山梨の田舎暮らし |
私の郷土研究・移住希望者・住環境情報 |
著者:古明地光久
● 郷土研究 ● 医療施設(重病時、総合病院) ● 因襲と基本的人権(田舎ぐらしの問題点、体験記、郷土史文献調査、過去65年間の慣習の不変性について・・・) ● 私の山梨観形成に大きな影響を与えた郷土研究図書:「綜合郷土研究」 ● 人災(暴力被害体験記、脅迫、交通事故、不登校、出火、死産・新生児死亡) ● 新聞に見る「山梨の暮し」2001年4月開設:山梨日日新聞社会面ヨリ
● 「山梨県幸住県計画」を強く支持する理由 ● 交通機関(道路、鉄道、バス) ● 住宅(賃貸住宅、土地・建物の購入、法律相談) ● お買い物(家電製品、家具、自動車、食料品、雑貨品、衣料品、ファッション・グッズ) ● 統計やまなし(自然と人口、産業と労働、教育と文化、家計と住環境、福祉と医療、災害と安全、財政)
ホームページへ 案内板へ(自己紹介、山里果園、風景写真、ブドウ、ニュース(最新情報、年中行事等)、・・・) 「古明地さんの風景写真帳を見ました。」 「山梨って、とっても良い所ですね。私も住んでみたい・・・」 こんなメールを頂くことがあります。 このようなメールを頂戴するたびに、幾ばくかの不安を感じます。 私の風景写真帳は、人間不在を原則とし、花や風景が主題のため、その中に、山梨の社会像を読み取ることは、非常に難しいことと思われます。 甲斐の国の景観はとても素晴らしい。しかし、居住を考えている方々には、住んでみて、初めて分かるような、日常生活に関する情報こそ必要ではないでしょうか。 私のように、風景写真がやりたい、ブドウの栽培研究がしたい、というような方には、山梨に居住する意味があります。しかし、目的が漠然としている方々の場合には、「移住希望者の頁」は無論のこと、「山梨の田舎暮らし」や「山梨の環境問題」もご覧ください。これらの内容は、巷の書店で売られている田舎暮らしの書籍類や、テレビなどで見られる夢のような場面とは、大いに異なります。 貴方の大切な人生に対して、私の体験が、少しでもお役に立てれば幸いです。 移住や土地家屋の購入を考えている方だけの情報ページです。それ以外の方たちは、美しい情報だけをお楽しみ下さいね。案内板もありますよ。
ご意見などがありましたら、お書き下さい。貴重な参考資料とさせて頂きます。
執筆者 〒404-0003 山梨県東山梨郡牧丘町倉科453−1 古明地 光久 tel 0553-35-3418 ホームページ http://www2s.biglobe.ne.jp/~komeijim/ Eメール komeijim@mxp.mesh.ne.jp |
1999.8.28
平成10年度「県民意識調査報告書」によると、 「あなたやあなたの家族が重い病気になった時、主にどこにある病院に行きますか。」 という質問に対して、山梨県民は次のように答えている。 市町村別に見た場合、居住自治体内の病院へ行く人の割合は、殆どの自治体で30%に満たない。すなわち、70%以上の人が居住自治体内の病院に不安を抱いている。 居住自治体内の病院に満足している自治体は、甲府市、玉穂町、山梨市、そして富士吉田市の4市町のみである。 このアンケート結果は、かなり正確に実状を示している。 小生一家も、牧丘町に接した山梨市の病院へ行く。 牧丘町にも町立病院があるが、なかなか其の気になれない。 風景のよさだけに気を取られていると、とんでもないことになる。 「平成10年度実施 県民意識調査報告書」 山梨県企画県民局 財団法人山梨総合研究所 〒400-0031 山梨県甲府市丸の内一丁目8-11 竹原ビル phone:055-221-1020 facsimile:055-221-1050 http://www.yafo.or.jp 甲府市、玉穂町、そして山梨市について、電話帳に記載されている総合病院を示す。 甲府共立病院:(0552)26−3131、甲府市宝1丁目9−1 国立甲府病院:(0552)53−6131、甲府市天神11−35 市立甲府病院:(0552)33−7101、甲府市幸14−6 山梨県立中央病院:(0552)37−7111、甲府市富士見1−1−1 山梨医科大学医学部付属病院:(0552)73−1111、玉穂町下河東1110 山梨厚生病院:(0553)23−1311、山梨市落合860 加納岩(かのいわ)総合病院:(0553)22−2511、山梨市上神内川1309 |
