'bout HEN-na JAZZ


永らく色々と聴いていると変わったアルバムに出会う事もあります。
中にはただ単につまらないだけのモノもありますが、
ここでは「それはそれで面白い」作品を取り上げていきたいと思います。
決して誹謗中傷する目的ではありませんので、「けしからん!」とか云わないで下さいね(笑)。
私の愛すべき"変な"ジャズアルバムです。
ちょっとジャズじゃないのもありますが、それはそれでご容赦の程を。

1   2   3   4   5   6


ブラジル音楽を勘違いしてる度★★★ 誰も彼を止められないのか度★★★★      
BRAZILIAN RHAPSODY / DANIEL BARENBOIM (TELDEC)
hen55.jpg (5935 バイト) DANIEL BARENBOIM(PF),MILTON NASCIMENTO(VO),
NIKOLAJ ZNAIDER(VLN),EMMANUEL PAHUD(FL),
ALEX KLEIN(COE),LARRY COMBS(CL),
ROBERT KASSINGER(B),CYRO BAPTISTA(PERC)
1.TICO TICO NO FUBA
2.TRAVESSIA
3.CORCOVADO FROM SAUDADES
  DO BRASIL
4.MANHA DE CARNAVAL
5.TRISTEZA
6.PEDACINHOS DO CEU
7.BACHIANAS BRASILEIRAS NO.5
8.WAVE
9.AVARANDADO
10.SUMARE FROM SAUDADES
   DO BRASIL
11.AQUARELA DO BRASIL
12.SONG OF THE SABIA
13.BRAZILIAN RHAPSODY
14.EU SEI QUE VOU TE AMAR
15.BAHIA

またもやダニエルバレンボエムがやってくれましたっ(笑)。
エリントンに引き続き今度はブラジル音楽を取り上げております。
知らなかったのですがバレンボエムはアルゼンチンのブエノスアイレス生まれなんだそうで
それだったら同じラテンアメリカと云う繋がりから考えて、
それなりの音楽に仕上がってるのではないかと期待していたのですが…。
どうやら生まれがどこであれ、彼の体には最早クラシックの血しか流れていないみたいです(笑)。
ミルトンナシメントとパーカッションのシロバプティスがネイティヴなブラジリアンである他は
シカゴフィルやベルリンフィルのメンバーによる演奏。
もーちぐはぐったらありません。
リズムが独特のモタった感じなのに、各楽器は譜割り通りの堅い音。馴染まねー。
そこにバレンボエムのカーメンキャバレロ系ピアノが乗っかってくると
一昔前の地方のスーパーのBGMを聴いてる様な雰囲気がするから不思議です(笑)。
このバレンボエムの余興の様なアルバムは、どうやらシリーズとなっている様で
他にもピアソラ等タンゴを取り上げた1作目があるのだそうです。
これまた楽しみが増えました(笑)。

 

ジョンゾーン度★★★★★ 邦楽との相性度★★★        
巌流島 / JOHN ZORN & 佐藤通弘 (TZADIK)
hen54.jpg (4672 バイト) 佐藤通弘(三味線),JOHN ZORN(REEDS)
1.RYUKYU HEISHI
2.HAGUREGUMO
3.TWO RONIN
4.KAGEMUSHA
5.ODORI DAYU
6.GANRYU ISLAND
7.YOSHIWARA KAIDAN
8.NATSU MATSURI
9.GIRI
10.YONAKA NO HATASHIAI
11.UMA NO KOKU
12.TSUGARU BUSHIDO

変なジャズのコーナーにジョンゾーンを取り上げるのは当たり前過ぎて
面白くないかもしれません(笑)。でも取り上げないのも変だしー(^_^;
って事でジョンゾーンと三味線の佐藤通弘の掛け合いによるアルバムを紹介します。
基本的には佐藤通弘による三絃の曲と解釈して良いでしょう。
つまりジョンゾーンはリードを持ちながらメロディらしいメロディは吹いていません(笑)。
「じゃいなくても良いんじゃないの?」って話にもなりそうですが、
彼は管楽器を使って、様々な絡み方を実験しています。これが面白い。
実際に篳篥や笙を吹いてる様にも見受けられますが、アルトでそれを模してる部分もあります。
マウスピースを外して吹いてるか、リードを歯で噛んでるかでしょう。
破裂音の様な短音を鼓の様に聴かせたり、打楽器のあしらい的に聴かせたり、
逆に邦楽にはそぐわないようなドナルドダックみたいな音を鳴らし続けたり、
殆どリード楽器の場外乱闘状態です(笑)。
特に最終曲の"津軽武士道"は変化に富んだ展開が凄まじい。
メインは三味線の筈なのに耳はジョンゾーンの音ばかり追いかけてしまってる自分に
気がつくことでしょう。

