名古屋市議選の共産党結果と共産党側総括

有権者が選挙結果で示した共産党への審判

 

党中央の結果・総括沈黙→県総括だけへの党首逃亡・惨敗隠蔽

 

(宮地作成)

 〔目次〕

   1、名古屋市議選の共産党結果 (表1、2)

   2選挙結果が示した有権者の選択

      1、全体結果における有権者の審判−既成政党と地域政党との対決 (表3)

      2、共産党への審判−不破社研分派が支配する分派禁止規定政党

      3、4月統一地方選に及ぼす影響度−特殊性と普遍性

   3、党中央としての選挙結果・総括沈黙→県総括への逃亡・惨敗隠蔽手口

      1、党中央としての選挙結果・総括沈黙 (表4)

      2、愛知県委員会総括だけへの党首逃亡・惨敗隠蔽の5情報

        〔欠落情報1〕、得票率−5.12%惨敗結果の隠蔽

        〔欠落情報2〕、得票率10%未満3→11選挙区への共産党崩壊結果の隠蔽

        〔欠落情報3〕、党機関財政1368万円減収とさらなる困窮見通しの隠蔽

        〔欠落情報4〕、志位和夫の方針・演説の誤り、結果責任の隠蔽=党首逃亡

        〔欠落情報5〕、党員の市議選不参加状況・率68.5%以上?の隠蔽 (表5)

 

 〔関連ファイル〕       健一MENUに戻る

     『県知事選・名古屋市長選・名古屋市議会解散住民投票』

        3月13日名古屋市議選結果―3段階目レポート

     中日『名古屋市議選開票結果』16選挙区138人結果

     中日『名古屋の乱』名古屋市議選の選挙結果

     『埋没危機政党公・共の正反対浮上策と有権者審判』

     共産党愛知県常任委員会『名古屋市議選の結果について』11年3月14日

     共産党愛知県常任委員会『07年県議選・名古屋市議選の結果』07年4月9日

     ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年4月、16選挙区別データ

 

 1、名古屋市議選の共産党結果

 

(表1) 共産党07年名古屋市議選結果と11年結果との比較

投票率

立候補

議席

得票数

得票率

備考

07年

39.97

17

8

90824

13.26%

1議席減。緑区2人立候補→1人当選

11年

43.96

16

5

62916

8.14%

16選挙区すべてで立候補

増減

3.99

1

3

27908

5.12%

 

03年9議席07年8議席に減少→11年5議席に連続減少

共産党は、議席・得票数・得票率の3指標とも全面敗北

 

    中日『名古屋市議選開票結果』16選挙区138人結果

    中日新聞・名古屋市議選の開票結果『名古屋の乱』09年10月〜現在

    共産党愛知県委員会『07年県議選・名古屋市議選の結果』07年4月9日

    ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年投票 投票者数69万9136人 16区データも

 

(表2) リコール名古屋市議選16選挙区の共産党結果

当落の数字は、立候補数における順位 07年緑区は2人立候補→11年1人

選挙区

07年結果

11リコール選挙結果

 

定数

当落

得票数

得票率

当落

得票数

増減

得票率

増減

千種区

5

6落選

6234

12.9

7落選

4489

1745

8.1

4.8

東区

2

4落選

1524

6.6

4落選

1365

159

5.4

1.2

北区

6

5当選

8188

14.5

5当選

6148

2040

10.2

4.3

西区

5

5当選

6437

14.5

5当選

4944

1493

9.5

5.0

中村区

5

6落選

4270

10.2

7落選

2466

1804

5.1

5.1

中区

2

3落選

1639

10.7

5落選

1159

480

5.5

5.2

昭和区

4

4当選

4664

14.4

7落選

3823

841

10.7

3.7

瑞穂区

4

5落選

3372

9.8

6落選

2404

968

6.5

3.3

熱田区

2

3落選

3935

18.3

4落選

2973

962

13.3

5.0

中川区

7

6当選

7685

10.8

7落選

5354

2321

6.9

3.9

港区

5

3当選

6089

13.1

5当選

5037

1052

10.5

2.6

南区

5

6落選

5925

11.7

7落選

3772

2153

7.1

4.6

守山区

6

3当選

6755

12.9

7落選

4752

2003

7.8

5.1

緑区

7

5当選

8836

12.6

5当選

5916

2920

7.2

5.4

 

