過去の雑記 99年 8月上

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8月 1日
かつきさんと共に東海道線に乗り込み名古屋に帰る。
ほぼ丸一日寝たまま過ごしたので、何があったか良く覚えていない。気がつくと部屋で寝ていたので無事帰っては来たのだろう。

8月 2日
久しぶりに浅井R(10)と会うために名大へ。いきなり停電だったのにはまいった。くそ暑い上に停電の中ウダウダしていても仕方が無いので、名古屋市内をうろつくことにする。
しかし、停電だというのに部室で本を読むのは止めたまえ。> 山川(15)

とりあえず、パルコのゲーム屋に行き二日後にプレイするゲームを確保しようとするが、これが……。ガレキやトレカはそれなりにあったが、ボードゲームは見事に壊滅状態。昨今のゲーム事情にもかかわらず、ドイツゲームがほとんど置いていないといえばその惨状がわかってもらえるのではないか。僕が名古屋を離れた97年から一つも商品が変わってないのではと疑わせる酷さであった。この状況は、その後寄ったロフト、三洋堂Σでも変わらず。基本的にパーティーゲームしか置いていないロフトにはそれでもカタンが入っていたが、Σに至ってはボードゲームが全く無いというありさまで、名古屋のボードゲームは絶滅の危機に瀕しているのではという危惧さえ浮かんできたことである。もちろん、一社のレッドバロンなど小規模店では生き残っている可能性があるのだが。うーむ。

そんなこんなで暗澹たる気持ちになりながら晩飯を食いに行くと行く店行く店、みな休み。やけになって杁中の「せら」で飯を食い、そのままの勢いで部室に戻る。「せら」の原酒とコーチンは相変らず絶品だった。

部室に戻ると、山川がまだいたのには驚いた。一日中いるのか、こいつは。しばし山川で遊んだ後、終電で帰宅。

8月 3日
あったはずの野暮用がくだらない理由でなくなってしまったので、おとなしく古本屋を廻ることにする。
上前津、鶴舞、川名、杁中、本山と廻ったがほぼ完璧に収穫無し。三松堂など変わっていない店もあるにはあるが、海星堂、亜紀書房(字が違うかも)、人人堂、成龍堂、光進堂といったあたりは軒並み使えなくなっていた。自分が欲しい本がどんどんマニアックになってきている所為かもしれないが……。もうちょっとなんかならんかなあ。

さすがに気落ちしたので名大SF研の部室へ。今日は小松さん(8)と野呂(17)がいた。卒業から3年目。いつ来ても知らない奴がほとんどいないというのは何か致命的なところに問題があるのではないかという気もするが、気づかなかったことにしておこう。

なんだか、名古屋古本屋事情とか、人の悪口とか悪罵とか罵倒とか悪口雑言とかを聞いた気もするが良く覚えていないことにしておく。あ、野呂のファンなのは鈴木力氏ではないから、その点は安心するように。 > 野呂

帰りがけに草上仁『東京開化えれきのからくり』(ハヤカワ文庫JA)を読了。雑誌連載版からは大分改稿されている。雑誌連載時とは読み方が違うので比較するのは難しいがかなり読みやすくなっているようだ。
明治の東京を舞台とした改変歴史ミステリ。善玉側の視点と悪役側の視点を交互に描くので謎解きの味は薄いが、その分サスペンスが高まっている。雰囲気を盛り上げる構成の確かさはさすが職人・草上仁という出来。また驚いたことにキャラクター造形も見事で、これで全体がもう少し派手だったら一般受けしただろうにと考えると惜しまれる。明らかに草上の長篇ではベストの出来栄えなのだが、文庫JAという器の中でどこまで売れるものなのだろうか。『こちらITT』が復刊されるくらいには売れてくれないかなあ。

8月 4日
2年ぶりくらいで内藤君&浅井Rとゲームをする。例によって例のごとく約束の時間には遅刻していったのだが、何事も無かったようにゲームの準備が行われていたので、問題はないのだろう。

プレイしたのは「タンクハンター」「タイタン」。過去のプレイ回数が両手両足の指に満たない「タイタン」はまだともかく、何百回プレイしたかもわからない「タンクハンター」のルールを忘れかけていたというのには慄然とさせられた。「ハンター」って手札何枚だっけ?

