書名:法華入門
著者:勝呂 信静
発行所:春秋社
発行年月日:1993/3/30
ページ:221頁
定価:1845 円+ 税
<五時> <五味>
華厳時 華厳経 疑宜 乳味
鹿苑時 阿含経 誘引 酪味
方等時 方等経 啖呵 生酥味
般若時 般若経 淘汰 熟酥味
法華涅槃時 法華経・涅槃経 開会 醍醐味
お釈迦様が悟りを開いてから入滅されるまでの一代50年間に説かれた諸々の経を年代別に配列したもの
華厳経は悟りを開いたばかりの時のお経で、かなり修行した人でないとなかなかわからないが、根本的な教えは全て備えている。法華経は涅槃に入る前なので、誰でもわかるようにやさしく、その人の修行の程度によってそれぞれわかりやすいを比喩を交えて説いている。それぞれの教えに矛盾が感じられるが、それはその人その人に合わせた方便である。
永井路子が「法華経を開いてまず驚嘆したのは、溢れんばかりの詞藻の豊富さだった」そして一番大事なことは、根本的なことは「人間すべて仏になれる」ということをもって回って延々と語っている。そんなお経だと言っている。
でも「具体的にどうすれば仏になれるか」ということは一切語っていない。そこで鎌倉仏教の教祖達はそれぞれ具体的にどうすれば仏になれるか、を模索していった。
涅槃の時に説いた教えが書いてあると言うことで仏教では一番重要な教典をいうことになっている。でも華厳経だけでわかる修行者にはものたりないのかもしれない。