過去の雑記 03年 1月

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1月21日
そういえば貴乃花は同い年だったな、と気づいたことからなんとなく同い年の人物を調べてみる。参考にしたのはストローワラの情報交差点 1972年生まれの人々。そうか、飯島愛とはためだったのか。ざっと眺めてみると若手でもベテランでもない微妙な年代の人が多い。今年31という年齢を考えれば当たり前なんだが。木村拓哉、貴乃花、高橋尚子とその道のトップクラスがそれなりにいるのに、いま一つぱっとしない印象を受けるのは個人的に興味のあるジャンル、特に野球選手の層が薄いからか。早生まれの新庄は別枠だとすると、トップが西口(L)と鈴木尚(YB)なんだもんなあ。イチロー(マリナーズ)、中村紀(Bu)が並ぶ1個下に比べて印象が薄いのは否めないよなあ。

てなわけで。72年度(72/4→73/3)生まれのチームを組んでみた。

1 木村拓也(三) 2 高木 浩之(二) 3 鈴木尚典(指) 4 谷佳知(中)5 和田一浩(一) 6 稲葉篤紀(右)7 村松有人(左) 8 沖原佳典(遊)9 北川博敏(捕)
(先発)西口文也 入来祐作 戎信行 川村丈夫
(中継)山崎一玄 正津英志 藤田宗一
(抑え)河原純一
弱そうだなあ。

調査の過程で1972年度生まれのサイトなんてものを見つけてしまった。それはありなのか。

帰りがけに近所のおもちゃ屋でレイ・ハリーハウゼンの食玩フィギュアを1カートン購入。いきなりシークレットが出てしまいました。でも、ちょっと扱いが悪いぞ。骸骨戦士Aは剣が曲がらないように厚紙で補強してあったのにこちらはそんな考慮一切無し。セットのメインは骸骨戦士なのにちがいない。

やのまんの1/144 戦闘機も再挑戦。メッサーシュミットはいいんだが、ランナーについたままでやんの。ニッパーと接着剤を手に入れろということか。

1月22日
Yahooより禁煙派圧力でアビイ・ロードの写真を変造『グランド・バンクスの幻影』を思い出したSFファンは手を挙げること。

ふと思い立ち、久しぶりに職場から最寄り駅までバスに乗らずに歩いて帰る。時速8kmを保つことがこんなに難しいとは、よほど運動不足なのだろう。壊れかけた革靴で歩いていることに問題があるような気もするが。

いつになく運動をした自分へのご褒美に(違う)まんがを買いあさる。だからといって電撃大王まで買わなくてもいいと思うが。

「電撃大王」3月号より。
あずまきよひこ「よつばと!」:元気な少(幼)女を主人公とした日常コメディ、にもっていくのかな。第一回としては無難。お隣三姉妹の目の処理が巧くいってない気がするが、これはそのうち安定するだろう。
八房龍之助 「<Jack&Jeunet> 話しちゃいけない」:人に正体を知られたジャックと、過去を知る人に会ったジュネ。最後のページ、噴水で手を洗うジュネの笑顔が良いです。三月末に単行本が出るというのも嬉しい話。どこかでサイン会でもやらないものか。
しかし、この萌えの純粋培養を志すような誌面はちょいと凄いな。萌え系が計1,2本まで整理されて、純正少年まんがが2,3本掲載されるようになるなら毎号チェックする気にもなるが。 < それは既に別の雑誌だ

荒川弘『鋼の錬金術師』4巻(ガンガンコミックス)。うわぁ、このキャラがここで。緊張と弛緩のバランスも、キャラ立ての巧さも文句なし。ガンガン連載作にありがちな過剰な長期掲載さえなければ、きっと名作になるに違いない。後は変なメディアミックスに巻き込まれないことを祈るばかり。え?小説版?

