総選挙比例代表05年→09年結果比較
比例代表定数削減180→100の共産党議席当落予想
定数55%に削減→共産党自然死の展望具体化
(宮地作成)
〔目次〕
3、各政党の思惑→妥協点? イタリア共産党3つの大転換との比較
3、比例代表定数100議席・55%に削減の共産党議席当落予想→自然死?
〔関連ファイル〕 健一MENUに戻る
大転換・解党・原則一部放棄宣言か、自然死かの選択
得票率10%以上小選挙区96年190→00年162→03年65→05年52→09年28と激減
『共産党の参院選結果8回分データ分析』議席数・得票数・得票率全面惨敗の真相
加藤哲郎『日本の社会主義運動の現在』末尾に「日本の社会主義の自然死」
貧乏人『共産党の国政選挙結果長期データ』小選挙区結果と長期推移
MF生作成表『総選挙小選挙区−共産党の成績』共産党−小選挙区結果沈黙・隠蔽
総選挙09年結果 8月30日投票 総務省 朝日 読売 毎日 中日 産経 共同
総選挙05年結果 9月11日投票 総務省 朝日 読売 JANJAN
1、比例代表11ブロックの05年→09年結果比較
衆院選比例代表は、定数180人を全国11ブロック選挙区に分け、ドント式の当選者決定システムにより、各ブロックの定数以内に入れば当選できる。総選挙05年→09年比例代表結果の比較を、11ブロックの(表)で検討する。
(表1) 比例代表11ブロックの05年→09年結果比較
ブロック |
定数 |
当選 |
得票率 |
当選順位 |
定数削減当落予想 |
自民議席 |
05年→09年 |
05年→09年 |
×55%? |
05年→09年 |
|||
北海道 |
8 |
0 |
7.47→7.26 |
/ |
3→2 |
|
東北 |
14 |
1 |
6.24→5.89 |
13位→14位最下位 |
→落選/8 |
6→4=2減 |
北関東 |
20 |
1 |
6.64→6.26 |
12位→12位/20 |
→落選/11 |
9→6=3減 |
東京 |
17 |
1 |
8.84→9.61 |
9位→8位/17 |
→当選/9 |
7→5=2減 |
南関東 |
22 |
1 |
6.84→7.00 |
12位→12位/22 |
→最下位当選/12 |
10→6=4減 |
北陸信越 |
11 |
0 |
6.74→6.08 |
/ |
5→4 |
|
東海 |
21 |
1 |
6.32→5.83 |
13位→12位/21 |
→落選/11 |
9→6=3減 |
近畿 |
29 |
3 |
9.66→9.56 |
8、19、29位→8、16、26位 |
→2人当選/16 |
11→9=2減 |
中国 |
11 |
0 |
5.90→5.71 |
/ |
5→4 |
|
四国 |
6 |
0 |
8.19→6.67 |
/ |
3→2 |
|
九州沖縄 |
21 |
1 |
5.80→5.27 |
15位→16位/21 |
→落選/12 |
9→7=2減 |
計 |
180 |
9 |
7.25→7.03 |
→?/100 |
77→55 |
|
96年 00年 03年 05年 09年 |
24 20 9 9 9 |
12.55 11.23 7.76 7.25 7.03 |
自民議席激減と 共産党当選順位 との相関関係有無? |
定数削減 当落予想 当選4、落選5 →または、当選2のみ |
自民議席激減と 共産党当選順位 との相関関係? |
日本共産党の総選挙比例代表05年結果と09年結果のデータ比較は次である。
(1)当選は、3回連続で、9→9→9議席だった。立候補者数は、53→66→47→39→79だった。(2)得票数(万票)は、710→663→459→492→494だった。ただし、09年比例代表得票数は投票率1.81%アップによる投票総数増加で、実質的に15.5万票減った。(3)得票率は、11ブロック中、東京・南関東を除く、9ブロックで下落した。
(4)小選挙区結果は、大敗北だった。立候補した151小選挙区間を比べれば、得票数25万3800票減、得票数05年比8%減少した。
それらの詳細な選挙結果分析は、別ファイル2つで行った。比例代表と小選挙区の結果全体は、志位和夫詭弁・強弁のような「善戦・健闘」ではない。その評価は、総選挙4連続惨敗と規定できる。