 

8落選

3227

4.6

 

 

 

 

 

名東区

5

6落選

5397

12.1

9落選

2921

2476

5.5

6.6

天白区

5

5当選

6647

15.1

5当選

5394

1253

10.1

5.0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16区計

 

当選8

90824

13.26

当選5

62916

27908

8.14

5.12

市計

75

 

693734

 

 

780606

86872

 

 

昭和区・中川区・守山区の前議員3人落選、16選挙区すべてで得票数・得票率激減

得票率10%未満は、07年3人→11年11人得票率10%以上は5人のみ

07年投票率39.97%→11年投票率43.96%

 

    ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年4月

    中日『名古屋市議選開票結果』16選挙区138人結果

 

 

 2選挙結果が示した有権者の選択

 

 〔小目次〕

   1、全体結果における有権者の審判−既成政党と地域政党との対決

   2、共産党への審判−不破社研分派が支配する分派禁止規定政党

   3、4月統一地方選に及ぼす影響度−特殊性と普遍性

 

 1、全体結果における有権者の審判−既成政党と地域政党との対決

 

 16選挙区別の4既成政党と減税日本・他の当選者数・得票数・得票率を較べる。そのデータは何を示すか。名古屋市議選の特殊性とともに、そこにある普遍性=将来展望を検証する必要がある。

 

(表3) 16選挙区別の4既成政党と減税日本・他の結果との比較

 

定数

得票率

減税日本

得票率

みんな

無所属

16区計

75

 

27

11

23

19

14

12

8

5

72

47

 

62.7

1

28

 

37.3

0

0

0

0

増減率

 

59.2

17.3

14.2

37.5

48.6

 

 

 

 

 

増減率は07年議席数との比較% 社民党は07年当選1→11年立候補0

 

    中日『名古屋市議選開票結果』16選挙区138人結果

    ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年投票 投票者数69万9136人 16区データも

 

 名古屋市議選の性質は、既成政党と地域政党との対決だった。有権者の審判は、市長提案を5回とも全面否決した4既成政党とも、議席・得票数・得票率で全面敗北させた。地域政党を躍進させた。ただし、減税日本過半数にさせないというバランス感覚を見せた。

 

 埋没危機政党公・共は、選挙にあたって、正反対の対応をした。有権者は、2党にたいし、どのような審判を与えたか。公明党の当選順位は高かった。事前の2議席落選戦術→立候補12人全員を当選させた。共産党の当選順位はほぼ最下位だった。そして、共産党は、民主党に次ぐ議席減少率37.5%になった。有権者は、選挙結果で正反対の審判を下した。

 

    『埋没危機政党公・共の正反対浮上策と有権者審判』

    『県知事選・名古屋市長選・名古屋市議会解散住民投票』

      3月13日名古屋市議選開票結果―3段階目レポート

      民主党27→11議席に大惨敗、共産党8→5議席で全面敗北

 

 2、共産党への審判−不破社研分派が支配する分派禁止規定政党

 

 共産党にたいする有権者の審判結果は厳しかった。議席−3・得票数−27908・得票率−5.12%全面惨敗をさせた。その要因として2つが考えられる。

 

 〔要因1〕、市議選3争点にたいする共産党政策・居丈高な姿勢への批判・嫌悪

 

 争点1の報酬800万円半減・争点2の恒久10%減税にたいし、既成政党共産党は、5回とも全面否決をした。争点3の河村市長手法にたいし、もっとも激しく批判してきた。河村市長手法にたいし、独裁・暴走レッテルを貼り付け、それを止める政党・チェックできる唯一の政党と大宣伝してきた。

