過去の雑記 99年 5月上

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5月 1日
SFセミナー参加のため東京にやってくる名大SF研メンバーと関東のメンバーで飲む。参加者は亀山(6)、岸岡(6)、藤澤(7)、小松(8)、細木(8)、田口(9)、林(10)、水牧(10)(入学年度順、敬称略)。
参加者の中で一番久しぶりなのが富山の細木さんでも、呉の水牧先生でもなく、同じ東西線沿線の田口さんというあたりなんなんだか。

3時間ほど飲んでから、カラオケに行ったのだが8人で2時間はやや短かったか。翌日のこともあるので、諦めて帰ったが4時間くらいは歌いたかったところである。しかし、田口さんや水牧先生がこんなに歌う人だとは、ちょっとビックリ。

5月 2日
泊まっていった水牧先生と二人で全逓会館に向かう、ってーわけでSFセミナーだ。
今年の名大からの参加者は藤澤(7)、小松(8)、細木(8)、林(10)、水牧(10)、住田(11)、堀川(12)、神崎(13)、山川(15)、野呂(17)と現役・OBあわせて10人の大所帯。僕の現役のときからは考えられない人数だ。しかし、これだけ参加しておきながらMILKSOFTすら出来ていないというのもなんだかなあ。そりゃ、メンバーの7割はOB(ないしOB相当)だけどさ。

適当に買い物をしたり、知人に挨拶をしたりしているうちに本会開始。本会の講演は一部のコマを除き、概ね楽しく聞くことができた。やはり、隣に山田さん(8)がいないと集中度が違うね。山田さんと無駄話をしながら聞くのも楽しくはあるんだけど。< 周囲の迷惑というものを考えろよ。

買い物といや、東洋大「ハヤカワ文庫SF年鑑 1998年度版」はすばらしかった。遊びを加えながらもすっきりとまとまったデザインといい、それでいてたっぷりと詰め込まれた情報量といい、見事としか言いようが無い。ごく細部に微妙に気になる点がありはするが、そこまで求めるのは贅沢が過ぎるだろう。単年度一叢書の年鑑としては、かなり完成されたものになっている。しかしこれを200円で配るか、東洋大。さすがだ。

ちなみに、会場で売っていた神林の新刊『グッドラック』は合宿場で日付が変わるまでかかって100部完売した。「SFの新刊がそのスピードで売れるなんて凄い」と見るか、「マニアばかり集まっている場で本人のサイン会まであってそのペースかい」と見るかで、その人が楽観主義者か悲観主義者かがわかる気がするな。どちらが楽観主義なのかは難しい問題ではあるが。

休憩時間はほぼ名大勢で行動。前回のセミナーで反省したばかりのような気もするが、まあそれはそれ、これはこれだ。某MLな人たちの集団に混ざろうかなという欲求は二瞬くらいあったんだけど、それは次のDASACONでいいや。

本会終了後は飯を食って合宿場へ。当たり前ですね。
合宿場についてみてわかったのが今回の参加者の多さ。本会開始前に合宿参加が締切られかけたという事実からもおおよそ見当はついてたんだけど、合宿オープニングの混雑ぶりを見て改めて実感した。間違いなく、僕が参加した中では最多人数の合宿だ。これでは、人が多すぎてオープニング企画も出来ないよなあ。来年、これ以上に増えたりすると、結構深刻な気がしなくも無かったり。いや、他人事ですけどね。

合宿企画もそれなりに興味はあったのだが、古本売り場に座り込んで、東洋大の田中さんダイジマンさんと話をしたり、弘前大OBの方々と溝口さんが話し込むのを側で聴いていたりすると面白いように時が潰れてしまった。ああ、企画にも参加せず大広間で話し込むなんてまるでゴロの人々のようではないか。しかし、あれですね。森さん純真な少女を弄ぶ様は端で見ていて飽きませんね。