得票率10%以上小選挙区96年190→00年162→03年65→05年52→09年28と激減
MF生作成表『総選挙小選挙区−共産党の成績』共産党−小選挙区結果沈黙・隠蔽
得票数25万3800票減、得票数05年比8%減少
2、衆議院議員定数削減問題と2つの民意、各政党の思惑
〔小目次〕
3、各政党の思惑→妥協点? イタリア共産党3つの大転換との比較
1、衆議院議員定数削減問題をめぐる賛否の多様性
衆議院比例代表定数180→100議席・55%に削減テーマについては、09年民主党政権マニフェストが次のように決定している。「政権選択の可能な選挙を実現するため、小選挙区選挙をより重視する観点から、衆議院の比例議席180中、80議席を削減します」。これは、明白な政権公約である。民主党は、以前から、同一観点・同一削減数値のマニフェストを出してきた。以前の国会にも、法案提出をした。
これにたいし、有権者、各政党から様々な見解が表明されている。法案提出時期が近づけば、さらにその討論が激しくなる。これまて出された論争点を整理する。
(1)、衆議院定数480議席削減そのものに絶対反対
志位・市田・不破らは、民主党案に反対している。しかし、480議席定数削減そのものにたいし、絶対反対=480定数堅持の立場を鮮明にするかどうかは、現在分かっていない。
(2)、定数削減には賛成だが、比例代表定数180→100議席・55%に削減反対
連立3党内の社民党・国民新党は、反対している。ただし、連立内での小選挙区間選挙協力拡大の可能性はある。
共産党は、選挙協力拒絶政党であり、300小選挙区での当選確率はほぼ0である。比例代表11ブロックでしか当選できない。共産党は55%削減により、現有9議席→4議席に激減する確率が高い。それは、日本共産党の衆議院における自然死に近づくので、絶対反対である。共産党員・読者・共産党への投票者も民主党案絶対反対キャンペーンに立ち上がる。
1996年小選挙区制導入時点で、共産党や共産党支持左翼知識人たちは、絶対反対大キャンペーンを展開した。その時点の「憲法違反の悪法」「ファシズムに陥る」という選挙制度規定は、根本的に誤ったレッテルだった。そもそも、小選挙区比例代表並立制は、(1)類似の選挙制度が多くの資本主義諸国で導入されているし、(2)憲法・民主主義の枠内の制度であり、(3)それを原因としてファシズムに陥った国もない。
共産党の絶対反対理由は、有権者にたいする誤ったペテン宣伝だった。今度も、比例代表定数削減法案にたいし、共産党や共産党支持左翼知識人は、同じ誤ったレッテルで絶対反対を唱えるのだろうか。
(3)、定数削減には賛成だが、比例代表定数と小選挙区定数をともに削減すべき
私の立場は、(1)1票の格差是正と(2)行財政経費削減という2つの目的により、衆議院議員定数削減そのものには賛成である。自民党は、次期総選挙までに、30%・144議席削減=480→336議席への削減マニフェストを掲げている。ただ、小選挙区・比例代表定数の区別を提起していない。民主党は、比例代表定数のみを180→100への削減マニフェストを一貫して掲げている。
2010年7月参院選後から、次期総選挙までの間に、定数削減法案が提出されることは、ほぼ間違いない。法案成立の可否は、参院選後の衆参議席に基づく政党間力関係が決定的要因となる。現在の政党間情勢では、参院選によって、民主党が衆参議席でいずれも単独過半数を獲ると予想される。となると、民主党は、政権公約完遂の立場から、80定数削減を強硬に主張する。
共同『2010年参院選予測−民主、連立組まずとも参院過半数』共産党4→3議席
私は、上記理由から、目的(1)で、1票の格差が大きい小選挙区40の統廃合をする。目的(2)から、比例代表180→140に削減する、との見解である。しかし、参院選結果後の政党間力関係から、民主党マニフェスト=政権公約通りの法案が成立する可能性が高い。
その場合、私は、それに絶対反対はしない。それは、行財政経費削減目的(2)に適合する側面とともに、(3)政権交代が起き易くする民主主義的選挙制度の選択肢の一つだからである。
(4)、比例代表定数180→100議席・55%削減に賛成
