去り行く白鳥を追って

旅ふたたび

2月10日、また行ってみた。今度は友人を連れてきた。

前川駅で下車。信濃川橋梁の築堤に向かうカーブに向かう。先月も来た場所である。

地図で見るかぎりここには道があるらしいが、やはり除雪はされていない。しかも積雪は明らかに深くなっていた。大荷物を背負った身にはかなり堪える。新潟発の〔雷鳥〕や貨物列車を撮る。少し足が隠れてしまったようだ。

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越後平野をゆく〔北越〕 (来迎寺〜前川)
[Nikon F5, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, RDPIII]

前川駅の管理を委託する地元の人に先程招かれたので、列車を待つ間ご好意に甘えて事務室に入った。同じく〔白鳥〕を見にきた人と交えて話が進む。

私達の感じたとおり、今年は雪が多いという。しかし以前は「豪雪」になったらこの程度ではなかったらしい。殊に山間部では集落が孤立することも珍しくはなかった。それを変えたのは田中角栄であったことは言うまでもない。

冬場はこの駅の除雪などを行っている。4月になればどんなに大雪でも農作業は始めるそうだ。そのころになると、一日10センチの割合で雪は減っていくという。

下り〔みのり3号〕の通過を潮に辞する。なお同駅は無人駅で、夏は誰もいない。


昼過ぎ、〔白鳥〕を見にまた柏崎へ向かう。雪景色が、柏崎に近づくと雨模様になった。雪とはまた違った厳しさを予感させる。

鯨波駅で下車。先月と同じ海岸へ向かった。先客30人ほどが風の中固まっている。これからラストに向けもっと増えてゆくのだろう。

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波が洗いそうな日本海側を走る新潟ゆき〔雷鳥5号〕 (青海川〜鯨波)
[Nikon F5, AF Nikkor 50mm F1.4D, RMS]

海岸線に出ると風が強くなるのは前回と同じ。今日は横なぐりの雨が容赦なく撮影者を襲う。痛い!

こんな悪条件の中、列車は平気で海岸線を走る。上下の〔白鳥〕も、ほぼ定刻に通り抜けていった。

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青森への道はまだ遠い (青海川〜鯨波)
[Nikon F5, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D, RMS]

長岡へ戻る。柏崎を過ぎ内陸部にさしかかると、また真っ白な世界が戻った。わずか数キロでずいぶん違うものである。各所で〔白鳥〕を撮ってきた人々が駅ごとに乗り込んでくる。