小田急バス私設ファンクラブ・実録シリーズ
空港直結の足がなかった武蔵野地区にも、ついにリムジン登場−。2001年7月13日、東京空港交通、関東バスなど各社との共同運行で、吉祥寺駅と羽田空港、成田空港を結ぶ直行バスが登場することになりました。小田急バスでは吉祥寺営業所が担当、新車を含む5台を配備し、毎日の運行に備えます。
筆者が吉祥寺リムジンの計画を知ったのは昨年12月、ある交通趣味関係ウェブサイトで、小田急バスカラーの三菱エアロクイーン新車の画像を見たのがきっかけでした。開業時期は「早ければ3月」という情報があり、沖縄の除籍車両取材で初乗りできるかと期待していましたが、最終的には夏までずれ込みました。共同運行会社間の調整に手間取り、当局の認可が下りるまでにはかなりの紆余曲折があったようです。
そんな中、現場では着々とその日に向けて準備が進められました。4月9日には実際の予定ルートを走る初めての試運転が2571号車を使って実施され、吉祥寺→成田、羽田→吉祥寺の走行データを収集しました。成田空港では厳重な警備の中、短時間ながら小田急車と京成車の並びがみられました。また共同運行のパートナーである京成電鉄(成田線)、京浜急行電鉄(羽田線)も6月までに順次乗務員教習を行い、両社のバスが吉祥寺営業所に入ってきていました。
リムジン用車両のうち、長距離の成田線にはトイレ付きの新車を投入する一方、羽田線用としては在来の60人乗り観光車2台(3105、3106)を改造することとし、5月中旬に神奈川県小田原市の工場から出てきました。町田営業所の新百合ケ丘〜羽田線用3台と比べると、正面行き先表示が方向幕でなく、アクリル板に直接レタリングされているなどの違いがあります。路線認可が下りるまでの約2カ月間は、2台ともこの行き先表示部分に「小田急」のシールを張って、吉祥寺営業所に留置されていました。
一方、空港リムジンバスの本格展開に伴って車両番号も新たに1000番台を起こすことになり、町田の車と併せて社番変更が行われました。新旧番号対比は次の通りです。(1006〜1008は新車で吉祥寺配置)
新番号 |
旧番号 |
配置 |
1001 | 2565 | 町田 |
1002 | 2566 | 町田 |
1003 | 2567 | 町田 |
1004 | 3105 | 吉祥寺 |
1005 | 3106 | 吉祥寺 |