小選挙区定数300+比例代表定数100=衆議院定数400議席にすることは正しい、とする主張もある。09年総選挙結果における政権交代発生機能=有権者の1票の劇的効果をさらに高める上で、次期総選挙前に法案成立をさせるのが望ましい。しかも、全国の自治体でも議員定数削減は劇的に進行している。市町村合併による定数削減だけでなく、合併のなかった自治体でも、行財政経費削減という観点から、削減がされている。
議員定数削減は、それら2点から見ても、時代の流れであり、反対する側には、政党・支持者の党利党略の思惑が強い。これが、「憲法違反」だとか、「ファシズムに導く悪法」と攻撃するのは、もはやナンセンスな反対論である。09年の小選挙区比例代表並立制総選挙は、1996年以来5回目だった。その14年間、その「憲法違反」レッテル国政選挙制度は、日本を、「ファシズムに陥しいれた」のか。
2、小選挙区と比例代表との議席数配分に関する2つの民意
「民意」という言葉には、2つの対立する見解が含まれている。その一方だけを「民意」として振りかざし、押し付けようとする態度は誤りである。有権者は、「2つの民意」のどちらを選択するのだろうか。
〔第1の民意〕
小選挙区と比例代表との議席配分問題や、衆議院比例代表定数削減問題に関し、新聞投書や掲示板などで、「民意」という言葉がよく出てくる。そのほとんどは、各政党の得票率に比例した議席配分制度が正しい、とする意見である。そこから、(1)比例代表枠の拡大を主張し、(2)比例代表定数削減方針は誤りであるとし、全面反対をしている。
極端な主張は、比例代表の11ブロック制も廃止し、全国一律で480議席を比例代表で選べとする。例えば、共産党支持者は、09年総選挙の共産党得票率7.03%なら、現有9議席どころか、34議席になっていた。300小選挙区制は、不公平な憲法違反法律で、「民意」を反映しない制度だとする。
〔第2の民意〕の存在
しかし、もう一つの「民意」が存在する。それは、政権交代という有権者の要求が選挙結果に表されるような小選挙区・比例代表間の議席配分が正しいとする見解である。09年の地殻変動は、300小選挙区制でなければ、起こり得なかった。有権者は、戦後初めて、自分の1票が持つ劇的な政権交代効果を発見した。(1)その政権交代発生機能という観点から見れば、かつ、(2)行財政経費削減という目的からも、比例代表180→100定数への削減方針は正しいとする。
〔第1の民意〕主張の有権者は、自己の見解だけが正義であるとし、〔第2の民意〕主張有権者の存在を無視する。〔第2の民意〕主張者は、反民主主義的・反動的・反憲法的なのか。有権者の1票によって、政権交代をやりやすくする議席配分制度への変更は間違いなのか。現在の民主党政権が大失敗・誤りをし、政権にしがみ付くときは、怒りの1票で再度の政権交代を起こす権利を有権者は手にした。民主党政権が失政を繰り返せば、有権者は、政権交代目的の投票権を再び行使する。政権党にとって、比例代表定数削減は、当然、自党にも向けられる可能性を持ち、有権者が所有する恐るべきもろ刃の武器となる。
3、各政党の思惑→妥協点? イタリア共産党3つの大転換との比較
これにたいし、連立政権の社民党・国民新党は、比例代表定数削減に反対している。共産党は反対している。自民党は、次期総選挙までに、衆議院定数30%削減を決めている。衆議院単独過半数の民主党と第2党自民党が、定数削減方針なら、法案が成立する可能性は高い。
それらの妥協点がどうなるか。民主党は、以前から、180→100という定数削減数字を明記し、国会にも提出してきた。定数100・55%に削減の数値自体の変更は、妥協点としてありうる。それは、2010年7月参院選の前か、後かにおける参議院議席の政党間力関係によって決まる。
(1)、連立3党内における社民党・国民新党の反対と3党間妥協の可能性
その場合、連立3党内なら、300小選挙区のいくつかにおいて、立候補者調整・拡大・相互応援をすることが可能である。単独過半数政党・民主党は、定数削減法案に賛成してもらうために、一定の妥協をし、定数削減法案反対の社民党・国民新党の議席が増えるような選挙戦術を採用する。結果として、社民党・国民新党は、自党の衆議院議席が増えればいいので、最終的に賛成する。