 

 名古屋市議会解散住民投票リコール成立も、その姿勢を変えなかった。他3既成政党が河村市長批判を手控えた後も、その宣伝を続けた。とくに、志位和夫が、告示後の3月7日、応援演説において、河村市長批判をエスカレートさせた。彼は、候補者16人のアンケートに反し、争点1の報酬800万円半減に沈黙し、争点2の恒久10%減税を全面反対した。争点3河村市長手法批判を強化し、河村市長批判票の受け皿戦術政党を剥き出しにした。

 

 名古屋の有権者は、共産党が報酬1630万円を絶対必要だとし、市議選3争点にたいする共産党政策・居丈高な姿勢批判を持った。むしろ、共産党にたいする嫌悪感を抱いた。

 

 〔要因2〕、不破社研分派が支配する分派禁止規定政党=党内犯罪システム政党体質への認識の広がり

 

 名古屋の有権者にたいし、共産党の選挙活動・政策宣伝はどのような印象を与えたか。日本共産党は、名古屋市においても、選挙13連敗政党である。それは、共産党体質にたいする有権者の否定的認識が広がっている事実を反映している。

 

 共産党とは、どのような政党なのかがはっきりしてきた。志位共産党とは、不破社研分派が支配する分派禁止規定政党=党内民主主義を抑圧する党内犯罪システム政党ではないのか。

 

    『不破哲三こと81歳上田建二郎の策謀』不破社研分派支配の分派禁止規定政党

 

 3、4月統一地方選に及ぼす影響度−特殊性と普遍性

 

 この名古屋市議選結果が、4月10日前半戦・24日後半戦の統一地方選にどのような影響を与えるのか。4既成政党地域政党との対決は、閉塞した日本の政治・政党関係にたいし何をもたらすのか。

 

 たしかに、今回の名古屋市議選には、特殊性が高い(1)河村市長による2争点の5回提案(2)4既成政党による5回とも全面否決(3)市長主導による市議会解散リコール運動(4)リコール否決(5)異議申し立て運動によるリコール成立(6)市長選挙・知事選挙でのリコール運動側の圧勝(7)リコール名古屋市議選における4既成政党の惨敗と減税日本28人当選という経緯は、今までにない特殊な性質を持っていた。

 

 しかし、全国の有権者における共産党を含む4既成政党にたいする不信と怒りは、高まっている。それは、普遍性を持って、4月統一地方選の投票行動で再度発揮される。

 

 

 3、党中央としての選挙結果・総括沈黙→県総括だけへの逃亡・惨敗隠蔽

 

 〔小目次〕

   1、党中央としての選挙結果・総括沈黙 (表4)

   2、愛知県委員会総括だけへの党首逃亡・惨敗隠蔽

 

 1、党中央としての選挙結果・総括沈黙 (表4)

 

 日本共産党中央委員会は、選挙結果・総括を発表したのか。「しんぶん赤旗」は、「共産党5議席」とし、当選者の名前・得票数と他政党の議席数だけを、3月15日の4面・下の方に載せた。しかし、評価や総括に沈黙している。

 

 共産党は、()「しんぶん赤旗」で、選挙から、河村市長批判キャンペーン何度も繰り返してきた。()市議会でも、共産党議員たちは、河村市長手法にたいし、「独裁」「暴走食い止め」と攻撃し、「チェックできる唯一の政党」と売り込んできた。()これらは、当然、党中央の直接指令に基づく言動だった。

 

 ()さらに、志位和夫は、3月7日応援演説において、共産党議員アンケート内容も否定した。彼は、争点1の報酬800万円半減に沈黙した。争点2の恒久10%減税を全面否定した。争点3の河村市長手法批判を一段とエスカレートさせた。

 

    赤旗『共産党が批判、市長いいなり議会を狙う』河村市長批判キャンペーン何回も

    赤旗『志位和夫応援演説―市長いいなりでなく、減税も全面否定』河村市長批判、3月7日

 