彼の多岐に渡る活動からスタイルや音楽性を汲み取ろうとする事自体ナンセンスですね。
「無限に沸いてくる興味に対する取り止めのないエネルギーの発散」だと
私はそう考えてしっくりきてます(笑)。
彼は演奏する事なんかどうでも良くて、不恰好な粘土細工の様に
音楽をボコボコと作っていく事が好きなんじゃないかなぁと思うのです。

 

楽器の不自由度★★★★★ ジャズ度★    
SUMMERTIME / CHARLOTTE HALBERG (OLUFSEN RECORDS)
hen52.jpg (6432 バイト) CHAROTTE HALBERG(PANFLUTE,FL),
BENT CLAUSEN(VOB,PERC),
HIGO RASMUSSEN(B)
1.SUMMERTIME
2.LULLABYE
3.RUDENISH
4.AFRICAN FLOWER
5.RAN
6.ROUND MIDNIGHT
7.MOUNTAIN LIFE
8.MOLRYNKEN
9.CHEAP STONES
10.SKOVDIS
11.THE FIRST GARDEN

かなり訳のわからないアルバムです。
幾つかの曲でパンフルートを吹いているのですが、
これは単に珍しいと云う事以上に何の意味も持ちません(笑)。
とにかく原始的な楽器ですから演奏にはかなりの制約があると思います。
その困難を克服して素晴らしい演奏を…してる訳ではなく(^^ゞ、
ジャズのスタンダードのテーマを静かに吹いておしまい。
アドリブパートはヴィブラフォンに任せてしまっています。
パンフルートだから仕方ないのかなと思いきや、
フルートを吹いてる曲でも殆どアドリブらしいアドリブがない(笑)。
一番ジャズっぽい"MOLRYNKEN"ってブルースの曲でも
2コーラスだけ書き符っぽいアドリブパートを吹いてるだけです。
おそらくこのおねえちゃんはクラシック畑の人なんでしょうね。
"RAN"ってフルートソロの曲もなんだか無伴奏フルートソナタって感じ。
ジャズ的なイデオムが殆ど出てこないんですね。
全体としては、北欧のもの悲しいムードが漂ってて、
「いつ終わったのか気付かない系」のアルバムですが(笑)、
"RUDENISH"ってトラディショナルな7拍子の曲だけ、
収録アルバムを間違えたのかと思うくらいの突拍子のなさです。
これだけアフリカの民族音楽みたいなんですね。
パーカッションが訳のわからない言葉を叫びながら叩いてます。

 

平凡パンチ度★★★★ 渚でイェイイェイ度★★★★    
モダン・パンチ FOR YOU / VARIOUS ARTISTS (KING)
hen50.jpg (9407 バイト) 猪俣猛(DS),滝本達郎(b),前田憲男(PF),
仲野彰(TP),鈴木重男(AS),原田忠幸(BS),
八城一夫(PF),チコ菊池(DS),原田政長(B),
松本英彦(TS),ジョージ大塚(DS),鈴木勲(B),
菅野邦彦(PF),白木秀雄(DS),栗田八郎(B),
世良譲(PF),日野皓正(TP),村岡健(TS,FL)
A-1.10番街の殺人
  2.キャラヴァン
  3.イパネマの娘
  4.涙の乗車券
B-1.ダイアモンド・ヘッド
  2.パイプライン
  3.朝日のあたる家
  4.ヘルプ・ミー・ロンダ
  5.かわいい小鳥

「キミのセンスでモダンジャズLPを作ろう!」と云うキャッチフレーズで、
今はなき雑誌平凡パンチが1965年に企画したアルバム。
読者からの投票で曲を選び、一流のジャズメンによって録音すると云う、
なかなか面白い企画ではあったのですが…。
時代とアンケート対象者がマズかった(笑)。
エレキブームの影響もあって選ばれた10曲の大半は、その頃のヒットソング…。
ベンチャーズ、ビートルズ、アニマルズ、ビーチボーイズ等が大半を占めてます。
ジャズらしい曲と云えば、キャラヴァン、枯葉、イパネマの娘の3曲のみ…(涙)。
この結果にはスタッフも頭を抱えた事でしょう。
しかし、もっと頭を抱えたのは演奏をしなきゃいけないプレイヤーですな(笑)。
かなり難しい課題を与えられてアレンジに四苦八苦した事だろうと思いますが、
逆にセンスの差が歴然と出る結果となっていて興味深いです。
幾つかの演奏は聴くに耐えないくらいつまらない。…ホントにつまらない(^_^;
でもアレンジによってかなりジャズ度の高い演奏に昇華しているモノもあります。
ベンチャーズのヒット曲"パイプライン"をホレスシルヴァー的ファンキージャズに仕上げた
白木秀雄クインテットの演奏は、リーダーのドラムに煽られて世良譲、日野
皓正等が
熱気溢れるソロを展開しています。
また、アルバムラストを飾る"かわいい小鳥"は、松本英彦のワンホーン。
これがなかなかの名演なのです。中期コルトレーン的な仕上がり。
「ジャズはテーマだけを聴くんじゃないよ。」とばかりフェイクし、
インプロヴァイズする松本英彦のモーダルな演奏が素晴らしい。