デニス・トラウト著 トム・カレンバーグ絵『ペンギンのペンギン』(中公文庫 てのひら絵本)。ペンギンの隠された生態を探る絵付きレポート(嘘)。リブロポート版も持っているからいらないんだけどつい買ってしまった。やぁ、やはりいいね。「ペンギンはばかげた旗に敬意を表す」「《ジャズ》という語は、ペンギンのくしゃみに由来する」といったささやかな文章につけられたイラストのとぼけた味がまさに絶妙。この味はペンギンでなければ出せないだろう。いや、ほんとペンギン恐るべし。

新大森掲示板より扶桑社版『パヴァーヌ』品切間近。未入手の方は是非。
最新日記の方では、中村融プロデュースの河出書房新社の新叢書《奇想小説叢書》の話題も出てました。「すでに決まっているラインナップは、テリー・ビッスン、ダン・シモンズ、エドモント・ハミルトン、シオドア・スタージョン、アルフレッド・ベスターの5人」ってあらためて見ると凄いな。とんでもなく売れて第二期、第三期と続いていくことを期待。

タカアキラさんの日記にタメリストの話題が。72年生まれの漫画家は抽出済みだったのですが整理の気力が足りず放置してました。漫画家抽出は有効利用させて頂きます。

1月23日
久しぶりに終バスになったな、と思いつつ信号待ちをしていたら、目の前にその終バスが!そんな馬鹿な。まだ定刻は1分過ぎただけだ。バスが来るまでにはあと3分あるはずだと、心の中で怒鳴ってみても眼前にバスがいるという事実に変りは無い。停留所は信号を渡った向かい側。今日も駅まで50分歩くのか、と涙ながらに覚悟したらなんとか信号が変りバスに乗ることが出来た。だから、いつも遅れるならちゃんと5分遅れてくれよう。

/.jより、コンパイル解散。ソースは22日付中国新聞だとか。破産以降よくもったほうだとは思うが。ぷよぷよが当り過ぎたのがいけなかったのか。電忍アレスタとか(人のプレイを見るのが)好きだったので残念。

同じく/.jより、「1歳になったネコのクローン、性質は「親」と大違い」(CNN 日本語版)。性格が違うなんてのは、一卵性双生児とのたとえで常識の範疇だと思うけど、驚くのが毛色の差。文章だとちょいとわかりにくいけど、こちらの写真(Science News@Access Excellence)を見るとかなりの衝撃が。この2匹が一卵性双生児といわれても信じないよなあ。基本的に毛色が同じ品種ならともかく、毛色にばらつきがある品種ではどんな模様になるかは運次第ということか。生物系の人には常識なのかもしれないけど、外見の大まかな特徴くらいは同じになるのかと思ってたんで驚きました。生物には謎が多い。

生物といえば野田博士の進化講義(1月上旬の6日あたりから)。基本的には納得なんだけど、「で、その種ってなに?」というのが微妙に分からない。「相互に交配して繁殖可能な子孫を残すことが出来る個体群」という大枠の定義は分かるし納得がいくんだけど、「じゃあなぜ犬と狼が別の種なのか(犬と狼って交雑可能だよね?)」とか「亜種って何よ」とかが謎。形態からの分類を引きずっているのが問題なのか。それともちゃんと本質的な差があるのか。こんど誰か詳しい人に聞いてみよう。

1月24日
流した噂の後始末。

まずは、ケヴィン・ミラーの去就。レッドソックスとの交渉を拒否し中日入り(中日スポーツより)
(ミラーは)特に(渉外担当者が持参した中日スポーツの紙面に)12日付で母校ラマー大で打撃練習する写真を見つけると、すぐさま後方に写っている大学関係者を呼び出し、大はしゃぎしたという。(カッコ内引用者註)
なんだ、本当にいい奴だな、ミラー。まあ、そんなわけで戦々恐々としていた中日ファンの人はご安心を。モチベーションにも問題なさげです。活躍できるかどうかはともかくな。< 同リーグ他球団ファンの妬み

続いてクローン猫の毛色。一歩さんによるとこちらの写真(Science News@Access Excellence)で一緒に写っているのは遺伝子母では無く、出産母体だそうで。Access Excellenceのページのキャプションは間違いの様子。昨年2月のTexas A&M UniversityのNews Flashを見ても、親子というか歳の離れた双子はちゃんと似てますね。この程度の毛色の違いなら納得できんことも無い。野田さんの1月23日の近況をあわせ読めば十二分に納得。

