洞窟風呂
本日は、ミーハー(死語?)に決めて、最近流行の黒川温泉へ
ご存知の方も多いと思うが、
ここの温泉郷は、入湯手形を購入すれば、24軒の露天風呂のうち 3軒を選んで入ることができるのだ。
個性的な露天風呂が並ぶ中で、お勧めしておきたいのが、「新明館」である。 洞窟風呂は、本当に探検気分が味わえる、野性味あふれる温泉です。 真っ暗な洞窟の中へ、ほのかな明かりを頼りに入る。 目が慣れてくると、この洞窟の奥はどうなっているんだろう? と、まさに探検隊気分なのだ。
この黒川温泉で感心するのは、これだけ観光客が訪れている温泉地なのに、混浴を守りつづけている(?)宿が多いことと、入っている人も変にバスタオルを巻いたりして、恥ずかしがったりしていないことだ。(たまたま、今日はそういう人が多かったのかな)
相手に気にされると、こちらも妙に気を使ってしまう。 若い女性が、人目をあまり気にせず 「あっけらかん」 として混浴の露天風呂に入っている風景を見ると、なんだか 「ほのぼの」 した雰囲気に、なるんですね。
また、運良く(?)どこの露天風呂も空いていたので、のんびりと入ることができた。
ないなぁ・・・
時間が余ったので、次なる目的地 「押戸石」 へ
ここから見る、見渡す限りの原野を一目見たかったのだ。
このほんのちょっと、寄ってみるか が 大きな間違いだった。
「ほんのちょっと」 では、なく 「かなりすごい」 寄り道になるとは、このときは知る由も無い。
最初は、地図を見たとき 国道212号線沿いにあるかと思って 車を走らせていた。
「ここをまっすぐ行くと、中津江村だ!」 などと、のんびり気分であった。
しばらくして、
「この辺りだよなぁ」 「ないなぁ」
「あれ?」 「これって、国道沿いじゃなくて、そのわき道沿いにあるんじゃない?」 と、妻
「この脇道って、すごい前に分かれているよ!」
「げげっ!」
ということで、Uターンして脇道より 再度 挑戦!
こっ、こっち?
地図には、載っているくせに案内板がない!
「あった!」
単行本を3冊並べたほどの、小さな看板に、手書きで 「←押戸石」 とあった。
さらにすすむと、細いわき道に 「押戸石→」 とある。 「まじっすか・・・」
人家の脇を抜けると、道はさらにさらに細くなっていき、 完全に人気の無い山道に・・・
「こんなところじゃあ、すれ違うこともできないよなぁ」
と、思っていると
来るのである。
「来たー」
「どうやって、すれ違うんだよ!」
泣きながら、極細山道を バックで 50mほど戻り、ちょっと道幅が広いところで、何とかすれ違う。
その昔、紀伊半島の、これまた人気の無い山奥の道で、ご丁寧に道を譲ったことがある。 晩秋のころで、路肩の側溝にたまった落ち葉にだまされ、見事に脱輪したことがあった。
「がたっ!」 と、脱輪すれば、「やっちまった」 と分かるのだが、落ち葉のクッションでしばらく気づかす、道を譲った相手が走り去った後に、おもむろにギアをローに入れると、「ずぶずぶずぶ・・」 と 車が傾いていく。
「側溝チェック!」
今回は、同じミスは、しないのだ。 しかも、新緑の季節、落ち葉は無い。
「しかし、いつになったら着くんだろう・・・」
コンクリート
山奥の道を走っているときに、ひとつ危険信号の目安となるものがある。 それは、道が 「アスファルト舗装」 から 「コンクリート舗装」 に変わるときである。 重機が入れなくなったサインなのだ。
そのとき、くそ狭い道が、ふっと広くなり駐車スペースが現れた。
「着いたかな・・・」
右脇を見る。
「←押戸石」の看板
左を見る。
コンクリート舗装の さらに細い道・・・
「バタン・・・」
車を降りる。
コンクリート舗装の先を、ちょっと、のぞいてみる。
枝の生い茂った、さらに頼りなさそうな道が続く・・・
「・・・・・・・」
ええいっ!
大丈夫!(だろう・・) 行ってしまえ! 車に乗り込み GO!
コンクリートのでこぼこ道を ゴトゴトと200mほど登っていくと、T字路があり
ついにやってきました。
「え? なにがって?」
未舗装の道 「ダート」 って やつですよ!
「道は、間違ってませんよ!」 と、言わんばかりに 「押戸石→」 の看板も
ついに、終に
昔話ばかりで恐縮なのだが、四国の剣山林道(全工程70km超)を無謀にも、愛車のレガシィで走破したことを思い出した。
あの距離に比べれば、ダート距離としては、100分の1ぐらいだし、ごつごつの石は少ないし、現在の愛車は、レガシィより車高の高いランカスターなので、ぜんぜん楽なのだが、久しぶりの緊張感である。(ノーマルタイヤじゃつらいねぇ・・)
そして、雨で浸食された路肩を避けながら、ゴトリ ゴトリ とすすむと、突然広い原っぱに到着。
いいかげん、これ以上行くのは、やばそうだな と、思っていると 前方より、おばちゃんの乗った軽トラックが、さっそうと現れ、走り去っていった。
おそるべし、ジモピー(地元の人間) 恐るべし、四駆軽トラ
さすがに重量のある車は、やばいと思い、ここから歩くことに
(「Uターンできる場所が、無かったら しゃれにならねぇからな・・」)
あのピークまで行って、(押戸石が)見えなかったら帰ろうと、決め 進む。
太陽が 「そろそろ沈もうかな」 と 準備を始め、若干薄暗くなってくる。
息子は、すやすやと妻の腕の中で寝ている。
(「なんだか、一家心中でも しに来た親子のようだな」と思いながら歩く。)
「・・・・・」
歩くこと15分、 ついに見えました。 感動のゴールなのだ。 「あれが、押戸石・・・」 確かに周りの景色は、幻想的でさえありました(夕暮れ間近であったため)。
このとき、理解したのです。 ガイドブック(地図)に、ここが詳しく載ってない訳が。 簡単に行こうと決められちゃぁ困るのだ。
さあ帰ろう、温泉が、ビールがわしらを待っている。
(つづく・・・)
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