4コマめはさすがに企画を見に行く、ってここで「ネットSF者企画」では無く「本とひみつ」を見に行くあたりがDASACONスタッフとしての見識を問われてしまう所以だ。いや、ネット上におけるSFファンとは、なんて話はやろうと思えばMLやボードでいつでも出来るけど、「本とひみつ」はセミナーでしか拝めないしさ。

というわけで見に行った「本とひみつ」は若干低調。「星雲」だの「みすてりい」だの貴重な本は拝めたものの、なぜそれが、って部分で昨年までのパワーを感じなかったのはやはりディフェンディングチャンピオン日下三蔵にいつもの情熱が欠けていた為か。来年は復活を期待したい、って来年もあるのか?
そんな中、多分今年のチャンピオンなのが北原尚彦の学習誌の付録SF50冊。各々への思い入れという部分ではあまりにも弱いが、なんせ数が数だし。とりあえず、アシモフの「皆殺しの惑星」ってのは、「まぬけの餌」(『火星人の方法』所載)じゃないかと思うんだけど、どうでしょう。
個人的な興味から言えば今年のベストは牧眞司のラブレー物。紹介されるどの本も実に面白そうだし。岩波にはぜひとも一通り刊行していただきたい。ところで、パンタグリュエルの暦(正確なタイトルが思い出せないや)って『クラウド・コレクター』に出てくる太陽王の「大いなる予言の札」の元ネタじゃなかろうか。誰か知っている方います?

そんなこんなを見ているうちに2時をまわりオークション開始。いくら持っている本とはいえ、講談社の福島アンソロジーがとんでもない値段で落ちていくのは涙を誘う。駄目だよ、みんな。もっと無駄金を使おうよ。僕は買わないけど。

弘前大OB勢の供出本の中に欲しいものが幾つかあったのだが、それを待つのがかったるくなってしまったので途中でオークションを抜けて東洋大勢が和んでいる中に混ぜてもらう。あいかわらずダークなワイドショーネタが炸裂しているようだ。ゴシップがワイドショーになるか、犯罪実録になるかが東洋大と名大の差だな。

しばらくボーっとしているうちにDASACONスタッフ会議のお呼びがかかる、が、なんか別の話題になったので適当に抜け出して、大広間へ。いつの間にやら東洋大の座は鈴木力氏の独演会になっている。マルチが、メタギャルゲーキャラであるという1点においてギャルゲーのキャラとしては革新的であるというのは納得がいったが、それが恋愛形態の革命にまで至るという部分が良くわからんぞ。聞いてなかった部分が多いのが問題だと思うので、力氏にはぜひとも演説内容をhtml化していただきたい。アップ先はいつものところで良いからさ。

この後、書評とは何か、どうあるべきかのような話をしているのを後ろから眺めた記憶もあるが非常に曖昧。発足当時はこのページも書評ページにしようなどと思っていたことであるなあ。懐かしい思い出である。

てんぷら☆さんらいずの名作ファンジン「SFクイズブック」のクイズをみんなで解いているうちに朝になる。しかし、いくら8年前のファンジンとはいえ、製作者本人にも解けない問題というのはいかがなものか。

ところで、○○風を考え続けるのも、8年前のクイズをみんなで解くのも生産性の無さではたいして変わらないと思います。山岸さん。

いつもよりはるかに長いエンディングが終り解散。名大勢で水道橋のルノアールにより、しばらく和んだ後、秋葉原に向かう人々と分かれて神保町へ行く。YSお茶の水店でモンコレのシングルカードを2枚ほど買ったりしているうちに生命力の潜在部分が尽きてきたのでアパートに帰って寝る。

5月 3日
いつのまにかOBページが更新されているのに気づいてしまった。そうか、また原稿を落としてしまったか。この埋め合わせは必ずしますから、見捨てないで下さい、山田さん。