 ()この演説は、上意下達政党の党首指令だった。候補者16人全員が3月8日以降志位大転換命令に服従し、金太郎飴に変身させられた。全員が、志位演説言語のテープレコーダーになりきった宣伝をした。

 

(表4) しんぶん赤旗記事=3月4日告示日以降の党中央指令

月日

掲載紙面

段数

記事見出し

35

14

4段抜き

河村市長の暴走止める。全国に訴え

6

1

5段抜き

市田書記局長が訴え―街頭演説

7

15

4段抜き

対話の大波、勝利必ず

8

14

511段抜き

志位委員長10ヵ所で応援。志位委員長の応援演説内容

9

13

5段抜き

志位訴えに反響

10

13

6段抜き

医療守るのは共産党だけ

11

413

6段抜き

名古屋市議選投票まであと2日。市長いいなりはだめ

12

7

97段抜き

共産党16候補者総力。「減税」の正体は大負担増

13

13

11段抜き

(投票日)−市民のために頑張ってくれる党

 

 

 

 

14

2

3段抜き

(下の方)−名古屋市議4氏が当選−名前のみ

15

4

5段抜き

(下の方)−名古屋市議共産党5議席名前・得票数のみ 他政党−当選数のみ

16

16以降〜現在まで、記事、評価、総括は一切なし

3月15日、県常任委員会は、赤旗日刊紙の愛知県読者だけに、「名古屋市議選の

結果について」のHP同一内容文をA4版チラシで折込配布―他県読者には配布なし

 

 志位共産党は、選挙から、何度もの全国的な河村市長批判キャンペーンを繰り広げてきた。さらに、志位による争点転換指令があったからには、選挙3指標惨敗は、全面的に党中央に結果責任がある。愛知県委員会とは、官僚主義的中央集権制組織における中間機関にすぎない。全国注目の選挙において、県独自の政策・戦術決定権など存在しない。

 

 それにたいし、名古屋の有権者は、共産党議席−3・得票数−27908・得票率−5.12%全面惨敗をさせた。それだけでなく、得票率10%未満選挙区を、07年→11年11に激増=惨敗させた。この審判結果にたいし、党中央と志位和夫には、惨敗データをいさぎよく認め、4指標全面敗北の総括をする結果責任がある。しかし、党中央「しんぶん赤旗」は、選挙後から現在まで、名古屋市議選の当選者5名・得票数という3月15日の4面記事だけで、総括記事も一切載せないで、沈黙している。

 

 さらに不可思議なことに、共産党HPにいたると、あにはからんや、3月14日以降、現在まで、一度も、名古屋市議選結果データや総括を載せていない。「しんぶん赤旗」の当選者名・得票数記事だけどころか、共産党HPは、名古屋市議選結果そのものに完全沈黙をしている。一体、これはどういうことか。

 

 沈黙の性質は何か。共産党にとって、都合が悪い事項や結果にたいし、沈黙戦略逃亡するのは、志位・市田・不破ら党内犯罪システム政党独裁者3人の常套手段ではある。彼らの沈黙目的は、誤った選挙戦略・戦術にたいする党内外による追及から責任逃れをすることである。その根底には、彼ら3人が隠し持つ異様なまでの自己保身人間性がある。

 

 ただ、完全沈黙ではやはりまずい。「しんぶん赤旗」や共産党HPでは沈黙するが、愛知県委員会に県HPで結果と総括を載せさせる。県という中間機関に責任転嫁をし、3人は逃亡するのが、自己保身者にとって上策である。愛知県委員会HPなど、わざわざ検索しないと、党内外の誰の目にも触れない。それらによって、志位和夫も、党首としての結果責任から見事に逃れることができる。

 

    共産党愛知県常任委員会『名古屋市議選の結果について』11年3月14日

 

 惨敗原因としては、いつもの13連続惨敗選挙のように、外部要因下部機関の欠陥・誤り要因という2つとする。2つに惨敗の責任転嫁をしておけば、党中央と最終政策決定権者の志位・市田・不破ら3人の党内地位は永遠に安泰である。