 

ジャズを勘違いしてるかも度★★★★ 愛情物語度★★★★    
TRIBUTE TO ELLINGTON / DANIEL BARENBOIM (TELDEC)
hen49.jpg (4639 バイト) DANIEL BARENBOIM(PF),CLIFF COLNOT(ARR,COND),
DIANNE REEVES(VO),DON BYRON(CL),LARRY COMBS(CL,SS,AS),
BURL LANE(SS,TS),JOHN HAGSTROM(TP),
AMIR EL SAFFFAR(TP,FLH),DALE CLEVENGER(HORN),
MICHAEL MULCAHY(TB),CHARLES VERNON(TB),
BRAD OPLAND(B),CHARLIE HARRISON(G),
JOEL SPENCER(DS,PERC),KYLE WOODRING(PERC)
1.DO NOTHING TILL YOU
     HEAR FROM ME
2.SATIN DOLL
3.SOPHISTICATED LADY
4.CARAVAN
5.DON'T GET AROUND
        MUCH ANYMORE
6.AZURE
7.SQUATTY ROO
8.PRELUDE TO A KISS
9.MOOD INDIGO
    〜PURPLE GAZELLE
10.CHELSEA BRIDGE
11.STAR-CROSSED LOVERS
12.ZWEET ZURZDAY
13.TAKE THE 'A'TRAIN
14.IN A SENTIMENTAL MOOD
15.FAST & FURIOUS

デュークエリントン生誕100年記念で作られたアルバムです。
ジャズファンの方は「誰?このエラソーなおっちゃん。」って思われるでしょうが、
実は、このダニエルバレンボエムって人、クラシックでは有名な指揮者なんです。
その人が何を血迷ったか指揮棒をピアノに変えてエリントン曲集を作っちゃいました。
まぁ、指揮者でもピアノの巧い人は沢山いますから別段不思議な事ではありません。
実際、アンドレプレヴィンなんかは、クラシックの指揮者とジャズピアノの両方で
超一流の実績を残していますし…。
そんなこんなの期待もあって、このアルバムを聴いてみたのですが…。
バレンボエムのピアノにずっこけてしまいました。
いかりや長介だったら「だめだこりゃ」で一蹴してしまうことでしょう(笑)。
とりあえず、スイング感はゼロ。
スイングしようと試みてる曲もありますが無残な結果に終わっています(爆)。
ソロパートにしてもアドリブとは云えない様なテーマの軽いフェイクがある程度で、
それも何やら書き符っぽい。
どうせ書き符だったら、もっと気の利いたフレーズにすりゃ良いのにね(笑)。
アルペジオやトリルやターンがとにかく古臭いカクテルピアノ風…。
この手のピアノってどこかで聴いたと思ったらカーメンキャバレロに似てます(爆)。
エリントンって泥臭いピアノでしたから、彼の音楽にこの手のピアノが絡むのは
別の意味で新鮮と云えましょう!(笑)
ただバレンボエムがこのジャケ写の様にマジで自信たっぷりになってる様でしたら
どなたか側近の人が傷つかない程度に教えてあげた方が宜しいかと…(笑)。

 

何でも企画すりゃ良いってモンじゃないでしょ度★★★★  ワイル度★ 
PLAYS BOSSA NOVA / BOBBY ENRIQUEZ (GNP CRESCENDO)
hen48.jpg (7480 バイト) BOBBY ENRIQUEZ(PF),RUFUS REID(B),
BILLY HIGGINS(DS)
A-1.WAVE
  2.THE GIRL FROM IPANEMA
  3.SABOR A MI
  4.ONE NOTE SAMBA
B-1.MANHA DE CARNAVAL
  2.DESAFINADO
  3.CORCOVADO

