永遠 1997.8.20 BGDH-1030 |
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全体的な印象 今のところZARD最後のヒット曲と言って良いだろう。ドラマ「失楽園」のテーマソングとして制作され、それなりのセールスを記録した。 元々CanonのCMソング「Falling of the Rain」としてサビの部分だけ制作されており、ファンの間で完成が待たれていたが、「失楽園」のテーマソング「永遠」として制作されているというニュースが伝わったときには、ファンの間には軽い失望感が広がった。爽やかなイメージがあった「Falling of the Rain」と不倫ドラマ「失楽園」の間にはイメージのギャップがあったからだった。ZARDと「失楽園」は合わないのではないか?といった意見も多数あった。 セールスは初動こそ20万枚を下回ったが、2週目以降に粘りを見せ、ヒットといえる数字を残した。しかし、その当時は気付かなかったが、「失楽園」のタイアップ効果に助けられた部分がかなりあったようだ。
永遠 作詞:坂井泉水 作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人 徳永暁人が作曲・編曲を担当し、彼の代表作となった。元々はCanonのCMソングで爽やかなイメージの曲だったが、フルサイズの曲として制作するにあたって、しっとりとしたバラードに変更し、まずまずの成果を上げていると思う。 歌詞はサビ部分は「Falling of the Rain」を踏襲しながら、全体的には「失楽園」のテーマソングであることを強く意識した仕上がりになっている。ただ、サビの「君と僕との間に 永遠は見えるのかな」は中年親父の不倫ドラマには似合わないのであって、どうせ作るなら最初から全部作り直してもらいたかった。 コアなファンほど「永遠」より「Falling of the Rain」を好むようだが、私も「Falling of the Rain」を「永遠じゃないバージョン」で聴いたみたいと思う。あ、オフィシャルウエブサイトに置いてある奴じゃなくね。 アルバム「ZARD BLEND」以降、ZARDの曲は音質を意図的に悪くするようになったが、シングルではこの曲からその傾向が始まった。ミキサーはどうやらその傾向の張本人マイケル・ブラウアーらしい。 収録アルバム
作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:古井弘人 最初に聴いたとき、「わあ、古くさい」と感じた。古井弘人によるアレンジが意図的にそんな雰囲気を醸し出しているのだが、音質の悪さが更に古くささを感じさせているようだ。 歌詞は恋愛の節目を描いたもの。長いつきあいで慣れてくると、二人の間に遠慮が無くなって来るものだが、それが行き過ぎて危機的な状況に陥った様子を描いているようだ。「だから?」と言われると「そういうものだ」と言うしかないんだけどね。 収録アルバム
ジャケット・ブックレット ジャケット写真は500馬力だかある往年のアメリカン・マッチョマシンに寄りかかる泉水さん。赤いスーツが鮮烈で、「失楽園」のテーマソングと言うことで渡辺淳一の親父が泉水さんに贈った代物じゃないかとファンの間で話題になったが、そのような事実はないようだ。 ジャケットの題字はその渡辺淳一の手によるものだが、あまり上手くない字で、本人も「もっと上手く書けたのに」、と後悔しているのではないだろうか? ビデオクリップは初期の4作品以来のフルサイズのものが制作され、スペースシャワーTV等でオンエアされた。しかし、内容はと言うと、延々と砂漠の中を泉水さん駆るアメ車が走るという代物で、泉水さんがアップで映るシーンも0.5秒程度ちらっつと映るだけで、歩いている姿もわざとピントを外して幽霊のごとくぼや〜〜〜っと映るだけで、ファンにとってはかなりストレスが溜まる仕上がりだ。見る価値無し。
セールス
今のところ最後の50万枚オーバーの作品。最後のヒットと言っても良いだろう。 初動は19.7万枚で期待より低かった。しかし、その後4週間トップ3をキープし、6週間トップ10をキープした。この当時のZARDシングルのセールスとしては、累計枚数だけでなく、チャートの推移を見ても大変健闘したと言える。 しかし、トップ10から落ちた後は下落速度が速く、総売上は「君に逢いたくなったら…」を下回った。
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