縁あって、「魔装機神サイバスター」を見る。アンドー、リューネ、サフィーネ、シュウ、DCなど、出てくる用語は見慣れたものだが、SRWとは設定が根本的に違うようなのでどこに転んでいくのか予想もつかない。とりあえず、来週も見てみよう。

5月 4日
SFマガジンのデータを入力したり、ハヤカワ文庫SFデータベースの更新をしたり、SFM5月号を読んだりして一日を過ごす。
川又千秋の連作はわりと良さそうだ。用語に小細工があるが、実に丁寧に処理しているので安心して読める。さすがに第2世代作家は上手いもんだね。

5月 5日
SFマガジン5月号を読了。バクスターの「青方偏移」「ソリトン・スター」は共に予想外に面白かったんで驚きだ。ガチャガチャした文章は相変らずだけど、短篇だとそんなに気にならないらしい。文章に引っかかりさえしなければバクスターの頭の悪い設定だけを存分に楽しめるわけで、そりゃ面白くても当然だよな。ということは、連作短編集"VACUUM DIAGRAMS"なら楽しく読めるんだろうか。試してみたいんで、早川にはとっとと邦訳することを希望。あ、でもそうすると<ジーリー>の長篇諸作を読み返すという難航苦行に耐えなきゃいけないのか?

SFマガジンのデータ入力をしばらく行うが、I/Oエラーで入力分が吹っ飛んだので止めることにする。ああ…。

5月 6日
久しぶりにブロードウェーの古本屋を回る。『世界SF全集 世界のSF ソ連・東欧篇』とスターリング『グローバルヘッド』を購入。このところ短篇集ばかり買っているような気がする。

5月 8日
翌日の戦いに向けてモン・コレの新デック作成。…のはずが、既存デックの調整に思わぬ時間を取られてしまう。
モン・コレの戦場のサイズは、普通8レベル。変身コンボを軸としたデックの場合、メインの変身コンボで5〜6レベルを消費するので残りは2〜3レベルである。通常のデックでは、1パーティーは3〜4レベルの中量級ユニット1体と1〜2レベルの軽量級1〜3体で構成されるので、戦場の勝利を得るためには1ユニットを破壊してなお、3〜4程度の攻撃力を確保することが必要となる。つまり、変身コンボを行うパーティーは、コンボに参加しない2〜3レベルで3〜4攻撃力を持つことが要求されるわけだ。ところが、この軽量級ユニットにはコンボへの対抗を断ち切るという仕事も求められるわけで、なかなか攻撃力を追求するのは難しかったり。
結局、攻撃力を放棄する形でまとめてしまったけど、どんなものか。とりあえず評価は戦ってみてからかな。

時間も無くなったので、新規デックは各々30分前後ででっち上げる。「淑女のエプロン」に全面的に依存したスペルデックと、罠限定のアイテムをとりあえずぶち込んだ速攻デック。バランス取りも何もしていないデックで、どこまで戦えることやら。

5月 9日
というわけで中野君と一日対戦をする。
スペル・デックの相手は、レベル奇数の地形にしか存在出来ないという大笑いな能力を特徴とする「オーガ・パワーブラザーズ」を軸にしたオーガ火炎デック。メインアイデアからの連想の紡ぎかたが絶妙で、適当に組んだというわりにはかなり強力。大型ユニットに対する決定力を欠いた中途半端なスペルデックではまともに戦うことも出来なかった。デック構築の際のセンスの差が出てしまったというほかあるまい。
センスの差がより強く出てしまったのが第2戦。こちらの罠デックに対して、相手は「ワルキュリア竜騎兵」を軸とした特殊進軍デック。罠カードがそれなりに強力であることは確認できたが、記述を良く読まずにデックに入れていたカードなどもあり自爆することもしばしば。対して、相手は「竜騎兵」&「ナーガ」や「竜騎兵」&「リンドブラム」といったコンボを使いこなし、全体をそつなく纏め上げているのでとてもじゃないが勝ち目はない。見事に叩き潰されてしまったのであった。
それでは、と儀式呪文23枚という非常識な構成を誇る重儀式デックで再戦を挑んだが、緒戦は相手の進軍速度を甘く見て完敗。重儀式デックは局地戦での勝利を放棄することで圧倒的な場の支配力を得ているので、局地戦の勝利が対戦自体の勝利と直結する「竜騎兵」コンボを止めることは事実上不可能なのだな。
2戦目はかろうじて勝利したが、それも相手のカード運の無さがあってのこと。戦場の8割を支配している状況で、なおも相手の方が有利に見えるという対戦は勝利したとは言い難いものであった。
というわけで、今日の戦いは1勝3敗。次回こそは雪辱を果たさねば。