ワイルドマンことボビーエンリケスの曲芸的なピアノはとにかくゴキゲンですね。
みんなで酒を呑んで「わははは」と盛り上がるには格好のミュージシャンです(笑)。
チョップ、拳骨を駆使して暴れ捲くってるにも関わらず、奏でられるメロディは、
強烈にスイングするバッピーなフレーズなのが嬉しい。
そんでもってこのアルバムなんですけど…。
どうして彼にボサノヴァなんて演奏させるわけ??絶対に合う訳ないのにぃ。
案の定「ジャズマンによくある勘違いボサ」になっております(涙)。
速いテンポの曲では得意のフレーズが爆発しそうになるのを我慢し、
遅いテンポの曲ではすっかりカクテルピアノ落ち着いてしまってます。
きっとボビーエンリケスも欲求不満を感じながら演奏していたに違いないのです。
おそらくレコーディング帰り、この行き場のないエネルギーを発散すべく
歌舞伎町のネオンの中に消えて行った事と思われます(ベネッセ調べ)。
これって1982年の来日の折に作られたアルバムなんですけど、
バックの二人はトミフラと一緒に来日してたリズムセクションを流用。
もー何から何までやっつけ仕事的だなぁー(笑)。
当時のLPの帯にはこんなコピーが書かれています。
「やさしく、しなやかな刺激。ピアノの魔術師ボビーエンリケスのボサノヴァアルバム」
一体、彼に何を求めていたのでしょうねー?(笑)
ジャケットにお姉ちゃんのビーチクがしっかり写ってるのが唯一の救いか。っておい。

 

ピアノ弾きよじれ度★★★★★
わしのパンじゃ!! / 山下洋輔 (PANJA)
hen47.jpg (9284 バイト) A-1.パンの花束・1
  2.PANJA組曲part1
   
山下洋輔(PF),小山彰太(DS),武田和命(TS),
    林栄一(AS),ヨシコ(VO),橋本俊一(NARRATION)

  3.パンの花束・2
   
麿赤児,赤塚不二夫,平岡正明,河野典生
  4.フリー落語
   
三本亭指助(=山下洋輔)
  5.寿限無
   
山下洋輔(PF),小山彰太(DS),武田和命(TS),
    林栄一(AS)

  6.講演
   
乙骨健太郎(=山下洋輔)
  7.PICCASO
   
山下洋輔(PF),川端民生(b),村上"ポンタ"秀一(DS),
    岡野等(TP),粉川忠範(TB),松風鉱一(AS),
    武田和命(TS),杉本喜代志(G)

  8.P.A.N.J.Aオールスター・バトル・ロイヤル
   
村松友視(解説者),乙骨健太郎(乱入論者),
    松山真佐夫(放送アナ),石沢徹(リング・アナ)

  9.BATTLE ROYAL
   
鬼鍵盤山下(PF),アンモナイト小山(DS),
    シーラカンス武田(TS),シュランジャー林(AS)
 
10.パンの花束・3
   
B-1.パンの花束・4
   
かんべむさし、堀晃
  2.五・七・五
   
山彰太(和歌詠み人,DS),山下洋輔(PF),
    武田和命(TS),林栄一(AS)

  3.P.J.Nドキュメント「今週の問題人物」
   <テーマ音楽"THE OTHER PICTURE">
  4.一市民の意見
   
浅井慎平
  5.おことば
   
南伸坊
  6.ハヤマ・キッド・バンド・1
   
ダイチャン(TP),タイコウ(PF),ツンツン(PIANICA),
    コースケ(DS)

  7.ハヤマ・キッド・バンド・2
   
ダイチャン(DS),タイコウ(TP,G),ツンツン(G),
    コースケ(PF)

  8.ジャズ大名
   
筒井康隆(CL),山下洋輔(PF),川端民生(b),
    小山彰太(DS),武田和命(TS),杉本喜代志(G),
    林栄一(AS),
    編集者バンド〜鈴木啄二(CL),田寄哲(AS),横山正治(TB),
    ソークメナーズ・ホーンズ

  9.JAMAICAN PARROT
   
山下洋輔(PF)
10.対決1(SYMPHONIC ORCHESTRA VS 山下洋輔)ー「運命」
   
山下洋輔(PF),新日本フィル(?)
11.対決2(ELECTRIC INSTRUMENTS VS 山下洋輔)ー「SOCOLLA」
   
山下洋輔(PF),神谷重徳(LINN DRUM,SYNTH)
12.パンの花束・5
   
糸井重里,三上寛,相倉久人,油井正一
13.PEACE
   
武田和命(TS),山下洋輔(PF),川端民生(B),
    小山彰太(DS)

