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99.6.7(月)
・パラサイト・関で無駄話。「奥様は魔女」の謎とか。

99.6.6(日)
・またもや慌ただしく「編集室〜」延期。一体いつになるやら。
・しょうがないので(泣)、最近買った本でも書いておこう。
 牧野修「偏執の芳香」(アスキー)、瀬戸川猛資「夜明けの睡魔」(創元ライブラリー)、シャタック「こうのとり狂奏曲」(創元推理文庫)、歌野晶午「放浪探偵と七つの殺人」(袋とじあり)、二階堂黎人「名探偵の肖像」({史上最大のカー問答}等含む) など。


99.6.4(金)
・パラサイト・関更新。
・東京日帰り。どっぷり疲れる。

99.5.31(月)
・パラサイト・関に新着。北村薫「ミステリは万華鏡」、ミステリマガジン評。
・あけみさんから、「ペルシャ猫続報」。メールコーナーにて。
・相変わらず、まとまった時間がとりにくく、「編集室〜」が遠ざかる。これは、次の土日できっちりしたい。
・昨日、やっとEQ終刊号入手。22年目の終刊か。感慨もひとしお。未訳短編30編とオールタイムベスト100もついた豪華版、いまいまで素通りだった人も今回は買い。むろん、終刊号マニアも。
・ベスト100については、いろいろ思うところもあるのだが、また、改めて。でも、鮎川先生のコメントについては絶句(涙)
●国内編リスト追加
 北村龍一郎「魔女を投げた男」

99.5.26(水)
・人事異動等で連日、酒飲みor残業中。
・パラサイト・関に「EQ最終号」レポート。
●国内編リスト追加
 日下圭介『女たちの捜査本部』、法月綸太郎「世界の神秘を解く男」

99.5.22(土) 「ミステリ系更新されてますリンク」発見
・相変わらず、身辺慌ただしく、更新滞り。(その割に「こだまのあとだま」関係は追いかけてたり。)また、パラサイト・関を2本溜めてしまいました。カー「グラン・ギニョール」と、「EQ」のレヴュー。
・あけみさんから久しぶりにメールをいただきました。有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」に対する憤りなど。(私もこれはイタかった)「メールコーナー」をご覧下さい。開店休業気味のコーナーなんで、メールしてみようっていう奇特な方がいらっしゃれば、一つよろしくお願いします。
・フクさんのHPの掲示板で、「ミステリ系更新されてますリンク」発見。ミステリ系の日記リンク集なのだが、4時間ごとに各HPを巡回して、最も更新時間が直近のものから表示するというスグレ物。こんなのが欲しかったのだ。「密室系」のほか、パラサイト・関の「翻訳ミステリアワー」も別にリンクが貼られていて、嬉しいことである。制作者は、「みすりん」「謎宮会」等でおなじみ、たかはし氏。まだ、試験公開中らしいが、なんとか続いて欲しいものである。
・昨日、日本推理協会賞発表。長編は東野圭吾『秘密』、香納諒一『幻の女』、短編及び連作短編集
部門は、北森鴻『花の下にて春死なむ」、評論その他部門は、森英俊『世界ミステリ作家事典(本格派篇)』。森氏の受賞は当然の結果とは思うが、「本格派」にこだわったところに、受賞の対象として一抹の不安もあったので、一読者として、やはり嬉しいことである。
・その森英俊さんの主宰する「MURDER BY THE MAIL」から、先日目録が送られてきた。相変わらずおいしそうなクラシックミステリ満載で、さながら、美しき花咲き乱れる異国の植物園を散策するような思い。 


99.5.15(土)
・やれやれと思っていたら、別な仕事で、今週は2〜3時間睡眠が続く。さすがに、金曜の朝6時帰りはこたえた。おかげで、関の新着を2本溜めてしまった。すまんこってす。ファルコ物の新作と、トンプスンの「内なる殺人者」レヴュー。


99.5.10(月) この電脳化する人たち
・懸案の仕事が中途半端だが片づいて、やれやれ。
・久しぶりのような気がするパラサイト・関に新着。中島河太郎追悼ほか。自宅にパソコン買ったとか。今まで、勤務中に推敲もしないで、書き殴っていたというライティング・スタイルがとう変化するか、見物です。家庭争議のもとに、ならないように、お気をつけあそばせ。
・とか言ってるそばから。サイ君の職場が明日からネット環境になるらしい。ぞぞぞ。こ、これ読まれるの?読まれてまずいようなことは書いてないような気もする。が、気のせいか。うーむ。
 開きなおって、言いにくいことを婉曲的に伝えるという手もあるか。「小遣い足りない」とか。テキが残業で遅くなったときには、「寿司買って早く帰ってきてくれ」とアップしておくとか。困った。私の書く内容も変わりそう。
・というわけで(嘘)、「編集室〜」1回休み。


