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氷河期について

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 今から約200万年前の新生代第4紀更新世前期から、約1万年前の完新世初期までの間に、少なくとも4回の氷期があり、それ以前の2回の氷期を加えて北半球では合わせて6回の氷期があったと言われています。それぞれの氷期の間には比較的気候の穏やかな間氷期がありました。
 これらの氷期がやってくる以前の北半球の地域は気候は温暖で、落葉広葉樹林におおわれていたと言われています。しかし、氷河期の訪れによって絶滅したり、あるいは南へと移動したと言われています。
 現在は北半球では氷河が見られますが、これらは陸地の10%をおおっているに過ぎません。ところが最後の氷河期には全陸地の27%が氷河におおわれていたと言われています。日本ではヴュルム氷期の終わり頃(今から1万年ほど前)には、雪線の高さが今よりおよそ1000メートル低く、北海道の日高山脈や東北地方の高山、北アルプスには氷河があったと推定されています。これらの氷河の存在は、氷河の浸食作用によって形成されたと考えられるU字谷の頭部にカール(圏谷)があることなどで分かります。
 氷河期には、海面は大幅に低下しました。地球の寒冷化によって氷が溶けず、川となって海に流れ込む水の量が減少したためです。その結果海底の一部は海上に姿を現し陸地化したと考えられます。ヴュルム氷期には海面が140mも低下したと言われています。そのため、日本は朝鮮半島やサハリンと陸続きになって多くの動植物が日本にやってきました。現在のベーリング海峡もヴュルム氷期には陸地化して、アジア大陸と北米大陸が陸続きになっていました(ベーリング陸橋)。後氷河期になると日本列島は日本海によって完全にアジア大陸から隔離されてしまい、日本特有の生物が分化したりしました。

(参考文献 日本の高山植物(山と渓谷社))