書名:姫の戦国(上)
著者:永井路子
発行所:日本経済新聞社
発行年月日:1994/7/5
定価:1456円+税
書名:姫の戦国(下)
著者:永井路子
発行所:日本経済新聞社
発行年月日:1994/7/5
定価:1456円+税
時は室町末期、駿河の今川家。今川氏親に嫁いだ中御門家の悠姫(後の寿桂尼)が主人公。戦国時代前夜の駿河、甲斐、相模、三河が舞台。今川家は足利家と遜色のない名門。西の大内氏比べても都の文化、宮廷文化、経済なども進んだ先進的な国。駿河、三河の内政に力を尽くすともに、甲斐の武田。相模の北条。関東の上杉との虚々実々の情報戦。比較的平穏な時代に駿河の地に嫁いだ悠姫が、戦国へと進む中、氏親亡き後、小さな後継者、氏輝、義元等の後見役を果たしながら、名門今川家を支えていく女の一生を描いている。この本では女性の社会進出はこの時代かなり行っていた。現在よりももっと大きな仕事を任され、実行した女性がいた。北条政子、日野富子などなど、寿桂尼もその一人。戦国武将の話の方が興味あるので忘れがちになってしまうけれど、その前夜があって戦国時代、徳川時代に繋がる運命、縁を感じてしまう。永井路子も良いですね。