99.5.5(水・祝) 『編集室の床に落ちた顔』(1)
・3、4日と留萌にて清遊。雨にたたられて、寝てばかりいたような気もするが、まあいいか。留萌に向かう途中、浜益村で同行斉藤嬢がハイセンスなVOW物件、発見。入選間違いなしと、一同喜ぶ。「VOWシリーズ」か「通販生活」で、ご覧下さい。
・で、キャメロン・マケイブ『編集室の床に落ちた顔』(国書刊行会/99.4刊)
 一種伝説的な作品の登場である。
 1937年に出版されながら、一般には、まったく忘れ去られた作品である本書を1970年代に再評価されたのは、ジュリアン・シモンズの「BIoody Murder」。「もし、古本屋でこの本を見つけたら、いくら高くても買うべきだ」「あらゆる探偵小説を葬り去る探偵小説」「この作品のすべては、目のくらむような、そして運のいいことに、おそらく二度と繰り返すことができないトリックの宝庫である」というシモンズの高い評価は、本書復権の原動力となった。
 我が国でも、宮脇孝雄氏の『書斎の旅人』で英国ミステリ史の重要なエポックとして、一章を割いて紹介され、森英俊氏の『世界ミステリ作家事典〔本格派〕編においても、「メタ・ミステリの先駆け」、「まさに探偵小説究極のパロディであり、いいようもなくシニカルな傑作である」と評されている。
 しかも、作者は、ナチ台頭を嫌って18歳のとき、イギリスに亡命したドイツ人であり、覚え立ての英語で19歳のときに執筆されたという。「亡命者」、「早熟」という二重の光彩が本書の伝説を縁取っている。
 では、本書は、どのような意味で、アンチ探偵小説あるいはメタ・ミステリなのか。本書のアンチ性(メタ性)は、現在に至るも、その衝撃性を維持しているのか。(続く)
・結論が出ていないので、続きます。
●国内編リスト追加
小森健太朗『マヤ”夢見”の殺人』、篠田秀幸『悪霊館の殺人』、都筑道夫『最長不倒距離』、『前後不覚殺人事件』、藤原宰太郎『早稲田の森殺人事件』『千曲川殺人旅情』、天藤真「塔の家の三人の女」追加

99.5.2(日)
・身辺何かと慌ただしく、更新の方も御無沙汰。錦通信の「大予想」の〆切も逃してしまったし。
・「編集室の床に落ちた顔」読了。うーん、何をいうべきか。
・これから岩井大兄と飲み。3、4と留萌に行って来ます。


99.4.26(月) ー「殺人はお好き?」−
・「悪党パーカー/人狩り」も、HM文庫の黒背で出てた。これで話題になれば、全部黒背で再刊か。
小鷹信光の再刊後書き。エルロイへの皮肉も効いていて、久しぶりに肉声を聞いた感じ。
「殺人はお好き?」('76) D・ウェストレイク(昭55早川書房)
表題作及び「オードウ」の中編2編を収録。刊行年でいくと「踊る黄金像」と「悪党たちのジャムセッション」の間の作品。まず、表題作が痛快。はずみで愛人を殺してしまった映画評論家が、それを隠蔽するためのあの手この手。ひょんなことから、この男、別な事件に関わり、名探偵の能力があることが
判明。ダイイングメッセージ、密室、足跡の謎などの難事件を解決しながら、男の隠蔽工作は、続くが・・。殺人者で名探偵というのは、レクター教授の祖型か。ミッチ・トビンシリーズや老刑事物で、謎解きセンスにも秀でているとこが証明されているウェストケイクの本気の冗談。事件を数珠繋ぎにしながら、事態が行き詰まっていく展開も巧妙で、ニューヨークのスノッブのからかい方も、いつもながらで、いうことなし、のまこと楽しい一編なのだが、最後の方に登場するデブの女の一言が男を射抜いてしまうところに、作者の懐の広さを感じさせる。ついでに言っておけば、墜落死と足跡トリックを組み合わせた謎は、なかなかでした。
「オードウ」の方は、珍しく低音で語られるストレート・ノベル。海軍に勤める主人公は、若い頃、束の間の結婚生活ともにした娘が、今は、映画界のセックスシンボルとあがめられていることを知る。男は、女優に会いに行き、彼女の邸宅で夢のような数日を過ごすが・・。人生の変転を扱った、ほろ苦い一編。ハリウッド大通りのスターの足跡を見る度に、この中編を思い出すことになるかもしれない。


