全体的な印象
前作から約5ヶ月のインターバルを置いての2005年の1作目。
「この愛に泳ぎ疲れても/Boy」以来(だよね確か)の両A面扱い。いずれも名探偵コナンのタイアップ付き(テレビと映画)だ。
本作から,明石昌夫と並ぶかつての主力アレンジャーである葉山たけしがZARD楽曲に本格復帰。しかし,「止まっていた時計が今動き出した」で徳永暁人がやってみせたような,往年のビーイングサウンドの完全復活ではないようだ。
星のかがやきよ
作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし
軽快かつスピーディー,しかしやや単調な出だし。そこから一発タメがあってサビになだれ込む。
サビではタテノリリズムになってノれる。このへんは「負けないで」のアレンジャー,葉山たけしらしさが出ているというべきか。カラオケでも盛りあがりそうだし,ライヴに良く合いそうだ。ただし,4分無い短い曲のため,「あれ,もう終わっちゃうの?」って感じがして,大塚愛の「さくらんぼ」じゃないけど,「もう1回」が欲しい気がする(別にかけ声入れろというわけじゃないよ)。
ラヴソングのようで励ましソングのようで,といった泉水さんの得意とする歌詞。細かいところだと「臭」と書いて「ひかり」と読ませる当て字が豪快だ。サビの「けんかしようよ」というメッセージには賛成だ。直接喧嘩せず間接的に悪口を言い合うから憎悪が広がるんだよな。
作曲はシングル表題曲では6曲連続となる大野愛果。お疲れ様です。
編曲は前作のカップリングでのひっそりとした復帰から,今回は堂々A面での登場の葉山たけし。どうやらフリーのアレンジャーとしてビーイングの仕事を引き受けている模様。アルバム制作にも携わっているらしいので期待大だ。さて,本作の仕上がりだが,個人的には「もう少し派手に,分厚いサウンドにしてくれよぅ〜〜」といった感想は残るものの,疾走感を重視するとこの程度の匙加減に落ち着くのだろう。ちょっとメロディックパンク入っている?
収録アルバム
君とのDistance
「Golden Best」
夏を待つセイル(帆)のように
作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし
ぱっと聴いて「明日を夢見て」のカップリング「探しに行こうよ」を思い出した。
ミドルテンポでしっかり聴かせる。「星のかがやきよ」がカラオケ・ライヴ向けとしたら,こちらは合唱向けという印象。こっちの曲の方が好きな人も多いだろう。
タイトルに「セイル(帆)」と漢字表記を併記したのは映画版コナンを見に来た子供が「セイルってなに〜」とならないように対策したからだろうか?
歌詞はラヴソング。ひたすら相手を思い続け,一山越えたのか,うれしくてしょうがない主人公を描く。
作詞作曲編曲いずれも「星のかがやきよ」と同じ。
両A面扱いではあるが,2曲目がA面扱いされることは滅多にないため(例外は「Oh!Yeah!/ラブストーリーは突然に」位か?),最終的にはカップリング扱いになるだろう。
※これを最初に書いた時点では上記のように予想していたのですが,実際はほぼ同等の取り上げられ方で,本当の両A面扱いでした。
収録アルバム
君とのDistance
「Golden Best」
ジャケット・ブックレット
スタジオ内での泉水さんの姿。スタジオ内の一瞬を切り取ろうという意図があるためか泉水さんは表情を作っていない。このサイトのBBSでは背景に写る男性の姿に不満の声が少々。暗いところで光量少なめで写したためかかなりノイズが多い写真。
白いカーディガンはライヴでも着ていたもの。撮影時期はライヴ以降かな?
※注 この曲の録音時ではなく「What a beautiful moment tour」のライヴリハーサル時の写真ではないかとの指摘がありました。確かにジャケット写真左のモニターには「retemo」「shi」「renaide」「Naka」空欄を挟んで「Yokogao Mite-itai」といった文字が見え,これは「この愛に泳ぎ疲れても「もう少しあと少し…」「あの微笑みを忘れないで」「世界はきっと未来の中」「You and me(and)…」「もっと近くで君の横顔見ていたい」というライヴの曲順と一致するためこの説が正しいと思われます。指摘ありがとうございました。
コナンのイラスト入りリヴァーシブルカードが入っていた。もっとも取り外してもZARD版の裏ジャケットが現れるわけではなく,ディスクが見えるだけだが。
型番は「もっと近くで君の横顔見ていたい」以来の6000番台に戻った。現在の採番体系は2曲入り1,000円が無印シングルとして6000番台,3曲入り1,200円がマキシシングルとして4000番台のようだ。
セールス
- オリコン最高2位
- 登場週数13週
- 総売上7.9万枚(200位までの集計)
現在ビーイングが取ってこれる最高レベルのタイアップである名探偵コナンがタイアップに付き,セールスは上昇した。
最高位は2位で,なんと5年10ヶ月ぶりのトップ3入りとなった。2位獲得数はこれで9作目(ちなみに1位は12作)となり,倉木麻衣の11作,田原俊彦の10作に続き,チェッカーズ,郷ひろみと並ぶ3位タイの記録となった。
チャートイン後も最近としては珍しいねばり強いチャートアクションを示し,登場週数13週というロングセラーとなった(トップ100内でも8週)。
※2005/7/18付を最後にチャートアウト,しかしその後2005/8/29付で1週だけ復帰している。
発売時点のオリコンチャートを見ると,ケツメイシ「さくら」がロングヒットを記録しどうやらミリオンに行きそうだ。今年も春先に「さくら」か。
ふと気づくと安室奈美恵がトップを狙える位置まで戻ってきていた。
モーニング娘。は矢口が電撃脱退,石川も卒業間近となりゴロッキ中心でメンバーの知名度が低いグループになりつつあった。一方で元モーヲタを取り込んだベリーズ工房が,メンバーの大半が中学生になると同時にこれで応援しても犯罪者予備軍扱いされないという安心感からかトップ10入りした。
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