書名:華の棺
著者:西村 京太郎
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2006/11/30
ページ:390頁
定価:1500円+ 税
女流作家江本夏子、ミステリーの女王と呼ばれ、人気作家、また強気な言動、行動の才女。ベストセラー作家ではあるが賞にはほど遠い。無冠の作家。そんな女流作家を主人公として、先輩作家達との恋愛ざた。その作家の奥さんの自殺など何かと騒がしい。山村美沙をモデルにした小説。勿論西村京太郎も出て来る。
この物語の中で、日本の古代の歴史で論争があってなかなか面白い邪馬台国、大和朝廷の見方が出て来る。卑弥呼の邪馬台国と大和朝廷は並立していた時期があった。古事記、日本書紀には邪馬台国は出てこない。でも約400年の間なんの記録もないということはないはず。記紀を編纂した大和朝廷が敢えて無視したはず。そこで中国の魏の使者が邪馬台国に派遣されていて、邪馬台国の記録(詩)が魏には残っていた。それを次の王朝は大和朝廷に簡単に返してしまった。だから焼却されてしまった。
ここでは飛鳥のとあるお寺からその記録が出て来るという想定で物語が展開していくが、江本夏子の作家生活と男達とのつき合い、古代史と欲張りすぎてなんとなくピンぼけという感じがする。