AiAF Zoom Nikkor 70-210mm F4-5.6D

これまでに取り上げたレンズ


望遠が欲しくなって

F70に最初のレンズはAF28-80mmだったが、やはり望遠側がちょっと足りないなという思いはしていた。

当時AFニッコールの望遠ズームはこんなラインナップだった。

80-200mm F2.8D大口径レンズはそれなりに高いので見送り、一方F4.5-5.6Dは安っぽいので除外。75-300mmとの比較では大きさの違いなどから、結局これになったような気がする。

で、写真の質はというと、正直いってよくないと白状せざるをえない。それはそうだ。暗いのにISO100で頑張ろうとしたって無理というもの。手ブレ被写体ブレが多発するし、三脚は買ったが軽いのでいざという時に役に立たない。(三脚はのちにカーボンファイバーのを奮発して解決した)

ならば感度を上げればいい話だと思うところだが、当時のISO400リバーサルだと富士プロビア400(RHP)でも粒状性で若干難があり、ISO200がギリギリといったところだった。コダックのエクタクロームEPD、それにE200で使うことが多かった。

その後、300mmでも買おうかと思っていたところで突然中古のAF ED 80-200mm F2.8Dに転んでしまったため、焦点距離の被る70-210mmの出番は自然と少なくなった。


が、D100の登場で事態がちょっと変わってきた。

D100はISO200以上と感度が高く、また増感しても荒れにくい。コマ単位でISO指定できる柔軟さとあわせ、1〜2段暗いレンズでも実用レベルに戻ってきた。本体の軽さとあいまって、F5+AF-Sと比べて総重量は半分! 換算焦点距離が105〜310mmと「鉄撮り」にそこそこ向いた構成になった。

カメラ・レンズは重いほうがいいか、軽いほうがいいか? これはどちらとも言えない。三脚据えにしろ手持ちにしろ、ある程度の重さというのは必要だといえる。動きを押さえたり、慣性の力を利用できるからだ。しかし三脚が必須になるような重さでは機動力が奪われる。歩きも多いので負担は軽いほうがいいし……。もちろん明るくて軽ければ何の問題もないんですがね。


軽快さを武器に

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月日が残してきたもの (中原電車区 2002.10)
[Nikon D100, AF Nikkor 70-210mm F4-5.6D, ISO 1250]

11月に使う画像の候補はいくつかあったが決めかねていた。結局、運用を外れ廃車を待つ運命の101系を夜間撮影したものに。昼間見た時は気がつかなかったが、街灯に照らされた車体は波打ち、所々塗装も剥げ落ちるほど傷んでいた。

このとき、三脚も一脚も使わなかった。ISOを増感し、低振動モード(ミラーアップ後撮影)にして数を撃つことにした。こんなこと、銀塩では失敗が恐くてできたものではない。


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黄昏に (足柄-螢田 2002.10)
[Nikon D100, AF Nikkor 70-210mm F4-5.6D, ISO 250]

12月、夕暮れ時は嫌いでない。ただ露出が刻々と変わるところが難しいといえば難しい。そんな場合もデジタルのプレビュー、レビューで押さえるチャンスは確実に増やせる。露出勘を鈍らせるという副作用があろうか。