プレイ結果の方は忘れたい。「ハンター」ではKV IIの活躍で高額車両を数台仕留め、重砲支援で敵ユニットを半壊させたというのに、最初に全滅させられるし、「タイタン」では最も多くの軍団を屠ったというのに、タイタンを殺されて最初に全滅するし、散々であった。「奢る平家は久しからず」を地で行ってしまったことであるよ。あ、でもひょっとしたらどちらもVP的には2位だったのかも。きっとそうだ、そうに違いない。
# 自分を偽ってどうする。

3人で飯を食いに行き、高校時代の友人知人たちの消息を確認した後、浅井Rと共にまたSF研の部室へ。今日は野呂(17)と山川(15)と(山川の先輩と)山田さん(8)。結局、知らない部員の顔を見ることはなかった。
さすがに三日連続で寄っていると碌な話題も無いのでたいしたことは話さなかったと思う。現役の二人は相変らず誰それよりは自分の方が若いという話題で盛り上がっていた。だから、そういう後ろ向きの話題で盛り上がるんじゃない君達。

8月 5日
東京にもどって、メールの返事を書いて、ゲームの担当作業を半分やって、寝て、飯を食って、メールの返事を書いて、ゲームの担当作業を少しやって、寝て、飯を食ってたら終ったんだと思うが良く覚えていない。

横浜は弱者いじめに徹して6連勝。やっと読売のしっぽが見えてきた。次節の中日戦は連敗に決まっているから、逆転できるのは少し先だろうが、一度は2位になって欲しいものである。どうせ、結果は3位だろうけど。

8月 6日
有意義に時を過ごすつもりが思いのほかだらだらとしてしまったので、いっそのこと徹底的にだらだらとしようと唐沢俊一+唐沢なをき『ぞろぞろ』(アスペクト)といがらしみきお『たいへんもいじーちゃん』(角川書店)を買ってくる。

『ぞろぞろ』『近未来馬鹿』同様、青林堂版の再刊。こちらも唐沢俊一、なをきそれぞれによる各話解題に、新規の解説、書き下ろしが1本追加された上位互換となっている。『近未来馬鹿』とは違い、版形が小さくなっているのは若干マイナスだが、あまり細かい書き込みがされている作品でもないので気にするほどでもないだろう。前の版を持ってないならば、こちらで買った方が良い。

『たいへんもいじーちゃん』は90年代半ばにモスバーガーのPR誌モスモスで連載された作品に大幅な書き下ろしを加えたもの。もいじーちゃんの尋常じゃないキャラの立ちかたはさすがいがらしみきおだ。類似の幼児観察まんがの中では圧倒的な完成度を誇る。無条件で万人にお薦め。

8月 7日
ここ数日、クーラーをつけっぱなしで生活している。
ふと洗濯をしようと思い立ち、洗濯機の上の洗濯石鹸をとろうとしてびっくり。熱気溜りが出来てるんでやんの。そりゃボイル-シャルルの法則くらいは知っているがこんな形で実感するとは思っても見なかった。そうか、同じ部屋でも気温差はちゃんとあるのだな。
しかし、あれですね。この「高温の空気は上に行く」という物理法則は、頭寒足熱の観点からは問題があるから改定した方がいいですね。 < おい

夕方から所用で中野へ。せっかくなので平日の昼はいつも行列が出来ている喜多方ラーメン屋に入ってみる。麺とスープは並だが焼豚(というより煮豚か?)は結構美味い。まあ、並んでまで食う味でもないか。

その後、早稲田に出て高田馬場まで古本屋を廻りながら歩く。テレビ局の車がいたり、立入り禁止の場所があったり、そこらに警官が立っていたりしたのは何だろう。
まあそんなことより重要なのは文英堂のSFMが全部無くなっているように見えたことだ。どこか他の店に入ったのなら、その店を見つけておかないと大変なことになる。いや、持ってない号は無いはずなんだけど。
他の店にもあまりたいした収穫はなかったが、とりあえず『SF作家おもろ大放談』と『柔かい月』をオークション用に買っておいた。本当は持っている本を買うのは犯罪だとすら思うんだが、イベントを盛り上げるためには仕方が無い。