99.4.25(日)−白薔薇殺人事件−
・パラサイト・関に新着2本。東京創元社に今回の復刊にがっかりとメールを出したら、返事が来たとのこと。
・本日、マケイブ『編集室の床に落ちた顔』(国書)、笠井潔『物語の世紀末』(集英社)、イアン・ランキン『血のながれるままに』(ポケミス)、スターク『悪党パーカー/エンジェル』(ハヤカワ文庫/23年ぶりのパーカー復帰作)購入。まず、マケイブか。
・ウェストレイク『殺人はお好き?』読了。
・「白薔薇殺人事件」
 kashibaさんから借覧させていただいた、風太郎さんかの連作。一昨年、香山滋全集の別巻に収録されたが、高価なため手が出ず、一度立ち読みを試みたが、風太郎のパートのみ読んでも意味が通じるはずもなく、腕も重くなって断念。この度、宿願を果たせました。ありがとうkashibaさん。
 本作は、探偵作家クラブ新人会連作と銘打たれ、執筆は香山滋、島田一男、山田風太郎、楠田匡介、岩田賛、高木彬光という第一回宝石新人賞作家を中核とした豪華メンバー。一人8枚程度で、全体で50枚くらいだが、とても短編とは思えないほど、よくいえば起伏に富んだストーリーである。(昭和23年/モダン日本連載)
香山滋「血塗られた白薔薇」
 トップバッターは、特異な幻想譚で一時代を築き、ゴジラの原作者としても知られる香山滋。
深夜、どしゃぶりの中、家路を急ぐ逸見恭作の前に、一輪の血塗れの白薔薇が落ちている。薔薇の出所とおぼしき窓を見上げると白い女の腕が。好奇心にかられた恭作が、その窓のある部屋に入ってみると、セーラー服を着た美しい花売り娘を発見。恐怖に駆られた恭作は、その部屋を飛び出す。家に帰り着くと、母が手がけている生花の花は、さきほどの薔薇にそっくりの白薔薇。不審に思って尋ねると、ついさっき、セーラー服を着た花売り娘が売りに来たものだというではないか・・。花売り娘の幽霊なのか。
 巻き込まれ型の発端。窓から振られる白い手も、少女の美貌もなまめかしく、さすがにつかみはOK。
島田一男「死相の観音像」
 翌朝、恭作が目覚めると、銀座の展覧会の案内が届いており、主催者は「白薔薇協会」となっている。さらに、もう一通は脅迫状。差出人は白薔薇博士(笑)。恭作を宿命の敵と呼び、昨夜の少女(青柳香代)の殺人現場には、恭作の指紋が大量に残り、傘の遺留品まで残っていることを指摘し、72時間後にこの事実を公表するという。恭作は「戦うのみ」と決意し、銀座の展覧会に乗り込む。会場には、「三面白薔薇観音像」という奇怪な仏画がかけられていたが、観音の顔は、昨日の花売り娘の顔と瓜二つ。さらに、その絵の作者として、恭作自信の名が掲げられていた・・。恭作は、親友の弁護士、長沼京太郎を尋ね、助力を求めようとするが、長沼の事務所には、やはり同じ花売り娘の絵が飾られていた・・。
 島田、飛ばす、飛ばす。
山田風太郎「薔薇の罪に薔薇の罰」
 「ゆく先々に、まるで怨霊のやうに出現する白薔薇と花売娘!」 冒頭、風太郎氏も困惑気味。長沼からは、意外なことを聞かされる。絵の花売り娘は、長沼が引き取って育てている養女であり、少し精神を病んでいるというのだ。しかも、その娘(青柳香代子)は、この3日ほど家に帰ってきていないという。二人が話し込んでいるところへ、どこからともなく短刀が飛んできて、白い紙片に警告が書かれている。「お節介はやめろ−白薔薇博士」
 一方、奇妙な手紙に呼び出され、朝早く家を出た恭作の父逸見正人画伯と早枝夫人は神奈川の山間部で、薔薇の谷間に導かれていく。そこには、真紅の薔薇で描かれた「サバキノイヘ」(裁きの家)の文字が・・。
楠田匡介「虹」
 気絶した逸見正人画伯は、運び込まれたギャラリー風の部屋で目を覚ます。壁面には彼自身の作品がかかっている。それどころではない。十以上もある部屋のすべてに、彼の絵が−美校時代の絵はがきまで含めて完璧にコレクションされていた。現れた老人は18年前の復讐のため、おまえの絵はすべて世の中から回収したという。建物は、じきに紅蓮の炎に包まれる。彼が朦朧とする中で見たのは、無数の紅薔薇に包まれ、薄闇の大空に昇っていく妻早枝の姿であった。
 復讐のため、画家が生涯描いた作品をすべて集め、一挙に燃やすという奇想が面白い。しかし、島荘ばりに天空に昇っていく夫人、何か考えがあったのか楠田。
岩田賛「昇天の物理学」
 タイトルを見よ。岩田やる気十分。しかし、きっちりとした本格短編が本領の人だけに、ここまでの野放図な展開に、恐慌を来したか、少しまとめに入ってしまう。
 まず、長沼京太郎が「白薔薇殺人事件と白薔薇展覧会は大した問題じゃない」と突然言い出す(そんな・・)恭作と長沼は、昨夜の殺人現場に向かうが、そこでは死体はおろか現場の一切合切が消えている。長沼は、怪人物の目的は恭作の両親をおびき出すことにあって、恭作の注意ひくために昨夜以来の怪事を仕掛けたという(そんな・・)。しかも、ただ注意をそらすために、これだけのことをやるからには、そいつは性格異常者だ、と決めつける(・・・)。なぜか突然、両親の行き先に気づいた長沼と恭作は、神奈川の山中に向かう。
 一方、時間は少し遡り、恭作の母早枝は、建物の炎上直前に復讐鬼の正体を知る(復讐鬼が正体を明かすときに、薔薇の棘に唾をつけて鼻に刺す、という仕草がキュートである)。昇天の真相もここで明かされる。ネタばらしはここでは避けるが、恭作が殺人現場に忘れた傘をさりげなく使用するあたり、本格作家の意地を見る思い。(メアリー・ポピンズか)
高木彬光「薔薇未だ崩れず」
なんと、神津恭介登場。すべての謎が彼の明察により解き明かされる。(後は香山滋全集を御覧下さい)
 全体を通してみると、岩田賛が、ちとがんばりすぎて、話のスケールを小さくしてしまった感じ。律儀な性格が裏目に出たか。野放図を続けて、神津恭介を七転八倒させて欲しかった。
 風太郎部分の見所二つ。「君の誕生によってこの世ながらの地獄のやうな不幸に突き落とされた人間があつたとする・・」「誕生の罰」という、「超絶的恐怖」のテーマが出てくることが一つ(ただし、後続の作家は拾ってくれなかった)もう、一つは、薔薇の谷の描写で、「みささぎ盗賊」以来のモノづくしは、風太郎の一つのスタイルが窺えて興味深い。