(2)、日本共産党=選挙協力拒絶政党の絶対反対と大キャンペーン・内容、左翼知識人の動向
それにたいし、日本共産党は、「国政で基本的に一致できる政党は存在しない」という立場を貫き、うぬぼれた自主孤立政党=選挙協力拒絶政党であり続ける。連立3党側も、資本主義国において唯一残存するレーニン型前衛党=民主集中制・分派禁止規定という犯罪的組織原則堅持政党にたいし、選挙協力を呼び掛けるはずもない。共産党は、党員・読者・有権者にたいし、民主党の比例代表定数削減法案が、「民意に逆行する悪法」「反動的企み」「反憲法法案」「共産党つぶし法案」と全面的な大キャンペーンを展開する。
共産党は、1996年、現行の小選挙区比例代表並立制総選挙法案にたいし、「憲法違反法案」「これを通せば日本はファシズムに陥る」と大宣伝した。左翼知識人たち数十人も、「憲法違反」「ファシズムに陥る」と、共産党と同一の声明を発表した。しかし、共産党支持者以外は、誰も、共産党と左翼知識人たちの宣伝内容を信じなかった。
共産党と左翼知識人数十人が発表した現行選挙制度の性格規定は、完全な誤りだった。志位・市田・不破らは、今では、この現行選挙制度を「反憲法」「ファシズム制度」とは言わないで、口を閉ざしている。左翼知識人も、誰一人として、誤った性格規定だったと認めていない。誤った同調=連帯責任にたいし、沈黙・隠蔽するのが、共産党支持左翼知識人の習いなのか。
(3)、イタリア共産党→左翼民主党・小選挙区制導入・オリーブの木への3大転換ケース
ちなみに、このテーマに関し、比較・参考資料として、イタリア共産党のケースを歴史的に顧みる。
1976年、大会で「プロレタリア独裁」の用語を放棄した。
1986年、「そのたびごとに決定される多数派の立場とは異なる立場を公然たる形においても保持し、主張する権利」の規定を行う。
1989年、第18回大会、民主主義的中央集権制を放棄し、分派禁止規定を削除した。その詳細な理由と断絶後の方向性については、下記リンクにある。
『イタリア共産党−民主主義的中央集権制との断絶→指導部統制の原理、多元主義』
1991年、第21回大会、左翼民主党に転換した。同年12月、少数派が共産主義再建党を結成した。
1996年、総選挙で中道左派連合政権が誕生した。左翼民主党21%、共産主義再建党8.6%の得票率で、「オリーブの木」全体では、319議席を獲得した。
『イタリア左翼民主党の規約を読む』左翼民主党規約の全文添付
イタリア共産党は、ヨーロッパ最大のレーニン型前衛党であり、選挙得票率も20%前後を保持していた。ただ、いつまでも、第2党のままで、政権交代をさせることができなかった。1970年代後半から80年代にかけ、東欧・ソ連10カ国の政治的経済的停滞・人権侵害情報が、大陸地続きで大量に流れ込んだ。それにより、選挙結果惨敗だけでなく、党員数も激減し始めた。
まさに、じり貧的瓦解が始まった。その崩壊現象にたいし、イタリア共産党トップは、3つの大転換を決断し、遂行した。
〔大転換1〕
マルクス・レーニン主義とそれに基づく体制は、根本的に誤った理論と実践だった。マルクス・レーニン主義との断絶的刷新をし、共産党名と絶縁し、左翼民主党に大転換する。すでに、レーニンの民主主義的中央集権制・分派禁止規定は、党内民主主義を抑圧する誤り=犯罪的組織原則だったとし、党大会において放棄宣言をしていた。
〔大転換2〕
従来の中選挙区制は、得票率に比例する議席配分をするが、政権交代を実質的に不可能にさせていた。政権交代→政権党になるためには、中選挙区制→小選挙区制全面導入への大転換をするしかない。それは、民主主義的選挙制度の枠内での変更である。イタリアの共産党支持者や左翼知識人たちは、誰も、この大転換に反対しないで、政権交代実現目的のために賛成した。
日本共産党や左翼知識人たちのように、1996年小選挙区比例代表並立制への転換を「憲法違反」「ファシズムに陥る」と反対・攻撃する者は出なかった。
〔大転換3〕
