実録・小田急わんわんバスツアー

羊羹と 燃える夕日を おみやげに

〜2003.1.18 成田山新勝寺初詣と房総のむらの旅〜

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▲出発を待つ2号車(新百合ケ丘駅北口)

 町田営業所の募集で1月18日に開催された「2003年新春開運 成田山新勝寺初詣&房総のむら」に行ってきました。コースは町田営業所を朝6時に出発、若葉台駅、鶴川駅、新百合ケ丘駅など7カ所で乗車し、成田山新勝寺と千葉県立房総のむら(印旛郡栄町)を回って、東京湾アクアライン経由で帰ってくるというもの。筆者は朝7時半に新百合ケ丘駅の指定集合場所に行き、3号車(3110号車、三菱U-MS821P)に乗車しました。お客さんの数は営業所の予想を大きく上回る112名に達し、その過半数を新百合ケ丘組が占めたため、3号車は新百合ケ丘駅発着専用車として急きょ生田営業所から出動しました。

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▲第三京浜入り口は間近(横浜市都筑区早渕)

 新百合ケ丘駅を7時40分ごろ出発した3台は、羽田リムジンバスと同じ経路で都筑インターから第三京浜道路に入り、まずは最初の休憩地・大黒PAに向かいます。ガイドさんは早速元気な声で「おはよーございます!」と呼び掛けますが、早い人は日の出前に自宅を出ているためか、いま一つ客席は元気がありません。それでもそこはプロの話術、次第に車内の空気もなごんできて、ガイドさんがあいさつを終えて深々と頭を下げるころには拍手も起きていました。

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▲3号車、最初の休憩(横浜市鶴見区の大黒PA)

 高速道路を快調に飛ばすバスの中で、添乗員の大平さんが巡回を始めました。成田山新勝寺で御護摩札をいただく人のために、予約を取り始めたのでした。予定では成田の米屋観光センターに到着したら直ちに昼食、その後自由に参拝となっており、その間にバス会社が一括で護摩札を申し込んでおくという段取りでした。筆者は3000円の交通安全札にしました。もちろん希望者のみではありますが、ほとんど全員が何かの祈願で予約していたようです。

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▲米屋観光センターに到着、埼玉観光バスと並ぶ3号車(成田市東町)

 首都高速、東関東道も今日は順調に流れており、酒々井PAでの休憩を経て10時半すぎには成田山の新参道入り口まで来ました。ちょっと昼食には早いかなという声も上がったものの、実はここから指定駐車場までの500メートルが大変待たされる所で、米屋観光センターの暖簾をくぐるころには11時を過ぎていました。

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▲米屋の入り口には「わんわんツアー御一行様」の歓迎看板も

 米屋の2階席(ツアー客専用)でお弁当をいただいて一息ついたら、いよいよ本日のメインイベント、成田山新勝寺参拝の時間です。すっかり松の内も明けたというのに、今日も参道はものすごい人出、そして観光バスと自家用車の大渋滞。さすがは初詣客数で全国トップを争う総本山だけのことはあります。

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▲成田山正門。参拝客はここから入場する

 普段あまり良い行いをしていない(笑)筆者も、今日は善男善女の一員となって、まずは本堂に参拝。さい銭を投入して手を合わせると、騒々しいはずの境内の音も耳に入らず、澄んだ気持ちになることができます(ということにしておきます)。おみくじは大吉。これを励みに運を切り開いていこうと、ひそかに思ったのでした。

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▲正月のTVニュースでおなじみ、新勝寺の本堂

 参拝を終えてバスに戻ってくると、注文していた御護摩札と、おみやげ品の羊羹が配布されました。やはり米屋といえば羊羹でしょう。これは明日のお茶請けにするとして、バスは次の目的地「房総のむら」に向かいました。

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▲「房総のむら」に再現された昔の町並み

 房総のむらは、伝統的な生活様式や技術を継承、発展させることを目的とした県立博物館で、入場者が伝統を体験できるのがセールスポイントとのこと。広い敷地には江戸時代から明治時代にかけての房総地方の町並みが再現され、ほうじ茶、そばがき、和とじ本制作などの体験コースがあります。意欲的な施設ではありますが、いかんせん滞在時間が45分しかなく、もっとじっくり回りたかったなぁと後ろ髪を引かれる思いでした。

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▲鍛冶屋さんで農具の実演中

 房総のむらを出発したバスは、再び成田市内に戻り、木更津を目指します。ここでガイドさん、自慢のノドを披露すべく、歌うは「房州音頭」。お客さんの手拍子で滑り出したは良かったが、途中で「…? 歌詞を忘れてしまいました、すみません!」。客席は爆笑、ガイドさんは顔が真っ赤。手引き書を見るも歌詞の続きは結局不明で、仕切り直しで木更津音頭にすると、お客さんにも知っている人がいてガイドさんと一緒に歌っていました。ガイドさんは気の毒なくらい上がっていましたが、逆に客席は応援する雰囲気も生まれてきていました。
 15時45分、最後の休憩場所・海ほたるPAに到着。アクアラインの海上部分の先端に当たる海ほたるは、5階に展望デッキがあり、東京湾の真ん中の景色を堪能できます。そろそろ夕日も傾き、きらきらと光る海面が魅力的な風景をつくっていました。

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 ▲海ほたる展望デッキから見る東京湾の夕日  

 海ほたるから海底トンネルを突っ走ること数分で、けさ通った川崎・扇島の景色が見えてきました。見覚えのある横浜みなとみらい、小机の国際競技場、港北ニュータウン…。往路は朝もやに包まれていた道が、あかね色に染まっています。稗原の交差点から尻手黒川道路へ左折すれば、新百合ケ丘駅は間近です。
 「最後に、『東京のバスガール』を皆様と一緒に歌って、お別れいたします」。ガイドさんが歌い始めたのは「小田急のバスガール」になっていましたが、お客さんもこの歌を歌える人が大変多いようでした。最後はガイドさんもちょっと声が詰まったりして、今日の旅で一番大きな拍手が贈られました。
 17時40分、すっかり夜のとばりが下りた新百合ケ丘駅ロータリーに、3台のバスは無事到着しました。ガイドさんは「きょう皆様と私が出会えたのは偶然ではなく、そうなることになっていたのだと思います」と語っていましたが、筆者も同感です。おそらく再びツアーに参加する日が遠からず来るでしょう。今後も地元発の充実した企画を、わんわんバスツアーに期待しつつ、旅の報告を終わりたいと思います。

   
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