99.4.22(木) 東京出撃
・今は昔、という感じもするが、17日、18日と友人の結婚式で東京へ行って来た。
 17日、式の始まる5時までは、古本漁り。
 小林文庫の掲示板 で、溝口さんという方に教えてもらった、東急東横線大岡山の古書日月堂へ向かう。風太郎の本が最近大量に入ったたらしい。大岡山は、田園調布の隣の駅。電車から降りると、空が広い。
 東京工大近くの金華堂書店で、ポケミスを2冊買いつつ、日月堂の場所を聞く。すぐ近くだ。幻想文学系が強いと野村さんHPにあったが、その関係が1棚ありました。お目当ての風太郎は、角川文庫が十数冊と最近の単行本があるだけで、最初はがっくり。店主(まだ、若い女性でちょっとびっくり)に聞いたら、文庫もたくさん入ったのだが、たまたま神戸から来た客が見つけて、箱ごと買っていったとか。おそるべし、風太郎マニア。でも、目録に載せようと思っているという本を2〜30冊見せて貰った。
  昭和40年代以降の単行本が主で、現物を見たことがないのが数冊。そのうち、「同日同刻」(昭和54立風書房初帯)が4000円、「斬奸状は馬車に乗って」(昭和48講談社)が5000円。文生堂がその頃の本を8000円で目録に出していたというので(後で調べたら、「戦中派不戦日記」(昭和46番町書房)、文生堂の価格がスタンダードになるのも困るなあ、と思いつつ、「同日同刻」を入手。北海道から来たといったら、3500円にしてくれて、こういうとき「北海道」というのは効くなと思ったことである。風太郎では、ほかに「叛旗兵」(角川文庫・700円)を購入。でも、それより嬉しかったのは、結構探してたトンブスン「内なる殺人者」(300円)、堀晃「マッド・サイエンス入門」(500円)が買えたことだったり。
 次に自由ケ丘の文生堂に行こうと思っていたのだが、店主が親切にも、五反田古書会館で古書市をやっていることを教えてくれたので、予定を変更して、五反田へ。
 駅前の交番で聞いてもわからない古書会館の場所をなんとか探して行くと、おお、いるいる特有の匂いを放つ初老のおじさまたちが蝟集している。(いつも、思うのだがなぜか帽子をかぶっている人率が高い)
 100円均一でポケミスのシモンズ「ある殺人の肖像」と森田たま「石狩少女」を買って(あまり嬉しくない)、本会場へ。私的にはさしたるものもなし。絶対ダブってると思いつつ、「かくて殺人へ」が入ってるやつほか別冊宝石を4冊購入(700円〜1000円)(少し嬉しい)。
・重くなった荷物を抱えて、披露宴会場へ。大物政治家の私邸だったが今では土日は披露宴会場に使われているとかで、野外での式といい、生バンド演奏といい、なんともシックな挙式でありました。花婿は2度目だけあって(笑)、随所に余裕が窺われたのだが、なんとこの男、最後の挨拶で(また)泣いた。
・その夜は、結婚式に出た友人宅に泊めてもらう。なんと場所が聖蹟桜ケ丘。風太郎翁の住まう聖地ではないか。事前にわかっていれば、カメラ持参で行ったものを。
・翌日は、11時に新宿紀伊国屋のポケミスの棚の前集合。パラサイト・関、岩井大兄、高橋将に俺。このメンバーで会うのも久しぶり。パラサイト・関とも1年ぶり以上だもんな。メールでいつも近況を聞かせられているだけに、久しぶりという感じはない。韓国料理屋、寿司屋を転戦しつつ、今年は某大推理研設立20周年だなとか、そんな話。
 酔っぱらって寝たので、枕を低くして寝るのを忘れ、持病にこたえたか、少し体調不良気味。荷物の重さをうらみつつ、高橋将と札幌への帰途に着く。


99.4.21(水)
・パラサイト・関に新着。ヴァイン『ステラの遺産』評。
●国内編リスト追加
 藤桂子『逆回りの時計』

99.4.19(月)
・パラサイト・関に新着。「ミステリ・マガジン5月号(2)」」
・本日の怪現象。小林文庫 オーナーから、鮎川哲也編「殺人設計図」が届く。感謝。
・17、18日と、友人の結婚式で東京出撃して、古本屋まわったり、関氏ほかと会ったり
してきたのだが、時間がないので、またいずれ。