 

 ()、外部要因−「既成政党対地域政党」「前職対新人」というニセの「対決構図」によるマスコミの大キャンペーン

 ()、下部機関要因−愛知県常任委員会と名古屋市内5地区機関による指導の欠陥と誤り。党中央や志位委員長の方針・指導は正しかった。しかし、中間機関の選挙指導・活動に重大な欠陥があった。

 

 2、愛知県委員会総括だけへの党首逃亡・惨敗隠蔽の5情報

 

 志位和夫は、名古屋市議選のあまりにもの全面惨敗にうろたえた3月7日の応援演説で、志位指令を出したことも引き金になって、名古屋の有権者が、志位共産党に反発し、共産党議席−3・得票数−27908・得票率−5.12%という3指標とも全面惨敗をさせたからである。どうしたら、この結果責任から逃げることができるのか

 

 結果責任を免れる唯一の手口は、沈黙しかない。ただし、愛知県常任委員会という下部機関に責任転嫁をし、党首は何の指令も出さなかったとする。愛知県常任委員会だけが自己批判をすればよいとした。もちろん、県総括を志位・市田と党中央選対局長大幡基夫が執筆し、愛知県委員会HPそのまま載せさせた

 

 党中央執筆文という推測根拠は2つある。(1)投票日翌日14日文面を読めば、いつもの国政選挙総括文やスタイルとまったく同じだからである。(2)惨敗評価の日本語として、志位常用語の「残念な結果となりました」を使っている。志位和夫は、選挙13連続惨敗結果にたいし、敗北・惨敗という日本語を使ったことがない。その党首逃亡記事が次である。全文は、リンクにある。

 

    共産党愛知県常任委員会『名古屋市議選の結果について』11年3月14日

 

 一、十三日投開票が行われた名古屋市議会議員選挙は、民主党政権に対する国民的な批判が高まり、古い政治の枠組みの基礎が崩れつつある中、「既成政党対地域政党」「前職対新人」というニセの「対決構図」によるマスコミの大キャンペーンが行われ、日本共産党を有権者の選択肢から外す攻撃が吹き荒れる中での選挙でした。

 

 こうした状況で、日本共産党は十六人の候補者を立ててたたかいました。選挙の結果は、西区、天白区、港区の現職三人と北区、緑区の新旧交代二人の五議席を確保しましたが、昭和区、守山区、中川区で現職を落選させ、現有八議席には届かないという残念な結果となりました。得票は、前回いっせい地方選からは二万七千九百八票減らしましたが、選挙の出発点である前回参院選比例票と比べ九百七十三票増やし、六万二千九百十六票(得票率八・一七%)の支持を得ることができました。

 

 〔小目次〕

   〔欠落情報1〕、得票率−5.12%惨敗結果の隠蔽

   〔欠落情報2〕、得票率10%未満3→11選挙区への共産党崩壊結果の隠蔽

   〔欠落情報3〕、党機関財政1368万円減収とさらなる困窮見通しの隠蔽

   〔欠落情報4〕、志位和夫の方針・演説の誤り、結果責任の隠蔽=党首逃亡

   〔欠落情報5〕、党員の市議選不参加状況・率68.5%以上?の隠蔽 (表5)

 

 ただ、党中央執筆作文には、さまざまな欠落・隠蔽情報がある。現在まで、追加情報発信がないので、欠落・隠蔽したままである。正確な情報を欠落させ、意図的に隠蔽したままで、有権者・支部・党員を納得させられると思っているのか。

 

 〔欠落情報1〕得票率−5.12%惨敗結果の隠蔽

 

 共産党愛知県常任委員会=党中央は、議席−3・得票数−27908を認めた。しかし、得票率−5.12%を書くと全面惨敗結果を認めることになる。(得票率八・一七%)の支持だけを書けば、全面敗北ではないとの口実になる。支部・党員騙しがまだ可能になる。

