§古い同窓会誌から |
同窓会報 19 思い出二つ三つ 村上 五郎(1961)
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同窓会報 14 最後の自由 梅田 義孝(1958)
秋が深まり、数々の長編名作を読み耽り、友達と寮歌を歌ったり、語り合った寮の芝生にも、全体主義の増大と物資の欠乏は容赦なく迫り、急速に味気ないようになってきた。私は花木正和君に室長を譲って再び退寮した。
人口の多い國で競争試験は当然である。六三制でどれだけの長所が得られたか。東大、京大の期間に変わりはない。なれば旧制の長所も失っただけである。自由を教え人間を造る高等学校の実体が、再現することを私は望む。そして三高が復活するを待つや切。そのためには一高、三高の卒業生がノロシを上げ実現に努力するべきである。「紅もゆる」が名歌であるが故に、世上に歌われ、果ては私大の応援歌並に普及し、団体の替え歌に成り下がることを私は憂うる。日本に希有の尊い伝統の三高精神が絶えぬ間に、新しい世代の人材に伝えられ、彼等によって「紅もゆる丘の花」と歌われることを念じて已まない。(昭和19年9月・文丙卒)
(三高私説編集者の注)
京都大学大学院 総合生存学館(思修館)の設置について(2012年11月5日) 京都大学では、地球社会の課題を総合的に分析し、解決に導くための方法論や思想、政策などを幅広く探究する学問である「総合生存学」の発展を通じて、次代を担うグローバルリーダー人材を育成する大学院「総合生存学館(思修館)」を平成25年4月1日付けで開設する予定です。 なお、大学院および専攻の名称は以下のとおりです。
大学院総合生存学館: Graduate School of Advanced Integrated Studies in Human Survivability 1.総合生存学館(思修館)とは 現在、地球社会が直面している複合的・構造的な諸問題、すなわち文化・産業・経済・国家等の複雑で巨大なシステムに関わる種々多様なグローバル課題を解決するには、持続可能で創発力のある社会システムの構築にリーダーシップを発揮する人材の育成が不可欠です。 これらの課題はいずれも、個々人、地域社会、産業システム、社会システム、さらには国家や世界全体の共存および未来開拓に関わる重要課題であり、このような複合的社会課題を克服するための思想・政策や方法を幅広く探究する学問を「総合生存学」として定義することができます。それは、「人類と地球社会の生存」を交点として、関係する諸々の学問体系の「知」を結び付け、編み直し、駆使して複合的な社会課題の発掘・分析と定式化・構造化を行い、社会実装までの解決を探究する学術の総体であり、「生存知の構造化と公共化」を対象とする総合学術です。 総合生存学館(思修館)では、上述のような「総合生存学」を修め、広範な諸学を俯瞰できる能力を備え、自らの高い専門性を社会の課題解決のために展開できる幅広い知識とそれらを統合・融合する新たな能力を備えたグローバルリーダー人材の育成を目的とします。 2.どのような人材を求めるのか:アドミッションポリシー 地球規模課題のような総合学際課題研究を遂行する意欲、基本的能力と教養、倫理性を兼ね備え、総合生存学を修得して学術の総合化と国際社会展開に参加しようという人材を求めます。 高い志と共に、国際社会の課題を研究する強い興味と関心を持ち、広範な諸学を俯瞰できる能力を備え、自らの高い専門性を活かして課題解決のために社会実装する意欲を持ってグローバルリーダーを目指す人材を求めます。 3.どのような人材を育成するのか 大学学部等で身につけた学術に関する知識をベースに、文理にわたる幅広い専門的学識を積み重ねて多様な専門分野を俯瞰する力をもち、複数教員の指導と助言のもとで研究基礎力を取得し、さらに国内外の社会実践で得られた経験知をモデル化して修得することで生存学における課題解決情報をオンサイトで創出し、展開できる高度な専門的能力を身につけた人材を育成します。 また、人類や社会システム、地球社会などにおける今日的な課題の所在を理解して、生存学にかかわる一体的な世界観・人間力・社会力をもとに自ら課題を設定し、さらには、その解決への営みを通じてグローバルリーダーとなる人材を育成します。 4.カリキュラムポリシー 国内外の複数の教員・指導者との対話を通じた発展的な自学自習や産官学の参画による人材養成を介して、研究企画の策定と実行力および社会への説明力、研究チームを国際的に組織し諸領域の学術知を駆使する「総合生存学」を諸分野へ創造的に展開できる応用力、その背景となる多様な専門分野を俯瞰し、選択必修化された英語による主要科目の履修や、国内外のインターンシップ等の実践教育を通じて課題解決能力等を育成する国際標準となりうる総合生存学カリキュラムを編成・実施します。なお、「総合生存学」の修得を強固にするため、他研究科の講義の聴講を奨励します。 総合生存学館(思修館)では、高度な専門的知識とその応用能力、俯瞰的なものの見方等を体系的に修得することができる専門科目と共通基盤科目を展開し、3次にわたるQualifying Examinationによる質の保証制度を導入して、5年間の一貫した博士教育課程を提供します。 5.カリキュラムの特徴 総合生存学館(思修館)は、平成23年度博士課程教育リーディングプログラム(オールラウンド型)「京都大学大学院思修館」プログラムを実践する新大学院であり、以下の特徴を有しています。 特徴1 テーラーメイド型カリキュラム 学問背景や基礎的な専門研究分野が異なる学生を受け入れ、さらに特別研究における研究課題の専門性が学生間で異なることから、経験豊かな複数の教授陣が助言して学修計画および必要な履修科目の系統的、経時的検討を行います。また、他研究科が開講する専門科目を履修できるよう配慮します。 特徴2 研修施設の利用による対話とディベートによる教育カリキュラムの整備 教員と学生間、学生同士による専門的な課題に関する討論や設定された多様な課題解決に関する討論の場を設け、教員のみならず産官の学外講師(特任教授)を加えたディベート等による多様性ある思考と実践力を育成するためのカリキュラム(産官連携科目「産官連携特別セミナー(熟議)」)を提供します。そのために、講義室、研究室に加えて、異なる分野出身の学生が24時間起居を共にして互いに啓発、切磋琢磨できる合宿可能な研修施設を整備し提供します。 特徴3 複数指導教員制度・メンター制 様々な分野の基礎を習得し、より広い視野から課題解決の方法論を研究することができるように、専任教員をはじめ、学内兼担の研究指導協力教員および科目担当教員による複数の指導教員体制を構築し、学生の教育研究を支えます。 6.平成25年度の選抜試験について 入学定員: 20名 出願期間: 平成25年1月下旬 選抜方法および試験日程: 一次審査 書類選考 二次審査 専門試験、模擬授業考査、口頭試問(平成25年2月16日(土曜日)、17日(日曜日)予定) 7.入試説明会の実施について
京都会場
大阪会場
名古屋会場
札幌会場
福岡会場
仙台会場
神戸会場
東京会場 入試説明会予約サイト: http://ch-re.jp/shishukan/
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