99.4.15(木) −ビブリオ怪談−
・最近、「グラン・ギニョール」の一件をはじめ、身辺に怪現象が頻発している。
・某月某日 「別冊シャレード 天城一特集2」届く。大好きな作家なのだが、一冊にまとまった本がないのが、実に残念な人。単行本未収録4本の短編が入っている充実の同人誌で渇を癒すことができそうだ。でも、斎戒沐浴してから読もう。
・某月某日 浅草紅堂から、「名探偵帆村荘六読本」届く。200頁もの充実したつくり。「探偵くらぶ」で読んだ「千早館の迷路」があまりにバクハツしていたので、気になっていたのだが、最近読んだ「蠅男」がまた、なんとも大バクハツ。海野十三は、ルーフォック・オルメスが好きだったそうで、バカミスとして楽しむべきシロモノだったのだ。しかし、帆村荘六物の作品総数が52編もあるとは驚きかされた。この冊子限定150部だそうで(まだ在庫があるらしい)、帆村道を歩まなければならない十字架を負わされたような気もする。今度、まとめて読もう。
・某月某日 彩古さんからウェストレイク「殺人はお好き?」ほか1冊届く。ミステリマガジンに「トラベステイ」として連載されていたときは、切れ切れに読んでいたのだが、本を買う機会を逃して、今まで巡り会えなかったのだ。ウェストレイクが本格のギミックに挑戦したユーモア作で、愉しみなのだが、いつ読もう。
・某月某日 また、彩古さんから山田風太郎・高木彬光「悪霊の群」、楠田匡介「犯罪の眼」が届く。前者を100円均一で見つけた岩井大兄から強奪して4年。これでやっと返せる。後者は、密室物らしい。
・某月某日 文生堂から、本が届く。本命ははずれ、安い2冊のみ。なぜか、ほっとしたような気もする。

 なぜ、こんなに本が届くのか。さらに、日本のあちこちから、切手や図書券が送られてくると怪現象も続発している。専門家によれば、ビブリオ超常現象の一類型で、最も大きな弊害としては、本を読む時間を奪われることを挙げる人が多い。しかし、それも次第に気にならなくなってくるというから、一安心。
 ミステリの魔道に堕ちたということか。


99.4.12(月) 
・「パラサイト・関」に新着。「トンプスン速報」

99.4.11(日)  男子の古本買い/カー
・4月とは思えない寒さが続いていた札幌も、今日はぽかぽか。選挙の後、リハビリも兼ねて古本屋歩きに繰り出した。これまで、あまり行ったことがない店を中心に歩いたので、結構な収穫。
○大坪砂男全集1「零人」(出帆社)
○中村八朗「汚れた顔の男」(東方社)
○多岐川恭「悪魔の賭」(東方社)
○多岐川恭「手の上の情事」(東都書房)
○日影丈吉・飛鳥高集(東都書房)
○日影丈吉「咬まれた手」(徳間書店)
○藤桂子「逆回りの時計」(講談社)
○アトキンスン「チャーリー退場」(クライムクラブ)
○ジョン・D・マクドナルド「紫色の死地」(ポケミス)
○「宝石傑作選2 地獄に落ちろ!」(角川文庫)
○梶龍雄「毛皮コートの死体」(中公文庫)
○レズニコウ「ゴールド2/死線」(創元)
○ホルト(ウェストレイク)「殺人シーンをもう一度」
 これだけ買って、9,000円ちょっと。他に新刊では二の足を踏んでいた山口昌男「「敗者」の精神史」、十返千鶴子「世紀末ロンドンを翔んだ女」(メアリ・シェリーの母親の伝記)も、安く手に入ったし、やはり、古本は金の使いでがある。
・「グラン・ギニョール」読了。
 「グラン・ギニョール」に、当時としても抜きんでた謎解きのセンスを再認識させられ、「悪魔の銃」(恐怖小説)、「薄闇の女神」(騎士道ロマンス?)には、カーの根っこが窺え(「カー問答」「新カー問答」いずれもの正当性を裏付ける内容)、「地上最高のゲーム」(完全版)には、飄逸な原理主義者であるカーの素顔をかいまみることができる。「夜歩く」の比較とか、「絞首台の秘密」がラヴクラフトの短編の影響を受けているとか、色々興味深い切り口がありそうなんで、これもちょっと深追いしてみようかな。


99.4.9(金)
・パラサイト関に新着。「ぐやじい」

99.4.8(木)  −グラン・ギニョール−
・家に帰ると、翔泳社から書籍小包が届いていた。ん、翔泳社?聞いたことがあるような、ないような。
 中を開けると、美しい装幀に、金の帯の本が眼に飛び込んできた。カーの新刊「グラン・ギニョール」。
 おお、今年出るといわれていたカーの「夜歩く」の原型になった中編(学生誌掲載)の世界初!の単行本化ではないか。帯には「ディクスン・カー幻の傑作」の文字。でも、なぜ私に?
 中に、「(翔泳社ミステリー)発刊のご案内」というのが同封されている。
 「すでに市場には多くの翻訳ミステリーが溢れ、新規出版社の参入もあいつぐなか、ジャンルの拡散化が進んでおります。これは、今なお錦の御旗のように掲げられている「ミステリー」という言葉自体の求心力の衰えを表しているのでしょうか?
 こうした状況下、小社では他社と一線を画し、あくまでミステリーファンのためのシリーズを目指します。」
 誇り高きマニフェストなのだ。でも、私が気になったのは、その後。
 「何卒ご支援、ご指導のほどお願い申し上げます」
 つまり、贈呈ということ?くー、ただで素敵なごほんを貰うことことほど嬉しいものはない。しかも、カーの新刊とあっては。その上、「ご指導」なんかしちゃっていいわけ?くー。じたばた。
 恍惚とする中、私に求められている役割は宣伝だと、すぐに悟って、普段お世話になっている小林文庫ゲストブック(最近では1日200回近いアクセスを誇る)に書込みに行きました。

