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 ★空き家の多い公営住宅そして…

 朝日新聞でもキャンペーン的に取り上げていますが、中間所得層の人たち向けの賃貸住宅『特優賃』は民間のアパートやマンションを県や市が借り上げて公営住宅の不足を補おうという制度です。建て主には建設費の一部が、借り手には家賃の一部が、県・市によって補助されますが、家賃補助の補助率は傾斜的に減り、数年後には全額自己負担となります。家主との契約では空家の分についても県が補償するという一括借り上げ方式の契約となっているところが多く、県では毎年6億円もの負担をしています。同様に千葉市でも2億円を毎年負担しているということです。
 公的なところが土地を取得し、建設、管理までするコストを考えると、民間の資産を活用するという考え方は悪くないと思います。実際には予想に違い負担が生じているわけですが、この金額をどう見るかとなるといろんなご意見があると思います
 たとえば、県ネットに頂いたメールによると(また、その後県にも確認したところによると)、市原市の五所にある特定県営住宅(やや所得が高い層向け)が平成10年に66億をかけて建設されたのにもかかわらず、家賃が高くて特
優賃同様傾斜で毎年値上がりするため、半分が空家になっているとのことでした。千葉県ではこの特定県営住宅は後1ヶ所薬円台に22戸があるだけということですが、当局もこの状態に頭を悩ませて方策を探っているようです。国のほうでも、こうした住宅の取り扱いに関して、特定という枠を取り外して、一般の県営住宅と同じ扱いにすることを検討しているとのこと、早ければ、1月末には方針が示されるそうです。
 住宅は安心な暮らしの基本です。不況が続きホームレスの人たちがふえていますが彼らの多くがまじめに働いてきた人たちです。病気や仕事先の倒産などで、収入を失い家賃を払えなくなってアパートから追い出されてホームレスになる、そしてそういう人々に何の手も差し伸べられない事態は社会の無力さを示し、人々に不安を与えます。
 北欧のように障害があっても、高齢になっても、基本的人権としての住宅確保が保障される社会が望ましいと思います。制度が違う日本ではすぐにそういうふうにはできないかも知れませんが、特優賃、特定などの様々な制度の縦割りを廃し、片やホームレス、一方には公営住宅の空き家という矛盾を解決する必要があります。NPOなどにも、公的住宅の管理などをまかせるなどいろんな工夫が必要です。

 ★ロンドンの市民社会を見てきます

 13日から一週間ほどロンドンに出かけます。
 ゆりかごから墓場までといわれた福祉社会イギリスですが、日本より一足早く障害者の福祉ニーズ、ホームレス、子どもの虐待などの問題をかかえ、また世界的な環境破壊、国際紛争などさまざまな社会的課題に直面しました。
 そして、これらの問題を従来のように行政や企業だけで解決することは困難であり、市民の参加と協同がなければ解決できないという認識が浸透してきています。NPOや、社会起業家といわれる人たちが、行政や企業ではできない事業に取り組んでいます。
 ブレア首相も、従来の社会民主主義が持っていた連帯・平等・正義といった価値観を維持しながら同時に市場メカニズムや競争原理による効率性を重視する立場に立つ第3の道をめざしています。そのためにも活発な市民社会を育てることが大切と、これらの活動を支援する枠組みを『コンパクト』として作りました。いま、各地方政府がそれぞれのNPOや社会起業家との関係を位置付けた『ローカルコンパクト』を作り始めているようです。
 日本ではまだまだNPO支援指針などが一般的ですが、一足先を行くイギリスの市民社会をしっかりと見て、今後私たちネットが目指す、元気な市民活動が多様に存在する社会作りへの道筋を探ってきたいと思います。

 主な視察先は以下のとおり。
1.Charities Aid Foundation(NPO支援の資金を集めるNPO)
2.Prince專 Trust (子どもの問題に取り組むNPO)
3.Bromley-by-Bow Centre(地域再生のモデルといわれる)
4.DEMOS, (ブレア首相のブレーン、若手学者集団)
5.CAN(社会起業家同士が助け合う仕組み)
6.Suffolk County Council(サフォーク郡のローカルコンパクトを学ぶ、
  グループ訪問)
7.Westwood Business Centre
8.Glasgow City Council(グラスゴーのローカルコンパクト)
9.Department for Employment on the New Deal(職業斡旋のNPO)

 手作りの盛りだくさんのツアーなので、いろんな人のお世話になり、行く直前まで受け入れ先との交渉がかかりました。帰ってきたらきっと山ほどの報告になることでしょう。
 皆様、寒い日が続きますので、体調に気をつけてお過ごしください。

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