 

 〔欠落情報2〕得票率10%未満3→11選挙区への共産党崩壊結果の隠蔽

 

 得票率−5.12%を書かない理由はもう一つある。07年得票率10%未満選挙区3つだった。11年では、11選挙区に激増した。10%以上は5選挙区・31%しかない。このデータは、日本共産党の衰弱死過程がさらにテンポアップした事実を証明した。共産党は選挙面から見ても、崩壊しつつある。

 

 それは、総選挙における10%以上選挙区激減経過からも判明している。総選挙の得票率10%以上小選挙区数は、96年1901626552→09年28へと激減経過を辿っている。次期総選挙では、その数値がさらに減ると予想される。

 

    『日本共産党の総選挙結果5回分データ分析』

    MF生作成表『総選挙小選挙区−共産党の成績』小選挙区結果沈黙・隠蔽

 

 〔欠落情報3〕党機関財政1368万円減収とさらなる困窮見通しの隠蔽

 

 共産党は、03年9→07年8→11年5議席へと2連続惨敗をした。−3議席とは、党財政面に何をもたらすのか。共産党名古屋市議は、党中央・県の決定・指令によって、党機関財政救済目的による報酬からの寄付を強制されてきた。毎年1630万円報酬から、県・地区機関にたいし、中川区の江上議員のように、一人当り毎年456万3124円寄付を納入していた。

 

    『共産党名古屋市議江上博之の1630万円の使い道』

 

 県・地区機関にとって、−3議席×456万3124円寄付=毎年−1368万9372円の減収になった。ところが、名古屋市議選結果の議会内勢力関係から見て、時期や条件付になっても、報酬800万円半減が可決される可能性が高い。成立すれば、選挙前8議席×456万3124円寄付=毎年−3650万4992円という党機関財政破綻をひき起す恐怖の減収になってしまう。

 

 〔欠落情報4〕志位和夫の方針・演説の誤り、結果責任の隠蔽=党首逃亡

 

 名古屋市議選の3争点にたいする党中央・志位和夫の方針・応援演説は、名古屋の有権者の意向無視・蔑視したものだった。名古屋の共産党市議団8人は、党中央指令に基づいて、河村市長提案を最初から全面否定し、5回とも否決した。河村市長手法を、4既成政党中、民主党以上にもっとも激しく糾弾した。「しんぶん赤旗」キャンペーンに服従し、「独裁」「暴走」レッテルを貼りまくった。

 

 名古屋市議会解散リコール運動にたいしても、党中央指令に基づいて、最初から反対した。それらは、名古屋有権者の神経を逆なでするものになっていた。3月7日の志位和夫演説は、河村市長とリコール運動にもっとも激しく対決した内容だった。志位演説言語のテープレコーダーに変身させられた候補者16人は、有権者のひんしゅくをかった。それが、有権者による選挙全面惨敗審判になった。

 

 党中央と志位和夫は、その誤りを一切認めないで、惨敗の結果責任から逃亡した。このような結果責任総括を放棄し、自己保身逃亡の党首をトップにいただく政党とは何なのか。このレベルの党首党費納入を続ける党員とは、政党の党員と言えるのか。

 

    赤旗『志位和夫応援演説―市長いいなりでなく、減税も全面否定』河村市長批判、3月7日

    赤旗『共産党が批判、市長いいなり議会を狙う』河村市長批判キャンペーン何回も

 

 〔欠落情報5〕党員の市議選不参加状況・率68.5%以上?の隠蔽

 

 名古屋市内の支部・党員という有権者たちは、河村市長提案をどう受け止めたか。多くの有権者と同じく、報酬1630万円にあくらを書く4既成政党と共産党議員8人を含む議員73人強烈な不信と怒りを抱いたのではないか。

 