 「グラン・ギニョール」には、表題作のほか、未訳の短編「悪魔の銃」、ショートショート「ハーレム・スカーレム」、エッセイ「地上最高のゲーム」(初の完全版)を収録。エッセイは北村薫、解説は森英俊。北見隆の装画もすばらしい。これで、2,000円ポッキリ。これは買いでしょう。海外のカーファンに見せつけるという使用法もある。
 この「グラン・ギニョール」は、翔泳社ミステリーの第1弾で、編集は、国書の「探偵くらぶ」や「世界探偵小説全集」の編集者である藤原義也さんが担当。
 続刊は次のとおり。
 第2弾(6月刊)は、「ポップ1280」でもとてつもない底力を見せつけたパルプ・ノワールの巨匠ジム・トンプスンの「サヴェッジ・ナイト」。
 第3弾(8月刊)は、おなじみ倉阪鬼一郎氏訳、ストリブリング「ポジオリ教授の事件簿」。「81番目の標石」や「ジャラッキ伯爵、釣りに行く」等収録。全11編。
 第4弾(10月刊)バーディン「悪魔に喰われろ青い尾の蠅よ」凄いタイトルだが、キーティングの「ミステリ名作100選」にも選ばれた「未訳ミステリー最後の傑作」?。
 コナン・ドイル傑作集全2巻も出るらしい。
 いずれ劣らぬラインナップ。トパーズプレスのように、途中でポシャることなく、是非、成功してほしいものだ。
 翔泳社も、損なことをした。こちら、買うのは間違いなかったのに。(って、後から請求書が送られてくることはないよな)
 ただ、よく考えてみると、翔泳社の方がおいらの住所を知っているわけもないわけで。もしかして、あの方か。感謝。週末にゆっくり読ませていただきます。
 少なくとも、関君は、1冊買うように。


99.4.7(水)
・パラサイト・関に新着。

99.4.2(金)
・パラサイト・関に新着。
・小森健太朗『夢見」の密室』、北森鴻『屋上物語』(ノンノベル)、篠田秀幸『悪霊館の殺人』(ハルキノベルス)と密室系の新作が続々。篠田は5年ぶりの新作。厚い。


99.3.31(火)
・新刊レヴューにウェイド『推定相続人』。
●国内編リスト追加
 天藤真「宙を飛ぶ死」「出口のない街」、笠原卓『詐欺師の饗宴』を追加。

99.3.30(火) 「忍法創世記」刊行?
・パラサイト・関に新着。クック「死の記憶」評。力はいってます。
・洋ミステリ専門古書店「MURDER  BY THE MAIL」からプロンジーニの「CARPENTER AND QUINCANNON」が届く。洋書を買うのは、久しぶり。以前、何冊か購入したことがあるのだが、結局、読めないことがわかって撤退。現代密室物の小巨匠プロンジーニの短編集で、9編中6編が不可能犯罪物と聞いて食指が動く。結局読みきれないだろうとあきらめつつ、連休にでもチャレンジしてみようかなと思ったり。
・「99 本格ミステリベスト10」出る。上位21作中、10作しか読んでいない。去年は結構頑張ったつもりだったのだが。それでも、「秘密」のどこが本格だとか、後期クイーン問題の巧妙なおさらい「名探偵に薔薇を」は、もっと上に行って良かったんじゃないかとかの感想はあり。主要作を読んでから、まとめて書くか。それにしても、「人狼城」への道のりは遠し。「矩形の密室」は、3人(並木士郎、野崎六助、美唄清斗)がとりあげてて、まあ、良かったな、と。
・同書の「98年度復刊ミステリ総括」で日下三蔵氏が山田風太郎「太陽黒点」のネタばらし問題をとりあげていて溜飲が下がる。それと、講談社文庫の忍法帖シリーズでは、忍法帖の全短編が再編集されて、10巻にまとまるということで、これは朗報。さらに、文庫の売れ行き次第では、講談社ノベルスに入らなかった作品や雑誌掲載されたままの幻の長編「忍法創世記」が出る可能性もあり、とのこと。頼むから売れてくれ。
・プロバイダーより、今のアドレスが後1年間使えることになった、との連絡あり。早くいってくれ。or−ne問題っていうのが、よくわからないのだが(調べる気力もなし)、何とも理不尽なことである。


99.3.28(日) メールアドレス変わります
・送別会、引っ越しの手伝い等で、ドタバタ。
・パラサイト・関に新着。「HMM4月号」
・現在、使用しているメールアドレスが3月いっぱいで使用できなくなりますので、よろしくお願いいたします。関係者の方。(トップページ参照)
 1年半くらい併用期間だったのだが、今日、はじめて、新アドレスで送信可能であることを確認。俺らしい、というか。告知期間短かすぎで、すみません。
・EQ5月号に終刊の辞。本国版「EQMM」執筆作家から版権許可がとれない作品が急増したことが最大の問題だとか。あまり間を置くことなく、最新翻訳ミステリープラス日本作品の新雑誌に移行すると記されている。(若干の危惧もあるが・・)「EQ」としては、次号が特大号で最終号とのこと。

