書名:Killers(上)
著者:堂場 瞬一
発行所:講談社
発行年月日:2015/10/15
ページ:434頁
定価:1800円+税
書名:Killers(下)
著者:堂場 瞬一
発行所:講談社
発行年月日:2015/10/15
ページ:436頁
定価:1800円+税
変貌続ける街「渋谷」の半世紀を重ねながらある「殺人者」を描いている。東京オリンピック開催前の1961年から続く連続殺人事件。次の東京オリンピック間近の2014年まで次々と起こる連続殺人事件。そして犯人は未だに捕まっていない。この物語は大規模再開発が進む今の東京・渋谷の一画で時代に取り残された古アパートから老年の男性(連続殺人事件の容疑者・長野保と思われる)の死体が発見されたところから始まる。
長野保は保守党の幹部政治家の次男として渋谷で生まれ、そこに住みながら東大開闢以来の秀才と言われた男。高度成長期、バブル期と刻々変わりゆく地元の街・渋谷をこよなく愛する男だ。その渋谷を愛するが故に、年を取って何の役に立たない「老廃物=高齢者」を排除して浄化するのが自分の役目と自覚して、次々と老人などをターゲットに殺人を繰り返す。でも用意周到で決して捕まらない。そんな殺人者(殺人を正当化する独自の狂信的な信念)の半世紀と渋谷の変貌をオーバーラップしながら関係してきた人々の2,3代も巻き込んでいく壮大な物語です。
活気あふれ、変化を好む大都市の裏側に、人々の発散できない不満や欲望を吸い込み、殺人衝動さえ生まれる暗部があることを鋭くついている。
『Killers』上・下 (堂場瞬一 著)
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/5619