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森下洋子さんの舞踊歴50年に思う  (2001.8.5)

森下洋子さんは今年で舞踊歴50年ということで、超ハードスケジュールの松山バレエ団の記念公演を精力的にこなしておられます。50歳を超えて現役でこれほど活躍しているバレリーナは、世界広しと言えど彼女以外に居りません。
 
先日、50周年記念の一つである「ロミオとジュリエット」を見てきました。
森下さんのジュリエットは、とても50歳を超えているとは思えないほど初々しく可憐でした。かつてやはり50歳を超えたマーゴ・フォンティーンのオーロラ姫を見たとき、やはりその若々しさに驚いたことがあるのですが、森下さんもマーゴも、若さを保つのに、人並みならぬ努力をしておられるのだと思います。
 
私が森下洋子さんのステージを観たのは、35年程前の学生の時です。牧阿佐美バレエ団の白鳥の湖でした。東京オリンピックの数年後です。
牧阿佐美バレエ団は当時大手町サンケイホールで隔月のペースで定期公演を行っていました。当時はティーンエイジャーバレエ団との愛称で親しまれていました。ほとんどの団員がティーンエイジャーだったのです。この白鳥の湖は、4人のプリマが4日間代わる代わるオデットとオディールを踊ったもので、当時の話題になりました。
4人とは、森下洋子さん、靱啓子さん(ゆうきみほさん)、武者小路由紀子さん、川口ゆり子さん。大原永子さん以外は、10代でした。最年少の武者小路さんと川口さんは、まだ15歳でした。とりわけ、森下さんはオディールのグランフェッテが軽快で美しかったと記憶しております。
その後、牧阿佐美さん主演のジゼルで、ペザント・パ・ド・ドゥを踊られたのを観ました。この時の森下さんは、それはそれは可愛らしく、改めてこの農民のパ・ド・ドゥの良さを認識しました。
 
その後、レ・プティ・リアン、ドン・キホーテ、シンデレラ、シルヴィア等を観ましたが、どれも皆素晴らしく、忘れがたいものばかりです。
今までHPにご紹介したステージや映像の感想の主なものを、以下に付けておきます。
 
松山バレエ団の舞踊歴50年のイベントは今年いっぱい続きます。
私は、9月は、眠りの森の美女、12月には、くるみ割り人形を観にいきます。
私は、森下洋子さんと同世代の人間です。このように頑張っている彼女を観るにつけ、私たちの年齢でもこんなにまで出来るのかと驚きを超えて、勇気づけられ、敬意をはらわずにはおられません。
「父母、先生方、お客さま。たくさんの人々の大切なかけがえのない時の生命を削り取って、私が生かさせて頂いているのを、切実に感じるのです。」「ほんとうにもったいないことです。捨身で生涯を務めなければ、来世への申し訳がたちません」と森下さん(公演のPGMより) 。決して奢らず、自分を取り巻く人々に敬意を払う謙虚な気持ち。いつも新鮮な感動を呼び起こす、彼女の踊りの源のような気がします。、
「バレエのプリンセス」という言葉が最も相応しい森下洋子さん、いつまでもお元気で、夢を与えて下さる素敵な天使であって欲しいと思います。


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