99.3.24(水)  ミッチェル差し替えの謎
・パラサイト・関新着。「稲葉明雄」。
・とんぼ帰りの東京出張。ふっふっふ。おかげで、今日、神田でHMM5月号を手に入れたのだよ、関クン。会えず、残念。
・ついでに、(東京で買うこたないが)、ウェイド『推定相続人』(国書刊行会)購入。2期の残りは、ティーレット『おしゃへり雀の殺人』、ディレック・スミス『悪魔を呼び起こせ』。それと、グラディス・ミッチェル『ソルトマーシュの殺人』が3期にまわって、マケイブ『編集室に落ちた顔』と差し替え。マケイブの作品は、宮脇孝雄氏が『書斎の旅人』で1章割いた超問題作。残りの2冊も、森英俊氏絶賛の要注目作。(差し替えの謎解きは後段で)。3期のラインナップも少々出てるし、別にミステリーの本棚という叢書が秋にはじまるらしい。
・福井健太氏のHPの掲示板に編集者の藤原義也氏が今後の予定を書き込んでいるので、未見の方は、要チェック。 (この掲示板、錚々たろメンバーがホラー論議をやっていて、ただで読めるのが、もったいないくらい)
・宮脇孝雄「翻訳家の書斎」 研究者出版
 前に関氏も触れていた、翻訳にまつわる短いコラムをテーマ別にまとめた肩の凝らない一冊。豊富に引用される実際の誤訳例(作品名、訳者名はなし)によって、素人にも、誤訳発生のメカニズムや翻訳の苦労が、よく伝わってくる。でも、翻訳家及び翻訳家志望の人にとっては、恐怖の一冊かも。翻訳家は、ここまでやらなければならないのか。道具を揃えることはもちろん(古い通販カタログ、職業別電話帳、英中辞書も道具)、翻訳家がかかりやすい病気(のだった症候群、かぶんすう翻訳・・)を回避し、常識豊かで、日本語の語感に優れていて、意訳の芸も必要だし・・。特に、日本語の選定の部分に至っては、ほとんど作品をつくりあげるのと同じだけの苦労かあるのだなあ。翻訳家を心の底から尊敬したくなる、そんな一冊(宮脇氏と同じ苦労をしていればだが)。

 で、『ソルト・マーシュの殺人』差し替えの謎だが・・「宮脇孝雄訳」だから、というのが私の謎解き。
(〆切守ってね)
 


99.3.22(月・祝)
・3連休で本がいっぱい読めると思っていたが、土曜日は、朝5時まで歌っていたおかげで、一日つぶれ(誰が病気やねん)。
・連城三紀彦『変調二人羽織』(再読)、海野十三『蠅男』(密室物(笑))、鮎川哲也編『幻のテン・カウント』など濃いところを読む。しかし、今更ながら、連城の、特に、幻影城に載った初期作は、凄い。花葬シリーズは、もちろん傑作だけど、時代情緒だとか、ロマンだとかの外装で語られてしまうところも多い分、ミステリの可能性が裸形で示されている現代物がひどく新鮮に見えた。(ほとんど初読と同じように読めたというのも、問題ありだが) 
・ピーター・ヘイニング編『ヴァンパイヤ・コレクション』(角川文庫)半分くらい。「ドラキュラ」以前の古典的吸血鬼譚が色んな意味で面白い。ジャンル小説の起源に興味ある方には、このアンソロジーは買い。
●国内編リスト追加
 連城三紀彦「変調二人羽織」「消えた新幹線」、福本和也『UFO殺人事件』
(「消えた新幹線」は、「ある東京の扉」が変型の密室物なら、変型の消失物という意味で。言い訳がましいが)

99.3.17(水) 瀬戸川猛資逝く
・まだ、50歳。最近の活躍の舞台は、サンデー毎日の映画評などで、ミステリの方は、ちょっと御無沙汰という印象があったけど、ミステリの面白さを教えてくれた大先達。これからも、幅広い教養に裏打ちされた、成熟したミステリ・エッセイを期待していたのに。
・パラサイト・関に二本、新着。「嗚呼!瀬戸川猛資」「闘う守護天使」評
・肩が異常に凝って上肢にシビレが出てきたので、医者にかかっていたのだが、MRI検査の結果、
頸椎の椎間板ヘルニアと判明。多くの場合、完全な治癒というのは難しく、保存的治療で、一生つきあっていくしかないらしい。これで、プロレスラーになる夢も諦めなくては。


99.3.14(日)  久々、男子の本買い
・先日、八重洲ブックセンターで買った本が届いた。この辺の本屋で見かけない本を中心に10冊ほど。インターネット通販で買えばいいようなものだが、欲しい本というのは、手にとって初めてわかることも多い。ちょっと並べてみよう(←植草甚一気分だが、和書の新刊というのが情けない)
○山田風太郎「風太郎の死ぬ話」角川春樹事務所
 去年出たはずなのに、全然見かけなく、存在すら疑っていた本。全部、既存のエッセイ集からの再録だと思うが、未確認。文庫サイズだが、活字がでかい。
○宮脇孝雄「翻訳家の書斎」 研究社出版
 190頁、1700円はちょっと高いかも。横組み。
○ジャック・デュボア「探偵小説あるいはモデルニテ」 法政大学出版局
 普段いかないような棚にある本なので、全然ノーマークだった。ベルギーの文学史家による探偵小説分析(98.5刊)。テクスト、コード、エクリチュールといった言葉満載で、いかにもなのだが、第三部で「ルールタビーユのユートピア」「メグレのユートピア」「ジャンプリゾにおけるユートピア」と並んでいるところが、興味をそそる。
○鮎川哲也編「あやつり裁判」 昌文社
 10年前の本でも新刊で買えた。
○服部まゆみ「時のかたち」 東京創元社
 これも刊行時、見た記憶がない。ミステリ−フォーユーのシリーズってあんまり出なかったのか。
 即読みして、グットでした。「桜」が密室物でもうけ。
○ジェニファー・ロウ「不吉な休暇」 教養文庫
 kashibaさんおすすめのオーストラリア女流。
○シャルル・エクスブライヤ「ハンサムな狙撃者」教養文庫
 買い逃し。
○レ・ファニュ「吸血鬼カミーラ」
 前から気になっているレ・ファニュの怪奇小説集。ミステリもありそう。
○山村正夫「裂けた背景」春陽堂文庫
 八重洲にはなぜか春陽堂文庫がいっぱい。
○海渡英祐「伯林−一八八八年/次郎長開化事件簿」
 大衆文学館のシリーズもだんだん見かける数が減ってきた。「次郎長」が気になる。