芳林堂で雑誌を4冊ほど買ってからユタへ。今日はやたら人が多かった。参加者は赤坂さん、大森御夫妻、小浜御夫妻、堺さん、雑破さん、志村さん、添野さん、高橋さん、林、深上さん、福井さん、藤元さん、宮崎さん、山本御夫妻と17名。全員が一度にいたことはなかったとはいえ、なかなか無茶な人数だったことである。主な話題はMac環境しかない場合の、WinCEマシンへのATOKのインストール法と10数年前のセミナーの写真(なんか違うかも)。個人的には昔のホームランバッターは凄かったという話をしていただけのような気がする。もう一つネタがあったが、これは何かで使うかもしれないからとっておこう。

帰宅後、ニュースを見ていると見たような街が映っている。どうも、夕方の騒動は強盗殺人かなんかだったらしい。報道を見ているうちにいくつか感想も浮かんできたが、どれをとっても不謹慎なのでここには書かないことにする。

8月 8日
一応、昼前には起きたが頭が全く働かないので一日中だらだら。結局休み前の華麗な計画は何一つ達成されることなく終ってしまった。
どれくらいだらだら過ごしていたかというと、日テレ(普通に映る)の読売VS広島と、MXテレビ(ややちらつく)のヤクルトVS阪神と、テレビ神奈川(かろうじて映るだけ)の横浜VS中日をザッピングしながら見ていたくらい。どれも地方局製作だけに見事に偏向報道なのは御愛敬だが、なかでもMXテレビ(関西局製作と思われる)の偏向ぶりは見事だった。9回二死ランナー無し、3点差、ピッチャー高津で、なお逆転の可能性を云々するなんてのは並の気合で出来ることではない。それに比べて、横浜14点リードの場面で中日投手陣の優秀さを語ってしまうテレビ神奈川の気合の足りなさは何だ。地方局はしょせん地方局なんだから、もっと偏向報道に徹しなければ。日テレを見習え日テレを。

いきなりわからなくて悔しかったアニカラ隊8月号のアニソンイントロだが、名大OB-MLのほうで田中巌(7)さんに解答を教えてもらってしまった。なるほど、確かに言われてみれば。えーと、出だしの音が「ヴぉん」だとは思わないじゃんとでも言ってみようか。
でも、最後の「っぷちゅーーーーんむ」でわかるよな、普通。

8月 9日
ふと財布の中を見て愕然。ここにあるのは五百円硬貨ではなくて、500ウォンの改造硬貨ではないですか。何も僕のような貧乏サラリーマンにつかませなくても、とほほ……。
とりあえず、つかまされた場所だけはわかっているので、試しに(いや、本当に知的好奇心だけだって)容疑者である自販機に500ウォンを入れてみる。……入らないじゃん。ちぇっ。
「どうやって容疑者であるところの自販機がその硬貨を手に入れたのか」は分からなかったが、まあそれは仕方が無い。改造500ウォンは使い道が無いので取っておくことにする。欲しい方は言ってください。200円でお売りします。

うーむ、しばらく自販機で、500円のお釣が出る買い物はしたくないなあ。

夕方休みに歩書房で、ベイリー『時間帝国の崩壊』、キャンベル『100万光年の死闘』、幻想文学46を購入。歩書房にしては奇跡的に安かったが、所詮歩書房なんでたかが知れているのであった。

8月10日
飯田橋にできたという噂のCoCo壱番屋がどうしてもみつからなかったので、諦めてセブンイレブンのチキンカレーを食べる。大した差はないという気もするが、やはりあと一歩物足りない。やっぱりカレーはココイチの辛さ以外に見るべきところのないレトルトな味付けじゃないと。

帰りに明和書店でSFM増刊を探すが見当たらず。どうも、探したものは見つからない日らしい。見つからない、見つからない、大事なものが見つからない。カトリーヌ、缶。って、「游ぎつづけてビリジアン」だ、それは。

無気力にテレビを見ていると、今世紀最後の皆既日食の話題が。可視範囲内の国の人々はまことに羨ましいことである。まあ、全体にだからどうということはなかったが、少し面白かったのはルーマニア人の反応。「とある古城の近くの村人は戦々恐々としている。実は、この古城の城主はかの有名なドラキュラだったのだ。人々はドラキュラが復活するのでは、と怯えている。(乱暴な要約)」ヴラド・ツェペシュって地元じゃ名君だと聞いてたんだけど違うのか。

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