この連載の趣旨
最近、私の知人や仕事仲間からよく電話がかかります。
はっきり言って仲がいいわけでもなく、そんなに付き合いのなかった人です。
用件は、ずばり「親が癌と言われたけどどうすればいいか」という相談です。
そう、「癌イコール死」みたいな風潮がある今家族にとっては戸惑って当り前です。今まで、たいした付き合いのない私にでも相談したいという気持ちは十分理解できます。
そこで、「医者を訴える理由」の連載に加えて、私なりの「家族が癌病で倒れたら」を連載します。
癌の苦しみは体験した患者でないとわかりません。
そして、癌の患者を看病していく者の悩み苦しみは体験した人でないとわからないし、何がよくて何が悪かったのか、「あの時、こうしてあげればよかった」というのは全てが終わってから気がつくものです。
私は中途半端な看病しかしていませんが、それでも、私なりに12年間必死で解決索を求めて来ました。西洋医学は否定していませんが、限界があります。東洋医学だけでも絶対に不十分です。厚生省の問題、医者の倫理、医療界のモラルの欠如。いろんな事を知りました。
「私も死ぬ時、ガンなのかな〜」と漠然と思うと、私自身、ほとんど根性がないので、抗ガン剤の副作用に苦しんで死んでしまうのがオチです。
「人間はどんな人でも100%死ぬものだ」と再確認して、余生は「おもしろ
かった。楽しかった」と死ねるように、自分にとって一番楽な死に方を選びたいと考えています。
医学の発展には、私たちの犠牲がなくては進歩していかないのです。でも、私は医学の発展のために体を差し出すのはまっぴらごめんです。
一人でも、賢い患者になって、医療の犠牲者にならないようにという思いを込めて連載します。
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