書名:幕末維新の暗号
群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか
著者:加治 将一
発行所:祥伝社
発行年月日:2007/10/25
ペーはジ:453頁
定価:1900円+税
主人公歴史作家望月真司に届けられた一枚の古写真それは学会からも黙殺され、トンデモ写真の類「フルベッキの群像写真」と呼ばれる幾度とくマスコミに取り上げられたいわくつきの代物だった、写真には46名が写っている。書き込まれた名前には幕末の志士が勢揃いしている。坂本龍馬、西郷隆盛、岩倉具視、大久保利通、勝海舟と幕末、明治維新に活躍した人々が勢揃いしている。
この写真に写っている人を一人一人検証しながら明治政府の重大なタブーを追いかけるストリー仕立ての歴史推理小説です。吉野、佐賀、長崎、鹿児島、田布施(山口県)を取材しながら謎解きをしている。幕末の外国人フルベッキ、アーネスト・サトウ、グラバーの三人の、と薩長、幕末の志士との関わり、明治天皇の出処がどこか?明治神宮は明治天皇、昭憲皇太后が祭られている。しかし明治天皇と昭憲皇太后は夫婦、何故昭憲皇后ではないのか?
北朝の孝明天皇の子供である明治天皇が南朝贔屓だったのか?南朝系の神社を明治になって盛んに創っている。吉田松陰は幕末、殆ど具体的な業績など何もない。ただ諸国を探索している。外国に密出国しようとしただけ。松下村塾で1年足らず教えていた。そんな人物が明治になって一躍有名になってしまったのは何故。坂本龍馬でさえ明治の終わりにようやく名前が出てきただけなのに。岩倉具視と横井小南、そして明治維新を画策した人々によって「明治天皇はすり替えられていた」という謎をテーマにしている。古写真に写っている「大室寅之祐」という少年、これが南朝滅亡後長州に隠れ住んでいた南朝の子孫だとされている。後の明治天皇になったと。正史では孝明天皇の第二皇子(祐宮)が明治天皇。物語として読むには楽しい本です。史実と考えるともう少し資料分析、批判が曖昧です。