今日はゆっくり話そう

2004/11/24 JBCJ-4002

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  1. 今日はゆっくり話そう
  2. 淡い雪がとけて
  3. 雨が降り出す前に
  4. 今日はゆっくり話そう(Instrumental)

全体的な印象

 前作から約5ヶ月のインターバルを置いての2004年の2作目。
 ライヴ終了からもしばらく経っており,ZARDの話題がかなり乏しくなった中での発売だった。
 しかし,活動が完全に停止してしまっているわけではなく,同じ週に発売された森進一のシングル「さらば青春の影よ」への歌詞提供を行っており,年度末に向けて再び活動が活発化しそうだ。
 ここ最近のシングルのアレンジとは若干傾向が異なるようで,アルバム「止まっていた時計が今動き出した」のアルバムオリジナル曲で聴かれたアレンジの方向に向かっているような感じだ。
 完全な新曲が3曲収録されているが,今まではカラオケ以外3曲収録されていても,どこかで発表された曲の別アレンジだったり,リミックスだったりなので,実はこれはZARDとして初めてのことだ。性格の異なる曲が3曲並び,ミニアルバムのように聴けて楽しかった。

 

今日はゆっくり話そう

 作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人

 エコーがたっぷりかかったアカペラからスタート,ああ,最近のフェミニンなパターンね,と思っていると,おや,様子が違う。かつてのビーイング黄金時代に聴かれたアレンジをやや軽くしたようなアレンジが始まる。これがこれからのスタイルになるのだろうか。個人的にはもう少しベースを厚くしたり,トコトコいいすぎるドラムを重くして欲しいのだけど,それではセルフパロディになるので表題曲ではやらないのかもしれない。(でもこの後の曲でそれをやるのだけど)
 それでも,どことなく「君がいたから」(FOV版の方)を思い出してしまった。

 歌詞は,ラブソングであり,励ましソングでもあり,将来への漠然とした不安を歌った歌でもあり,最近のZARDの曲に見られるテーマが散りばめられていてはっきりとしたテーマは見えないのだけど,「MIND GAMES」のような挑戦的な意味不明な曲ではなく,ぼーっと風景は見えてくるので,ここから何を感じ取るのかは聞き手次第なのだろう。

 作曲は働かせすぎだぜ,って感じすら受ける大野愛果。編曲はこれまたすっかりお馴染み,明石昌夫,葉山たけしの跡を継いだ感のある徳永暁人。

 音質はやや中低音を抑え,高音を強調した印象。ちょっとシャカシャカする。

収録アルバム
君とのDistance
「Golden Best」

 

淡い雪がとけて

 作詞:坂井泉水 作曲:寺尾広 編曲:徳永暁人

 最近カップリングにダンスナンバーを続けて持ってきていたのだけど,今回はしっとりしたバラード。それでも間奏ではしっかりヘヴィメタル調ギターソロが入るところがZARDらしい。
 ずばり失恋ソング。イメージの断片をつなぎ合わせた歌詞ではなく,読むときちんと情景がイメージできる詞でわかりやすいと思った。
 作曲は「この涙星になれ」カップリングの「お・も・ひ・で」以来2度目の寺尾広。しかし,あれから5年も経っているのだなあ。編曲は表題曲と同じ徳永暁人。

収録アルバム
※アルバム未収録

 

雨が降り出す前に

 作詞:坂井泉水 作曲:岩井勇一郎 編曲:葉山たけし

 ひょっとしたら,このパッケージでこの曲が一番気に入った人って多いかもしれない。なんといっても編曲が葉山たけし!「Get U're Dream」以来4年ぶりではないか!まるで左チャンネルからヴォーカルと対になってでかい音で聞こえるギターが「どうだこういうアレンジは懐かしいだろう」と言っているようだ(「今日はゆっくり話そう」ではやや控えめ)。「HOLD ME」のあたりを思い出した。
 ただーし,かつての主力がカップリングに登場すると,ストックなんじゃないか?という疑問も湧いてくるわけで,どうだろう?作曲が岩井勇一郎(元New Cinema 蜥蜴,現三枝夕夏 IN db,定義上は現ZARD?)なので,ストックじゃない可能性の方が高いと思うが。
※追記:どうも葉山さんはフリーの立場でZARD楽曲の制作に再び関わるようになった模様。
 やはりね,ZARDは後ろの人たちがロックしている方が良いのかもしれない。あんまりしっとりしたアレンジじゃ泉水さんの甘い声と釣り合わないのかもなあ。
 歌詞は…ラヴソングなんだろうな,これは。ちょっと不満があるけど離れられないという,男の立場から書かれた曲のようだ。

収録アルバム
※アルバム未収録

 

ジャケット・ブックレット

 アルバム「止まっていた時計が今動き始めた」で使われた写真そっくりなんだけど,微妙に服の色合いが違う。コンピューターでいじったか?
 それにしても最近アップが増えてきたね。いい傾向だ。かつての豆粒白飛ばしはなんだったんだろう。フォーカスがバッチリ合っていないのは昔からのことだから気にしてはイケナイ。
 型番は前作と連番。

 

セールス

  • オリコン最高5位
  • 登場週数7週
  • 総売上3.3万枚(200位までの集計)

 正直,殆ど話題にならないで発売されているので,売上げには期待できなかった。
 初日のデイリーが前週までに発売された3曲に上に行かれての6位で,かなりヤバイでだしであったが,初登場5位となり,女性ヴォーカリストのトップ10入り記録を37作に塗り替えた。
 しかし,初動は2.1万枚で前作より6千枚以上落ち,トータルも3.3万枚で前作の4.6万枚から大幅に下がった。
 これまでのZARDシングルトータルセールスの最低記録は2nd「不思議ね」の31,090枚であったが,本作は33,384枚でなんとかこれは上回った。しかし,本作のトップ100内でのセールス合計は30,869枚であって,実質的に下回ったと言えるかもしれない。
 シングル登場週数の最低記録も「不思議ね」の5週であったが,トップ100内での登場週数では本作は4週であって,これも実質的に最低記録となった。

 「もっと近くで君の横顔見ていたい」に続いて月桂冠「月」のCMタイアップが付いていたが,CMでは出だしのかなり地味なパートが使われていたのであまり効果はなかったかもしれない。

 この年は11月までシングルのミリオンが無かったが,最後の最後でORANGE RANGE「花」が11月に入ってから連続で週間10万枚以上を続けて凄いスパートを見せたが,11月末(オリコン集計上の年度末)までにはミリオン達成できなかった。

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