というわけで、状況が落ち着いたり、間違いだったりした話題二題でした。

いまさら「TRICK2」第3エピソード「サイ・トレイラー」を見る。佐野史郎の好演と、めずらしくそれなりにトリックだった、メイントリックで楽しめた。やはり、これくらいはしてくれないと。ただ、前半で使った山田のテーブルマジックはいつもながら興醒め。大仕掛けを繰り出す「敵」に対して、こんな陳腐な芸で勝負されても。そんなところを見る作品ではないと理解しつつも、やはり気になる難しい年頃である。

1月25日
人がうどんを食べに行くのについて行ったり、その後一人で映画を見たりする予定だったのだが、目が覚めてみるとそんなことは夢のまた夢という時刻だったのですべて却下。寒いからといってスコッチのお湯割を飲みながらだらだら起きていると、こういう目に遭うらしい。教訓。用が無いなら早く寝ろ。

まあ、寝てしまったものは仕方が無いので、それはそれとして夕方から池袋。大熊君、蔭山さん、小菅君と鍋を食う、というか酒を飲む。辛辣なお嬢さんの鋭い視線のさらされ続けた人はかわいそうだなあと思ったが、下手に擁護するとこちらにも視線が来そうだったので黙っていることにする。つるかめ、つるかめ。

1月26日
今日こそは早起きして建設的な活動をしようと思っていたのに、またしても果たせず。世の中、そうそう思い通りにはならないものだ。

昼過ぎに起きだして買物。あさりよしとお『るくるく』1巻が手に入る約束の地まで行く計画だったのに、結局上野駅で引き返してしまった。どうにもヤルキガナイという奴は手ごわい敵だ。

それはそれとして買った物。長谷川裕一『クロノアイズ グランサー』1巻(講談社ZKC)。「時から時へ泣く人の 涙背負って時空の始末」をする時空仕事人物にして『クロノアイズ』の続篇。序盤にコミカルな話が入るのはいつものことだが、なんぼなんでも「コミケ破壊指令」って。それでも、「コミケ会場で怪しい奴を見つける」という難題の解決などきちんと考えて(考えて?)あってすばらしいです。

グラント・ネイラー『宇宙船レッド・ドワーフ号[1] 無限の宇宙 そんなに急いでどこへ行く』(河出書房新社)。いわずとしれた名作コメディ、「レッド・ドワーフ」のノヴェライズ。感想はまた後日、というかまだ読んでないし。

ストローワラの情報交差点の情報からタカアキラさんが抽出した漫画家生年月日表を元に100年500人になるといいなあ SF/ホラー/ファンタジー漫画家生年表・暫定版を更新。SF/ホラー/ファンタジー漫画家かどうかの判断がつかず保留してある人もあるので、すべて反映している訳ではない。ご注意を。ついでに誤字や生年の間違いの訂正も行った。そんなわけで、まだメンテナンス中なので、情報をお持ちの方はご協力を。

でも、山田花子と能條純一はまだ反映していなかったり。> 鈴木さん
これこれこういう理由で「SF/ホラー/ファンタジー漫画家」であるという情報を戴けると嬉しい。今までにも疑わしい名前は載せちゃってますが。

白川静『中国の神話』(中公文庫)を半分まで。中国の体系の見えない神話を、文字を軸に解き直し、未だ中華も漢民族も存在しなかった時代の民族を描き出す。人間の祖・伏羲・女{女咼}、洪水の神・共工、治水の名君・禹の縦に連なった洪水説話を、河南の地を争う夏、苗、羌の民族神として横の物語に開いていくあたりは実に楽しい。読者の知識をかなり高めに設定しているので第一章は読みづらいが、二章、三章と読み進めれば自然に理解できるようになる。いよいよ登場する殷の神話は何を語るのか。後半も楽しみ。

