'bout HEN-na JAZZ


永らく色々と聴いていると変わったアルバムに出会う事もあります。
中にはただ単につまらないだけのモノもありますが、
ここでは「それはそれで面白い」作品を取り上げていきたいと思います。
決して誹謗中傷する目的ではありませんので、「けしからん!」とか云わないで下さいね(笑)。
私の愛すべき"変な"ジャズアルバムです。
ちょっとジャズじゃないのもありますが、それはそれでご容赦の程を。

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日曜の昼下がりいかがお過ごしでしょうか度★★★★      NEW!
PLAY HARP / JONNY TEUPEN (SABA)
JONNY TEUPEN(HARP),BLANCHE BIRDSONG(VO),
SAHIB SHIHAB(FL),FRANCOIS COPPIETERS(CEMBALO),
JIMMY WOODE Jr.(B),JOHNNY FISCHER(B),
KENNY CLARKE(DS),STUFF COMBE(DS),
ONE BAROCK QUARTET
1.BOURREE
2.MENUETT NR.1
3.FUGATO
4.KONZERT FUR HARFE
   UND ORCHESTER OP.4,NR.6
   B-DUR,3.SATZ
5.PRELUDE
6.MENUETTO PER UN ARPA
7.GAVOTTE
8.BAROCK ON HARP
9.BAROCKIN' THE BLUES
10.KONZERT FUR HARFE
   UND ORCHESTER OP.4,NR.6
   B-DUR,1.SATZ
11.MENUETT NR.2
12.KONZERT FUR HARFE
   UND ORCHESTER OP.4,NR.6
   B-DUR,2.SATZ
13.ETUDE IN C
14.PAVANE
15.INTRADA
16.ANDANTE

これをお聴きになった方はあまりいないと思いますが、聴かなくても大丈夫です。
貴方が想像されているそのままの音です。
スウィングする事もなく、ドラムとベースが入ってるから、まあジャズっぽいのかなぁ、
って程度のジャズ具合です。
トイペンさんは7曲目の"GAVOTTE"の2分18秒のところでスウィングしようとして
失敗してます。
聴きドコロは"BAROCKIN' THE BLUES"でしょう。
トイペンさんのプレイは一番ジャズっぽい。
ブルーノートスケールをアグレッシヴに爪弾いております。
続くサヒブシハブのフルートもダーティトーンで勢いよく出たものの、
やっぱりだんだんバロッキンになっていって、最後は四重奏団と綺麗にアンサンブル。
線香花火より短い燃焼ぶりでした。
他にもこの人は2枚のジャズアルバムをSABAに残しているとの事です。
ライナーによると後の2枚は傾向が異なり、アリストレーンにも通じるらしい。
って、ホンマかいな?
 

 

男子ニ楽坊度★★★★   アラビアンナイト度★★    
WILD SERENADE / DUOUD (LABEL BLEU)
MEHDI HADDAB(OUD,EL-OUD),SMADJ(OUD,EL-OUD,COMPUTER),
VINCENT SEGAL(EL-CELLO),CYRIL ATEF(DS),
PIERRE FRUCHARD(EL-G),NEDIM NALBANTOLU(VLN),
THOMAS OSTROWIESCKI(PERC)
1.YARIMO
2.RACAILLES
3.ZANZIBAR
4.INTERLUTH
5.CHASE
6.NE YALAN SOYLEYEYIM
7.FOR NEDIM
8.RACINE D'ENNEADE
9.BERLIN PARIS
10.LE RETOUR D'ULYSSE
11.MIDNIGHT FOR DANCING
   WITH FRIENDS
   IN YOUR LIVING ROOM

ウードと云う楽器は西アジアの古い民族楽器で、リュートや琵琶の元祖にあたります。
それを使ってジャズ、と云うより、先鋭的な音楽を演ったのがこのアルバム。
ユニット名のDUOUDはウードによるデュオを縮めたモノで、
その名の通り、全編に渡って2本のウードが民族色を振り撒いております。
しかもエレクトリックウードですよー(笑)。他ではなかなか聴けないサウンドです。
マジでカッコイイ"FOR NEDIM"や"BERLIN PARIS"はさておき、
このコーナーに相応しいのは"CHASE"と"MIDNIGHT FOR DANCING〜"でしょう。
かなり脱力します。
"MIDNIGHT FOR DANCING〜"は"CHASE"のリミックスヴァージョンですので
この2曲が実はアルバムの聴きドコロって事なのでしょうか?
でも、どう聴いても、安物のインド映画のダンスシーンの音楽にしか聴こえないんですけど。
俗っぽいベースパターンが延々と続き、アジア版サタデーナイトーフィーバーって感じ。
個人的には是非ともラジニカーントに踊ってもらいたい(笑)。
あ、そんな事云ってたら、腰でリズムを取るラジニの姿が浮かんできた(笑)。

全然関係ないですが、私の家にはトルコの民族楽器のサーズがあります。
友達がトルコへ旅行へ行った時に買ってきてくれたモノなのですが、
私が弦楽器を全く弾けない上に、教則本もないため、
15年以上、そのまま放置されております。

 

プレイボーイ度★★   はっぱふみふみ度★★★   
HOW TO LOVE HOW TO PLAY HOW TO? 大橋巨泉プレー・ボーイ入門
    / 八城一夫とオールスターズ シャンブル・サンフォニエット・ストリングス
                             