1999.8.28
道路体系としては、中央道、国道20号線、140号線、及び52号線などを基幹道路として、主要地方道、県道及び市町村道が補完している。 鉄道体系としては、JR中央線、身延(みのぶ)線、小海線、及び富士急行線がある。 今後は、太平洋と日本海とを結ぶ中部横断自動車道や東京から本県を通り、名古屋、大阪を結ぶリニア中央エクスプレスの整備などが予定?されている。 公共交通機関の利用促進: 自動車の増加は、排気ガスによる大気汚染、地球の温暖化、交通事故の増加などの問題を引き起こし、また、公共交通機関の衰退により、高齢者や子供の移動手段が失われつつある。 県では、こうした問題に対処するため、安全でエネルギー効率の良いバス・鉄道などの公共交通機関の利用を推進している。 (1)バス路線再編対策 平成9年3月に、「バス路線再編整備計画」を策定し、県内を6つの地域に区分して、バス事業者、地域住民、行政がそれぞれの役割を果たしながら、各地域ごとにバス路線の維持活性化に努めている。 (2)バス鉄道利用推進運動 毎月1日及び15日を「環境首都・やまなしノーマイカーデー」とし、マイカーの自粛と公共交通機関の利用を呼びかけている。 以上、「平成9年版 やまなしの環境」より抜粋。 体験からの感想: 山梨は、「統計やまなし」に見られるように、可住地面積割合が21.1%と少なく、47都道府県の中で、少ない方から 4番目の県である。この順位から、如何に急峻な山岳地帯であるかが分かるであろう。 また、当地では、バス等の大型輸送手段に頼る事が出来ないため、自家用自動車保有台数(人口千人当たり)が482.8台と、全国比較で6番目に多い。 平地面積の広い東京では、自家用自動車保有台数は、299.3台と全国比較の最下位であり、また、大阪府のそれは、304.3台であり、最下位から二番目である。このような地域では、公共交通機関の機能的構築が可能となる。 急峻な山岳地帯を特徴とする山梨県に於いて、東京や大阪の真似をして、ノーマイカーデーを叫んだり、バス・鉄道などの公共交通機関の利用を推進する事は、現実離れも甚だしく、もしも、それをやるとすれば、莫大な財政負担に喘ぐ事になる。 私は、牧丘町に居住するが、週に2,3回は、塩山市か山梨市にマイカーで買い物に行く。刺激のない田舎に於いては、たかが買い物でも、気分転換の重要な行事なのである。 私の家は塩山から約4キロのところにある。 最寄りのバス停・窪平から、塩山行きのバスの時刻を記してみよう。なお、山梨市行きのバスはない。 07:19(休日運休)、山梨交通バス、330円 08:15、町営バス、100円 10:42、山梨交通バス、330円 13:25(休日運休)、町営バス 15:16、山梨交通バス、330円 17:21、町営バス、100円 18:20、山梨交通バス、330円 さて、このバスに乗ったと仮定しよう。 塩山のバス停から、食料品や日用品を買う店まで、1キロから2キロ近くを歩かなければならない。ショッピングの帰りには、10キロ以上の荷物を持って、また同じ道を、てくてく、と歩かねばならない。この様な理由から、公共交通機関であるバスを利用した事は一度も無い。 多数の人達がアクセスすることを求める場所へ、バス停を設置したら良いのではないかと思うが、現実はそうではない。 公共性より、特定地域の利害が優先するようである。 県の方針に逆らうようで申し訳ないが、せっせせっせと、活力をもって、急峻な山道を往来し、其の都度、たっぷりと排気ガスを排出して大気を汚染し、その結果、自動車産業と石油精製産業に直接的に寄与し、更に、公害病患者を愛する医療産業、そして道路網の拡充を叫ぶ土木建設産業、公害関連産業等の活性化に積極的に協力しちゃいます。 「平成9年版 やまなしの環境」 発行日:平成10年3月 発行:山梨県環境局環境総務課 所在地:甲府市丸の内一丁目6−1 TEL:0552(37)1111 |
1999.09.03