1月27日
帰りの電車でミニスカにオーバーニーソックスの姐ちゃんを見た。この寒風吹きすさぶ中、生足さらしてご苦労なこったとは思ったが、ミニスカ、ハイソックスの女子高生達に比べればまだまだ暖かい装いな訳で、特に同情するほどのことも無い……ってそんな話はどうでもよく。「なるほど、これが世に聞くオーバーニーというものか」と納得した後、当然のように「オーバぁニーソックスぅのぉおーーー、しょーじょのひざこっぞぉわぁ♪」と大槻ケンヂの歌声が脳内に響き渡ったのだが、ここではたと考え込んだ。「オーバーニーソックスの少女の膝小僧が薔薇のように赤黒いこと」がどうして分かったのだろう。オーバーニーである以上、膝小僧は見えないだろうに。世の中はまだまだ不思議に満ちている。

近所のおもちゃ屋でハリーハウゼンの食玩を購入。出たのは骸骨戦士Bとイーマ。都合11個購入して、ダブりは一個。おそるべき効率である。あとタロスが手に入ればコンプリートだよ。こんなところで幸運を使いたくは無いんだがなあ。いや、これは今年はついているというサインなのか。そうなのか。

近所の書店であさりよしとお『るくるく』1巻(アフタヌーンKC)を購入。あんなに探した本がこんなところで手に入るなんて。青い鳥は身近にあったんだ。いや、そうまで欲しいものかというと、アレですが。

他は坂田靖子『デル・カント・バジェット』(ENIX ステンシルコミックス)、幸村誠『プラネテス』3巻(モーニングKC)、矢作俊彦&落合尚之『鉄人』1,2巻(サンデーGXコミックス)など購入。今月は本代をケチろうと思っていたのに。

萌えも学んでみなければということで、ばらスィー『苺ましまろ』1巻(電撃コミックス)も買って見ました。幼女と少女の日常生活物。男どころか大人の女性も出てきません、世界を壊すから(数えたら全部でのべ20回出ていた。8ページに一人の計算。コマの端だけど)。ここまで「かわいい」に徹底した作品を作り、それをそれとして成り立たせているのはすばらしい才能のような気がする。だまされているような気もする。

イラストレーター系を中心に集めたカラー大版漫画誌「レミニ3003」1号(光文社)も。表紙に名前が挙がっているのは、雨宮慶太、開田裕治、葛城綾・浜津守、草なぎ琢人、皇なつき、高田美苗、はまむらとしきり・村正みかど、ナカタニD.、夢枕獏、横山宏、吉富昭仁、米田仁士、山下しゅんや(表紙イラスト寺田克也)。これだけで狙いはみえみえだが、中もそのまま。圧倒的な画力を武器にした、話になっていない話が並ぶ。「綴じ込みの振込用紙で掲載作品の複製原画が買えます」というあたりでどういうもんだかはわかるだろう。それを踏まえた上でなら確かに価値のある雑誌。僕は草なぎ琢人の「軍艦島奇譚」が眺められたので満足だ。

1月28日
坂田靖子『デル・カント・バジェット』(ENIX ステンシルコミックス)中世?欧州の城を舞台に辣腕財務長官が活躍する表題シリーズ他、江戸が三篇に平安が一篇の歴史コメディ作品集。潮出版の歴史物に比べると展開が多めでちょっと豪華、違うか。絶賛することも無く、普段に劣ることも無く。

白川静『中国の神話』(中公文庫)。後半、殷王朝の神話から神話が経典の中に埋もれて行くまで。殷は東夷であり{羽廾:ゲイ:太陽を射落とした弓の名手}は東夷の英雄であるとした後で{羽廾:ゲイ}を殷の敵と書くなど、時々矛盾するように読める記述があって混乱した。要は東夷にも色々あるということなのだろうが。この本では夏(あるいは殷の前に河南に覇を唱えた部族)、殷、周は互いに別の民族となっているが、彼らはどんな言葉を話していたのだろう。多音節の名前について、異民族由来と書いているところを見ると、今の中国語のように単音節の単語を中心とした言葉だったのだろうか。主題とずれるのは確かだが、この辺に説明があるとより嬉しかったかも。周代以前に中国で話されていた言葉に関する通俗書ってあるかな。