これだけ、買うと一万五千超え。やっぱり、本を買うなら、古本屋かも。
●国内編リスト追加
 服部まゆみ「桜」

99.3.12(金)
・パラサイト・関に新着。ハワード「ホーン・マン」評。
●国内編リスト追加
 西澤保彦「乳児の告発」「鍵の戻る道」「念力密室F」(以上『念力密室!』より)、司城志朗「気の長い密室」、由良三郎『完全犯罪研究室』、島田一男「殺人交響楽」

99.3.9(火) あれこれ御礼
・随分、間が開いてしまった。この間、結構ドタバタしていたのだが、関殿、あけみさんアップが遅れてすみません、というわけで、パラサイト・関とメールコーナーに新着です。
・ワセミスOBMasamiさんの「Masami's Homepage」にリンクしていただきました。当方からも今回リンク。ワタクシ的には、埋もれた名作・佳作を次々と発掘していく「ミステリの書庫」が超オススメ。
・松本楽志さんから、前から気になっていたケイト・ロス「ベルガード館の殺人」が密室物だと教えてもらいました。ありがたし。本を入手次第、リストに掲載します。
・それにしても、小林文庫オフ楽しかったっす。また、一つよろしく、皆さま。(レポートは、週末を予定。といっても、フクさんとkashibaさんのレポートで、完にして壁。もはや書くことがないような)
・オフで入手した「古本極道」彩古さんの同人フロッピー「古書の臍vol1」。 昭和30年代推理作家篇その1と題して、特集は「忘れられた異能作家たち」。収録作家は、朝山蜻一、大河内常平、楠田匡介、鷲尾三郎の4人。(←この濃度を見よ)これらの作家の詳細なビブリオグラフィーと書影を拝むことができる(映画化作品リスト付き)。見たことも聞いたこともない作品タイトルと画像が実に、眼の毒。作成日記も載っていて、これも楽しい。次回は、岡田鯱彦、飛鳥高、宮野村子、九鬼紫郎だそうで、ますます凄そう。
・また、kashibaさんからは、風太郎参加の超入手困難連作「白薔薇荘殺人事件」をお借りすることができ、「妖の忍法帖」(カッパノペルス「忍法双頭の鷲」の改題前作)を「成田さんが持ってなくてどうする」と、ただで譲っていただきました。感涙。


99.3.1(月) 「本格ミステリーを語ろう!」
・鷹見緋沙子問題も終わって、やれやれ。(勝手に終わらせてる奴)
・ミステリ系では著名なサイトだとは思いますが、松本楽志さんの「ぱらでぁす・かふぇ」にリンクさせていただきました。オリジナリティ高い書評には、よく唸らされます。
・鷹見問題再考のきっかけとなったメールを送っていただいた方から、再度メールを送っていただきました。平伏。結果は、内緒。でも、「鷹見緋沙子」の正体に関し、さらに意外なことが書かれていたのは、驚きでした。
・もう、既にWeb上のあちこちに出ているようだが、「EQ」休刊らしい。創刊号から毎号買ってきただけに(その割に何冊も欠けている)、残念。
・「本格ミステリーを語ろう!」(海外編) 原書房
 芦辺拓・有栖川有栖・小森健太朗・二階堂黎人の対談集。意外に面白かったといったら失礼か。新本格のファン向けの啓蒙対談かと思ったが、濃度はかなり。各作家の語り口は、それぞれマニア・詩人・分析家・信者を思わせ(誰がどれに相当するかはご想像におまかせ)、キャラも揃った感じ。特に、前半、カボリオ、ボアゴベ、コリンズといった、余り語られることのない作家たちのところや、クイーンをめぐる部分は興味深かった。一方で、セイヤーズや、新本格派といわれたブレイク、クリスピン、イネス、70年代のイギリス本格(P.D.ジェイムズ、レジナルド・ヒル)といったあたりの英国本格には、共通して、無理解というか、非寛容な点は気になった。ゴリゴリの本格といった面では若干物足りないかもしれないが、この辺への理解が抜けてしまうと、ミステリの楽しみの大事な部分で抜けてしまうようで、なんとも、もったいない。いまだに日本の新本格の多くが垢抜けないのは、この当たりにも一因があるのかもしれない。あとは、個人的好みの問題かもしれないが、二階堂黎人の発言は、あちこちで違和感を覚えた。(彼の語るロードの「ブレード街」のあらすじは全然違うのでは ないか、とか)