カエルの発生の様子です。高校時代に生物で学習したと思いますが、なかなか分かりにくいことは確かです。顕微鏡で撮影するには大きすぎて、また学校にはプラスチックに封入したものしかないので、撮影できませんでした。そこで、大学時代に作った原腸胚(昔はのう胚と言っていた)と尾芽胚の時期の切片があったので、それを撮影しています。
なお、模式図は花子9で描画し、花子上でイメージに変え、デジパレで修正したものです。
受精卵の植物極側を見ると、卵黄がたくさんあり、白くなっています。このように卵黄が多くて偏って存在する卵を端黄卵といいます。2回の卵割はともに経割です(ウニの発生を参照)。
8細胞から胞胚までの様子です。ウニでは第3卵割は赤道面に沿って行われましたが(ウニの発生参照)、カエルではやや動物極側に偏って卵割します。よって、大きさの異なる割球になります。桑実胚も植物極側の細胞が大きい状態です。胞胚では卵割腔ができますが、動物極側に偏ってできます。
原腸胚では陥入が起こることが特徴です。ただ、ウニと違って植物極側に大量の卵黄が存在するため陥入できません。よって原口はやや赤道面付近に近くできます。最終的に3つの胚葉ができあがります。このその1からその6までを連続したものが下の方にありますので、陥入の様子を感じてみて下さい。
原腸胚の後にカエルでは神経胚という時期になります。この時期には外胚葉から神経管ができるとともに、中胚葉からは脊索・体節・側板といった構造ができてきます。また内胚葉からは腸管ができます。神経胚その1とその2は胚を背中側から見たものです。また断面は背中とおなかを通る面で切断したものです。
神経胚からは今度は尾芽胚という時期になります。この時期は体の後ろの方に尾の芽つまり尾芽ができる時期です。この時期には各胚葉から様々な器官ができていきます。外見を見ると、頭の方には眼ができかかり、また、口も開き始めます。ちなみにウニと同様に原口は肛門になります。
授業をやっているといつも生徒たちがつまずくのがこの原腸胚の陥入です。黒板に図を描いていってもなかなかそのイメージが沸きません。ということで、原腸胚その1からその6までをちょっと連続してみてみましょう。