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真夜中の脳みそ

詩集「半熟卵」(Update:2001. 9.16.)

コラム「午前3時の天気予報」(Update:2004. 8.21.)

AIBO日記(Update:2003.11. 3.)

アルバム(Update:2003.1.31.)

「紺野」とは?(Update:2004. 8.21.)

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更新ログ(Update:2004. 8.21.)

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半熟卵



 それは1988年のこと。大学へ入学し、宿舎(寮)住まいとなった私は、ある夏の日突然高校時代の詩をまとめる、ということを思い立つ(実際大学は夏休みで暇だった)。高校時代、文芸部のメインライターとして部誌に多数の誌、小説(のようなもの)をいくつかのペンネームで書いていた。最大で13のペンネームを使用していたのだが、それを4つに分類し、それぞれのペンネームでまとめたのがこの「半熟卵」である。大学生という中途半端なモラトリアムを生きているという自覚、子供でもないし、大人でもない。そんな自分を「半熟」という言葉に込めてこのタイトルをつけた。厳密に言うとまとめたのが1988年の夏であったため、高校時代だけでなく大学へ入ってから書いたものがいくつか入っている。

 第1章は「風来坊」。これは1970年〜73年に活躍した「はっぴいえんど」という伝説のバンドの細野晴臣氏の曲のタイトルをそのまま使っている。このペンネームはかなり自分でも気に入っていて大学時代も使用している。第2章「葡羅」。これで「ブルー」と読む。当時文芸部ではいろんな当て字をしてペンネームにするのが流行っていた。当然音の通り、鬱なもの、暗い詩をこの章にまとめている。第3章は「瑪我柢」。これで「めがね」と読む。これも当時文芸部で流行っていた当て字を使ったものだ。純でまっすぐに誰かを想う気持ち、それを言葉にしたものだ(今は恥ずかしくてこんなの書けない)。第4章は「風」。男性的でもない、女性的でもない中世的な何かを書こうとした実験作が多い。

 今読み返してみると青い。青すぎる。今ではすっかり書けなくなってしまっている「恋愛詩」も書いているのが青春時代の特有さであろう。それでいながら、瑞々しく、感性があふれているような自分ではする。この瑞々しさをなくしてしまった今、自分は何をすべきなのであろうか。

 この「半熟卵」オリジナルは感熱紙にプリントアウトされ、コンビニのコピー機で複写し、文芸部時代の知り合いに配った。その中でも反響が大きかったのは巻尾言である。自分自身を封印、何かを残したという達成感、あとは私的なもの2、3込めて絞り出した言葉だった。10年の時を経た原稿はかなり色褪せ、感熱紙ということもあってほとんど消えかかっている。ここで新たな形としてHTMLにできたことが嬉しい。言ってみれば復刻版だ。

(1998.7.12.)