風が通り抜ける街へ 1997.7.2 BGDH-1029 |
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全体的な印象 ああ、ついにこの時が来てしまった。ヒットチャートの女王ZARDが、その座から転落した曲だ。 ちょっと子供っぽすぎやしないか?というのが第一印象。徳永暁人によるアレンジとジャケットのピエロがそういう印象を強くさせる。 この曲はJRAの夏競馬のイメージソングだった。当然CMでも使われ、爽やかかつ活発なイメージはそれに合っていたが、ちょっと明るさを出そうとしたアレンジが子供っぽっさにつながってしまった感が否めない。 この曲のプロモーションビデオってどんなだっけ?ちょっと思い出せないほど印象が弱い。確か街の中を走り回るような映像だったような記憶がある。発売前には渋谷でピエロの絵の風船を配ってこの曲を宣伝したようだが、どうも宣伝すべき対象ユーザを間違えているような気がする。 この曲の発売決定時には「永遠」のTVタイアップが決まり、リリースもほぼ確実視されており、この曲に対するあまり気合いが入ったプロモーションは行われなかった感じがする。実際「永遠」はこの作品がチャートインしている最中に発売されている。 セールスは悪かった。オリコンで初登場の成績を見たときは、遂にこの日が来たか、と思った。ZARDがヒットチャートの横綱・大関クラスから陥落した作品となった。この作品の前にアルバム「ZARD BLEND」がリリースされ、好調なセールスを記録していただけに、アーティストパワーはまだまだあると思われていたが、実際はかなりアーティストパワーが落ち込んでいたことになる。
風が通り抜ける街へ 作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:徳永暁人 前作に続いて織田哲郎作曲だが、おそらくストックされていた曲を発掘して使用したものだろう。 徳永暁人によるアレンジは私にはどうもなじめない。ここまで子供っぽくする必要はなかっただろう。やりすぎだ。この脳天気なまでの明るさは、よく考えてみると今までのZARDには少なかった。それが違和感を覚える理由かもしれない。 歌詞は泉水さんらしいラブソングだ。夏に向けて発売されただけに、夏らしい歌詞になっている。単なるアイラブユーで終わらずに、恋に落ちる瞬間のとまどいも表現する所に泉水さんらしさが出ている。 どうでもいいが、発売直前までは「風が通り抜ける街で」というタイトルだったらしい。 収録アルバム
遠い星を数えて 作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:徳永暁人 表題曲から一転して、落ち着いた曲調で、しみじみ聞かせる曲。 私は表題曲よりこちらの方が好きなのだが、実際ZARD-MLなどでは表題曲と同じレベルの人気を博していた。 歌詞は主人公が長いつきあいの彼氏に対する思いを再認識するような内容で、「カッコいいことって カッコ悪いよ」というフレーズが印象的だ。このフレーズはこの曲の主要なメッセージになっているようだ。でも早川義夫のアルバムに似たようなタイトルがあったような。 キャンプツーリングしたときなんか、テントの中から星を見上げながらこの曲聴いて、しみじみしてみたいね。 収録アルバム
ジャケット・ブックレット ジャケット写真はピエロの壁画と泉水さんのやけにグラマーな胸が印象的だ。 ピエロの壁画はこの作品を象徴しているような感じで、宣伝活動でもピエロを使っていた。この壁画はロサンゼルスのメルローズ通りのストリート・アートらしい。泉水さんと壁画は別々に撮影され合成されている。泉水さんとピエロの位置関係が異なるバージョンの写真もある(雑誌広告など)。 泉水さんの胸に関しては「あ〜〜泉水さん寄せて上げてるぅ」という意見多数。ちょっとスリムでヒョロッとしたイメージが多かっただけに、この妙にグラマーな写真はファンを驚かせた。 ジャケットにはちょっとざらついた紙を使っていて、少しびっくり。
セールス
初動13.8万枚。この成績を聞いたとき、遂にこの日が来たか、と思った。悪くても初動20万以上、普通初動30万枚前後というZARDにとって初動で13.8万枚というのは驚愕すべき低水準な数字だった。遂にヒットチャートの女王から転落した瞬間だった。そして、この作品以降初動20万枚オーバーは無くなった。 初登場3位、これは「負けないで」以降常に1位か2位だったZARDにとって16作ぶりとなる数字だった。1位は華原朋美「LOVE IS ALL MUSIC」、2位はル・クプル「ひだまりの詩」だった。1位華原も初動23万枚で、当時の華原としては良いとは言えなかっただけに、これにすら負けたか、とショックだった。 累計は28.1万枚で、累計が30万枚を切ったのは3rd「もう探さない」以来のことだ。登場週数も少ないが、この初動では仕方ないところだ。
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