(CD:SOLID RECORDS)
大橋巨泉(NARRATION),
八城一夫とオールスターズ
八城一夫(PF),柴田恒雄(B),チコ菊池(DS),
宮沢昭(TS,FL),横内章次(G),
松本浩(VIB),宮田英雄(PARC)
1.夜のストレンジャー
2.いつかどこかで
3.ラブ・レター
4.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
5.今夜教えてね
6.愛してるって言って
7.よみがえる気持ち
8.知りたくないの
9.なんて無神経な
10.酒とバラの日々
11.思い出のたね
12.ムーン・リヴァー

以前に「三遊亭円楽のプレイボーイ講座12章」を紹介しましたが、
その先駆けになったのがこのアルバムなのだそうです。
とは云え、それも外国で流行っていた"HOW TOもの"のマネをしただけの事だそうで。
この大橋巨泉のナレーションは円楽さんよりも遥かに甘い。
ルノアールのココアよりも甘い。(C)江口寿史
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ラブレター、恋文。古いなーなんて云うもんじゃないよ。
良いもんだぜ。
口で云う時には率直に云った方が良いっちったけどね、手紙は逆だね。
相手のイマジネーションの働きが多いからね。
それを掻き立てる様な書き方でいこう。
さんざん関係ない事書いて、最後に
「本当に書きたい事はとうとう書けなかったよ。」
なんてのは、エヴァーグリーンで良いと思うよ。
(以上、聴き取り引用)
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余りの気恥かしさで「やめてー。」って感じでしょー。
ジャケ写の巨泉を見て、どう見てもプレイボーイとは思えないって云うのは、
今の感覚。
当時は横分けで黒ぶち眼鏡、スーツ姿で競馬新聞を読みながら
煙草とブランデーの小太りの男がモテモテだったのです。
ってホンマかぁ?(笑)
あと英語の曲に邦題をつけるのも、時代を感じさせますね。
原題は以下の通りです。
1.STRANGERS IN THE NIGHT
2.WHERE OR WHEN
5.TEACH ME TONIGHT
6.JUST SAY I LOVE HER
7.THAT OLD FEELING
8.I REALLY DON'T WANT TO KNOW
9.HOW INSENSITIVE
11.THESE FOOLISH THINGS
殆どそのまんまですが、"THESE FOOLISH THINGS"の
"思い出のたね"は今でも時々耳にする名訳ですね。
演奏の方はと云えば、ムード音楽とジャズのあいのこって感じです。
これまた時代を感じさせます。

 

キースは変なおじさん度★★★  空耳アワー度★★★★
ALWAYS LET ME GO / KEITH JARRETT (ECM)
KEITH JARRETT(PF),GARY PEACOCK(B),
JACK DeJOHNETTE(DS)
1.HEARTS IN SPACE
2.THE RIVER
3.TRIBUTARIES
4.PARADOX
5.WAVES
6.FACING EAST
7.TSUNAMI
8.RELAY

「キースが今回の新譜で『変なおじさん』を弾いてる!」
ある日、お友達のピアニストのIさんと呑んでる時、とんでもない話が出てきました。
「『変なおじさん』って、あの志村けんの?!」
「そうそう。しかもベースのゲイリーピーコックが合いの手まで入れてる。」
「まさか?!」
いくらヒゲダンスに似てるとは云え(笑)、キースがまさかそんなおふざけをするなんて?!
しかも仏頂面のゲイリーピーコックまでもが悪乗りするなんて?!
私は俄かには信じられませんでしたが、こいつは変なジャズネタになるぞって邪念から、
さっそく、このアルバムを購入しました(爆)。
全国探しても、こんな歪んだ動機でこれを買った人はいないと思いますけど…(笑)。

問題の箇所はCD2枚目の"WAVES"の22分45秒頃からの展開。
Iさんの云う通り、キースがいきなり妙なフレーズを弾き始めます。
表拍にアクセントのあるお囃子の様で、そこまでの流れを考えても余りに唐突です。
ドレミソラドの沖縄音階を明確に使っている訳ではありませんが、
確かに「変なおじさん」に聴こえる様な気もします。
しかもゲイリーピーコックの合いの手が「アイヤイヤイヤ」と入ってくるのは
かなり可笑しい。現にキースの笑い声も入ってます。
そして、そのケッタイな掛け合いが、なんと、その後延々と5分以上も続くのです。
キースは一体何を企んでたんでしょうか?
日本でのライヴと云う事でサーヴィスしたのか?
それとも、どこかで「変なおじさん」を聴いて耳から離れなかったのか?
ま、でも良く考えてみると、キースは「変なおじさん」を引用したのではなく、
「ハイサイおじさん」を意識したのではないかと云う気がしないでもないですが(笑)。
さてあなたにはどう聴こえますか?

これに関連して小ネタを一つ。

「LIVE! AT STEINWAY HALL
       /CORNELIUS CLAUDIO KREUSCH(ARTE NOVA)」
これはコーネリアスクラウディオクロイッシュってピアニストの
ソロパフォーマンスを収めたライヴアルバムです。
この人、ソロだと、かなり挑発的なアプローチで演奏する人で、
スタンダードのテーマをバラバラに分解して、
そのフレーズの間のアルペジオで埋め尽くしたりするんです。
だから常にシリアスな緊張感が漂っています。
なのになのに…。
いきなり"猫踏んじゃった"のフレーズが!(笑)
最初ははずみで類型のフレーズが出てきただけっぽいんですが、
何を血迷ったのか「猫踏ん」の後の「じゃった」をはっきりと叩いてしまった。
しかも2回も繰り返して(笑)。
展開がシリアスなだけに思わず吹き出してしまいました。
"MIDNIGHT AROUND/MEPHISTO'S SEDUCTION"って曲の
3分43秒あたりがズッコケポイントです(笑)。

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