1月29日
近所のおもちゃ屋で、謎の言葉が書かれた星矢の超合金を見つけた。ガラスケースの中の箱書きを仔細に眺めるとどうやらイタリア版(中国製)らしい。中身は日本で売っていたものと変らないようなのだが。どこに需要があると思ったのだ。> 輸入したおもちゃ屋

「烏龍歌集[チャイ] サントリーウーロン茶CMソングコレクション」購入。いや、もうほんとタイトル通り。サントリーのCMソング13年分をまとめたアルバム。CMでさりげなく聞こえてくる時ほどの「良さ」はないが、それでも十二分にリラックスできる名曲揃い。特にカバー系の心地よさは絶品。よく知っている曲という安心感に加え、中国語であるため意味が迫ってこないことがプラス。その面でのベストは「微笑み返し」。キャンディーズはいいね。

ヘレン・マクロイ『歌うダイアモンド』(昌文社ミステリ)購入。昌文社はこの路線を続けるのか。スレッサーの作品集も出たりしないだろうか。

バリー・ヒューガート『霊玉伝』(ハヤカワ文庫FT)も購入。購入ばかりで読了が無いのはどうにも。前作、『鳥姫伝』を読んだときには抜群のキャラ造型と伏線を一気にまとめ上げる豪腕に感嘆したものの、設定年代を無視した中国描写にどう反応したものかと途惑っていたのだが、これはこちらのユーモアセンスが足りなかったようだ。今日見つけた『鳥姫伝』突っ込みコラム、「『鳥姫伝』を読む」を読む限りでは、ヒューガートはわざとやっているとしか思えない。北京や四大だけならミスかと思うけど、ここまで多岐にわたるとなるとなあ。でも、これを笑うにはちょいと知識が要るような。

上記ページは、昨日の疑問「殷代の言語は何か」を調べる途中で見つかったもの。結局、これは見つからなかったが代わりに周をアルタイ語系とするサイトを見つけてしまった。羌(チベット系)と関係の深い国だから、中国語系でなければチベット語系かと思っていたのに。どうにも、色々と複雑であるらしい。

もう少し探してみたら、政治思想に絡む話も多々出てきてしまった。言語だの民族だのの出自は政治色と無縁ではないわけね。面倒な話だなあ。

中国ついでに。僕は『中国の神話』を歴史解説書として読んだが、本自体のテーマはあくまで神話にある。中国の神話はなぜ無機化してしまったのか。そこで何が失われて何が残っているのか。神話の機能とは何か。本筋も十分に興味深いので、一読をお薦めする。

それはそれとして。極東神泉會なるところから「最終告知」メールを貰ってしまいました。「アダルトコンテンツの使用料を払ってないから押しかけるぞ。とっとと指定口座に7.5万振り込め」という。会社の名前にも文面にもjingi.comというメールアドレスにも威圧感があるので、振り込んで解決してしまいたいという気持ちが皆無といったら嘘にならないでもないという説も一部では流れていると聞いたことがるかもしれないくらいには思わないでもないのだが、メールを出した場所がインターネットカフェ(geragera.co.jp)じゃちょっと本気になれない。第一、jingi.comって台湾の文房具メイカーみたいだしなあ。アドレスなどの工夫は買うけど詰めが甘い12点。

この手の債権回収詐欺SPAMは大流行のようなので(参考:債権回収詐欺メールにご注意!!)気をつけた方がいいかもだ。

なお、口座番号の名義人はメールの送り主と無関係の可能性もあるので(/.j「最終通告うけて国民生活センターが架空請求に最終通告」「文面には被害者しかいなかったりして」とか参考になるかも)晒す場合は慎重に。

1月30日
SFM 2月号。
メイン特集はバクスター。

「グラスアース・インク」。見るものすべてにコンピュータ支援によるフィルタリングがなされている社会。どんどん現実が疑わしくなりサスペンスが盛り上がってきたところだというのに、安易に相手の出した結論を信じるかな。もっと何もかも疑え。物語展開としての可能性追求に淡白なところがあり、ゲンジツ物としては並の出来。特にラストは最低と言っていい。その落ちが許されるのは30年前までだ。ただ時々のアイデアには見るべきものがある。コンピュータウィルスが生命だと認められてワクチンもウィルスチェッカも非合法になるというのは、与太でも普通思いつかないような。