14.PANJA組曲part2
   
山下洋輔(PF),小山彰太(DS),武田和命(TS),
    林栄一(AS),ヨシコ(VO),etc.…

山下洋輔が自己のレーベルPANJAの旗揚げで作ったアルバムです。
もー、ワヤクチャです(笑)。
演奏らしい演奏はホレスシルヴァーの"PEACE"くらいで、
主に馬鹿騒ぎを楽しむアルバムだと云えるでしょう。

アルバムのオープニングとエンディングを飾る"PANJA組曲"は、
洋輔らしい曲調のファーストテンポなナンバーで、
ヨシコの素人っぽいヴォーカルの棒読みっぽさが実にキュート。
「ぱんぱんぱん。ぱんぱん。」ってずっと云ってるだけ(笑)。

"寿限無"へのイントロダクションとなる"フリー落語"は、
古典落語のサビ(?)の部分を出鱈目に繋げたと云う
フリーアプローチの落語です。馬鹿馬鹿しくも可笑しいです。
タモリもアルバム「
タモリ2/タモリ(東芝EMI)」の中で落語をやっていましたが、
そちらの方がオリジナリティは高いですね。

"P.A.N.J.Aオールスター・バトル・ロイヤル"では、
リングサイドにプロレスの味方村松友視を迎えて
4人のジャズメンによるバトルロイヤルな演奏を繰り広げます。
レフェリーに凶器のスティックを咎められたアンモナイト小山が暴れ出す一幕も(笑)。
普段のフリー演奏に輪をかけた様な壮絶な凶器乱舞の肉弾戦を期待しますが
その割にテーマをみんなで仲良く合わせてるあたり八百長の可能性が高い(笑)。

"五・七・五"は、後に演奏される"HAIKU"の原形みたいな演奏です。
但し、実際には、五・七・五・七・七の短歌のリズムを用いています。
小山彰太のハナモゲラな詠みっぷりがたくましいです。
坂田明の不参加が惜しまれます(笑)。

"ハヤマ・キッド・バンド"は、山下洋輔の家に遊びに来た子供達による
フリージャズの演奏です。
2つの演奏が収められていますが、楽器を持ち回りするなど
マルチな才能をいかんなく発揮してくれています。
これを英才教育と云って良いのかどうかは悩むところですね(笑)。

まー、この様にイキオイで作られた宴会芸的アルバムですが、
山下洋輔ファンにはある種嬉しい作品だと思います。

尚、コーナーとコーナーの間をつなぐ"パンの花束"は、
各界の著名人からずぶの素人に至るまで
洋輔さんとゆかりのある人々から寄せられたお言葉です。

 

筒井康隆度★★★★★     
筒井康隆文明 / 筒井康隆 (VICTOR)
hen45.jpg (5347 バイト) 代志住正(朗読),小山彰太(DS,手拍子,VO),
山下洋輔(PF,手拍子,VO,MARIMBA,ORG),
坂田明(AS,VO,手拍子),
ジャムライス(手拍子),角張幸子(手拍子,VO),
堀晃(VO),かんべむさし(VO),
筒井倶楽部有志(手拍子,笑い声),
ラリー寿永(PERC),ミー&ケイ(UFO)
筒井康隆(朗読)
A-1.バブリング創世記
   (「熊の木音頭」入り)
B-1.寝る方法

筒井康隆の「バブリング創世記」をジャズで演奏したアルバムです。
演奏してるのは当然の事ながら山下洋輔をはじめとする仲間内。
ジャズメン以外にもSF作家や筒井康隆のファンクラブも入り乱れ、
ハイテンションなパフォーマンスを展開しています。
途中"熊の木音頭"に入った辺りから宴会系馬鹿騒ぎの様相を呈してきます。
「うー。一緒に騒ぎたい…。」と思うのは私だけではありますまい(笑)。
尚、筒井康隆本人は演奏には参加しておらず、B面で"寝る方法"を朗読してます。

hen46.jpg (2955 バイト)彼が実際に演奏したアルバムとしては、
ジャズ大名/筒井康隆(JAPAN RECORD)」があります。
これは同名の筒井康隆の作品の映画化に際し作られたアルバムで
A面がサウンドトラック、B面が筒井康隆のクラリネット演奏の構成。
演奏の腕前は、素人としてはそこそこと云った程度ですけど、
彼の作曲した"活動写真"や"ジャズ大名"は、ホントに良い曲です。

 

キースさん、聴かなかった事にしといてあげるね度★★★★★
RESTORATION RUIN / KEITH JARRETT (VORTEX)
hen44.jpg (7196 バイト) KEITH JARRETT(VO,HARMONICA,RECORDER,SS,G,B,BONGOS,
              TAMBOURINE,DS,PF,ORG,SISTRA)
+STRINGS QUARTET
1.RESTORATION RUIN
2.ALL RIGHT
3.FOR YOU AND ME
4.HAVE A REAL TIME
5.SIOUX CITY SUE NEW
6.YOU'RE FORTUNATE
7.FIRE AND RAIN
8.NOW HE KNOWS BETTER
9.WONDERS
10.WHERE ARE YOU GOING?

