政治、政府のことを話題にしたくないが、最近の政府はちょっとおかしいと思う。老婆心ながらちょっと愚痴ってみよう。
子育てに支援に6兆円、エコポイント、太陽発電に補助金、電気の買い取り責任を電力会社に結果電気代が上がる。環境税の増設。CO2の削減25%、50年後100年後の心配事に今やらなければ世界が終わりという風潮を作って。
人には尊厳がある。人からお金を恵んで貰って子供を育てたり、車を買ったり、大型電気冷蔵庫を買って喜ぶ人は極少ないと思う。大抵の人は生活保護なんかはよほど困らないと受けたくない。自分の稼ぎで生活したいというのが普通ではないでしょうか?それを恵んであげて、喜ぶと思っている思い上がりを感じる。自分で出来ることは極力自分でやりたい。これが人間の持っている尊厳ではないかと思う。
今やらなければいけないことは何か?全く考えていないように思う。第三者的で具体性のない首相の所信表明。国会中継を見いてちょっと怖い気がした。民主党の発言には全員(多数派)がこぞって賛成(北朝鮮、中国の国会を見るような感じ)
また裏ではオザワが着々と権限を拡大している。前の政権では89兆円の来年度予算要求。今回は94兆円。足し算の予算ばかり。国民に心地よいことばかり言っている。(野党の時代ならば許されるが、責任の重要性を誰も感じていないかの発言)
こんな新政権のスタートを見ていると、ドイツのヒットラー政権のスタートと同じ感じがしてしまう。ナチスも民主主義で選挙で多数党になった政党である。多数派は何でも出来ると言わんばかりに次の参議院選のことばかりを考えている。
このままだと下らない法律が出来て独裁者が出て来る可能性があるのではないかと思う。数は力には違いないけれど多数であれば良いというものでもない。この時期はさしあたり困っていない憲法は改正すべきでないと思う。法律の根拠となる憲法を今のままにしておかないと、特定の倫理を擁護するような下らない法律、憲法を作ってしまう恐れがありそうな気がする。
大局的に物事を考えることが全く出来ていない。何処が生活者の視点なんでしょうね。日経新聞の一面に「頭脳なき初航海」と出ていたが全くよく見ていると思う。前に紹介した「そこは自分で考えてくれ」に全く同じようなことを憂いている。
そこは自分で考えてくれ:池田清彦より
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「国家の権力の廃絶、資本主義のほか経済システムへの置き換えによって、現代社会の根本的矛盾を克服できるという希望は、私の見る限り、全くの錯誤であり、どんな可能性ももっていない」
(人間の未来--ヘーゲル哲学と現代資本主義:竹田青嗣 筑摩新書)
国家(権力)も資本主義も廃絶することは出来ないという意見は全くその通りだと思う。問題はどんな国家(権力)といかなる資本主義を構築するかなのである。中略
国家(権力)は何のために存在するのか、それは人々の恣意性の権利(自由)を守るためだ。法(ルール)はそのためにこそある。権力も法も存在せず、勝手に人殺しでも強盗でもしてもかまわないということになったら、自由に生きたいとの人々の権利は守られない。しかし現実に進行していることは瑣末な法律や条例をどんどん作り、人々の自由を侵害している事態なのだ。中略 この世には、児童ポルノ禁止法だの大麻取締法などといったバカげた法律が多すぎる。法律は倫理ではない。そのことを理解していない人が法律を作れば法律は特定の倫理を擁護するための道具になり下がってしまう。
残念ながら、政治権力を構築する基盤はとりあえず民主主義より他にないので、大半の人が法と倫理の区別出来ていない世界では、人々の恣意性の権利を侵害する法律がどんどん作られるのを止める術はない。そうなると国家(権力)は人々の自由を強く拘束する装置になってしまう。国家(権力)を廃絶すれば、人々は自由になれる、との倒錯はそこから生じるのだろう。しかしもちろんそういう話ではないのだ。
一方、資本主義の方は、グローバリズムと規制緩和の名の下に、資本家の自由が保障される方向に突き進んでしまった。とどのつまりは、リーマン・ブラザーズの破綻であったわけだ。何の規制もしなければ、資本主義は貧富の差を拡大する自立運動に入ってしまう。一部の人々に集中した莫大な資産は金融バブルをもたらし、バブルは最後は破綻する。このような制度の下では、大半の人々は貧乏になる自由しかない。
原理的にどうすればよいかはわかっている。経済活動以外の領域では、人々の恣意性の権利を最大限に認める。(すなわち、くだらない法律をどんどん廃棄する)一方で、経済活動に対しては試行錯誤しながらもっとも有効な規制をかける他はない。人の自由と平等ははこの二つなしには実現しないだろう。
もうひとつ大きな問題は人口問題だが、これもまた強制的に育児制限するようなやり方はうまくいかない。人々が自由に生きた結果として、人口が徐々に減るようなシステムを考えなければしょうがない。それまで私が生きていることは有り得ないだうけどね。(そこは自分で考えてくれ:池田清彦より)