「シルヴァー・ゴースト」。人類とシルヴァー・ゴーストのファースト・コンタクト。シルヴァーゴーストは典型的な「着ぐるみを着た地球人」型異星人だが、バクスターはいつもそうなんで気にならない。ただ、ゴーストの意図が見えないのはさすがにどうも。徹頭徹尾「壮大な宇宙史の一エピソード」なんで、単独では評価不能。

「重力鉱庫の記憶」。純情報生命となった人類の行く末。壮大なイメージは良いのだが、これもラストが。なんで、こんな落とし方をしたいと思ったのだろう。イメージだけ投げっぱなしにしてくれれば十分だったのに。それでも想像を遥かに越えた悠久の時間間隔/感覚はさすが。

「月その六」。平行世界の月に囚われた男。全篇に漂う重苦しい行き詰まり感はかなり良い。喪われた宇宙開発への嘆きも、その筋には訴えるものがあるのでは。問題は見せ方。物語の原因(アイデア担当)と結果(雰囲気担当)が平行に語られていくのだが、両者が妙に均等なので印象が半端になる。どちらかに割り切った方が効果は高かっただろうに。

特集解説では短篇の方を高く評価しているが、僕は長篇の方を買う。短篇の場合、確かに手堅くまとまっているがその分味わうべきところが少なくなり、結果として「だからどうした」ということになる作品が多いのだ。冗長さの中に楽しみの欠けらが散らかっている長篇の方がまだ魅力は多い。魅せる技術を磨いてくれれば手放しで褒められる作家になりそうなのだが。

特集外。平谷美樹/藤原ヨウコウ「若き洗礼者の肖像」はまさに「だからどうした」。こんな断片を放り出されてもなあ。

草上仁「この日のために」はいつものごとく。多様性は大事だね。そこに存在することには価値があるが、それが存在することに価値があるとは言い難い類。作品集の脇の作品として入っていると、印象に残らないなりに効果をあげそう。

連載では谷甲州「パンドラ」が高テンションを維持。ただラストまで緊張感を維持するのはつらそう。尺が足りないのがなあ。読んだことが無いのだが新聞連載ってのはどうやってテンションを保つのだろう。

1月31日
中日のミラー騒動は泥沼に。中村紀洋が引き合いに出されたりしてもう大変な騒ぎである。セントラルに贔屓球団を持つ立場からすれば、ペナントを争う敵チームに主軸打者が来ないのは一見好材料だが、横浜のチーム力が5位から6位。ミラーのいない中日のそれが2位から4位であることを考えると、実はあまり意味が無い。読売の対抗馬がいなくなってしまうのだから、むしろ悪い事態といえる。どうにか解決して欲しいところだが。どうなるやら。

yahooより コロンブス「スペイン人」にするな。スペインではコロンブスがスペイン人だったことになりつつあるのか。歴史ってのは。「だが、15世紀、コロンブスの航海計画を援助するイタリア人はいなかった。コロンブスは墓の中で「何を今さら」とつぶやいているかも」というツッコミはちょっと良い。

「谷川俊太郎書店」東京・池袋に開店。なんでもやるなあ、ジュンク堂池袋。

ふと「うでる(茹でる)」という言葉がどこまで通用するかが気になった。名古屋ではよく使う言葉だが、東西どこまで広がっているのか。検索をかけてみると驚いたことに「関東の方言」などという罰当たりな記述が見つかる。馬鹿にするな、東夷の田舎者の言葉などであるものか。そう思って他の検索結果を見にいくが、茨城だの秋田だの山口だの果ては和歌山だのまで見つかってしまう。ここまで広い範囲で通用すると、「使わない地域もある」と表現すべきだな。これも方言というのだろうか。

検索先を見ると自分達しか使わない珍しい表現だと信じて語る人が多く、笑ってしまった。って、検索前の自分もだよ。自戒重要。

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