクトに関わるところに触れたいと思います。


When the Fortune rings out

天輪の音が響くとき
はじめに
【プレイヤー編 Page1】【プレイヤー編 Page2】【ルーラー編 Page1】【ルーラー編 Page2

Delirium
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