中国・九州思索行

「郷愁」の首都圏色

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津山線の快速<ことぶき3号>が岡山へ向け発車。
複線のように見えるが、左はこれから乗る姫新線の線路
(津山-津山口)
いわゆる「首都圏色」はキハ40・47系の登場あたりからだったか。
それが最後まで残る「タラコ色」になるとは (総社)

国鉄の一般形気動車が朱一色になったのは、塗装行程の簡略化とかいう名目だったか。味気ないと言われていたが、路線ごとの塗色変更、気動車の電車または新車への置き換えで急速にその姿を消し、首都圏から遠く離れた中国地方で、今ごろになって注目されだしているのは皮肉と言おうか。

霧の津山で津山線の列車を撮ったら、後ろ一両がタラコ色。次の快速<ことぶき>はと少し期待したが、別の車両だった。

姫新線はキハ120のワンマン。中国道の横を走る列車、霧も晴れず気分もさえない。備後落合でようやく晴れてきた。雪が見当たらないが、暖冬のせいだろうか?

伯備線は時間稼ぎで一駅だけ<やくも>を利用、ここで急いで昼食。

総社に着くと吉備線ホームにはタラコ色が。車内はすべてロングシート化されている改造車と言えば改造車だが、それでももう撮れないかもしれないな、と思いながらシャッターを切った。総社-備中高松の吉備線未乗区間はなんということもなく過ぎていく。13時51分、「サンライズ」に遅れること約7時間半、岡山にたどりついて一安心。


岡山電軌も「ワンコイン」に

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車両基地のある東山公園で折り返す。
左右に分かれる線路は留置線と工場に続く
(東山公園)
旭川の中洲・京橋を行く光景は、隣の新京橋から
眺められる (西大寺町-小橋)
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道路の中央に島式の電停。中央分離帯が安全地帯の
役目を果たしているわけだ (柳川)

100円ショップも珍しくない昨今であるが、ここにきて100円運賃を実施する交通機関が増えてきた。160円均一運賃だった岡山の路面電車(岡山電気軌道)も市街中心で12月から100円運賃を採用している。

利用客にとっては10円だって安いのはうれしいことで、特にワンコインですむというのは心理的にも負担が小さい。今では缶ジュースも120円だから、お値打ち感はさらに増していると思う。

路線は2線合計で4.7kmとこじんまりとしているが、ほぼ全線でセンターポール式。川を渡る光景や安全地帯を設けられない狭い路地もあり変化に富んでいる。安全地帯の電停は島式で、右側乗降になっているのが珍しいが、これは良い方法だと思う。中央分離帯が安全地帯そのものになり乗客が守られ、車にとっても車道の中から邪魔者がなくなるからだ。

車両は見たところ全部が広告電車で、同じデザインは2両以上存在しないようだ。元の塗装ってどんなだったかな?

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薄暮の岡山駅に長いノーズが
滑り込んできた。登場後3年を経ても
そのインパクトは少しも薄れない

日も暮れてきた。500系<のぞみ>で小倉へ急ごう。以前は東海道新幹線だったのでMax270km/hだった。今度は「ギネス認定・世界最高速」の実力を拝見。

グングンスピードを上げ、ほどなく「ただいま300km/hで走行しています……」と電光掲示板が告げる。さすがに揺れと騒音は大きいなと感じる。人によっては不快、あるいは不安に感じることもあるだろう。さらにスピードを上げる計画を聞いたが、大丈夫なのかな。700系の285km/hも一度体験して比べてみたいところだ。

それにしても、岡山-広島34分、さらに、徳山付近でかなり減速しているのに広島-小倉が世界最速というのには恐れ入るばかり。

乗車した13号車はパンタグラフのある車両。派手なスパークがチラチラとストロボのように暗闇を映し止めていた。