キースジャレットの若気の至りアルバムです(笑)。
全くもってジャズではありません。
内省的な孤高のピアニストであるキースジャレットを聴き慣れてる方であれば、
ここで演奏されている前時代的なフォーク・ロック系の演奏に耳を疑う事でしょう。
しかもキースは、自分で作詞作曲した歌を歌い捲くっているのですから。
いつもの調子で「いーん」と唸ってるんじゃなくて(笑)、
ボブディランの様なヴォーカルを聴かせてくれているのです。
更に多重録音でドラム、ベース、ソプラノサックス、ギターetc.…と、殆ど自分で演奏。
そのどれもが中途半端なので素人の作ったアルバムみたいになっております(笑)。
でも聴いてるとなんとなく、その素朴さが「良いなぁ。」と思えてくるんですね。
優しい青年が呟いている様な唄い方にホッとすると云うか…。
音程があやふやなのも味のうちです(笑)。
もう二度とこの手のアルバムが作られる事はないでしょうし、
このアルバムを持ってキースに「サインして下さい。」と云っても無視される事でしょう(爆)。

 

こらこらどこがジャズやねん度★★★★★★★★     
THE JAZZ MUSIC FOR SHOSTAKOVICH / RICCARDO CHAILLY (LONDON)
hen42.jpg (7172 バイト) RICCARDO CHAILLY(CONDUCTOR),
ROYAL CONCERTGEBOUW CRCHESTRA
RONALD BRAUTIGAM(PF),PETER MASSEURS(TP)
1.JAZZ SUITE NO.1
   1)WALTZ
   2)POLKA
   3)FOXTROT
2.PIANO CONCERTO NO.1
   1)ALLEGRETTO
   2)LENTO
   3)MODERATO
   4)ALLEGRO CON BRIO
3.JAZZ SUITE NO.2
   1)MARCH
   2)LYRIC WALTZ
   3)DANCE 1
   4)WALTZ 1
   5)LITTLE POLKA
   6)WALTZ 2
   7)DANCE 2
   8)FINALE
4.TAHITI TROT(=TEA FOR TWO)

「ショスタコーヴィッチ:ジャズ音楽集」と銘打たれたアルバムです。
クラシックをご存知ない方の為に少し説明させていただきますと、
ショスタコーヴィッチは、1900年前半に活躍したロシアの有名な作曲家です。
彼の作品で最も有名なのは、交響曲第五番「革命」でしょう。
関西の方なら大阪ガス提供の部長刑事のオープニング曲として耳馴染みの筈(笑)。
さて、そんな彼がジャズに興味を持ち作曲した"ジャズ組曲"2作品。
とりあえず大笑いしてください。
笑う以外にこの作品を聴くすべはないでしょう(笑)。
一体これのどこがジャズなのかさっぱりわかりませんねー。
これらの組曲が作曲された1930年台にはジャズとはこんなモノだったのでしょうか?
確かにビバップムーヴメントはまだ起ってない頃ではありますが、
スイングジャズが全盛だった筈…。
ショスタコーヴィッチがジャズにどうインスパイアされたのか、
そして、それをどう活かしたかったのか…。謎です。
このアルバムには他に1928年に彼がアレンジした"二人でお茶を"も収められています。
何でも指揮者のニコライマルコって人が彼の腕前を試そうとして、
一時間以内にこの曲をアレンジする様に要求したのだそうです。
「彼は、40分で素晴らしく機知に富んだ独創的なオーケストレイションをやってのけた」と、
ライナーには描かれておりますが、如何にも突貫工事なアレンジだと思うけどなぁ(笑)。

クラシックの作曲家でジャズに興味を持った人は結構います。
モーリスラヴェルなんかも、"左手の為のピアノ協奏曲"でジャズを意識してますし、
"ヴァイオリンとピアノの為のソナタ"の第二楽章は"ブルース"と題されています。
ちょっと勘違いも入っていますが、ラヴェルなりにブルーノートを使用してます(笑)。

