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狛江いかだレース奮戦記

写真、文=SHIROZO(小田急バス狛江営業所運転士)

いかだレースの写真
多摩川を下る狛江営業所のいかだクルー
=1999年7月18日撮影=

 1999年7月18日、狛江市観光協会の主催で行われた「狛江古代カップ第8回多摩川いかだレース」に、小田急バス狛江営業所のクルーが初参加。最新のノンステップバスを模した「いかだ」が多摩川を下りました。このページでは、同営業所の運転士であるSHIROZOさんの写真とリポートで、レースの模様と苦労話などをご紹介します。(この項ページ管理者)

双胴船型のいかだ、1カ月で制作

 以前から仲間内でやってみたいと話していたイカダレースの準備が本格的に始まったのは、6月に入ってからでした。
 会社の方も場所の提供など協力をしてくれ、まずは会議室で前年のビデオを見ながら作戦会議を行いました。その結果、双胴船の形状が最も安定しているということになり、発泡スチロールの浮力材を双胴船型に配置して、その上にベニヤ板などで作成したバスの形を載せました。オールはバス停の形です。
 浮力の計算は私が行い720kgを確保しました。浮力材にベニヤを張っただけの状態で一度試しに多摩川で浮力テストを行い、大人6人乗っても少々余裕があるくらいで計算通りでした。およそ1カ月の制作期間で完成したバス型のイカダは想像していたよりやや重くなり、推定で120kgぐらいとなりました。

出だしの操縦に一苦労… 流れに乗ったら快走

 さて、いよいよレース当日。スタートは狛江の福祉会館裏の河川敷で、ゴールは小田急線の橋の少し先の宿河原堰手前、全長1300mのコースです。多摩川の河川敷にいろいろなイカダが集まってきました。
 中でも注目を浴びていたのが「となりのトトロ」のネコバスで、抜群の完成度を誇っていました。これを作ったのはTV番組製作の関係者だそうで、さすがに餅は餅屋といったところ。我々小田急バスも実はネコバスをやろうかと言っていたので、ちょっと胸をなでおろしました。ほかに、大きなSLの形を作ってきたチームもありました。
 今回参加したチームは87もあり、8隻ずつくらいに分けてスタートを行いました。
 スタート準備の時間となり、多摩川に浮かべてみると、5人乗ってちょうど良い感じ。計算担当の私は安心しました。
 小田急バスのクルーも好スタートを切りましたが、かじがないイカダはまっすぐ進めず他のイカダと接触、さらに支流から本流へ向かう浅瀬では一回転してしまう始末。それでも本流に乗ったら良いペースで流れていき、カメラを持って走る私が追いつけないので、会社の人の自転車を借りるくらいでした。
 途中で土手などで見ていた人から「小田急バスだ」という声があちこちから聞こえてきました。やった甲斐があったなと感じました。
 実際に乗っていた人に聞くと、本流に乗るまではちょっと大変だったけど、後は船体が丈夫なおかげで安定していて、お茶を頂いていたそうです。
 結果は17分14秒のタイムを出し87チーム中28位。初参加にもかかわらず企画部門で入賞しました。
 ネコバスは企画優秀賞を、SLは煙突から煙を出して人気投票による企画最優秀賞をもらっていました。
 来年もおそらく出場するでしょう。今からどんな形にするか楽しみです。


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