もう少し あと少し… 1993.9.4 BGDH-1008 |
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全体的な印象 励ましソング、明るい失恋ソング、さわやか恋愛ソングときて、次はなんと不倫ソングだった。ZARDには引き出しがいくつもあるんだよ、とアピールするような作品だ。 しかし、ジャケットの印象のようにやや地味で、売れ線から外れているのは確かで、ヒットを連発したゆとりがこのような曲をリリースさせたのだろう。それでもZARDのアーティストパワーは既に最強クラスになっており、結構なセールスを記録した。この後固定ファンはどんどん増えていく。 この曲で一番印象に残っているのは、オリコンチャートだ。まさにタイトルのような状況になる。よりによって1位の曲のタイトルが…
もう少し あと少し… 作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:明石昌夫 わあ、演歌だ。初めて聴いたときの感想。 この曲リリース前に、泉水さんはテレサ・テンに「あなたと共に生きてゆく」という曲を提供している。しかし、あの曲よりこの曲の方がよほど演歌っぽい歌詞だし、演歌っぽいアレンジだと思う。 歌詞は印象的な情景や心象をバラバラにしてつなぎ合わせていきながらも、不倫というテーマで全体を統一させている。事後的に不倫ソングに仕立て上げた印象がある「永遠」よりも出来は上だと思う。 この曲でZARDにのめり込んだ、と言う人も多く、「負けないで」、「揺れる想い」でZARDに注目した人を固定ファンに引き込む役割も果たしたようだ。 泉水さんのヴォーカルは低いキーで、かなり大人っぽい。「君がいない」シングルヴァージョンとかと比べると随分違う。こちらの方が本来の姿かもしれない。 収録アルバム
カナリヤ 作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:明石昌夫 よくできた小品という印象。初めからA面狙いではなく、カップリングかアルバム収録曲を狙って作られたような感じがする。 歌詞は、バラバラに放り投げたイメージの断片を最初と最後でびしっと失恋ソングとしてまとめるという見事な技を見せている。 どうでもいいことだが、「聴こえてくるNocturne」という歌詞に、例の写真集を思い浮かべてしまうのは私たちだけではなく、本人だってそうだったに違いない。 シンプルな伴奏で、泉水さんの美声に浸るには良い曲だ。 栗林誠一郎のアルバム「遠く離れても」に「Canaria〜カナリア〜」として栗林誠一郎によるセルフカバーが収録されている。 収録アルバム
ジャケット・ブックレット 再びセピア調。泉水さんの姿は小さいが、珍しく笑っている姿。ジャケット裏の写真は昔のアイドルのごとき乙女チックなイメージだ。 スタッフのクレジットがガクッと減った。プロデューサー以下スタッフの名前が消え、作詞、作曲、編曲だけのクレジットになった。これ以降長戸大幸の名がプロデューサーとしてクレジットされることはなくなる。
セールス
まさに「もう少し あと少し…」であった。自己最高の24.959万枚売り上げながら、1位に0.757万枚差で敗れ、2位に終わった。そして、よりによって1位の曲のタイトルが「No.1」(槇原敬之)だった。出来過ぎ〜〜〜!
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