 共産党員市内有権者たちは、代々木発指令の「独裁」「暴走」レッテルにたいし、賛同しなかった。なぜ、共産党議員8人が報酬1630万円を絶対的に必要とするのかについて、愛知県委員会と5地区の専従たちは説明もしなかった。共産党員有権者たちは、志位指令反発し、名古屋市議会解散リコール運動にかなりが賛成した。志位演説・指令によって、金太郎飴に変身させられた候補者16人との違和感が底辺で広がった。

 

 彼ら共産党員は、どの選挙にも増して、名古屋市議選における共産党候補者16人の選挙活動に参加したり、支援する意欲が出なかった読者や従来の支持者に共産党への投票を訴えても、その反応は冷たかった。票よみに動けば動くほど、出足は鈍った。名古屋市内の支部・党員の市議選サボタージュ=不参加状況・率が増大した。これも、共産党の議席・得票数・得票率での全面惨敗の原因になっている。しかし、志位和夫は、正確な総括という結果責任からの逃亡党首として、この情報も隠蔽している。

 

    『支部活動部分停止→全面停止→解党行動の広がり』末端から党崩壊・解党の進行

    『選挙で動く党員と反発サボタージュする党員』統一地方選活動の拒否・不参加

 

 選挙活動不参加党員データは一つしかない。志位和夫は、09年9中総において、総選挙活動に参加した党員%を発表した。そのデータから、何が判明するか。それは、共産党内部崩壊テンポアップを示している。ただ、参加党員%と不参加・サボタージュ党員%は、(1)06年第24回大会公表党員数と(2)08年度政治資金報告で判明した党費納入党員数の2つを基準として検証する。

 

(表5) 総選挙活動参加、不参加・サボタージュ党員

 

 

総選挙活動参加・

不参加党員

志位報告の

参加党員

選挙本番中、日々の活動参加党員20%06年第24回大会公表党員404299人×20%≒80859人最終日の活動参加党員30%・121289人

 

不参加・サボタージュ党員

選挙本番中、日々の活動不参加・サボタージュ80%。最終日の活動不参加70%

(1)公表党員404299人×80%≒323439人が選挙活動サボタージュ

(2)党費納入党員257402−参加党員80859≒党費納入党員中68.5%・176543人が本番中日々の選挙活動不参加・サボタージュ

 

 不参加党員とは、選挙活動サボタージュ、および、党勢拡大サボタージュ党員とほぼ同じである。11年名古屋市議選における共産党の3指標全面惨敗結果から見て、09年総選挙における本番中、日々の選挙活動不参加・サボタージュ比率68.5%よりも、名古屋市内党費納入党員不参加比率の方が高かったのではないか。ただ、志位和夫は、その不参加情報欠落・隠蔽させている。

 

 日本共産党とは、ソ連・東欧10カ国においていっせい崩壊した前衛党同質で、最高度の情報閉鎖・隠蔽政党である。それは、レーニンが創作したDemocratic Centralism+分派禁止規定という党内犯罪システムを堅持する反民主主義政党だからである。イタリア共産党・フランス共産党のように、レーニンの根本的な誤り・ウソ詭弁・数十万人大量殺人犯罪を認め、マルクス・レーニン主義全面放棄宣言をしない限り、今後も、あらゆる事項・側面で、日本共産党による情報閉鎖・隠蔽という党内外犯罪は続く。

 

    リチャード・パイプス『共産主義が見た夢』振り返って−マルクス主義の誤謬

        イタリア共産党・フランス共産党による全面放棄宣言

 

 ただ、政令都市名古屋の有権者中、大量の27908人が共産党を見限ったとはいえ、得票率8.14%の有権者62916人が日本共産党に投票した。この現実をどう考えたらいいのか。彼らの日本共産党認識はどうなっているのか。日本共産党とは、不破哲三こと81歳上田建二郎の不破社研分派が支配する党内犯罪システム政党でなく、民主的政策を発信する民主的政党だと錯覚し続けるのだろうか。結果責任をとらない逃亡党首政党にたいし、なお投票を続けるのか。4月統一地方選において、有権者による全国的な審判が出る。

 

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