減数分裂の観察(生物の授業です)
体細胞分裂は結構簡単に見ることが出来るのですが、減数分裂はいつも授業で説明した頃には観察するのによい植物がいなくなっています。固定しておけばいいのですが、ちょっと面倒なので結局やらずに終わっていました。しかし、3年生の段階で生物があり、2年生の段階で減数分裂が終わっているので季節がいいときに減数分裂を見てしまおうと考えました。
減数分裂の観察方法について
減数分裂を見るには一般にネギボウズやムラサキツユクサがよく使われます。この写真はその蕾をスライドガラスの上に置いた状態です。
スライドガラスの上に置いた蕾を、ピンセットと柄付き針を使ってばらし、中から葯を取り出します。写真では、蕾の残骸の横に黄色ぽい葯が見えます。
蕾の残骸はいらないので、捨てます。そして、カバーガラスをかけて上から親指で強く押しつぶします。その後、カバーガラスを取り外します。
前の作業で、スライドガラスの上とカバーガラスに潰されて中身が出てきた葯があるので、これに酢酸オルセインを滴下して染色をします。
5分ほど経ったら、カバーガラスを再びかけて、余分な染色液をろ紙で吸い取ります。
その後、カバーガラスの上に再びろ紙を載せて、ろ紙の上から親指で思いっきり押しつぶします。
これで完成。150倍で観察しながら、よいものがあったら600倍で観察します。
観察結果など
各画像をクリックするとLight Boxで大きな写真が現れます。
減数分裂を見るには一般にネギボウズがよく使われます。まだ全体が皮に包まれている状態が良いそうです。ここでは、その皮をめくって写真を撮っています。
ムラサキツユクサが手に入らなかったので、同じユキノシタの仲間のブライダルベールを利用しました。これは、近くの園芸店にて大売り出しをしていたのであるかな?と思って見に行ったらあったのでつい買ってしまいました。
ブライダルベールの蕾をスライドガラスに載せて柄付きバリで分解して中から葯を取り出します。その後、カバーガラスをかけて潰した後に酢酸オルセイン溶液を加えて染色し、5分後くらいに再びカバーガラスをかけて再び潰し、検鏡しました。
ブライダルベールの蕾(やや大きめ)を潰し、検鏡しました。するともう減数分裂は終了していました。そして、花粉の状態が観察されました。なかなか難しいものです。
これはネギボウズを使ったものです。葯を取り出しますが、全部同じ色なのでよく分かりませんでしたが、実体顕微鏡で見るとよく分かりました。検鏡したところ、減数分裂の第2分裂の中期の状態の細胞がたくさん見られました。2つの細胞になり、染色体が分かります。
これはムラサキツユクサを使ったものです。中間テスト中少し時間があったので、作ってみました。すると、減数分裂第一分裂前期〜中期にかけてのような細胞が見られました(150倍)。
これはムラサキツユクサを使ったものです。中間テスト中少し時間があったので、作ってみました。すると、減数分裂第一分裂前期〜中期にかけてのような細胞が見られました(600倍)。
これはムラサキツユクサを使ったものです。減数分裂第2分裂後期にあたるような細胞が見られました(600倍)。
これはムラサキツユクサを使ったものです。減数分裂が終了して、花粉四分子になっている状態です。(600倍)。
減数分裂の観察ではいかにそれぞれの段階になっている蕾を探すかが成功の秘訣ですが、すべて直感です。小さいと見えない、大きいと花粉になっている。また、ブライダルベールでも午後にやったときは何も見れなかったのが、午前中にやったらよく見えました。ということは、午前中に分裂しているということなのか。ということで、なかなか難しいです。