でもやっぱりジャズとクラシックの融合と云う話になると頭に浮かんでくるのは、
間違いなくジョージガーシュインですよね。
"RHAPSODY IN BLUE"は、その一つの成果である事に異言はないでしょう。
今となれば少し古臭い感が否めませんが、ジャズと云う音楽が生きてる証ですね。
hen43.jpg (3335 バイト)ガーシュイン生誕100年で沢山のアルバムが出ましたが、
AMERICAN RHAPSODY/VIENNA ART ORCHESTRA(RCA)
の中で演奏されている"RHAPSODY IN BLUE"は、
マティアスリュッグによって再アレンジされたものです。
ピアノパートをアコースティックギターに置き換えたのは
アイデアの勝利だと思います。
この新鮮さを一度お聴きいただきたいです。
ガーシュインも墓石の下で喜んでる事と思います(笑)。

クラシックとジャズの融合点を考えた時、現代音楽とフリージャズには、
もっとも太い接合部分がある様に思えます。
「十二音技法」や「偶然性の音楽」と云った概念は、両者の共通のキーワードですし。
その辺りにつきましては、またいづれ機会をみて取り上げてみたいと思います。

 

ゴジラ度★★★ ジャックウォラスVS伊福部昭度★★★★★
GODZILLA JAZZ / JACK WALRATH (PADDLE WHEEL)
hen39.jpg (8419 バイト) JACK WALRATH(TP),ART BARON(TB,PERC,RECORDER),
BRITT WOODMAN(TB),BILL BICKFORD(G,PERC),
LINSEY HORNER(B,B-CL),CECIL BROOKS 3RD(DS,PERC)
1.キングコング対ゴジラ
2.三大怪獣地球最大の決戦
3.キングコングの逆襲
4.モスラ対ゴジラ
5.空の大怪獣ラドン
6.ゴジラ
7.海野底深く
8.ゴジラの最後

ジャックウォラスが別にゴジラのファンであった訳ではない様です。
どうやら企画の裏で暗躍していたのはクリヤ・マコト。はは〜ん、なるほどね。
なんせ彼は、ピンクレディの"UFO"や山口百恵の"ひと夏の経験"等、
日本の歌謡曲を取り上げた「
SUKIYAKI/クリヤ・マコト(MAY KISS)」なんて
実に趣味の悪いアルバムを出してますから、ゴジラなんてまだまともな方でしょう。
近年のゴジラブームに便乗した一丁上がり的な企画モノが完成する筈でした。
ところが出来上がった作品は、予想を良い意味で裏切ってくれました。
それは、伊福部昭の曲が余りにもジャズ向きでなかった事が
大きな要因ではないでしょうか?
日本の現代音楽の巨匠によって作られた泥臭い曲調とジャックウォラスの闘い。
如何にその泥臭さを生かすか?若しくは消し去るか?
一曲目の"キングコング対ゴジラ"を初めて聴いた時、頭の中に浮かんできたのが、
直立猿人/CHARLES MINGUS(ATLANTIC)」でした。
泥臭さとジャズの融合点をその辺りに持ってきたのは正解だと思います。
現に彼はミンガスグループの最晩年のメンバーでしたし。
師匠と同じように一つの実験場としてこの企画を見事にこなしたウォラスに拍手。
ただ幾つかの曲では伊福部昭の灰汁の強さが粘り勝ちして
イナタイ演奏になっている事も事実です(笑)。

hen40.jpg (2588 バイト)ゴジラがジャズになるのであれば、
当然ウルトラマンもジャズになる訳です(笑)。
ULTRAMAN JAZZ/布川俊樹(ID NET)
こちらのアルバムについては、ありがちな仕上がりで
着せ替え遊びの域を出ていない様な気がします。
ユーミンをジャズるのとノリは一緒です。
小粋なジャズでウルトラマンを演奏する事の意義は?(笑)

hen41.jpg (3083 バイト)こうなると次は仮面ライダーだなと思っていたんですが(笑)、
やってきたのはルパン3世でした。しかも作曲者自身の演奏で。
まぁ、元々ルパンの曲はジャズな訳ですから全く違和感がありません。
LUPIN THE THIRD JAZZ/大野雄二(VAP)
彼のピアノはプレイを聴くと云うにはやや端正過ぎますが、
ジョンルイスの様な朴訥とした語り口でなかなか味があります。
しかし何よりも大野さんの魅力的な曲を楽しめるのが嬉しいです。
"LOVE THEME","FIRE TREASURE(炎のたからもの)","LOVE SQUALL"等
バラッド作品は胸に染み入る名曲であり、好演であると思います。

