ジグソーパズル道場第4幕


さてそろそろ組み立てに移りましょうか。あまり下準備の能書きばかり
では嫌になってしまいます。さて、組み立て始める部分は、どこからでも
かまいません。ただ、やはり目立つところからの方がやり易いと思います。
そのために最初は、はっきりとした図柄のものを、買うようにしたほうが
いいと申し上げたのです。全体の図柄での絵の細部の印象と、ピースの
中の模様としての絵の細部は、かなり感覚的に違ってきます。ただ全体の
絵にはカット線が入っていませんから、どのピースの何処に、絵の一部で
ある模様が書かれているのかは、良く分かりませんので、絵の一部の
どれかの線とか、建物の壁のとかの連続性のあるものに注目してピースを
探した方がイイのです。人にもよると思いますが、最初にフレームに
最外側のピースを入れてもいいかもしれません。あのピース同士が合った
時の特有の感触
はあまり楽しめませんが、外側が埋まっただけでも、随分
作業が進んだ気がして、充実感のあるものです。

そして、次が大切です。先ほど言いましたように、皿の上には同じ方向に
並べられたピースが、アンチョビーのオイルサーディンのように、全員
整列していると思います。そのピースの乗ったお皿を、ちょっと目を
離して眺めて見ます。分類によって、だいたい色の同じくらいのもの
同士が集まっているはずですから、当然位置の近い可能性が高いはず
です(分類が大事)。そして、それを眺めていますと、ピースの形の
特徴がなんとなく分かってきます。ピースの裁断線はどれも同様の
小さなピッチでサインカーブを描きながら進んでいますので、ピースの
横幅とか高さとかで、それぞれのピースの外見上の性格が分かってきます。

じぃーっと見ていますと、なんとなく何処かで見たようなオス型(頭部)
と、それに合いそうなメス型(胴部)が分かってきます。その合いそうな
ピース同士を別のお皿の上で合わせて見るのです。この場合、ピース
同士はかなり正確に出来ていますので、強引に挿入するのはいけません。
メス型にオス型を持っていくと、あらら本当にもう吸込まれるように
スポッっと合うのです。その感触を忘れないようにして下さい。そして
しばらく眺めていると、どんどん相性の良いピースが分かってきて、合う
ピースが増えてくると思います。また次第にピースのクラスターが大きく
なって来るでしょう。クラスターが育ってある程度の大きさになったら、
フレームの中に移します。位置は適当でいいですから、移して下さい。
それをコアーにして、順次枝を伸ばしたり、手元の方で新しく出来た
クラスターを移植したりしていくのです。

この作業に際して、変形のピースがクラスターのコアーになることが
多いので、前もって抽出しておいた変形のピースが、役に立つのです。
変形のピースは、どれにも名前を付ける事ができるくらいに、よく見て
おきましょう。ただ、ピース数が多くなって、本格的なパズルになれば
なるほど、変形ピースの数は少なくなり、標準型ピースが殆どを占める
ようになりますので、パズルの難しさは双曲線的に増えていくのです。

この辺で面白いのは、人によってやり方がいろいろあるとということ
です。ある人はお皿の上でピースを合せて、そこでクラスターを成長
させていくと思えば、ある人はお皿の上の1つのピースをじぃーっと
眺めていると思えば、やおら1つのピースを拾って直接本体の大きな
クラスターに合せる人もいるのです。いや本当にひとそれぞれですねえ。

どんどん進んで行くうちに、標準型ピースの中でも特徴的なピースが
いくつも出てくると思います。頭の大きい奴とか、手の大きい奴とか、
幅のとても広い奴とか、背の高い奴とか。
そのピースのことも名前を
付けて、よく覚えておきます。順次出来上がって行く本体の中に、
ポコポコと空いているピースの隙間を見ているときに、その知識が
役に立つのです。突然ひらめいて、お皿の上のダダッコピースを本体に
合せると、ピッタシなんてことがよくあるのです。後の要領は、大体
同じですが、ピースがだんだん埋まっていって、図柄がどんどん出来
あがっていくのは楽しいですし、ナンと言っても最後の1ピースを、
ポソっという感じで挿入したときの感覚は最高です。いろんな人から、
作ってくださいと依頼されましたが、最後の1ペンス・・・じゃあなくて、
最後の1ピースは、依頼主に挿入させてあげるようにしたものです、はい。

さて、工作時間ですが、人によって違いはありますが、1日1時間か
2時間作業をするとして、目安は1000ピースが1週間くらい、
2000ピースが1ヶ月、3000ピースが3ヶ月くらいでしょうか。
もっとも早かったのはエキスパートが2人で1000ピースが6時間
(1日)。2000ピースが10日、3000ピースが3週間でした。

みなさんの健闘を期待致しております。

では・・・


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