イタリア共産党が、マルクス・レーニン主義との断絶、共産党名と絶縁、過去の誤りを公然と自己批判表明したことによって、中道左派他党派は、レーニン型前衛党という犯罪的組織原則政党=反民主主義政党だった過去・体質にたいする警戒心を初めて解いた。野党最大政党である左翼民主党のイニシアチブによって、イタリア政治史上、初めて、オリーブの木という中道左派連合が成立した。
これら3つの大転換決断によって、1996年、総選挙で中道左派連合政権が誕生した。左翼民主党は得票率21%だった。日本の有権者は、3つの大転換中、左翼民主党への転換部分しか知っていない。それ以降、イタリアでは、何度も、政権交代が起きている。イタリアの有権者は、政権交代を可能にする小選挙区の1票という政治的武器を何度も行使している。
そもそも、国家・社会・党内の民主主義を抑圧する政治犯罪体制としてのレーニン型前衛党の党独裁・赤色テロル型14国家は、すべて、有権者の投票権を歪める選挙制度だった。それにたいし、資本主義諸国において、比例代表定数と小選挙区定数との議席配分のやり方は、じつに多様である。それらは、民主主義的選挙制度の枠内の政策決定によるものである。2つの比率がどのように変わろうとも、憲法・民主主義の枠内にあり、正当なシステムである。
4、定数削減法案提出時期の推定−2010年7月参院選後
提出時期は、2010年7月参院選後になると思われる。民主党は、参議院において、単独過半数議席を持っていない。参院選前に、提出すれば、連立3党内の亀裂・対立が表面化する。参院選後なら、共同通信シミュレーションのように、民主党が単独過半数議席を獲る展望が開ける。
その予想によれば、参議院半数改選121議席中、民主党は75議席→非改選との合計135議席/定数242となる。民主党が衆参両院で単独過半数議席を獲れば、連立3党内で社民党・国民新党の反対・抵抗があっても、選挙協力範囲の拡大提案などで、マニフェスト通りの比例代表定数180→100への削減法案の成立が可能となる。
共同『2010年参院選予測−民主、連立組まずとも参院過半数』共産党4→3議席に減
3、比例代表定数100議席・55%に削減の共産党議席当落予想→自然死?
(表2) 当選7ブロックだけの当落予想→自然死?
ブロック |
定数 |
当選 |
得票率 |
当選順位 |
定数削減予想 |
自民当選 |
05年→09年 |
05年→09年 |
×55%? |
05年→09年 |
|||
東北 |
14 |
1 |
6.24→5.89 |
13位→14位最下位 |
→14落選/8 |
6→4=2減 |
北関東 |
20 |
1 |
6.64→6.26 |
12位→12位/20 |
→12落選/11 |
9→6=3減 |
東京 |
17 |
1 |
8.84→9.61 |
9位→8位/17 |
→8当選/9 |
7→5=2減 |
南関東 |
22 |
1 |
6.84→7.00 |
12位→12位/22 |
→12最下位当選/12 |
10→6=4減 |
東海 |
21 |
1 |
6.32→5.83 |
13位→12位/21 |
→12落選/11 |
9→6=3減 |
近畿 |
29 |
3 |
9.66→9.56 |
8、19、29位→8、16、26位 |
→8、16当選/16 |
11→9=2減 |
九州沖縄 |
21 |
1 |
5.80→5.27 |
15位→16位/21 |
→16落選/11 |
9→7=2減 |
計 |
180 |
9 |
7.25→7.03 |
→?/100 |
77→55 |
衆議院議員比例代表定数削減比率は、100÷180≒0.55となる。11ブロックの現定数×55%≒各ブロックの予想定数である。55%への機械的計算を、総選挙05年→09年結果ですれば、共産党議席当落予想はどうなるか。キーポイントは、定数削減法案成立後の次期総選挙における共産党の得票率、順位である。
共産党当選7ブロックだけを、55%への定数削減として推計する。05年、09年当選順位・得票率は、総務省HPデータにある。ただし、このデータは、次期総選挙における他党派得票率、順位の上下による共産党当落との相関関係を計算していない。
総選挙09年結果 総務省→(12)比例代表党派別議席配分表
総選挙05年結果 総務省→(12)比例代表党派別議席配分表
(1)、落選予想4ブロック