都会における宅地・建物は、多くの法的規制(例えば、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、文化財保護法、宅地造成等規制法など)をクリアしてから造成・建築されます。このことによって、消費者は、例えば、安全面において、あるいは建物の耐久性に於いて、日照時間に於いて保護される事になります。 また、不動産業者側も、遵法精神を持たざるを得ないのです。 しかし、山梨のような急峻の山岳地帯で、そんなことをしていたら、一軒の家も建てられなくなるでしょう。 劣悪な土地環境が普通であるため、都市部におけるような法的規制には無関心となってきます。 また、無関心がまかり通る結果、遵法精神が希薄化し、更に進んで、違法行為の常態化さえ存在するような気がします。 この様な不動産環境に於いて、良質な不動産を安全に取得し、或いは賃借するには、十分な注意と良質な業者を選ばなければなりません。 私は、研究所を辞職後、宅地建物取扱主任者の資格を取得し、実務経験を経てから山梨へ来ました。 不動産等の知識や経験を有する事によって、不安な部分を知る事ができます。これによって、知らない事による不利益、を回避する事が出来るのです。 素人よりは、少しは詳しいと思います。山梨における経験をお話しましょう。 賃貸住宅: 私は、1995年12月、甲府駅近くの某不動産仲介業者を通して、甲府駅の北方約1キロの所に、平屋建て住宅の半分を借りました。山梨に住みながら、じっくりと、住宅メーカー選び、をしたかったからです。 家賃10万、敷金30万、礼金10万、そして仲介手数料10万でした。 約半年後、新築住宅に引っ越しました。 業者側に、敷金の返還を求めましたが、まったく無視されました。 僅か半年の入居で、敷金の全額をネコババする事は出来ないのです。 悪徳業者に対しては、徹底的に闘う事です。 当然の事ながら、その全額を返却させました。 宅地建物取引業法は、”不動産業者は狡猾である”という実態のもとに作られています。そのようにしなければ、消費者保護が出来ないからです。 また、不動産業に限らず、殆ど全ての法律が、人間の”性悪説”から成立っています。 賃貸住宅の場合は、県営住宅が良いと思います。県庁の住宅課等に問い合わせて下さい。 県には県営、市、町にはそれぞれの直営住宅があります。これらを活用する事も良いと思います。 県庁、市役所、町役場は知性の集団です。理屈も法律も通用します。対応も良いと思います。 土地・建物の購入: 土地・建物を購入する場合、特に農村部では注意が必要です。 権利関係が錯綜しています。 土地の登記簿謄本に記されている所有者は、あてにならない事があります。これは、違法ではないのです。我が国の登記簿謄本は、そのようなシステムで作成されています。 自分の足と眼で、真実を確認して下さい。 また、入居してからのことも考えておいて下さい。昔からの農村部に於いては、日本国憲法は存在しないからです。 老爺心からの忠告です。 出来るだけ大規模な新興住宅地が良いでしょう。 例えば、山梨県住宅供給公社の団地があります。 住所、電話等は、次の通りです。 山梨県丸の内二丁目12-6 電話: 0552-37-1653(月−金) ファックス:0552-37-7091 http://www.sannichi-ybs.co.jp/HOUSING/index.html 大手住宅メーカーの住宅展示場も参考になります。 山梨県には、以下の展示場があります。 甲府住宅公園 展示棟数は10棟。最寄り駅は、JR中央本線の甲府。車でのアクセスは、国道20号線から昭和通りに入り、若尾忠男商店の角から300メートル「味の民芸」の並び。 甲府市上石田3−6 0552-22-6692 昭和住宅公園 展示棟数は25棟。最寄り駅は、JR身延線の国母。車でのアクセスは、国道20号線国母交差点より昭和通りに入り、紳士服のアオキの近く。 中巨摩郡昭和町西条130 0552-75-0971 富士吉田住宅公園 展示棟数は6棟。最寄り駅は、富士急行の富士吉田。車でのアクセスは、河口湖インター方面より国道138号線を山中湖方面へ進み、富士見バイパスに入り約2.2キロ。 富士吉田市下吉田2540−1 0555-24-8441 小生は、つくば市の研究所に在職していた時、軽量鉄骨系の大手プレハブ・メーカー、S社の家を建てました。非常に満足していました。 山梨では、同じ系統と思われる、木質系ユニット方式、S社の家を建て、3年が経過しました。断熱性、防音性は充分です。耐震性に優れているそうです。 評価等については、お答えします。 法律相談 : トラブル等で困った時には、法律相談があります。とても良いシステムです。 山梨県庁・県民相談センター (0552−23−1366) |
1999.8.28
