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▲運行開始式の会場は2年前と同じ
2005年3月21日のスタートから順調に利用されている玉ちゃんバス。今度は玉川学園前駅の東側を約30分で一回りする「東ルート」が誕生し、玉ちゃんバス2歳の誕生日に、同じ玉川大学構内で運行開始式が行われました。この路線のために増備された新車・F567号車も、式典で初お目見えです。
▲F567号車の前であいさつする石阪町田市長
式典であいさつに立った町田市の石阪丈一市長は「玉ちゃんバスは、赤字だったら一定の補助金を出し、それを超えるようなら(運行を)やめるという約束でスタートした。それが今は黒字で、全国のモデルになりつつある」と、玉川学園の住民がコミュニティーバスを育てた実績を称賛。小田急バスの尾淵裕保社長は「1日30往復の循環バスを、地域の信頼を得て運行するよう取り組んでいく」と応じました。
▲テープカットに臨む尾淵小田急バス社長(右端)ほかの皆さん
続いて定番のテープカット、運転士への花束贈呈が行われ、式典は滞りなく終了。いよいよ来賓を乗せての試乗会となりますが、定員30人のF567号車だけでは足りないので、F565号車が応援に駆けつけました。
▲バスカード販売コーナー
また、小田急バスは東ルートの開通を記念した共通バスカード(1000円券)をこの日から生田、町田管内で発売。式典会場にも販売コーナーが設けられ、参加者が次々に買い求めていました。
▲出発するF567号車とF565号車
そうこうしているうちに来賓の乗車が完了し、町田営業所長の合図で、2台は式典会場を発車。玉川大学入り口の小田急線踏切を渡り、東ルートの路線に入っていきました。正規の路線は玉川学園前駅南口に発着するため、北口から「東ルート」表示のバスが発車するのは、今回が最初で最後ということになります。
▲駅南口で一般客が乗車中
さて、早速自分も一周乗ってみることにしましょう。これまた恒例の「初日は運賃無料」で、処女運転の1回目と2回目はいずれも超満員。駅を発車すると、しばらく小田急線と並走して北上し、右折して東玉川学園の町内に入ります。もう、いきなり急な坂、急カーブ、そしてエアロミディME1台がやっとの狭さ。道路事情を知り尽くしているはずの住民からも「おおーっ」と声が上がるほどです。
▲車内の様子
ルートのほぼ中間地点である「東急台入口」バス停の前後は、東側が横浜市青葉区。道路から谷に下りた先には、奈良北団地の建物が広がります。玉ちゃんバスは、ついに県境も越えました。奈良北団地や近隣のマンションに住んでいる人には、既設の鶴川駅行き(鶴07系統)と併せて、路線バスの選択肢が増えたと言えそうです。
▲駅前に戻ってきたF567号車
そんなわけで、昭和薬科大学など数カ所の停留所で乗り降りがあったものの、ほぼ全区間で車内はぎゅうぎゅう詰め。途中の停留所で待っていた人も乗れないまま、試乗バスは約7分遅れで玉川学園前駅に戻ってきました。
振り返れば、東玉川学園4丁目前後で2車線の広い道路があったほかは、急な坂とカーブが連続する大変厳しいルートばかり。普通の発想ならとても路線バスなど運行できない状況ですが、コミュニティバスに適した小型の車体、排気ガスが少ない圧縮天然ガス(CNG)燃料の普及が、それを可能にしたと言えるでしょう。今日から「北ルート」と呼ばれることになった元祖玉ちゃんバスともども、住民に支えられた本当のコミュニティバスに育ってほしいとの感を強くしました。
〜以上 写真はすべて2007年3月21日撮影〜