東北定数14→8に削減。05年13位→09年14位最下位当選→次期14位落選/予想定数8
北関東定数20→11に削減。05年12位→09年12位当選→次期12位落選/予想定数11
東海定数21→11に削減。05年13位→09年12位当選→次期12位落選/予想定数11
九州沖縄定数21→11に削減。05年15位→09年16位当選→次期16位落選/予想定数11
北関東・東海は、得票率がアップし、順位が上がれば、当選できる。しかし、北関東ブロックの得票率は、03年6.64%→05年6.64%→09年6.26%へとダウンした。東海ブロックの得票率は、03年6.73%→05年6.32%→09年5.83%へと連続ダウンしている。
(2)、当選予想3ブロック
東京定数17→9に削減。05年9位→09年8位当選→次期8位・最下位の1つ上当選/予想定数9
南関東定数22→12に削減。03年11位→05年12位→09年12位当選→次期12位最下位当選/予想定数12
近畿定数29→16に削減。05年8、19、29位→09年8、16、26位当選→次期8、16位最下位当選、1人落選/予想定数16
3ブロックで、5人→4人当選・1人落選の当落予想になる。
しかし、南関東ブロック立候補者志位和夫が、最下位当選12位でなく、13位以下に順位下落なら、共産党委員長は落選する。すでに、03年11位→05年・09年12位へと下落してきた。近畿ブロック2人目も最下位当選で、17位以下に順位下落なら、当選は1人のみになる。近畿ブロックの得票率は、03年10.75%→05年9.66%→09年9.56%へと連続ダウンしている。
共産党は、2013年まて4年間任期以内の次期総選挙も、選挙協力拒絶政党路線のままである。また、連立3党側からも、資本主義国最後に唯一残存するレーニン型前衛党=民主集中制・分派禁止規定堅持という党内民主主義抑圧政党にたいし、(1)個々の政府政策テーマでの賛同を求めることがあっても、(2)選挙協力・協定を呼び掛けることはありえない。
その時、09年に続き、総選挙得票率が5連続ダウンする確率が高い。すでに、総選挙・参院選・東京都議選において、得票率が10連続ダウンしている。2000年以降の10年間、共産党は3種類選挙において、得票率がアップしたことは一度もないからである。
『総選挙・参院選・東京都議選10連続惨敗データ』得票率10連続ダウン
そうなれば、日本共産党衆議院議席が、東京・近畿の2議席だけになり、共産党は衆議院において、自然死する展望が具体化する。自然死とは、私の規定として、衆議院議席が3以下に転落することを指す。3議席以下になれば、日本共産党は、国政への関与・影響力をほぼ喪失した泡沫政党となる。さらに、2008年のイタリアの共産主義諸政党と同じく、国会0議席政党へと消滅していく展望になるからである。
加藤哲郎『日本の社会主義運動の現在』末尾に「日本の社会主義の自然死」
もっとも、09年総選挙前、私は、東北・近畿3人目が落選し、共産党9→7議席に減ると推計していた。しかし、その2議席減予想は上記データのように外れた。
公示前、一人を除く、すべてのマスコミ・選挙評論家は、共産党議席が増えると予想した。その予想は外れた。『蟹工船』ブームと、志位和夫による党員毎月1000人入党・計19000人拡大=共産党大躍進中という党費納入拒否党員激増との相殺数値を隠蔽したペテン宣伝などに騙されたからである。その一人とは、森田実−政治選挙評論家・1958年共産党被除名者・反日共系全学連中央執行委員である。彼だけが、週刊朝日の公示前総選挙予想議席記事において、共産党9→9議席との予想を出していた。
定数削減法案成立後の次期総選挙において、有権者はどのような投票行動をするのか。(1)、政権交代要求実現のため、民主党に流れた自民党・公明党・共産党支持者たちが、民主党が勝ち過ぎたとして、従来の支持政党へのゆり戻し投票に変化する。または、(2)、民主党政権をさらに強め、安定させる方向で、自民党・公明党・共産党への投票には戻らない。それら有権者心理と投票行動の変化・分岐によって、私の共産党議席予想は、再び外れる可能性が当然ある。
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