【追記】
hen53.jpg (3197 バイト)とか何とか云ってましたらルパンの第二弾が出ました。
LUPIN THE THIRD JAZZ THE 2ND/大野雄二(VAP)
これが一作目よりも出来が良いっ!
今回はヴォーカルをフィーチャーした曲が入ってるのが嬉しいですね。
二回目のテレビシリーズのタイトル曲"LUPIN THE THIRD"を
CYNTHIA DEWBERRYって女性が唄っているのですけど、
これが一瞬カサンドラウィルソンかと思う低声の持ち主。渋いっ。
カリオストロの城のテーマ"FIRE TREASURE"もヴォーカル仕立て。
この男性ヴォーカルもマークマーフィー系の洒脱なセンスが素晴らしい。
大野さんの曲の魅力を改めて実感した次第であります。

【更に追記】
とか云ってましたら ルパンの第三弾が出ました。
LUPIN THE THIRD JAZZ THE 3RD FUNKY&POP/大野雄二(VAP)
今回は今までとは少し毛色が異なりまして、
サブタイトルにもありますようにファンキーでポップな路線。
逆にテレビシリーズでのイメージに近いかもしれません。
テレビシリーズには他にも良い曲があったと思うので
できればもっと
ブラスアンサンブルにあった曲を選んでも良かったのでは?
シリーズ1作目の
山下毅雄さんの曲でこの企画をやってほしいなぁ。

テレビで新作のスペシャルがあったらしく、
そのせいで更にルパン系のアルバムが幾つかでておりました。
ジャズ絡みのモノを更に紹介します。
ISN'T IT MORE LUPINTIC?/YOU&EXPLOSION BAND(VAP)
いろいろ出ててもやはり目玉になるのは有名なテーマ曲でしょう。
ここではなんとジェリーマリガンのピアノレスクァルテットのスタイル。
うーん、ルパンファンでわかる人、そんなにいないと思うぞー(笑)。

他にもマキシシングルで
LUPIN THE THIRD  WHAT'S THE WORRY/大野雄二(VAP)
ってのも出てました。
こちらは新作テレビスペシャルのエンディングテーマを収録。
更に注目の女性ヴォーカリストAKIKOがフィーチャーされて
ルパンのテーマを唄っています。なかなかカッコイイです。


どうもこのパートは追記が多いですが…。
THE RETURN OF ULTRAMAN JAZZ/布川俊樹(ID NET)
も出ていましたので一応紹介しておきます。
内容的には前作同様のスムースなフュージョン系。
お好きな方はどうぞ。

 

なんとなくコルトレーン度★★★ 演奏の不自由度★★★★★
BAGPIPE BLUES / RUFUS HARLEY (ATLANTIC)
hen38.jpg (6881 バイト) RUFUS HARLEY(BAGPIPE,FL,TS,SS),
OLIVER COLLINS(PF),JAMES GLENN(B),
BILLY ABNER(DS)
1.BAGPIPE BLUES
2.KERRY DANCERS
3.WHO CAN I TURN TO
4.MORE
5.CHIM CHIM CHEREE
6.SPORTIN'
7.SOMETIMES I FEEL LIKE
  A MOTHERLESS CHILD

いやはやバグパイプでジャズを演るとは…。
バグパイプと云う楽器について詳しい特徴とかは知りませんが、
どう考えてもジャズには向かない筈なんです。
きっと出ない音が一杯ある上、息を吐き出してから音になるまでの
タイムラグが相当あると思われます。
そんな不自由極まりない楽器をこのルーファスハーレイと云う人は、
自由に操る…事なく窮屈そうに演奏しております(爆)。
バグパイプにしては凄い事なのかもしれませんが、出来上がってくる音楽は、
お世辞にも鑑賞にたえうるモノではありませぬ。
しかし、この標題曲の"BAGPIPE BLUES"を聴いた時、
ジャズファンなら誰もが「コルトレーンのソプラノに似てる。」と思う事でしょう。
マーチビートで演奏されるブルースで、少ない音数で表現されるテーマは、
最初の「
MY FAVORITE THINGS/JOHN COLTRANE(ATLANTIC)」の
チャルメラなソプラノサックスを彷彿とさせます。
しかもハーレイは、他に"CHIM CHIM CHEREE"なんかも演ってますから
更にイメージが重なります。
しかし、流石にバグパイプでアドリブを演るのは無理があったみたいで、
どれも演奏が短いんですよね(笑)。
それどころかテーマを吹くのさえおぼつかない状態で、
足りない音程を誤魔化しながら精一杯の演奏をしております。
日本語ライナーに書かれている事には、他にも何枚かアルバムが出てるとか。
しかも1974年のモントルージャズフェスでロリンズのグループに参加したとか、
1988年に出したアルバムではジョルジュアルバニタと共演したとか。
是非とも一度聴いてみたいものです。でも一度で良いです(爆)。

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