夕方からは「謙信上洛」をプレイする。破壊的な突破力を誇る上杉軍を中核とする外線の反織田同盟軍と、強大な生産力を武器とする内線の織田・徳川軍の戦いを扱った架空戦だ。上杉軍の戦闘力は圧倒的で、彼らが中原に到達する中盤までにどれだけ戦場を支配できるか、が織田軍の勝利の鍵となる。
僕は織田方をプレーしたのだが無敵の賽の目に恵まれて序盤を完全に支配。加賀本願寺の拠点・小松城を筆頭に、侍大将が立て篭もる城が面白いように落ちていくのだから不利になる方がおかしい。丹羽長秀の使い方を致命的に誤る、羽柴秀吉を全く使えない、など戦略レベルのミスを山のように犯しながらも、次々とVPを手に入れ上杉に-20VPを与えることに成功した。結局、上杉軍と織田軍の直接対決を目前とした5ターン半ばに止めることにしたのだが、優勢勝ちといってもいいようだ。もちろん、相手の壊滅的な賽の目と自分の奇跡的な賽の目だけに支えられた戦術のかけらも無い優位だが。

次回は、もっと考えて戦おう。

5月10日
ふと思い立ち星雲賞の投票を行う。投函してから気づいたのだが締切りは今日だったらしい。
小説関係の投票内容だけ書くと以下の通り。

日本長編部門は棄権。昨年の日本長編はほとんど読んでいないのでとてもじゃないが投票する権利があるとは思えない。
日本短編部門は小林泰三「海を見る人」。僕が読んだ昨年の国内短篇(SFマガジン、異形コレクション、SFバカ本、SF-Online)ではダントツだと思いますね。
海外長編部門はニール・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』。ラッカー『時空ドーナツ』がノミネートされていればそっちに投票するけど、ノミネートされてないんじゃ仕方が無い。『時空ドーナツ』ほどの愛は感じないとはいえ、昨年最も面白かった本がこれであることは間違い無いし。確かに、『虚数』とどちらが「面白かった」か、と言われると悩むところではあるが、『虚数』は長編じゃないでしょう、普通。
海外短編部門はテリー・ビッスン「穴のなかの穴」。出来不出来、好き嫌いだけなら他にも候補作はありますが、次作が訳されて欲しいという戦略的意味合いも考えるとこれが一番かな、と。

それぞれが受賞できるかどうかも興味があるけど、それ以前に締切りに間に合ったかどうかが問題だよな。

このファイルを整理していて、5月2日の記述に間違いを発見。『クラウド・コレクター』の「太陽王の予言暦」の元ネタじゃないかと疑っているのは「パンタグリュエル年代記」じゃなくて、(正確なタイトルは不明だが)「パンタグリュエルの暦」だ。思わず、「パンタグリュエル年代記」を探しはじめた人がいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした。

「魔装機神サイバスター」を見る。元ネタの設定がほとんど無視されているのは別に構わないが、どうしてこうもテンポが悪いのかは気になるところ。金は十分にかけているようなのに、セリフは古いは、演技は下手だはで見事なまでに見る気が殺がれる。
僕のサイバスターはこんなつまんないアニメじゃないやい。

次回へ

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