平成10年度「県民意識調査報告書」によると、 「お宅では、家電製品・家具・自動車などの耐久消費財を、主にどこにあるお店で購入しますか。」 という質問に対して、山梨県民は次のように答えている。 居住自治体内での買い物に満足している地域は、甲府市と富士吉田市だけである。ここでは、90%以上の住民が、居住地で買い物をしている。50%以上90%未満の地域は、僅か9市町に過ぎない。 牧丘町に居住する小生の場合、家電製品は、甲府市内国道20号線沿いの全国展開の家電店で購入している。この店に限り、品種、価格とも満足できるレベルにある。家具は、甲府駅近くの家具専門店で購入する。また、自動車は、山梨市、塩山市・・・といくらでもある。 残念ながら、居住自治体内で購入したことは、一度も無い。 また、 「お宅で日常の食料品・雑貨品などをいつも購入するお店はどこにありますか。」 という質問に対して、山梨県民は次のように答えている。 小淵沢町、三富村、牧丘町、早川町、小菅村、八田村、若草町、甲西町、豊臣村、三珠町、足和田村、勝山村、鳴沢町、秋山村、道志村では、70%強の住民が他の自治体で購入する、と答えている。 小生は、隣接する山梨市か、同じく塩山市へ行く。 魚介類は、種類も少なく、鮮度にも問題があるので、山梨市の隣の石和町へ行くことがある。 小生の趣味である写真用品、コンピューター関係、化学の専門書などは、山梨では無理なので東京へ行く。新宿は塩山から近いので、気楽に行くことが出来る。 「病院、お買い物、そして、山にも近く、東京にも程々の所」という条件で、塩山市に隣接する牧丘町を選んだ。 ファッション性の高い衣料品や身の回りの品(アクセサリー・バッグ・靴など)は、甲府だけである。 家内は、東京へ行くこともある。小生は、ファッションとは縁遠い。 |
甲斐公開(統計やまなし)
1999.8.28
山梨県企画県民局統計調査課発行の平成十年度「統計から見たやまなし」を参考にしました。 〒400-8501 山梨県甲府市丸の内一丁目6-1 055(237)1111 自然と人口 総面積(ku):4,465.37。47都道府県の32位。全国値は377,846.58である。 可住地面積割合:21.1%。47都道府県の少ない方から4番目で、如何に急峻な山岳地帯であるかが分かる。 日照時間:年間2,303時間で、日本一ながい。一番短い所は、青森県で年間1,484時間。 降水量:年間908ミリで、少ない方から2番目。一番多い所は、石川県で年間2,505ミリ。 総人口:881,996人で少ない方から6番目。 産業と労働 経済成長率:5.1%。全国比較で8位であり、今後が楽しみ。 1人当たり県民所得:3,010千円で、全国平均の3,228千円より少し低い。 県内総生産額:3,100,046百万円で下から9番目。全国値487,884,867百万円の1%以下。 教育と文化 高等学校進学率:98.0%で4位。 大学・短大等進学率:47.0%で14位。 家計と住環境 個人預貯金残高(1世帯当たり):17,372千円で8番目に多い。全国値は14,266千円だからスゴイ。 持ち家比率:69.6%で22位。全国値は59.8%。 コンビニエンスストアー数(人口10万人当たり):32.0店で多い方から10番目。全国値は29.0店。 公共下水道普及率:34%で31位。全国値は56%なので、まだまだキタナイ。 ごみ衛生処理率(ごみ衛生処理量÷ごみ年間総収集量):86.4%と5位。全国値は79.0%。 自家用自動車保有台数(人口千人当たり):482.8台で多い方から6番目。急峻な山岳地帯のため、バス等の大型輸送手段が普及出来ない。 福祉と医療 生活保護被保護人員(月平均人口千人当たり):2.25人で少ない方から5番目。全国値は7.18人。 老人福祉センター数(65才以上人口10万人当たり):29.8所で全国で一番多い。 民生員数(人口10万人当たり):272.8人で多い方から3番目。 ホームヘルパー数(老年人口10万人当たり):301.9人で少ない方から5番目。 病院病床数(人口10万人当たり):914.2床で30位。全国値は1,000.4床。 災害と安全 火災出火件数(人口10万人当たり):67.0件で悪い方の一番。全国値は49.1件。 交通事故発生件数(人口10万人当たり):729.4件で、多い方から4番目。 刑法犯認知件数(人口千人当たり):9.76件で少ない方から11番目。 財政 財政力指数(基準財政収入額÷基準財政需要額):0.379で30位。1位は東京都の1.073である。 |